挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
The End of The World 作者:コロタン
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

58/88

第57話 初体験

  俺達は、街の中を車で散策した。
  先程の作戦により、街の中の奴等は殆どいなくなっている。
  これなら、何日か滞在することも可能だろう。
  少なくとも、無線機が使えるか調べる余裕は出来た。

  「渚さんの作戦、大成功ですね!」

  「あぁ、渚大先生には感謝しないとな!」

  美希は街の様子を見て、嬉しそうな顔をしている。

  「次は休む場所の確保だが、ゆっくり休める所があれば良いな!」

  「そうですね・・・。私達はともかく、千枝はしっかりと休ませてあげたいですから」

  美希の言う通り、千枝は子供ながら頑張っている。
  辛くても、不満をもらさない。
  俺達の事を、あの子なりに気遣ってくれているのだ・・・。

  「そうだな・・・。千枝ちゃんは本当に良い子だ。あの子のためにも、早く安全な場所に行きたいな!」

  「はい!私も頑張りますよ!」

  美希は笑顔で答えた。






  俺達が、しばらく街の中を走っていると、小高い丘の上に大きな家があるのを発見し、その場所へと向かった。

  「豪邸だな・・・。夏帆の実家の3倍以上はあるぞ・・・」

  「ですね・・・正直、近くで見ると圧倒されますね・・・」

  俺と悠介は、その家のあまりの大きさに唖然とした・・・。
  塀も門もかなり頑丈で高い。
  これなら、奴等に囲まれても大丈夫そうだ。
  ただ、囲まれてしまうと出れなくなるので、見張りはしっかりとしないといけない。

  「門は閉まっているが、誰か居るのだろうか?」

  渚は呟き、インターホンを鳴らす。
  しばらく待っても応答が無い。

  「居ないようだな・・・。ちょっと探って見るか・・・」

  俺は、車のルーフを踏み台にし、塀をよじ登って敷地内を確認した。

  「見える位置には奴等は居ない!今門を開けるから待っててくれ!」

  俺は塀を乗り越え、門を開けた。

  「隆二と由紀子さんは、ここで通りを見張っててくれ!美希と千枝ちゃんは車の中で待機、俺と悠介と渚さんで敷地内の安全を確認する!」

  俺は、悠介と渚を連れて庭全体の確認をした。
  大きなガレージには高級車が5台あり、整備用の道具やマリンスポーツの機材などが置いてある。
  次に裏庭に向かったが、奴等の姿は無かった。
  俺達は一度門に戻り、隆二達に庭が安全である事を伝え、門を閉めた。

  「取り敢えず、庭は大丈夫だ。隆二と由紀子さん、美希達は念の為ガレージの前で待っててくれ。俺達は家の中を確認して、車のキーを探してくる」

  「了解です!誠治さんと渚さんは心配してませんが、悠介は気を付けろよ!」

  「ぐぬぬ・・・。言い返せないのが悔しい!」

  悠介は、隆二の言葉に歯ぎしりをしている。

  「ほら、悠介!行くぞ!」

  「ちょっと待って下さいよ・・・!」

  悠介は慌ててついてきた。
  渚は、そんな悠介を見て苦笑していた。





  「ここでちょっと待とう・・・」

  俺達は、デカい玄関の中に入り、その場で止まった。

      ガン!  ガン!  ガン!

  俺は靴棚をタイヤレバーで叩いた。

  「ふむ・・・。反応は無いな・・・」

  「ですね・・・。出て来ないみたいですし、中を確認しましょうか・・・」

  俺達は、奴等が出て来ない事を確認し、家の中を注意深く散策をした。
  各部屋のクローゼットなども開けて徹底的に安全確認をし、万が一にも危険が無いように時間をかけた。
  その途中、地下室や天井裏の部屋などを発見し確認したが、結局奴等は家の中にもいなかった。

