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Re:ゼロから始める異世界生活 作者:鼠色猫/長月達平

第三章 再来の王都

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第三章20 『自称騎士ナツキ・スバル』


 渾身の決め顔だったのだが、この世界にきてからというもの、本当の意味でこの決め顔が『決め顔』としての役割を達成した記憶があんまりない。

 思い出せる限りではエミリアに名前が聞けたときと、レムに対してなんか振り返ると赤面したくなるようないい台詞を放っていたときとか。

 ――それはそれで肝心の場面ではちゃんと使えている気がするな。

 内心でそんな納得を得ながら、とりあえずこの場面ではTPOに合った顔ではなかったのだろうなぁと己を省みる。
 笑顔のまま硬直し、静まり返った広間の中でスバルはしかしその蛮行を断行する。

 一度、やり始めたからには自分から折れるなんてことはできない。
 きっちりと相手のリアクションを待って、それから後詰めの対応を練るのがスバルの芸人としてのせめてもの心意気。芸人じゃないのに。

 そんな掛け値なしに誰も得しないスバルの決断は――、

「ばるせろなっ!?」

 後頭部に叩きつけられた鋭く固い感触で、苦鳴を上げて中断させられる。
 目の前に星が散り、即座に膝が折れる強烈な打撃。ごとり、と固くて重い物体がすぐ隣に落ちる音がして、殴られたのだと脳がすぐに結論付けた。
 それからスバルは怒りで痛みを忘れ、涙目のまま飛ぶように振り返って、

「てめぇ、いったいなにもんだコラァ! 俺がエミリアたんの一の騎士な上にロズワールの世話になってる身でラインハルトのマブだって知っての狼藉かぁ!」

「全部他人頼り――!?」

 憤怒の限りに唾を飛ばすスバル。その口走った内容の他力本願ぶりに誰かの突っ込みが入るが、それすらも今のスバルの耳には入らない。
 それは引くに引けずにいた状況が変化し、その流れに便乗して滑ったことを誤魔化そうとする成分も多々含んでいた。だが、決意表明に水を差されたことへの怒りを感じていないわけではない。

 スバルなりの勇気を振り絞っての発言だ。
 振り絞り方がやや常軌を逸していたり、その後の周囲の反応も期待していたものとはかけ離れていたりもして心が折れかけてはいたが、それでも自分だけは自分を褒めてあげたい――そんな覚悟の発露だったのは間違いない。
 そして、そんなスバルの意気込みに水を差した本人は、

「しまいには俺もシャマクからのデンプシーロール的なコンビネーションでって、エミリアたんかよ!」

 こちらに向かって掌を向けている銀色のあの子の姿を見つけて、スバルはけっこうな勢いで地面を踏み鳴らして突っ込みを入れる。
 見れば、スバルの真横に落ちていたのはひと抱えほどもある氷の塊だ。頭割れなかったのが奇跡に思えるサイズのそれは、役目を果たすと霧散して大気に溶ける。

 それを見届け、まさかの事態に裏切られたショックをスバルは隠せない。が、そんなスバルよりもこちらを見るエミリアの瞳に浮かぶ動揺の方がずっと激しい。
 彼女はスバルに向けていた手をあたふたと振りながら、

「ち、違うの! 今のはその、とにかく大人しくさせなきゃと思ったら思わず……」

「それで後頭部ガツンって発想が危ないよ! なんか昔の漫画のヒロインみたいだな! エミリアたんは俺の永遠のヒロインだけど!」

「ひろ……? ああ、もう、とにかくそんなこと言ってる場合じゃないから、すぐに謝って! 私も一緒に謝ってあげるから」

「おかんか!」

 悪いことしたのに親同伴で謝罪するなんて、誠意ではなく腰抜けだとスバルは思う。母性本能をくすぐるのと、完全に保護者目線で相対されるのは似ているようでかなり違うよなぁと実感を得つつ、スバルはそんなみっともない真似は断固拒否。

