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その女にご用心!
作:ネガティブダイスケ



第4話 脅迫


マイは自分の教室に戻ってきた。
「マイ、どこ行ってたの? もう私お腹ペコペコなんだけど」
トモコはお腹をおさえていた。

「トモコ、ごめんね。実は私、今さっき大城さんに会ってきたんだ」
どこか嬉しそうな表情で話すマイ。

「あー、例の助けてくれた人ね。それで、わざわざお礼を言いに行ってきたわけ?」
トモコはパックの牛乳を飲む。

「うん、それもあったんだけど、私、大城さんと付き合うことになったの」
照れているマイ。
ブーーーー!
トモコは隣の席に座っていた男子の顔に向かって牛乳を吹いた。
「ちょっと! あんたは一体何を考えてんのよ! 助けてもらったら付き合わなきゃいけない法律でもあるわけ! まさか! 脅迫されたのね! なんて奴! 許せない!」

「トモコ、隣! 見て! 怒ってるわよ!」
あせっているマイ。

「おい! 川澄! 何しやがる! おれになんか恨みでもあんのか!」
隣の男子は牛乳を顔からポタポタと垂らしながら、怒っていた。

「うるさいわね! 牛乳はお肌にいいのよ! 今女子の間で牛乳を顔に吹くのが流行ってるの知らないの? あんた明日には美白になって女の子にモテモテよ!」

それはびっくりだわ! 私も初めて知ったわ!

「えっ! マジかよ! ちょっとおれ鏡見てくるよ!」
隣の男子は急ぎ足で教室を出て行った。

「ふっ! 奴は単純ね! 間違いなくバカだわ。ってそれどころじゃなかった。私ちょっと行ってくる。」

トモコ、ウソだったのね。危うく信じるところだったわ。
「トモコ、どこ行くのよ?」

何も告げず教室を出て行くトモコ。



「はー、まいったな。まさか見られてるとは」
トシヤは教室の自分の席で頭を抱えていた。

そこへ、クラスの女子がまたトシヤのところへやってきた。
「大城君、モテモテだね。また二年の子が呼んでるわよ」
からかうように言う。

「へ? またさっきの子?」

「違う子よ。ほら、あそこにいる子」
教室の入り口を指差した。

トシヤは席から立ち上がり、その子のところへ向かった。
「あなたが大城トシヤさんですね?」
トモコはトシヤを睨んでいた。

こえーよ! なんで睨んでるんだよ!
「そうだけど、君は誰なんだい?」

「私は二年の川澄トモコって言います。小野寺マイのことで話があってきました」

クラスの視線がまた二人に集中した。
「ここじゃ、目立つからついてきてくれ」
トシヤは急ぎ足でさっきマイと話をした場所へ向かった。


「んで、川澄さんだっけ? 話って何?」

「大城さん、マイと付き合うことになったんですよね? あなたはそうやっていままで何人の女の子を脅迫してきたんですか? あなたには良心というものはないんですか?」

なんか、めちゃめちゃに言われてるな。
「脅迫? おれが? いや、ちょっと待ってくれ! 脅迫されてるのはおれ……」
ハッ! まずい! おれが脅迫されてると言ったら秘密がばれてしまう!

「やっぱり、してたんですね!」

「してない! 話を聞いてくれ。すべては小野寺君の勘違いなんだよ」

「勘違いとはどういうことですか?」

「小野寺君を逃がすのは手伝ったけど、その後男たちを倒したのはおれじゃないんだよ。それに、ついさっきまで名前も知らなかった子に脅迫するネタなんかあるわけないだろう?」

「確かにそうですね。よく考えてみれば、脅迫されてるわりにはマイは嬉しそうだったし」

「だから、してないって言ってるだろーが! 君は小野寺君から何も聞いていないのか?」

「ええ、詳しくは聞いてないです。どうやら私の勘違いだったみたいです。あははははっ!」

「あははははっ! じゃねーだろ! 笑って済ますな! まあ、これで誤解も解けたろ」

「それじゃあ、その例の男たちは誰にやられたんですかね? 知ってます?」

アツシから学校では用心棒のことは誰にも話すなって言われてるからな。おれが倒したと言ったら、面倒になる。とぼけよう。
「さあ? おれは逃げるのに必死だったからな」

「そうなんですか。なんか強そうに見えるのに」

「よく言われるよ。おれはかなりの臆病者だからな。まっ、人は見た目じゃないってことさ」

「わかりました。ただ最後にこれだけは言わせてください」
トモコの表情が険しくなる。
「マイを傷つけるようなことをしたら、絶対に許しませんから! それじゃ!」

「おっ、おう! わかったよ。」
トモコの迫力におされたトシヤ。
気の強い女だな。びっくりするよ。


学校が終わり、トモコはバイトに向かった。
そこは、ファミレスだった。
その日は、バイト先の人手が足りないということもあって、トモコは深夜まで残っていた。
「お疲れさん! 川澄君、もうあがっていいよ」
店長が声をかける。

「それじゃ、お先に失礼しまーす!」


トモコは深夜のひと気のない道を一人で歩いていた。
「はー、疲れた。帰ったらすぐ寝よ」

そのとき、突然目の前に、ガラの悪そうな二人組みが現れた。
「君危ないよ。こんな夜中に一人で歩いてちゃ。家どこだい? 送ってあげるよ」
男の一人がトモコに話しかける。

トモコは無視して、走って逃げようとしたが、男に腕をつかまれた。
「離して! 誰か! たす……」

男はトモコの口元に布を当ててふさいだ。
誰か…助け…て・・・
トモコは意識を失った。


カメラのフラッシュ音が聞こえた。
「うう、何? 眩しい」

トモコは両手を頭の上に縛られていた。
自分の姿を見ると下着姿になっていた。自分が何をされているのか理解した。
「よう! 目が覚めたか。安心していいぜ。今日は撮るだけだから。本番はなしだ。川澄トモコちゃん!」
男が目をギラつかせながら話す。

「いやっ! やめて! 撮らないで!」

いやあああーーーーーーー!!

トモコの叫び声が響いた。












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