「・・・分かんねぇ」
丸一日かけて掃除した殺人的に汚かった部屋は、今は大分マシになってきている。
台所でコーヒーを煎れていたあたしは、机で頭を抱えているせんせいの元に歩み寄った。
「なにが、ですか?」
ひょこっと頭を傾けると、一枚の原稿の半分から、どうも進み悩んでいるようだ
ーなになに?婦人はー・・・
「こりゃ試すしか、ねぇな」
「ーえ?」
ぼそっと呟いたせんせいの言葉
紡ぐことが出来ずに塞がれた口
「ーーっんん!」
ー試すって、何を・・・?!
腰に巻き付くせんせいの腕と、頭を押さえつけられている手で作られた完全なテリトリー。
あたしは横目で必死になって、原因であろう原稿を覗き込んだ。
書かれているのは男女の営み
情事を楽しむ主人公であろう男
「ーえっ!せん・・・ひぁっ」
おしゃべりなあたしの口を封じるように、掻き上げられた髪から覗く耳を甘噛みしながらせんせいの手はゆっくり背中を這った。
つつつ、と移動した手はやがてホックを器用に外す。
ふ、とせんせいが笑った気がする
露わになったそこに顔を埋めて。
「〜〜っ」
せんせいの息が、髪が、肌を刺激してくすぐったい。
ざらついた舌が膨らみを愛撫した時には、思わず全身が震えた。
「ーーーっぁ」
あたしは無意識に、目の前の服に皺が出来るほど強くしがみついていたのだ。
「ーなに?もっと欲しいわけ?」
「ちがー・・っ」
「ーくない、だろ?」
確実に下に向かってた指が、奥深くへと一気に埋められて
自分でも信じられないくらい高い声で鳴いてしまった。
「ふ、いい声」
「ーゃあ、せんせ」
「・・・・」
何故か一瞬顔をしかめたせんせいは、指を抜いて舌を這わせると、あたしをひょいと抱き上げた。
ーえ・・・?
あからさまにあたしは残念な顔をしてしまったのか、にやりとせんせいが笑った。
「安心しろ、続きはやるから。ただここじゃもったいねぇ。」
すでに半分腰が抜けてたあたしは、ぎゅっとせんせいの首に腕を回して。
連れてこられた先はふかふかなベットの上だった。
「さて、いっぱい鳴けよ?」
その夜、完成された小説の文面に無いような愛撫が繰り返されたのは言うまでもない。
ー小説、関係ないじゃない!
. |