第7話 衝撃の光景
「しっかし、集まりすぎだろう? もう誰がどこの奴かもわかんねーよ」
トシヤは応援に来てくれた連中を見て言う。
「大城さん、この人たちは知り合いなの?」
トモコはただ驚いていた。
「全員ってわけじゃないけど、一応知り合い。あんたのためにこれだけ集まってくれたんだぜ。奴らに感謝しろよ。あのアホどもを捕まえるのを手伝ってくれたんだからな」
「トシヤ! なにテメーだけいいカッコしてんだ! おれらにもその子紹介しろや!」
周りの連中が騒ぎ出す。
「そうだぞ! おいしいとこ一人でもってくんじゃねーよ!」
「あんたら、ちょっとうるさいよ!」
人ごみの中から女の声がした。
その声を聞いて周りの連中は黙り込んだ。
「トシヤ! 久しぶりじゃないか。元気だったか?」
白い特攻服を着た女性がトシヤに話しかける。
「アキ姉! 来てたのかよ! 誰が呼んだんだ?」
彼女は吉岡アキ、19歳、イナズマという女だけのチームの頭をやっている。顔はおっとりとした美人で穏やかそうに見えるのだが、一度スイッチが入ると止められない人である。
「あたしが呼んだんだよ。」
サヤカが答える。
「サヤカ! お前もいたのかよ! てっきりお前のことだから家で寝てるかと思ってたのに。これはびっくりだ!」
「ふざけてんのか! テメーは! あんたが体張ってまで助けた女って聞いたから、興味があって来てみれば、あたしのことをババア扱いする。アキ姉、こいつ酷いだろう?」
サヤカはアキの腕にしがみつく。
「ふふっ、二人とも相変わらずなんだね」
トシヤとサヤカを見て微笑むアキ。
「ところで、この子かい? 脅されてた子っていうのは」
アキはトモコに近づき顔をじっと見る。
「ああ。そうだよ。なかなか根性あるぜ。見た目と違って。」
「ふーん。いいねー。こっちの子は?」
アキはマイの方を見る。
「その子は友達だよ。本当はここにいるはずじゃなかったんだけど、ケイスケがドジ踏んだせいで来ちゃったんだ。アキ姉、後でケイスケになんか言っといてよ。あいつ全然反省しないから」
「またケイスケの奴か。あいつも変わってないんだね。肝心な所でやらかすクセ。ふふっ! まあいいや。サヤカ、二人ともいいと思うよ」
アキはサヤカを見る。
「あんたら、ちょっとついてきてよ。すぐ済むからさ」
サヤカはマイとトモコを連れていこうとする。
「おい! サヤカ! どうするつもりだ?」
トシヤはサヤカを見る。
アキはトシヤの肩を叩く。
「ここはサヤカに任せときなって。女同士にしかわからないこともあるんだから。なっ?」
アキはトシヤをなだめる。
アキ姉とサヤカのコンビは大抵驚くような結果になるんだよな。
「わかったよ。任せることにする」
しぶしぶだが承認するトシヤ。
「偉い、偉い! 大人になったねー」
トシヤの頭をなでなでするアキ。
「やめてくれ! 恥ずかしい! おれは何歳児だ!」
抵抗するトシヤ。
「ははははっ! 子供がいる! 大きな体をした子供がいるぞ! あははははっ!」
集団の中から大きな声で笑う男がいた。
トシヤはその男を視認する。
「あっ! イチローじゃねーか! お前来てるんなら早く声かけろよ!」
トシヤは大声で言う。
イチローと呼ばれる男は190はあるぐらいの大柄な体格をしていた。
「あはははっ! よう! 少年、チョコレート食べるか? あははははっ!」
トシヤに近づきチョコを渡そうとするイチロー。
彼の名前は大沢イチロー、17歳、彼はモンスターと呼ばれるチームの一人。名前の通り怪物クラスにケンカが強い集団。
「いつまで、ふざけてんだ! しかもほんとに出してんじゃねーよ!」
「それじゃ、これはどうかな? 受け取ってください! トシヤさん!」
両手でチョコを突き出すイチロー。
「だからいらねーし! バレンタインデーじゃねーんだよ! それで乙女のつもりか!」
激しく突っ込むトシヤ。
「あははははっ! そう怒るなよ。せっかく来たのに」
「まさか、本当に来てくれるとは思わなかったぜ!」
ニッと笑うトシヤ。
「うちのチームの連中も誘ったんだが、忙しくてな! で? 早く例のアホどもの顔が見てーんだけどよ」
拳を鳴らすイチロー。
「お前一人いれば十分だよ。他にも来てたら、あいつら死んじゃうぜ。アツシが来るまでもう少し待っててくれ」
応援に来た連中は驚いていた。
「マジかよ! 用心棒にモンスター、あとイナズマ。すごいのが揃ったな! 犯人たちがかわいそうになってきたぜ」
大勢の一人がつぶやいた。
「おやおや! アキ姉! それにイチロー! なんでここにいるの? まさか! 偶然の再会! 運命の出会いって奴!」
衝撃を受けたように驚くケイスケ。
「ケイスケ! トシヤから聞いたぞ! お前仲間に迷惑かけんじゃねーよ!」
アキはケイスケを叱る。
しかし、アキの話を聞いていないケイスケ。
「なんてこった! アキ姉とイチローが付き合ってたとは! なんで教えてくれなかったんだよ!」
ケイスケはイチローに掴みかかる。
「あははははっ! トシヤ! お前の他にも子供がもう一人いたぞ! あははははっ!」
イチローは笑っていた。
「ケイスケ! 落ち着け! 二人とも呼ばれて来たんだよ! 先走るな!」
トシヤはケイスケとイチローの間に入る。
「アキ姉! 本当なのか! おれの目を見て答えてくれ!」
ケイスケはアキを見る。
「お前、前より頭悪くなったな。トシヤには会えて嬉しいと思ったけど、ケイスケ、お前には失望したよ。本当にがっかりだよ」
悲しい表情をするアキ。
「そんなこと言わないでよ! お願いだから、見捨てないでよ!」
ケイスケは泣きながらアキに抱きつく。
「いやああ! どこ触ってんだ! 離さないと埋めるぞ!」
アキは叫び声を上げる。
ケイスケ、ある意味お前すげーよ! 特攻服を着た気合バリバリの姉ちゃんの胸に抱きつき、泣くなんて、普通じゃできねーよ!
トシヤはその光景に驚いていた。
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