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The End of The World 作者:コロタン
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第76話 感謝

  「さぁ着いたぞ!先に自衛隊の事務所に行って確認してくるから、少しだけ待っててくれねぇか!?」

  元気は俺達に告げ、足早に去って行った。

  「喜んでくれるのは嬉しいが、せっかちな奴だな・・・」

  「そうだな・・・。嵐の様な男だ」

  俺の言葉に渚は同意し、皆んなは唖然としながら頷いた。

  「それにしても、結構な規模だな・・・」

  俺は周りを見渡した。
  その場所は大きな広場で、そこにはいくつもの仮設住宅が並んでいる。
  密集して建っているため、数が多い。

  「なんと言うか、凄い数ですね・・・。これだけの人達が避難してきたなんて・・・」

  仮設住宅のある広場には多くの人がいる。
  遊び回る子供達がいるため長閑に見えなくも無いが、広場の空気は重く沈んでいる・・・。

  「あれだけの騒動だ・・・。生き残りがこれだけ居るのは嬉しい事だよ」

  俺は、広場の様子を見て呟いた由紀子に言った

  「おーい!確認してきたぞ!!」

  俺達が広場の入り口で待っていると、確認を終えた元気が手を振りながら走って来た。

  「あの人は遠くからでも目立つな・・・」

  俺がそう呟くと、皆んなは苦笑していた。

  「時間が掛かってすまねぇ!誠治が紹介されたのは、この先にある自衛隊の官舎だったらしい。俺の知り合いって事なら、場所も近いしどっちに滞在しても構わないって言ってたよ!どうする?俺としては誠治とゆっくり話したいんだが・・・。あの日あんたに会った奴等で生きてる奴は皆んなあんたに礼を言いたいって言ってたんだ・・・良かったら顔を見せてやってくれねぇか?」

  元気は遠慮がちに言って来た。
  俺としても、彼等の無事をこの目で確認したい。
  俺が美希達を見ると、笑顔で頷いてくれた。

  「じゃあ、お言葉に甘えて世話になろうかな!そっちに行く前に、自衛隊の事務所に挨拶してくるよ。せっかく紹介してくれたのに、挨拶も無しでは田尻さんや酒井さんに悪いしな!」

  俺は元気と共に事務所まで行き、挨拶を済ませて元気達の住んでいる仮設住宅に向かった。




  「おめぇら、今戻ったぞ!今日は客も一緒だ!!」

  元気が扉を開けて叫ぶと、中に居た人達が一斉にこっちを見た。

  (やばい・・・なんか気不味い・・・)

  俺がそう思っていると、後ろから唾を飲む音が聞こえた。
  皆んなは不安そうだ。

  「あんたは!?やっぱり生きてたんだな!?」

  俺に気付いた1人の男が近づいてきた。
  その男は、あの時元気と共にいた奴だ。

  「あぁ、あんたこそ無事て良かった・・・!」

  その男は俺に抱きつき背中を叩いてきた。
  他にもあの時会った男達が俺に近づき、口々に互いの無事を喜んだ。
  だが、あの日より3人少ない・・・。

  「あぁ・・・あいつらは死んだよ・・・。皆んな、あんたに感謝してた・・・。最期まで笑ってたよ・・・。だが、あんたが気にする事じゃないよ!あの日、あんたに会わなかったら、俺達も生きてなかった。ここに残ってるのは、あんたに礼を言いたいって奴ばっかりなんだ!」

  俺の視線に気付いた1人の男が周りを見渡して言ってきた。
  周りの人達は、俺達を見て微笑んでいる。

  「いつまでこっちに居るんだ?なんなら、あんた達の気の済むまでゆっくりして行ってくれ!良いよな!元気の旦那!?」

  「当然だろうが!お前ら、酒持ってこい!今日は飲むぞ!」

  元気が指示を出すと、彼等は一斉に動き出し、宴会の準備を始めた。
  テキパキとして手際が良い。

  (しっかり統率されてるな・・・)

  俺達も手伝おうとしたが、客にやらせる訳にいかないと言われ、部屋の隅で座って待った。

  「元気さんは慕われているんですね・・・」

  美希が彼等を見て呟いた。
  美希は微笑んでいる。

  「あぁ、誠治さんとはタイプは違うが、皆んなをしっかり引っ張っている。最初は粗野に見えたが、なかなか熱い漢だな!誠治さんは、何故彼等と共に行こうとはしなかったんだ?」

  「まだ他の人達を信用しきれなかったんだ・・・。俺は、彼等と出会う前に人を殺してるからな・・・。そいつに襲われたのもあって、信用出来なかったんだ・・・。でも、彼等と行かなかった事で渚さん達に出会えた・・・慶次と悠介は死んでしまったけど、俺は渚さん達に会えて良かったと思ってるよ!」

  不思議そうに聞いてきた渚に答えると、渚は顔を赤らめて照れた。

  「誠治さんはそんな所が駄目なんだ!優しいのは美徳だが、誠治さんのは度がすぎる!そんな事では、勘違いする女性が増えるぞ!?」

  俺は何故か渚に怒られた・・・。
  渚の視線の先を見ると、美希がジト目で俺を見ていた・・・。

  (どうすりゃ良いんだよ・・・)

  「わかったよ・・・以後気を付ける・・・」

  俺は項垂れて答えた。

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