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The End of The World 作者:コロタン
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第23話 生へのルート

  「今日も何事も無かったな」

  時刻は午前6時、俺は今、交代で夜の見張りをしている。
  昨日は悠介と美希にやって貰ったので、今日は俺と悠介で、明日は俺と美希が当番だ。
  悠介とは1時間前に交代し、これが最後の見張りになる。
  そろそろ美希が起きてくる時間だが、果たして起きられるのだろうか・・・?

  「昨夜はアルバムを見てて寝るのが遅かったからな・・・」

  昨夜、夏帆の部屋の前で俺が右往左往していると、美希が現れ、ほぼ無理やり中に入らされたのだ・・・そして、アルバムを見つけ、夜中の1時頃まで飽きずに見ていたのだ。

  「誠治さん・・・おはようございます・・・」

  美希が起きてきた・・・時間通りだが、まだ眠そうだ。

  「あぁ、おはよう美希ちゃん・・・まだ眠そうだね。 なんだったら、まだ寝てても良いよ? 悠介もまだ寝るだろうし」

  「いえ、大丈夫です・・・ただ寝惚けてるだけですから・・・」

  俺の言葉に美希が返してきた。
  俺は、美希に温かいコーヒーを淹れてやった。

  「ありがとうございます・・・」

  美希はコーヒーを受け取り、一口飲む・・・。

  「ぶっ・・・! に・・・苦い!! 何ですかこれ!!?」

  美希はコーヒーを吹き出した。

  「目が覚めたかい? それはコーヒーエキスだよ・・・コーヒー豆を、熱水で圧力をかけながら抽出するんだ。 薄めたり、アイスにかけても良いけど、俺は眠気覚ましに飲んでるよ」

  「誠治さん・・・酷いです! まだ口の中が苦いですよぉ・・・」

  説明した俺を、目に涙を浮かべ、恨みがましい目で美希が見てくる。

  「でも、目は覚めただろ?」

  俺はニヤリと笑って言った。

  「確かに目は覚めましたけど、これは二度とゴメンですね・・・」

  「そうか? 慣れると結構美味しいよ?」

  肩を落とす美希に、俺は普通に答えた。
  俺と美希がとりとめのない会話をしていると、千枝が起きてきた。

  「お姉ちゃん、おじちゃん、おはようございます!・・・おじちゃん達、何飲んでるの? わたしも飲みたい!!」

  「ダメだよ千枝! 毒だよ!!」

  コーヒーが気になった千枝を美希が止める・・・。

  (毒ってなんだよ・・・)

  「おじちゃん・・・大丈夫・・・?」

  信じた千枝が俺の心配をしてくれた・・・本当に良い子だ・・・夏帆が居たら、絶対に「誠治さん! 私、あんな子供が欲しい!!」と言ってきただろう。

  「美希ちゃん、嘘はいけないよ?」

  「だって・・・それ、カフェインの摂り過ぎじゃないですか? 摂り過ぎたら危ないと思いますよ?」

  注意した俺に、美希はいけしゃあしゃあと言ってきた・・・。

  (ぐぬぬ・・・ああ言えばこう言う・・・!)

  美希は勝ち誇った目で見てきた・・・。





  「皆んな、今日の予定なんだけど、午前中は武器の扱いの復習をして、午後は逃走ルートの話し合いをしたいんだが、良いかな?」

  俺は、朝食を食べながら皆んなに聞いた。

  「良いですけど、今日は外には行かないんですか?」

  「いや・・・昨日の今日だしな・・・」

  聞いてきた悠介に俺が答えると、美希は複雑そうな顔をしていた。
  悠介はそれに気付き、やっちまった・・・という顔をして肩を落としている。

  「まぁ、仕方ない事だから、2人とも気にするな・・・。 それじゃあ、話を戻すが・・・この家にある食料も残り少ない。 それに、今はまだ良いが、このまま此処に居続けると、先日の奴等みたいなのが勘付く恐れもある・・・家はガレージと違って守るべき場所が多過ぎるから、かえって危険だ。 だから、此処に滞在するにしても、あと数日になるだろう」

  俺は2人に納得して貰えるように、なるべく解りやすく説明した。

  「そうですね・・・確かに、家だと窓やドアが多いので、私達だけじゃ守りきれませんから・・・」

  「それが良いかもしれないですね・・・」

  2人は納得し、今日の予定がきまった。





  俺達は、午前中の訓練を終え、リビングで昼食を済ませた後、テーブルに地図を広げて話し合いを始めた。

  「まず、俺の案は海沿いに行き、そこから南下するというものだ。 市街地を避ける事で、奴等との遭遇を極力回避するのが目的だ。 だが、距離と時間が多くなるというデメリットもある」

  「市街地を避けるなら、高速道路はダメなんですか?」

  俺の案に対する疑問点を美希が聞いてきた。

  「高速道路は使わない・・・いや、使えないと予想している。 確かに、陸路で行くなら高速道路は魅力的だ。 最短距離で行ける上に市街地を殆ど通らない・・・だが、それは多くの人が考えるだろう・・・そして、皆んなが高速道路に集中したらどうなるか・・・大渋滞だ。 高速道路という閉鎖空間に、多くの人がいるとなれば、奴等が集まる・・・そうなってしまえば、後は地獄だ・・・」

  俺の説明を聞いて美希の顔が青くなる。
  彼女の考えている通り、高速道路が便利なのは事実だ。
  だが、逃げ惑う人達が奴等に襲われ、車を放置して去った場合、放置された車を動かしながら進んでいては奴等に見つかってしまう。
  しかも、渋滞を起こしたままの車に邪魔をされた状態では、自分達の車も使えない。
  もし、そんな場所に奴等の集団がいたら、逃げる事は不可能に近い。

  「すみません・・・考えが足りなかったです・・・」

  「いや、俺が考え過ぎてるだけかもしれないから、気にしないでくれ」

  俯く美希に、俺は優しく言った。

  「あと、海沿いを行くのには、もう一つ理由がある・・・俺は、途中から船を使いたいと思っているんだ・・・」

  2人は黙って俺の言葉を聞いている。

  「まず、九州・四国・北海道が安全と言われているのは、海で隔てられているからだ・・・だが、例外がある・・・それは橋やトンネルだ。 その2種類は海を渡る事の出来る唯一の陸路だ・・・だが、そこは奴等が集中している可能性が極めて高い・・・もし、奴等の進入を防ぐ為に、橋やトンネルが閉鎖されたり堕とされていたら、俺達は帰る術が無くなる・・・だからこそ、船を使いたい・・・」

  俺は2人の顔を見る。
  2人は俺を見て無言で・・・しかし、力強く頷いた。



  
  
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