 国家の重鎮が集まる場で、相変わらずのやり取りを交わす二人。
 そんな二人を見て、たいていの観客はぽかんと口を開けて唖然とした様子を隠せていない。その反面、

「やらかした――!!」
「あっはっはっは! 見よ、アル! 馬鹿じゃ、馬鹿がおるぞ!」

 最も傲岸不遜な主従がスバルを指差し、ひとりは頭を抱えて、もうひとりは腹を抱えて大爆笑。

「実際の魔法の行使を見たところ、詠唱から発動までがかなり速かった。やはり彼女も相当にできるな」
「やだ、クルシュ様ってば目の付けどころがスゴイ益荒男……!」

 片や性格で男女逆転している主従も、ひとりはエミリアの魔法使いとしての資質を賞賛し、もうひとりはそれそっちのけで主の思考に身悶えている。

「あー、やっぱあの兄さん、かなり頭いっちゃってんな、わかってたけど」
「やっぱりそうか。スバル、君がエミリア様の……」

 いまだ主従としての形を為していない二人も、片方はかなり失礼な発言でスバルの行動を端的に表し、もう片方はなぜか理解を瞳に宿して納得した顔だ。
 そして、

「なんや、ひとりだけ変な格好の子が紛れ込んでる思てたけど、あの魔女っ子のツレだったんやね。……って、ユリウスどしたん?」

「いいえ、少々――ええ、気になることがありまして」

 特徴的な喋りの主の言葉に応じ、意味ありげに静かに瞑目するのは最優の騎士だ。彼はそのまま黙り込み、ただ沈黙を選びながら時を待っている。

 候補者たちがそれぞれに、場の空気を動揺せずに受け止めているのを見ると、やはり全員がそれなりに常人とは違った神経の持ち主であることがうかがえる。
 結果的に候補者とそれ以外の人材との間の精神性の違いを際立たせる結果を生んだ、スバルとエミリアの口論だ。
 もちろん、当人たちにはそんな自覚はなく、周囲の反応など気付かないままにいつも通りの言い合いを繰り広げ、

「そうやっていっつもいっつもスバルはわからない言葉で誤魔化して。私がちょっと世間知らずだからって、そんないつも騙されてあげないんだから」

「騙すとか超人聞き悪いよ! 俺の心はいつでもトゥルーまっしぐらで、君のルートの一直線にトゥギャザーしてるのに!」

「あー、エミリア様にスバルくーん」

 腕を組んでそっぽを向くエミリアに、食い下がるように地団太を踏むスバル。その二人の舌戦が一時停滞したのを見るや、そこに割り込んだのは間延びしたロズワールの呼びかけだった。
 視線だけで二人がその声に応じると、彼は無言のままに仕草で広間全体を見渡すようなジェスチャーを行い、

「ぁぅ」
「うえあ」

 そこまでしてようやく、広間の空気がかなり混沌の状態に陥っているのに気付いた。
 空気が読めなかったときの空気に敏感なスバルにとって、今の状況は慣れ親しんだ苦境であり、「またやっちゃった、てへ」ぐらいの感覚である。が、一方で顔を蒼白にするエミリアの動転はそれどころでは済まない。

 色白の肌からさらに血の気を失わせた彼女はすぐ壇上を振り仰ぎ、振り向く途中でスバルの耳を引っ掴んで同じ方向を向かせながら、

「大変お騒がせして、申し訳ありません」

「いだだだっ! 痛い! 耳取れる! 取る、取るとき、取れば、取れるとき、取れよう、取れれれれ――ッ!!」

 耳を引っ張ったままエミリアが頭を下げるものだから、その方向に引かれてスバルもまた頭を下げる形になってしまう。
 短期間で二度も半泣き状態にされるスバルだが、なんとかもがいて彼女のその束縛から逃れ、痛む患部を高速でさすりながら、

「危ないって、耳は鍛えられない急所のひとつなんだからもっと丁寧に扱ってくんなきゃ、取れてからじゃ遅いんだぜ!?」

「この状況になるってことは今までのお話が聞こえてなかったってことでしょ? 役に立ってないぐらいなら、取れちゃった方がずっといいくらいじゃない」

「てんぱってるからって辛辣だな! 言っとくけど、目と耳と鼻と喉と、各種感覚機能に関してはダブルA判定もらえる自信あるよ!」

 ただ、それらを活かし切る方向に脳と性格が働きかけてくれないだけで。
 元の世界の健康診断を基にしたスバルの発言をいつもの戯言と判断したのか、エミリアはそれ以上の追及をせずに賢人会への謝罪を続行する。

 彼女は一度目をつむり、それから真剣な顔を作り直して老人たちを見上げると、

「とにかく、さっきの発言は忘れてください。この子……彼は私の知己で、ロズワール辺境伯の従者ではありますけど、さっき言ったような……」

「待った待った待った! なかったことにされるのは困るって話だってば!」

 が、エミリアがどうにかまとめようとした話に、再度スバルが割り込んで止める。
 彼女はそろそろ本気で余裕のない眼差しをスバルに向けて睨む――というにはやはり懇願の感情が強すぎて、見つめるといった方が正しい視線を向け、

「お願いだから静かにしてて。バツが悪くて引っ込みがつかないのはわかってるから、それならせめて今は大人しく……」

「思ってもねぇこと口走って自棄になってるわけじゃねぇし、そもそもこんな場面で心にもない戯言ほざけるほど度胸座ってねぇよ!」

 先ほどの宣言の一切を信じてくれないエミリアに、スバルは声を大にして言い募る。さしものエミリアも、そのスバルの態度に頑なな姿勢でい続けることはできない。
 押し黙るエミリアの姿に会話の中断を見たのか、それまで沈黙を守り続けていた壇上――即ち、マイクロトフが小さく咳払いすると、

