雫−11:お風呂とドキドキ
レイスは部屋の扉を開ける。
そして靴を脱ぎ中に入る。
中は和風で畳みが敷かれ掛け軸や花瓶等が飾られていた。
「中々いい部屋だな?シズク?」
レイスは振り向きシズクを見る。
「……うん……」
「どうした?気分でも悪いのか?」
レイスの問いかけにシズクは首を横に振る。
「……別になんでもないよ……」
「そうか・・・ならいいんだけどな」
レイスはカーテンを少し開け外の風景を見る。
「うわ!結構ふぶいてるな?」
外は浚に天気が悪化していた。
「んじゃ、体を温めるため俺は風呂に入るわ!」
レイスはそう言い風呂場に向かった。
−レイス−
俺は更衣室に入り服を脱ぎ棚に置かれていたタオルを持ち浴場に向かった。
ガラッ
「うおっ!中々広いな!てか、温泉かよ!?おいおい・・・此処2階だぞ?」
俺は驚いたが“まっ、いっか!”とあまり強く考えず風呂桶にお湯を容れそれを体にぶっかけ体を洗った。
「と、シャンプーは・・・おっ、あったあった!」
俺はシャンプーを手に付け頭を洗う。
そして風呂桶に容れたお湯を使いそれを洗い流した。
頭を洗ってからボティソープをタオルに染み込ませゴシゴシと体を擦りまた、風呂桶で洗い流した。
「ふ〜、さっぱりした♪さて、温泉に浸かりますか」
ザパァ〜・・・
俺は温泉に浸かり“ふ〜……”と、ため息をつく。
ふと、自分の胸元を見る。
「あれ?あいつの“印”が消えている?・・・そっか、俺もう吸血鬼なんだよな・・・」
そう呟き俺は天井を見上げる。
「・・・吸血鬼になっても俺はお前の仲間なんかにはならないからな・・・」
と、その時、
ガラッ
誰かがドアを開ける音が聞こえた。
「え!?」
誰だ?ていうか、俺の部屋に居るのは俺以外に一人だけだ!
「シズク!!なんでお前が!!」
俺の声が風呂場に響き渡る。
「……私も入りたくなったから……」
シズクはそう言いそのまま温泉に浸かる。
一応言っておくがシズクは前をバスタオルで隠していたからな!それに湯気が凄いからシズクの姿は殆ど見えていなかったからな!
シズクはうろたえている俺はお構いなしに温泉に浸かる。
そして“はぁ〜………”と呟きながら俺を見つめる。
だが俺はすぐにシズクに背を向けた。
「……なんで背を向けるの?……」
シズクは不思議そうに俺に話し掛ける。
「お前なぁ〜、この状況をちゃんと理解してるか?」
俺は背を向けたまま答える。
「……レイスとお風呂に入ってるよ?……」
シズクはサラっとそう言った。
ドボンッ
俺は呆れて頭が温泉に沈んだ。
「どうしたの?……」
「お前、この状況が世間的にマズイってわかるか?」
俺は頭を浮上させて答える。
「……どうマズイの?……」
「あのなぁ、俺は男、お前は女、男と女が一緒にお風呂って状況がマズイの!わかるか?」
「……なんで男と女がお風呂に入ったらマズイの?……」
「いや、それは・・・不埒な行為でゴニョゴニョ・・・」
俺はもう自分が何を言っているのか分からない状態になってしまった。
「……ふぅん……よく解らないけどいけない事なのね?………」
シズクはまだ納得しがちだが一応納得してくれた。
「……それよりレイス……貴方さっきまで背中を向けてたけどもうやめたの?」
シズクは首を傾げながら言った。
「えっ?」
俺は知らないうちにシズクと向かい合っていた。
「・・・あっ」
俺の顔が赤くなったのが俺にもわかるぐらいに分かった。
うぅ・・・不覚だ。説明に夢中になってたから自分がシズクと向かい合っているのに気がつかなかった!
