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The End of The World 作者:コロタン
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第26話 偵察

  俺達は、悠介と千枝が起きるのを待って、朝食を摂りつつ見張りの間にあった事を話した。

  「何で俺と千枝を起こして逃げようとはしなかったんですか・・・?」

  「起こして逃げるにしても、もしあれだけの奴等に囲まれたら、確実に全滅する・・・そう判断したんだ。 奴等に気付かれ、襲撃を受けたなら話は別だが、そうでないなら慌てる必要は無い・・・俺達が動けば音が出る。 それが奴等に聞かれたら元も子もないからな・・・」

  俺は、深刻な表情で聞いて来た悠介に答えた。
  悠介は黙っているが、納得してくれたようだ。

  「それで、今日の予定だが・・・皆んなには、この家の中やガレージに使えそうな物が無いか探しておいて欲しい・・・早ければ、明日には此処を離れようと思う・・・」

  俺は皆んなに頼んだ。

  「誠治さんはどうするんですか・・・?」

  「俺は・・・奴等が何処に行ったか探ろうと思う・・・もし、俺が今日中に帰ってこなかったら・・・明日の朝まで待って、それでも俺が戻らなかった時は・・・君達だけで此処を出てくれ・・・」

  俺は彼等に告げ、美希が何か言おうとしたが、俺はそのまま席を立った・・・。





  俺は今、昨夜の奴等が進んで行った方に向け、慎重に歩を進めている・・・。
  奴等が今どの辺りにいるか把握するためだ。
  もし、あの家を明日離れるとしても、どの場所に奴等が集中しているかを把握しておかなければ、奴等の集団に出くわす可能性がある。

  「何処だ・・・何処に行った・・・!?」

  俺は若干焦っている・・・。
  一昨日実戦訓練をした時より、奴等の数が増えているからだ。
  今いる場所は、夏帆の家から徒歩で30分ほどの所だが、すでに20体以上倒している。
  囲まれる程ではなかったが、戦う回数が増えれば、それだけ心身共に神経をすり減らす。

  「もしかして、あのデカい建物の所か・・・?」

  俺が辺りを注意しながら進んでいると、家々の隙間から大きな建物が目に入り、そちらへ向かった。

  「うおっ・・・!?」

  俺は、その建物に向かう最後の角を曲がって、目の前の光景を見て驚き、すぐさま壁の影に隠れた。

  「・・・いやがった。 凄い数だな・・・あれは、学校か・・・?」

  俺は奴等に注意しつつその建物を確認し、それが学校である事を知った。
  屋上や建物の窓からは、生きた人間と思しき人影が外を見ているのがわかる・・・。

  「昨夜の男達は此処を拠点にしてるのか? それとも、此処のグループと敵対している相手か?」

  俺は小さく呟き、その場を離れる。
  奴等の場所がわかったのだ・・・ならば、長居は無用だ。

  「逃げる時は、この近くは避けよう・・・」

  俺は、海沿いまでのルートの変更を模索しながら、悠介達の待つ家へと急いだ。





  「誠治さん、お帰りなさい!!」

  俺が家に帰り着くと、玄関の外で美希が待っていた。
  美希は俺が帰って来た事に安堵し、走り寄って抱きついて来た。
  その瞳には涙が浮かんでいる。
  そして、柔らかいものが2つ俺の腹部に当たっている。
  俺は少し気恥ずかしい気持ちになり、美希を離そうとするが、なかなか離れない・・・。

  「ごめん、心配かけたね・・・ただいま」

  俺は抱き着いたままの美希の髪を優しく撫でてやる。
  美希の髪はふわふわしていて触り心地が良い。
  夏帆の髪とはまた違った感触だ。

  「誠治さん・・・あの話の後、何だか怖い顔をして出て行ったので、私、心配で・・・」

  美希は抱き着いたまま顔を上げ、震える声で呟く・・・。

  「あれだけの数だったから・・・もし誠治さんが囲まれたらって思うと不安で・・・」

  美希は涙を流し、俺の胸に顔を埋める・・・。

  「不安にさせてごめんね・・・でも、逃げる時のために、どうしても確認しとかなくちゃいけなかったんだ・・・。 もし君達と一緒に逃げてる最中に、奴等に囲まれたら・・・俺は、もう二度と大切な人達を失いたくない・・・だから、どんな事であれ、万全を期したい・・・」

  例え、俺自身の身に何が起ころうと、彼等のためなら些細な事だ。
  その結果、俺が死ぬ事になっても、俺は彼等に生きて貰いたい・・・俺は九州に辿り着けなくとも、彼等にはなんとしても辿り着いて欲しい・・・そう思いながら、美希を抱き締めて言った・・・。

  玄関の中で人の気配がする・・・悠介だろう・・・たぶん、俺と美希に気を遣ってくれているのだ。

  「そろそろ、中に入ろうか・・・? 悠介達も待ってるだろうし・・・」

  俺が優しく言うと、美希は涙を拭って頷いた。

  「ただいま!」

  俺は元気よく言い、美希の手を引いて中に入った。
  家族思いで、ちょっと抜けてるが頼りになる弟分の悠介と、優しく、何事にも頑張ってくれる、可愛い娘のような千枝の元に、足早に向かって行った。
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