「そちらの御仁の意思は固いように思えますな。ふぅむ、ロズワール辺境伯の見解はどうなっておりますかな」

 今の二人のやり取りにヒゲを整えながら、ロズワールへと矛先を向ける。向けられたロズワールは「そーぅですねえ」と胡散臭げに笑みながら、

「王候補の皆様にはそれぞれ、信を置く騎士がついていらっしゃる。その中、エミリア様にだーぁけそう言った立場の人間がいーぃないことは気になっていました。私がその立場にあるのは、すこーぉしばかり座りが悪い話ですからねぇ」

「だろだろでしょでしょ」
「ロズワール!」

 もったいぶった言い回しをするロズワールの言葉に、スバルは拳を固めて「MOTTOMOTTO!」と応援、代わりにエミリアは叱責の声を飛ばす。
 それを聞きながらロズワールは「たーぁだーぁし」と前置きし、

「それはべーぇつに誰でもかまわないってーぇお話じゃありません。騎士を、それもいずれは王になられるかもしれない方の一の騎士を名乗るのであーぁれば、相応のものを示してもらわなきゃなりません」

「そうそうそうでしょう」
「ロズワール!」

 今度はエミリアがロズワールの意見に同意を示し、不平を名前呼びに乗せてスバルが口から吐き出す。
 そんな両極端な反応を小気味いいとばかりに笑顔で見届け、ロズワールは賢人会のお歴々を振り仰ぐと、

「一の騎士としての資格――主への忠誠心、あるいは主君の身を守るだけの力。王となるべく邁進する主の道を切り開くなにか、そーぅいったものがなければ」

「――それだけでは、足りませんよ。ロズワール辺境伯」

 スバルになにをさせるつもりだったのか、朗々と語っていたロズワールの言葉に割り込む声。片目をつむり、黄色の瞳だけで振り向くロズワールの視線、その黄色の視線が向かう先に立つのは紫髪の青年――ユリウスだ。

 先ほどのスバルとエミリアのやり取りの中、ただひとりだけ思案げに目を伏せていた彼は前に踏み出し、優雅に一礼してみせてから、

「話の途中で失礼します。ですが、どうしてもそちらの彼に聞かなくてはならないことができてしまいました」

 彼、とユリウスが掌を向けるのは誰であろう、もちろんスバルである。
 指名された側であるスバルはその横槍に顔をしかめ、優美な青年の仕草を迎え撃つ。もとより、スバルは彼に対して良い印象を抱いていない。王選の場においてもその印象が好転する事態には巡り合っておらず、有体に言えば嫌いな相手なのだ。

 気障ったらしいありがちな嫌味な貴族――そんな印象を拭えない相手であるところのユリウスは、そんなスバルの表情の悪変化すらそよ風のように受け止め、

「そんなに警戒することはない。私が聞きたいことはひとつだけだし、それが済めば君は君の為すべきところを為すといい」

 口にした内容はスバルの心情を慮っているかのようであったが、それを語る彼の表情は酷く真剣味を帯びており、自然とスバルの表情もそれに負けじとばかりにきりりと引き締まる。

「どうしたの、すごーく変な顔して。相手が真面目な顔してるときに、そんな顔してたら失礼じゃない」

「今、俺は激しく傷付けられた――!」

 悪気のない発言で意図せず傷付けられて、スバルはその場に崩れ落ちそうになる。が、そんなスバルの態度に言及せずにユリウスは、

「道化じみた芝居はこの場には不釣り合いだよ。君が真実、エミリア様の騎士を自称するのであればね」

「……そら、どういう意味で?」

「言葉通りの意味で、だよ」

 片目をつむり、ユリウスはスバルの体を上から下まで眺めている。その視線から局部を隠すようにスバルは手を動かすが、大半の人間には意味が伝わらない。わかったのはしゃがみ込んで見てられないとばかりに頭を振るアルだけだろう。
 同郷人の態度に一言物申したいところではあったが、それ以上に今は目の前の男の意図が気にかかる。

「悪いが察しのいい方じゃねぇんだ。故郷の方じゃエアリード検定はE判定食らってる有様なんでな。明快に、噛み砕いて、言ってくれ」

 耳の穴をほじりながら、スバルは態度悪くユリウスに対して応じる。彼はスバルの不作法には触れず、ただこちらの癇に触るような優雅な仕草で己の前髪に触れ、

「わかっているのかい、君。君はたった今、自分が騎士であると表明したんだ。――恐れ多くも、ルグニカ王国の近衛騎士団が勢揃いしているこの場でだ」

 手を広げて、ユリウスは己の背後に立ち並んでいる騎士団を代表してそう語る。
 そのユリウスの言葉に、整列していた騎士たちが一斉に姿勢を正し、一糸乱れぬ動きで床を踏み鳴らし、剣を掲げて敬礼を捧げる。

