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The End of The World 作者:コロタン
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第45話 川の字

  俺と慶次がシャワーを終えて休憩室に戻ると、既に夕飯の準備が整っていた。

  「すまない、待たせたか?」

  「あっ!おじちゃん!私も手伝ったんだよ!!」

  休憩室の扉を開けると、俺に気付いた千枝が走り寄り、俺の身体に抱きついた。

  「そうか、千枝ちゃんはお利口さんだな!千枝ちゃんのおかげで、皆んな助かってるよ!」

  俺は、しゃがんで千枝を抱き締め、彼女の洗いたての髪を撫でてやる。
  皆んなは、それを微笑ましく見ている。

  「じゃあ、千枝ちゃんのおかげで準備は終わってるみたいだし、皆んなもお腹が空いてるだろうから、早速食べようか!」

  俺達は夕飯を食べ始めた。
  昨日の夜はお通夜みたいで食が進まなかったらしく、その反動か、今日は皆んな明るい。
  食事をする時の席順は、何故か決まっている・・・。
  俺の左に千枝、その隣に千枝を挟むように美希が座る。
  悠介は俺の右側が定位置だ。
  渚達はその時次第で変わるが、基本的に渚は千枝の正面だ・・・。
  美味しそうに食べる千枝の姿を見るのが幸せらしい・・・。
  彼女は本当にブレない・・・。
  隆二と由紀子は付き合っているので、常に隣同士だ。
  慶次はいつも端に座っている。

  「千枝ちゃん、美味しいかい?ごめんな、レトルトや缶詰ばかりになってしまうけど、我慢してくれ・・・」

  「皆んなと一緒だから大丈夫!美味しいよ!」

  千枝は、俺の言葉に笑顔で返してくれた。

  (千枝ちゃんマジ天使!ラブリーマイエンジェル千枝ちゃん!!)

  俺は千枝の頭を撫でながら、心の中で叫んだ。
  渚は、千枝の言葉を聞いて感極まり、目頭を押さえている・・・。

  (本当にブレないなこの人・・・)

  俺は内心呆れた。

  「さて、今夜の見張りのシフトと明日の予定だが、今のうちに決めておきたい・・・。夕飯の後は、それぞれ自由にして欲しい。皆んな疲れてるだろうから、仮眠をとるなりしてゆっくりしてくれ。取り敢えず、見張りは0時から2人組の3交代で、俺が2回入る予定だ」

  俺は夕飯を食べ始めてしばらくしてから、皆んなに提案した。

  「大丈夫なんですか?それだと、誠治さんの負担が・・・」

  隆二が俺を気遣ってくれた。

  「あぁ・・・。だから、この後の自由時間は仮眠を取るつもりだ。だから、心配無い・・・組み分けはどうしようか?」

  「そうだな、慶次と隆二は一緒が良いと思う・・・。兄弟だから、いざという時に連携も容易だろう。だから、私と悠介君の時に入ってくれるか?」

  渚の提案は的確だ。

  「悠介の事は、他の見張りのメンバーの中では、1番付き合いが長いからな・・・。それが良いかも知れないな。順番は最初に渚さんと俺、次に慶次さんと隆二君、最後が悠介と俺でどうだ?それなら、慶次さん達も最後にゆっくり出来ると思うが・・・」

  「あぁ、それで良い。隆二も大丈夫だな?」

  「大丈夫だよ兄貴!」

  慶次達も了承してくれた。

  「次に明日の予定だが、まずは車の窓に遮光フィルムとカーテンを取り付けたい。渚さんと隆二君、美希には説明したが、それらを取り付ける事で、奴等の目を欺けるか試したいのが理由だ。もし、それでも駄目なら、取り外す・・・視界が悪くなってしまうからな」

  「確かに、それは試してみたいですね!やり過ごせるなら、無駄な戦闘を避けられますし、もし奴等の集団を見つけたとしても、燃料の節約にもなりますからね!」

  「その通りだよ。人も燃料も限られているからね・・・。戦えば危険だし、逃げれば燃料も減る・・・」

  俺は、説明を聞いて明るく言った由紀子の言葉を肯定した。

  「取り付けにどれだけ時間が掛かるかわからないから、残った時間を見てから午後の予定は決めようと思う・・・」

  なにぶん3台もある・・・。
  始めて自分でやるので、どれだけ時間が掛かるかわからない。

  「了解だ。なら、そろそろお開きにするか」

  渚の言葉を合図に、皆んな席から立ち上がり、それぞれ自由な時間を満喫した。





  俺が仮眠室で横になっていると、美希がやって来た。

  「誠治さん、まだ起きてますか?」

  「あぁ、大丈夫だよ・・・どうかしたのか?」

  遠慮がちに話し掛けて来た美希を部屋に招き、俺は起き上がった。

  「いえ、シャワーを浴びてる時に、昨日の事で慶次さんに何か言われたかなと思って・・・。私は由紀子さんに聞かれたので、誠治さんはどうだったのかなって・・・私は一応はぐらかしましたけど・・・」

  「俺もはぐらかしたよ・・・。慶次さんには言っても良かったんだけどね・・・。でも、もしそれで士気に悪影響が出たら困るから、一応は黙っておいたよ・・・。だけど、美希が俺の事を好きだって事は、皆んなは知ってたみたいだよ?」

  「はい・・・私も由紀子さんに言われました・・・。恥ずかしくて顔から火が出そうでしたよ・・・。応援してるって言ってくれました・・・」

  美希は耳まで真っ赤だ。

  「彼にも、もしそうなったら祝福するって言って貰えたよ。寡黙であまり感情を表に出さないけど、しっかりと周りを見てるよな彼は・・・」

  「はい、頼もしいです」

  俺達は、優しい仲間達を頼もしく思いながら、しばらく話をした。

  「あっ!邪魔しちゃってすみません・・・ゆっくり休んでくださいね!」

  「おじちゃん、もう寝ちゃった?」

  美希が俺に謝り部屋を出ようとすると、扉を開けて千枝が顔を覗かせた。

  「やぁ千枝ちゃん、まだ大丈夫だよ。どうしたんだい?」

  「良かったら、一緒に寝ても良い?」

  俺が問いかけると、千枝は遠慮がちに聞いて来た。

  「あぁ、良いよ!俺が見張りに行くまでなら大丈夫だから、こっちにおいで!」

  「やったー!おじちゃん大好き!!」

  俺が千枝を手招きすると、顔を明るくして寄ってきて、俺の隣に寝転んだ。

  「良いなぁ・・・」

  美希は、千枝を羨ましそうに見て、小さく呟いた。

  「美希もおいで!たまには3人で寝よう!」

  俺がそう言うと、美希も寝転んだ。
  千枝を挟んで川の字になっている。
  千枝は、美希も一緒に寝ると知って、とても喜んだ。

  「じゃあ、おやすみ・・・」

  千枝が寝付いたのを見て、俺は周りを確認してから、美希とキスをして眠りについた。






  
  
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