  「なんだか拍子抜けだが、無駄な戦闘を回避出来たのはありがたいな!車のキーも手に入れたし、隆二達の元に戻ろう!」

  俺と悠介は渚に頷き、隆二達の元に戻った。






  「お帰りなさい!時間が掛かってましたが、どうでした?」

  「大丈夫だったよ。ただ、念の為に家の中を徹底的に回ったよ・・・」

  俺達に気付いた由紀子に安全を伝え、車の移動作業を行った。

  「外車ばっかりだな・・・。俺、外車は初めてなので、エンジンのかけ方や、シフトチェンジの方法が全くわかりませんよ・・・」

  隆二と悠介は頭を傾げている。

  「誠治さん・・・。私には無理だ・・・」

  渚は、泣きそうな顔をしていた・・・。

  (そうか・・・車もダメか・・・)

  「わかったよ・・・。俺がやるから、俺達の車を入れてくれ・・・」

  俺は隆二達に言い、ガレージの車を物色した。
  レンジローバーのイヴォーク、ジャガーのXF、フェラーリのFF、マセラッティのギブリ、ランチアのストラトス・・・。
  揃いも揃って名車や高級車ばかりだ・・・。
  ここにあるだけで5000万は軽く超えている・・・。

  (ストラトスとか生で見るの初めてだぞ・・・)

  俺はストラトスを見て心が踊った。

  「じゃあ、お願いします・・・」

  悠介達は、車を見ている俺に申し訳無さそうに言ってガレージから出た。
  確かに、外車のエンジン始動やシフトチェンジは特殊な物が多い。
  物によっては、エンジンスタートボタンや、パドルシフト、ボタンシフト、ダイヤルシフトなど様々だ。
  エンジンスタートボタンとパドルシフトは最近の日本車でも主流になってきているが、ボタンシフトやダイヤルシフトは、日本車ではまだ普及していない。
  改造パーツを使えば別だが・・・。
  それに、ストラトスのエンジンはキャブレター式だ。
  加速ポンプの有無で工程が多少は変わるが、キャブレター式のエンジンの始動にはコツがいるので、悠介達には難しいだろう・・・。

  「誠治さん、よく運転出来ますね・・・。俺、左ハンドルのマニュアルとか絶対に運転出来ないですよ・・・」

  俺が窮屈な体勢でストラトスを動かしていると、隆二が感心したように聞いてきた。

  「大学生の時、ガソリンスタンドでバイトしてたし、もう手放したけど、俺がこの前まで乗ってた車も、アメ車の69年式で、ビッグブロックの454cin・・・日本の排気量では7400ccのエンジンを積んでて、アイアンバンパーの付いてるコルベット・スティングレイだったしな・・・排気量税が凄まじかったよ・・・。それと、左ハンドルのマニュアルは、シートとシフトノブの位置が右ハンドルと逆なだけで、ペダルの並びは一緒だぞ?」

  「マジですか・・・。金持ってたんですね・・・。誠治さんは簡単そうに言ってますけど、ペダルの並びが一緒でも、頭が混乱しそうですよ・・・」

  「夏帆と付き合うまでは、趣味にしか金を使わなかったからな・・・。まぁ、独身貴族ってやつだよ!それより、俺が教えるから、お前も運転してみるか?左ハンドルは慣れれば運転しやすいぞ?狭い道で離合する時はギリギリまで寄せられるし、縦列駐車もやりやすいぞ!試しに、レンジローバーに乗ってみろ!車高が高いから、周りを見渡し易い分運転しやすいはずだ!」

  俺が隆二と話していると、悠介もやって来たので、2人一緒に教えてやった。

  「確かに、思ったよりも運転しやすいですね・・・。でも、実際に道路を走るのは怖そうです・・・」

  「お前等は原付に乗った事はあるよな?左ハンドルで公道を走るのは、あの感覚に近いぞ?左に寄って走るのを意識すれば良いだけだからな!」

  「おぉ!確かに、それなら解りやすいですね!」

  2人は感嘆の声をあげた。

  「盛り上がってるところに悪いんだが・・・。早くしないか?そろそろ陽が落ちるぞ・・・」

  声のした方を見ると、渚達女性陣は退屈そうに座っていた・・・。

  「あ・・・すんません・・・。さっさと終わらせます・・・」

  渚達女性陣は、平謝りする俺達を白い目で見ていた・・・。

  
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