 思わずその迫力に気圧されて、スバルは身を後ろに傾けながら負け惜しみに、

「ち……さっきエミリアたんの歩き方ひとつにビビってた連中とは思えねぇな」

「口が過ぎるよ、君。騎士が些細な事柄にも気を払うのは、全て守るべきものの尊さと意味を理解しているからだ。君に、それを為す覚悟があるのかな」

 負け惜しみで騎士たちの尊厳を傷付けかけたスバルだが、絶妙なフォローでユリウスがそれをいい話風に上書きしてしまう。
 やり込められているようで面白くないが、それ以上に彼の問いかけは意味深だ。

 騎士たちの前で、騎士を名乗ったスバル。
 近衛騎士たちの尊厳を背後に、ユリウスはそれを背負ってスバルにそう名乗ったことの真意を、覚悟を問うているのだ。

 ようするに、スバルは今、試されている。
 ――そう、エミリアへの気持ちの深さを!

「そこでどうしてこっちをじっと見るの?」

「いや想いの再確認と、膝が震えないようにする覚悟の起爆剤に」

 意味がわからないとばかりに眉を寄せるエミリアは、それでもユリウスと対峙するスバルを見て心配そうな素振りを隠し切れない。
 そんな彼女を安心させる意味合いでスバルは己の胸を叩き、軽く咳き込みながら問いを発したユリウスへと向き直ると、

「ごほっ、つまりお前は……がふっ。俺のかくえほっ、覚悟を……」

「落ち着いてからでかまわない。生憎、ここには水の用意がなくてね」

 予想外に気管支にダメージを受けるスバルに、ユリウスは呆れるでもなく猶予を与える。手渡されたそれをありがたく受け取り、喉をさすりながら時間を稼いでスバルは受け答えのシミュレーションを脳内で実行。

 現状、スバルがエミリアの知己として知れ渡ってしまっている以上、彼女の価値を高めるも貶めるも、全てはこのあとの自分の行いにかかってくる。
 すでに若干、激情が先走って評価に減点入れていそうな手応えがある以上、ここからの巻き返しにはより慎重にならなくてはならない。

 せっかくあのエミリアが、力を誇示して意見を述べるだなんて似合わない真似までしてこの場を演じ切ってみせたのだ。
 その足を、誰であろうスバルが引くわけにはいかない。
 ただひたすらに、彼女にとっての最善であり続けたいと願うスバルだけは。

 さて、と覚悟を固めてスバルは咳払いすると時間稼ぎに終止符を打つ。両手で頬を叩いて気合いを入れ、威力強すぎてふらつきながらユリウスに向き直る。

 こちらの動きを待つユリウスは泰然とした佇まいで、室内で風が吹いていないにも関わらず、乱れようのない髪を整えるように頭に手を添えている。
 そんな優美な態度に対抗するように、スバルは小さく跳躍して足のスタンスを前後に開き、両手の指を鳴らして指ピストルを相手に向け、

「いいぜ、ピシッとパシッときっちりかっちりお答えすんぜ。あ、お待たせしまして大変失礼しました」

 勢い込んでおいてすぐ失速するスバルにユリウスは一瞬眉を寄せたが、それでスバルのペースに巻き込まれるのを恐れたのか瞑目して首を振り、

「いや、かまわない。では、問いと答えの再開といこうか。私が問い、君が応じる。――君が騎士として相応しいか、我らの前でそう名乗るだけの資格があるのか」

 質問は先ほどの焼き直し――否、背後に控える騎士たちも、待たされた時間の分だけ答えを求める気持ちが高まっている。
 増した威圧感に暴風のような錯覚を味わいながら、スバルは渇き始めた唇を舌で湿らせて、

「俺の実力が不足してんのは百も承知だ。俺は剣もろくに振れなきゃ、魔法だって手習い以下。財テクがすげぇわけでもねぇし、秘められた謎の力とも無縁。さっきロズワールの挙げた条件にあてはめたら、もう全然足りねぇだろうさ」

 実力不足に色々不足、それらは全て承知の上だ。
 ダダをこねたところで現実が変わるわけではない。ナツキ・スバルは悲しいぐらい凡庸な人間であり、異世界出身である以外はこれといった特徴はなにもない。
 これまでの人生で培ってきたあらゆる能力は、エミリアの道筋を照らす光としては何ひとつ役に立たないことはわかり切っていた。

