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The End of The World 作者:コロタン
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第25話 異変

  午後9時半、俺は今、美希と2人きりでリビングにいる。
  悠介は千枝と一緒に寝ている。
  今日の見張りは俺と美希だ。
  まず、10時から翌2時までが美希、その後7時までが俺だ。
  俺の方が時間が長いが、それはまぁ、女性に無理をさせるのは良くないから仕方がない。

  「誠治さんは、前は普通の会社員だったんですよね?」

  「そうだよ。 どうかした?」

  「いえ・・・なんか、奴等と戦う時も冷静なので、何か元々そういった仕事をしてたのかと思ってましたよ・・・」

  「いや、こんな風に戦ったり出来るようになったのは、この騒動が起きてからだよ」

  そろそろ10時、最初の見張りの時間だ。

  「あっ、そろそろ時間ですね! じゃあ、誠治さんは仮眠しててください!」

  「あぁ、それじゃあお願いするよ・・・何かあったり、異変を感じたらすぐに教えてくれ」

  「わかりました、誠治さん、おやすみなさい」

  俺は美希に後をお願いして仮眠する事にした。





  「美希ちゃん、異常は無いかい?」

  「あっ、誠治さん。 交代まではまだ時間がありますよ? 只でさえ誠治さんの方が負担が多いのに・・・身体壊しちゃいますよ・・・?」

  予定の時間より早く起きて来た俺に、美希が心配そうに顔を覗き込んで言った。

  「結構ぐっすりと寝れたから大丈夫だよ。 心配してくれてありがとう」

  「そうですか・・・それなら良いですけど・・・とりあえず、コーヒー飲みますか?」

  美希がそう言い、コーヒーを淹れてくれた。

  「ありがとう、助かるよ・・・」

  俺は美希からカップを受け取り、一口飲んだ・・・うん・・・滅茶苦茶甘い!

  美希は、昨日の仕返しとして、激甘コーヒーを淹れてきたのだ。
  美希は、チラチラと俺の反応を確認してくる・・・。

  「うん、美味しいよ。 ありがとう」

  俺は平静を装って美希に言った。
  口の中が凄く甘い・・・歯が溶けそうな甘さだ・・・どんだけ砂糖入れたんだ・・・?
  飲み干すと、カップの底に大量の砂糖が残っている・・・。

  「えっ!? 砂糖を10杯入れたんですよ!!?」

  美希が驚愕しながら言った・・・砂糖10杯って・・・俺を糖尿病にでもさせるつもりか!?

  「美希ちゃん、糖分の摂り過ぎは身体に毒だよ?」

  俺がニヤリと笑ってそう言うと、美希はムスッとして頰をふくらましていた。

  「残念だったね。 でも、甘過ぎて歯が溶けそうだよ・・・まだ口の中が甘ったるいよ・・・」

  俺はそう言って美希の機嫌をとってやると、美希の顔が明るくなった。
  こう言うところはまだ年相応と言うか、高校生らしい。
  この位の余裕はあった方が良い。
  その方が俺も助かるし、嬉しい・・・美希だけじゃなく、悠介や千枝も、出来る事なら彼等にも今のままでいて欲しい。

  「えへへ・・・すみません」

  美希ははにかんで言って来た。

  「どうだった? 異常は無かったかい?」

  俺は普通のブラックコーヒーを淹れながら美希に聞いた。
  美希のコーヒーも準備して渡してやる。

  「大丈夫でしたよ。 本当にあんな騒動があったのかなって思っちゃいます・・・」

  美希の言う通り、夏帆の実家に来てからは、これと言って問題は起きていない。
  あったとすれば、一昨日実戦訓練として、外に出た時くらいだが、それも被害は全く無かった。
  美希がそう思ってしまうのも無理はないのかもしれない・・・。

  「まぁ、問題がないのは良い事だよ! そろそろ交代の時間だね・・・後は俺に任せて、ゆっくり休んでくれ」

  「はい、お願いしますね! 誠治さん、おやすみなさい」

  俺は美希がリビングから出て行くのを待って、マチェットとタイヤレバーを持って庭に出た。
  悠介と美希には庭の見張りはさせていない。
  何かあった時、彼等が対処できるか心配だからだ・・・。

  「取り敢えず、裏庭も異常無しだな・・・一度中に入るか・・・」

  俺は、表と裏庭の見回りを終え、一旦家に戻ろうとした時、異変が起きた・・・。

  「何だ・・・?人の声・・・!?」

  俺は門に近づき、外の音に気を配る・・・。

  「おい・・・急げ! 奴等がすぐそこまで来てるぞ!!」

  「あぁ・・・解ってるよ! くそっ・・・しくじっちまったな・・・」

  通りを2人の男が走り去って行く・・・。
  俺は、門を塞いでいる夏帆の父親の車の上に乗り、通りを確認する。

  「何だあの数は・・・!?」

  俺は通りを見て愕然とした・・・。
  男達が走り去った後、おびただしい数の奴等が現れた・・・。

  「ありゃあ20や30じゃ済まないぞ・・・あいつら何をやらかしたんだ・・・!?」

  「誠治さん、どうかしたんですか? なかなか寝付けなくて、リビングに行ったら居なかったので・・・」

  俺が通りに気を取られていると、美希が出て来て話し掛けて来た・・・。
  美希はこの状況を知らない。
  俺は美希にジェスチャーで静かにする様に指示し、車の上に手招きをした。

  「ひっ・・・!? 何があったんですか、これ・・・!?」

  美希が通りの状況を見て、顔を青くする・・・。
  俺と美希は音を立てないように車から降り、静かに門から離れた。

  「さっき、2人の男達が通りを走り去った後、奴等が現れたんだ・・・外がこの状況だと今日も此処に居た方が良いと思う・・・悠介には朝説明しよう・・・」

  「・・・わかりました」

  「美希ちゃんは戻って休んでてくれ・・・もし何かあった時には合図するから、悠介と千枝と一緒にガレージに来てくれ・・・俺はもう少し様子を見てから戻る・・・」

  俺達は小さな声で話し合い、美希を家に戻した。

  「もう一度通りを確認するか・・・」

  俺は門の前にある車の上からもう一度通りを見た・・・。
  奴等の集団はすでに通り過ぎ、今はその残りが数体歩いているだけだ。

  「取り敢えずは一安心か・・・一度中に戻ろう・・・」

  俺は小さく呟き、静かに家に戻った。


  


  
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