「……どうしたの!?……顔、真っ赤だよ?……のぼせたの?……」
シズクは心配そうに俺に近づき俺の顔を覗き込む。
シズクの胸が俺の腕に当たったがシズクは気にしていないようだった。
「いや、違うよ・・・」
てか、お前のセイじゃぁぁ〜〜!!!!
と叫びたかったがもう、そんな気力が無かった。トホホ・・・
と、その時いきなりシズクは俺の前に立ち上がった。
当たり前に俺はシズクの裸を直視してしまった。
「うわぁ!どうしたシズク!?」
俺は後ずさりながら言った。
「……体洗うの忘れてた……」
そう言いシズクは温泉から出て体を洗い始めた。
ふぅぅ、まったく参るよ・・・シズクはしっかりしてるけどこういう所は疎いんだか天然なんだか・・・?
もうちょっと意識とかしてくれよ・・・
実は、俺がシズクの裸を見たのはこれが初めてではない。
以前一回、シズクの裸を見ているのだ。
−
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−−−
あれはシズクと初めての任務の時だった。
俺達は任務を余裕で終わらせ宿に帰り今日みたいに風呂に入った。
だが今日みたいに“一緒に”ではない。
あの時は先にシズクが風呂に入ったんだ。
俺はその間、部屋に置いてあった雑誌を物色していた。
そして、シズクの“………あがったよ…”という声が聞こえたので俺は雑誌を読むのをやめ雑誌を片付け風呂場の方を向いた。
風呂場からはもうシズクは出てきていた。だが・・・
シズクは全裸で出てきていた。
「ブハッ!!」
俺の鼻からは紅き液体が噴出した。(おぃ!普通服着てから出て来るだろ!?)
そしてその勢いでバランスを崩し後頭部強打!!
ゴイ〜〜ン〜
鈍い音が部屋に響き渡る。
「……大丈夫?……」
シズクが俺に近づく。
俺は“わあぁぁっ!”と叫び勢いよく起き上がった。
だが、勢いが強すぎてそのままシズクを押し倒してしまった。
俺の胸の辺りに柔らかいモノが当たる。
「……レイス……重い……」
「うわぁぁぁ!ゴメン!!」
俺はすぐに離れた。
「ハァ、ハァ、フゥ・・・なんで服着てないんだ!?」
俺は手で眼を覆いながらシズクを問い質す。
「……だって……お風呂の後すぐに服着たら暑いから……」
シズクはサラっと答えた。
「ええい!そんなの我慢して服着てこい!!」
俺は叫びシズクを無理矢理更衣室に入れた。
シズクは頬を膨らませながら“……暑いのに……”と文句を言っていた。
「ハァ・・・」
俺はため息を付きその場に座りこんだ。
「シズクって案外天然なんだな・・・」
俺はそう呟き上を見上げていた。
え?なんで目を手で隠していたのにシズクが膨れっ面していたのがわかったんだって?
実は指の隙間から少し見ていたんだ。
仕方ないじゃないか!俺も男、女の子の裸を見るのは滅多にないんだから!!
ハハハハ・・・!
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と、まぁ・・・こんな事が昔にあったんだ・・・
あれからシズクは風呂から出てから服を着るようになったンだが、今回はこれか・・・
ハァ・・・
俺はため息を付きながら温泉からあがった。
そしてシズクに声をかける。
「俺もう、上がるからな!」
シズクは振り向かず“……分かった……私はまだ少し入ってる……”といった。
俺はその声を確認して更衣室で体を拭き服を着て部屋に戻った。
「ハァ・・・今日はいろいろと大変だったな・・・乱闘が起きて、次は“これ”か・・・ハァ・・・もう寝よ・・・」
そして俺は押し入れを開け布団を二枚取り出し部屋に敷く。(一応シズクの布団とは距離を置いて敷いているぞ・・・本当は別の部屋に敷きたかったんだがこの部屋ワンルームなんだ。・・・なんで風呂場はでかいのに部屋は小さいんだ?・・・不思議だ・・・)
「ふぁぁぁ、おやすみ〜」
俺は電気を消して布団に潜り込み爆睡した。 |