 その答えを受け、ユリウスは端正な面持ちの中にわずかな当惑を覗かせる。
 当然だ。満を持してこの場に名乗りを上げておいて、それをやらかした当人が自身の無能を高らかに謳い、明快な挑戦に対してあっさり白旗を上げたと思しき返答を返すのだから。
 拍子抜け、あるいは単純な失望こそが彼の双眸に浮かび上がる。
 だが、

「けど、忠義だの忠誠心だのって話があったな。ああ、確かに俺の実力は全然足りねぇよ、笑っちまうぐらい。でも、それでもだ」

 振り返り、背後に立っているエミリアの姿を見る。
 スバルを心配げに見つめていた彼女は、その視線を受けてどう思ったのだろうか。ただ唇を引き結び、怒っているような、あるいは泣き出しそうにも見えるような顔つきで、スバルの次なる言葉を無言で待っている。
 その姿に勇気をもらって、スバルはユリウスに向き直った。そして、

「忠誠心って言葉とは違う気がするけど、俺はエミリアた……エミリア様を、王にしたい。いや、王にする。他の誰でもない、俺の手で」

「……それはあまりにも傲慢な答えだと、自分で思わないかい?」

 スバルの言葉に、ユリウスはまるで夢物語を聞かされたように嘆息し、

「実力不足を嘆いてもいて、あらゆる面で能力不足である点を自覚している。そしてこの場においても、君は発言権すらそもそも与えられていなかった。その君が、よりにもよって国家の大事の中核に触れようと? ――思い上がっているんじゃないか?」

 「いいかい?」とユリウスは指を立て、無言のスバルに言い聞かせるように続ける。

「人には生まれながらに分というものがある。器といってもいいかもしれない。人は自らの器を越えて、なにかを得ることはできない。また、求めることをしてはならない。君が軽はずみに口にした、『騎士』という名誉もまたそうだ」

 ユリウスは自らの腰に備えつけた騎士剣を外すと、鞘の先端を床に打ちつけて音を立てる。固く鋭い音が広間に響き、刹那遅れて同じ音を背後の騎士団もまた打ち鳴らす。重なる打突の音がユリウスの振舞いを援護し、彼は騎士団の協力を得て、

「騎士に求められるものは、主君と王国に対する忠誠。そして、自らの尊ぶべきものを守り切るための力。それらは必要不可欠なものだ。どちらも、騎士を名乗る上では決して欠かせまい。だが、私はその他にも大切なものがあると考える」

「――――」

 問いかけるようなユリウスの言葉に、しかしスバルは無言で応じる。
 彼もまた、答えなど求めていないだろう。ただ、己の思うところを口にしたいだけだ。事実、彼はスバルがなにを答えるよりも早く首を振り、その先を述べた。

「私が思う騎士に欠かせぬもの――それは、歴史だ」

「歴史……?」

 朗と言葉にされたそれを呟き返したのは、首を傾けたエミリアだ。ユリウスはそのエミリアの疑問の声に「ええ」と恭しく応じ、

「私はルグニカ王国に代々仕える伯爵家、ユークリウス家を背負っている身だ。爵位を持つ我らには、国を支え、守り続けてきたという自負がある」

 腕を振り、その速度で袖の破裂音を立てる彼は背後を示す。
 その彼の動作に後ろに並ぶ騎士たちが誇らしげに顔を上げ、賛同を示すように足を踏み鳴らす。

「近衛騎士団には出自の確かでないものは推薦されない。それは血筋にこだわる排他的な思考に因るものではなく、出自の確かさが王国に仕えてきた歴史の重みを語るからだ。積み重ねてきた歴史こそが、我らの騎士たる矜持を支えるからだ」

 故に、と彼は言葉を継ぎ、

「このルグニカで、出自すら確かでない君やアルと名乗った人物を、私は騎士として認めてはいない。ましてや王に仕える一の騎士などとはとても」

「そんなもん、当人にどうにかできる問題じゃねぇだろ……!」

「そうだとも。故に私は言ったはずだよ。人には生まれながらに分があると。それは己の生家すらもそうだ。人は生まれながらに、平等足り得ない」

 絞り出すようなスバルの声に、いかにも貴族らしい断定でユリウスが応じる。
 覆せない価値観の溝が二人の間に横たわっており、それを飛び越えて声を届かせるにはあまりにも相手の拒絶が遠すぎた。

 それでも。
 それでも、だ。

「俺は、エミリアを王にする」

「――まだ言うのか。君にその立場は遠く高い。血の重みが足りなければ、プリシラ様に並び立つ彼ほど力があるわけでもない」

 スバルの呟きを鼻で笑うように、ユリウスは首の動きで漆黒の兜を示す。アルはそれを受けて「オレに振るんじゃねぇよ」と我関せずの態度を貫いていた。
 そんな同郷人の薄情な態度を横目にしつつも、スバルの答えは変わらない。

