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その女にご用心!
作:ネガティブダイスケ



第2話 目撃


ホームルームが始まる前の教室でマイは頭を抱えていた。
「どうやって、探そうかな。うーん。」腕を組み、悩んでいるマイ。
「マイ!どうしたの?なんか悩んでるようだけど。」話しかけてきたのは、マイの友人のトモコだった。
「あっ!トモコ。もう大変なことがあったのよ。聞いてくれる?」
マイは昨日の夜の出来事とその人にもう一度会いたいことをトモコに話した。

「別に会う必要ないじゃん。だって、マイはそいつに逃げろって言ったんでしょ?それなのに勝手にバカ男どもをやっつけたんだから、マイに責任はないわよ。」
「そういうわけにはいかないわ。その人が何を考えていたかはわからないけど、結果的には私を助けてくれたことには変わりないんだから。」
「どうせ下心があったんじゃないの?男なんてそんなものよ。」
「とにかく私はもう一度会うと決めたの!それでどうやって探そうか考えてたのよ。やっぱり、全校生徒をしらみつぶしに探していくしかないのかな?」
「はあ?なんでそんなことすんのよ。例の人は、制服着てたってことは何かの事情で学校に残ってたのよ。だから、先生に聞けば一発でわかるわよ。」

ゴロゴロピッシャーン!
マイは稲妻のような衝撃を受けた。
「トモコって天才だったのね!いや、天才どころじゃないわ!あなたは名探偵よ!今からあなたのことをワトソンと呼ばせてもらうわ!」
「マイ、それを言うならホームズよ。ワトソンは助手。」あきれているトモコ。
「ありがと!愛してるわ!トモコ!」トモコに抱きつくマイ。
「離しなさいよ!勘違いされるでしょうが!」
マイは昼休みに職員室へ向かった。


学校が終わり、足早に帰ろうとするトシヤにケイスケが話しかけてきた。
「トシヤ!今日、ゲーセン行かねー?」
「悪い!今日この後用事あるんだよ。」
「嬉しそうだな。さては女だな?」
「何言ってんだよ。そんなわけあるだろ。これからデートなのだ。」
「あはは!そうか!がんばれよ!あはは!」突然笑い出すケイスケ。
「おっ、おうよ!」
何がおかしいんだ?笑うところじゃないはず。


ケイスケの態度に違和感を感じながら、ケイスケと別れて、待ち合わせをしていた公園に向かうトシヤ。
一人の他校の制服を着た女の子が公園のベンチに座っていた。
トシヤはその女の子に声をかける。
「やあ!待ったかい?」
「私も今来たところ。」女の子は返事をかえす。
トシヤと女の子は公園のベンチでお互いのことを話していた。
「へー、マキちゃんは洋画が好きなんだ。おっ!もうこんな時間だ。そろそろ違うところ行かない?」
「そうだね。じゃ行こうか。」

二人は公園を出ようとしたとき、後ろから声をかけられた。
「ちょっと待て!そこのお前!」トシヤを指さす見知らぬ男。
「えっ!おれ?」
「そうだ!お前だ!おれの彼女に何してんだ!」
「???マキちゃん、こいつのこと知ってるの?」トシヤはマキを見る。
「しっ、知らないわ!」
「なんだ。それじゃ行こうか。」男を無視して去ろうとするトシヤ。

「待て!僕を無視するな!この野郎!」
男はトシヤに殴りかかってきたが、あっさり返り討ちにあった。
「ううっ!痛いよ!でも僕はまだ負けてないぞ!」
男は再び立ち上がり、トシヤに殴りかかってきたが、また返り討ちにあった。
「マキを!マキを返せ!」男は叫ぶ。
男は必死に立ち上がろうとしていた。突然マキは男のもとへ駆け寄っていた。
「もうやめて!ノボル君!」

「えっ!どういうこと?」事態が呑み込めないトシヤ。
「ごめんなさい!実はあの大城トシヤという男に私脅されていたの!許してノボル君!」
「なんて奴だ!お前だけは許さないぞ!」
「いや、ちょっと待ってよ!マキちゃん、君から告白してきたんじゃないか!これじゃまるで、おれが悪者じゃないか。」
「あいつはきっとターミネーターよ!そうよ、間違いないわ!私たちがうまくいくとあいつの未来が困るのよ!だから、あいつは未来から来たターミネーターよ!」
「そうだったのか!おかしいと思ったんだ!僕が本気を出したら小学生が束になっても適わないはずなのに!汚いぞ!ターミネーターと闘わせるなんて!」
なんで、ターミネーターなんだよ。しかもお前どう見ても高校生なのに、くだらない自慢すんなよ。もうアホらしくなってきた。
「アイルビーバック!これで満足か。」

「聞いた!ノボル君!あのセリフを言ったわ!しかも、全然似てないわ!」
「こいつはきっと完全にいかれてしまってるんだ!」
「おまえらなー!いいかげんにしとけよ!」さすがにムカついたトシヤ。
「にっ、逃げましょ!ノボル君!危険だわ!」
「安心しろ!マキ!絶対に僕が守ってみせる!ターミネーターなんか怖くない!」
二人の世界にはいっていた。
「い〜ま〜す〜ぐ〜消〜え〜ろ!」鬼のような形相で二人を睨むトシヤ。
二人は悲鳴を上げながら走り去っていった。


一人で公園のベンチに座り、空を見上げるトシヤ。
「うう!こんなのひどい!あんまりじゃねーか!」トシヤは大粒の涙を流していた。
トシヤが涙を流している後ろに、一人の目撃者がいた。
その目撃者とは小野寺マイだった。マイはその一部始終を見てしまった。
あまりに不憫!むしろこんな人が現代にいることが不思議だわ!


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