「それでも、俺はエミリアを王にするよ」

「君は――」

「騎士の資格がないってんなら、それはそうなんだろうよ。さっきも言った通り、俺は欠けてる部分が多い人間だ。騎士って名誉に値するかどうか以前に、そもそも人としてどうなのよって部分が多いのも自覚してる」

 でも、足りない自分でも、誰かを思う気持ちだけは本物でありたいと思うのだ。
 騎士として足りない自分、届かなくて弱い己、それでも願いだけは本物だ。

「それでも、俺はエミリアの力になりたい。一番の力でありたい。この場に立つのが従者って立場じゃ足りないのはわかってる。この場に立って、顔を上げて、彼女の力になりたいと思うなら、『騎士』でなくちゃならないんだろう。なら」

 顔を上げて、ユリウスを真っ直ぐに見つめる。
 整った顔立ちに勇壮な近衛制服、拵えの立派な騎士剣に堂々たる振舞い。

 まさしく、物語に描かれる騎士像そのものだ。
 対する自分はあちこち這いずり回って薄汚れている感さえある使用人服、端正や精悍とは程遠い目つきの悪い人相。気を抜けば背筋は猫背になり、立派な剣どころか竹刀すらも手元にない無手勝流状態。
 あまりにも、望むべきところは遠い。だが、

「そうでなきゃ話にならないなら、俺は『騎士』をやる」

 やり方はわからないし、なにが足りないのか足りないところが多すぎて判然としない。それでも、望むものが定まったのだから。

「騎士でなきゃ隣に立てないんなら騎士になる。俺の答えはそれで終わりだ」

「なぜ、そうまでしてそこに立つことを望むんだい?」

 もはや言葉で説き伏せることを諦めたのだろうか。
 ユリウスは瞑目し、小さく首を横に振りながらそのスバルの行動の原点に問いかけてくる。そうまでして、なにを望んでいるのかと。

 息を呑み、スバルは背後に強い視線の力を感じる。
 エミリアが、背後に立っている銀色の髪の少女が、――あの子が見ている。

 振り返ることはできない。その勇気がない。
 ただ少なくとも存在を背中に感じられるから、スバルは躊躇いながらも、

「――彼女が、特別だからだ」

 そう答えた。

 その答えを受けて、ユリウスは小さく同じ言葉を口の中で呟く。そうして何がしかの結論を得たかのようにかすかに顎を引き、

「ちなみに、どういう意味かを聞いても?」

 などと聞いてきた。
 それに対するスバルの答えはひとつだ。

「――この場では、言いたくねぇ」

 こんな衆人環視の目の前で、自分はなにをしているのだろうと思う。
 羞恥プレイもいいところだ。顔が熱くて、耳まで赤いのが自分でわかる。

 そして、その原因であるユリウスの方はといえば、そんなスバルの明確でないが故に明確な答えに満足したように、あるいは諦めたように肩をすくめて、

「資格のあるなしに関わらず、君がそこに立つ理由は納得させてもらったよ。ならば、私から言うことはもうなにもあるまい。――ただし」

 こちらに背を向けて、ユリウスは候補者たちの並ぶ列へとその身を戻そうとする。が、その過程で一度足を止めて、首だけでこちらに振り返り、

「やはり私は、君を『騎士』として認めるわけにはいかないと思うよ」

「なにを……」

「君が守りたいと、尊ぶべき相手を定めていることは理解した。しかし、君のその考えは……いや、言葉を多くすることは美しくないな」

 首を振り、ユリウスは食い下がるスバルを憐れむような目で見る。そして、

「隣に立ちたいと、そう望む相手に、そんな顔をさせるようなものは『騎士』ではない」

 言い切った言葉は柔らかだったが、そこに込められた意味はこれまでにないほど苛烈なものであった。
 スバルは悪寒じみたものすら感じて、背後の様子をおそるおそるうかがう。そこにはエミリアが立っていて、どんな顔をして今の話を聞いていたのかはわからない。
 ただ、振り返ることは恐ろしくてできなかった。無言の彼女の態度が、今のスバルの言葉をどんな心境で聞いていたのか、悪い想像ばかりを働かせていた。

「き、騎士がどうこう、最優の騎士(笑)さんは言ってくれるもんだな」

 だから、スバルの口から次に出たのは、震えるような負け惜しみでしかない。
 それがわかり切っているからだろう。こちらから遠ざかるユリウスの足は止まらない。その足を止めるほど、今のスバルの言葉には価値がない。
 そう断ぜられているような気がして、スバルはなおも早口で言い募る。

「この場で最優の騎士だなんて持ち上げられちゃいるが、巷じゃ騎士の中の騎士って称号は別の奴のもんになってるぜ。……そんな奴の言葉に、俺がビビるとでも」

「ナツキ・スバルと言ったかな。安易に他者を貶める言葉を口にすることは、己の価値だけでなく、君の周囲の人物の価値にすら傷を付けると知るべきだ」

 スバルの安易な挑発に、ユリウスは激昂するでもなく淡々と応じる。
 すでに彼の姿は候補者の列に戻り、主君であるアナスタシアの隣に収まっていた。その場所に立つことに、彼も主も何ら違和を覚えていない。
 その並び立つ姿を真っ向から見て、そして彼らの他にもそうしている二組の候補者たちを見て、スバルは自分の頭から血の気が引くのを痛みすら伴って感じた。

「ナツキ・スバル。――それは、美しくない」

 それまでのスバルの言動、行動の全てを総括し、ユリウスがそう述べる。
 そのたった一言だけで、スバルは自分で自分の行為を最低にまで落としてしまった事実を悟る。

 見れば、候補者の列からもスバルに向けられる白けたものを見る目。
 そのさらに背後に控える近衛騎士団の列からは、自分たちの代表者たるユリウスに対して無礼な発言を受けたからだろう。敵意に近い感情を向けるものが多い。
 対面に並ぶ文官たちの輪からも、感情論しか述べることができないスバルに対する好意的な色はうかがえず、背後の賢人会に至っては振り返る度胸が今はない。

 世界中の全てを敵に回してでも、エミリアの味方をする。
 そんな覚悟が、強さが、少なくともついさっきまでの一瞬はあったはずだ。

 それなのに、今のスバルは体を固くして、その場から身を動かすこともできない。
 世界中を敵に回すどころか、広間にいるほんの百にも届かない人数を敵に回しただけで、いとも簡単に決意の炎を揺らめかせてしまうのが今の自分。

 それがあまりに情けなく、あまりにもみっともなく、目の奥が熱くなる。
 それでも、そんな状態でも、周りの全てが敵になってしまうような状況でも、それでもせめて、彼女だけが味方でいてくれたなら。
 ――だが、

「もう、いいでしょう。スバル」

 振り返る決断をスバルが決めるより先に、こちらに回り込む銀鈴の響き。
 肩に触れられて、スバルは自分でも目をそらしたくなるほど震えた事実に驚く。しかし、こちらに手を伸ばすエミリアはそんな情けない醜態には欠片も触れず、

「不要なお時間をとらせて申し訳ありません。すぐに下がらせます」

 スバルの袖を引きながら、そう言ってエミリアが賢人会へ頭を下げる。
 不要な時間、とそう割り切られたことが、スバルの心を鋭い刃となって切り刻んだ。しかし、抗弁することなどありはしない。
 覚悟も決意もなにもかも、自分自身で踏みにじったことに違いはないのだから。

 腕を引かれ、抵抗することもできずに舞台から引き下ろされるスバル。こちらの腕を引いて前を行くエミリアの顔を、やはりスバルは見ることができない。
 ただ、頑ななまでにこちらを見ない彼女の態度から、怒りのような激情すら感じ取ることができないことが、自分の行いの無為さを証明しているようで辛かった。
 そんな背中に、

「有意義な時間、そう判断できる部分もありましたよ、エミリア様」

 壇上から、マイクロトフのしわがれた、しかし不思議と通る声が届く。
 足を止めない二人にマイクロトフは言葉を続ける。

「あなたが世に恐れられる、ハーフエルフとは違うのだと少なくとも彼は示した。――よい、従者をお持ちですな」

「――スバルは」

 足が止まった。エミリアが振り返る。
 彼女の視線の先は壇上の賢人会であり、傍らに立つスバルは視界の端にも入っていない。けれど、スバルには振り返った彼女の顔がはっきりと見えた。

 その顔は、感情の凍えた冷たい目をしていて、ばっさりとなにかを切り捨てるように、銀鈴の声音ではっきりと、

「私の、従者なんかじゃありません」

 はっきりと、先までのスバルの言葉を拒絶してみせたのだった。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 ふらふらと、広間の外の通路を歩きながら、スバルは途方に暮れていた。

 エミリアの隣で、大勢の前で、無様をさらした後の自分がどんな風だったのかは覚えていない。ただ退室を騎士団長に勧められて、エミリアが肯定も否定もせずにスバルに判断を委ねたことだけを覚えている。

 選択をスバルに預けたことが、彼女がスバルにしてくれた最後の優しさだ。
 知己であると振れ回った上であれだけの醜態をさらしたスバル。その存在が自分にとってマイナスでしかないことなど、彼女も痛いほどわかっていたはず。
 それでも彼女は言葉にしてスバルを責めることはしなかったし、仮にスバルが留まることを選んだとすれば、その選択を尊重もしてくれただろう。

 だからこそ、スバルはあの場所に立ち続けていることなどできなかった。
 自分がしでかした行為の愚かしさに、居た堪れない思いを堪えられないからではない。エミリアに対して、これ以上の迷惑を避けたいから――。

「いや、それも言い訳だな」

 彼女の足を引っ張りたくないから、などとは体のいい言い訳に過ぎない。事の根本はもっとシンプルで救いようがない。
 ようは単純に、あれ以上、エミリアに冷たい目で見られることに耐えられなくなっただけのことだ。

「俺って馬鹿は、これじゃぁなにしに危ない橋まで渡ってこんなとこにきたんだ」

 方々に迷惑をかけて、豪運めいた出会いの妙にすら救われて、そんな思いまでして辿り着いた王城で、スバルがしたことは盛大なエミリアの道筋の邪魔者だ。
 それをするかもしれない輩から彼女を守るためにこの場にきたのに。意気込みだけは立派でありながら、結果は見るも無残、やらない方がマシという次第。
 自分で自分が嫌になる。わかり切っていた話ではあったが。

「どうかされましたか?」

 ふと、自嘲気味なスバルの呟きを聞きつけて、隣を歩いていた騎士が怪訝そうな声音でこちらを気にする。
 広間から退室し、待合室までの道のりを同行してくれている騎士だ。室内にいたものと違い、部屋の外にいた人物のためにスバルの愚行を目にしていない。故に、その振舞いには王選関係者に対する一定の敬意が感じ取れた。

 そんな風に丁寧に扱われることすら、今のスバルには滑稽なことであり、思わず口の端を歪にしてしまう原因でもあったのだが。

「んや、なんでもない。なんつーか、すいませんね。大事な仕事の最中なのに、余計なお仕事までやらせちまって」

「構いませんよ。今、王座の間で行われていることがこの国の行く末を左右する重大事であると皆が知っています。中に入れるのは騎士団でもひと握りではありましたが、外の警備も要人の案内も、欠かせぬ我らの仕事であります」

 明瞭な口調ではっきりと言い切られ、逆にスバルの方が戸惑う有様だった。
 今の心境は正直、そう彼に立てられることすら跳ねのけたいのが本音だ。だが、事態を見ていなかった彼にとって、ここでスバルが強い口調でそれを遠ざけることは単なる癇癪でしかない。八つ当たりにすらならない。

 彼は今、自身の行動が王選の一端に関わっていることに誇りを持っている。
 対してスバルはどうだろうか。自身の行いを、誰かに誇ることができるのか。

 誰に認められなかったとしても、認めてほしかった一番の相手に拒絶されて。

「――と、なんだ?」

 ふいに、自虐の海に沈むスバルの足を喧騒が止めた。
 見れば前方、通路の角の向こうで複数名の強い声が飛び交っている。訝しげに眉を寄せるスバルを庇うように騎士が前に出て、

「念のためにお下がりください。何事もないとは思いますが」

「お、ああ、はい」

 こちらの身を案じる言葉に従い、壁際に寄ってスバルは息をひそめる。と、角を曲がって喧騒の原因が近づいてくる。
 それは六名ほどの集団だ。騎士甲冑をまとった青年が先導し、後方の集団を誘導している。後方の集団はどうやら中央の人物を拘束しているらしく、ひと揃いの格好をした騎士たちの中で中央のひとりの格好だけが浮いていた。

「なにがあったんだ?」

 急を要する事態でないと見たのか、スバルと同行していた騎士が先導する騎士に向かって声をかける。それを受け、こちらに気付いた騎士がやや強張った顔で、

「どうもこうも、城に忍び込もうとした不審人物だ。それも少し厄介な」

「不審人物……? それがどうして城内を連れ歩く? 大人しく兵舎の方に連れていった方が」

「厄介な相手、と言っただろう。とにかく、団長の指示を仰ぎたい」

 口早に会話を終わらせると、その騎士はスバルの方に一礼してから集団を先導する仕事に戻る。向かう先はどうやら先の王選の会場である広間――あちらも国家最大級の取り込み中であるはずだが、そこに割り込むほどの事態とはなんなのか。

 ちらと、聞こえていた会話内容を反芻しながらスバルは集団を見る。騎士たちに囲まれて、城に忍び込んだという人物が今まさに、スバルの目の前を通過する。
 一歩間違えれば、スバルがその人物と立場を同じにしていたのだと思うと、たいそれたことをやらかしたものだと自分で自分の行いの軽挙さが恐ろしい。
 もっとも、そんな感慨は即座に消し飛んだ。なぜなら、

「――あ?」

 呆然とするスバルの眼前、騎士四人に手足を拘束されて連れ歩かれるのは、見覚えのある禿頭の老人――貴族街で別れたはずの、ロム爺であったからだ。
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