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Re:ゼロから始める異世界生活 作者:鼠色猫/長月達平

第二章 激動の一週間

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第二章20 『夕闇、孤立無援』



「えーっと、それでは短い間ですが、お世話になりました」

 玄関ホールで屋敷中の人間(たった四人な上にベアトリス除く)に見守られながら、スバルはこそばゆい感覚を堪えて頭を下げた。

 三日の逗留、その約束の期限が訪れ、スバルが屋敷を出る日が訪れたのだ。
 スバルの格好は異世界召喚時のジャージ姿とコンビニ袋、そしてロズワールの厚意で持たされた道具入れがあるシンプルな装いだ。

 ずっしりと重い道具入れにはそれなりの金額が入っているらしく、貴族の金銭感覚に照らし合わせると中を覗くのが少し恐い。特に現在、自衛手段が著しく足りないスバルだとなおさらのことだ。

「ホントに大丈夫? 馬車ならロズワールに頼んで、ここまで呼びつけてもらったりすればいいのに」

 見送りの面々の中、中央に立つエミリアの表情から憂いが消える様子がない。こちらを案じる彼女の態度を嬉しく思いながら、スバルは上げた手を振り、

「いやいやいや、大丈夫だって。ゆっくり、のんびりやってくからさ。これ以上の迷惑はかけらんねぇよ、実際」

「……たぶんスバルはしっかりしてるから、心配はしなくていいんだろうけど」

「うぉう、そうやって高評価されてると思うとちょいプレッシャーあんな。でもでも大丈夫。いずれもっと強くて賢くて金持ちな男になったとき、白馬に乗って君をさらいにくるよ」

「ハンカチは持った? 飲み水と……そう、暗くなったときのためのラグマイトもないと。それからそれから」

「完全にオカン目線!?」

 エミリアの心配はとどまるところを知らず、終いには「ひとりで寂しがらずに寝れる?」とまできたものだ。どこまで人恋しいと思われているのか。
 あるいは直感で、心中に抑え切れない不安を抱えるスバルの本音を感じ取っているのかもしれないが。

「そぉれじゃスバルくん、息災で。短い間だぁったけど、楽しかったよぉ?」

 手を差し出してくる長身、その握手に応じて笑い返し、

「おう、こっちこそお世話になりました。土産も持たせてもらったし、至れり尽くせりだったよ」

「それはなにより。そうそ、お土産だけどなくさないようにね。君との三日間、その思い出の分だけちょこーっと上乗せしておいたから」

 片目をつむって合図をしてくるロズワールに、その意図を察したスバルは大きく頷くと、背負った道具袋を揺らして、

「ういうい、口止め料だろ。わーってるよ、余計なことは喋らねぇ。なんならドラゴンに誓ってもいいぜ」

「君と接していると悪だくみの本質を見失いそうだよ。それにこの国で、ドラゴンに誓うというのは最上級の誓いだ。疑っちゃぁいないけど、努々、それを忘れないようにね」

 念押しされたのに手を上げ、その上げた手を今度はロズワールの背後の双子に向ける。ただジッと無言で佇む二人に、スバルは上げた手で肩を叩き、

「二人にも、超世話になった。特にレムりんはいつもうまい飯をありがとよ。ラムは、うん、なんだ、トイレ掃除とか上手だよな?」

「姉様、姉様。お客様ってばお世辞が絶望的に下手糞ですわ」
「レム、レム、お客様ってばお世辞が致命的にセンスないわ」

「やかましいな、マジで思いつかなかったんだよ。でも、ありがとな」

 全員に別れの言葉を告げて、名残惜しくなる前に背を向ける。
 玄関ホールの扉を素早く駆け寄った双子が開くと、スバルの眼前に近くの村落まで一直線の街道が広がっていた。
 二十分ほども歩いて村に向かい、そこからさらに別の村へ移動。そこから馬車に乗って王都へ向かう――それが、皆に説明したスバルのプランだ。

「じゃ、世話になった。またいつか、会えたら」

「うん、気を付けて。ケガなんてしないでね」

 最後までこちらの身を案じてくれていたエミリアに笑みを残し、スバルは送り出されるままに街道へ足を踏み出す。
 屋敷から見えなくなるまで、ずっと玄関の前で手を振る銀髪の少女。
 その遠い仕草がどこまでも愛おしく、スバルの胸中に不安で消えかけていた炎を再び燃えたぎらせる。

 街道をひとり、しばらく進んだところで足を止める。
 スバルは周囲の様子をうかがい、人の気配がないのを確認すると、ふいに道を外れて森の中へ。街道を挟んだ森は山へ繋がる深いもので、野生動物の多さから入り込まないように、とラムに強く注意されていた場所だ。

 その忠告を無視し、草木を掻きわけながらスバルの体は森の奥へ向かう。いくつかの斜面を上り、時折飛び出している枝などで引っかき傷を作りながらもペースは落ちない。
 そのまま十五分ほども山中を進んだだろうか。

「よし、ここだ」

 ふいに森が開け、広がった視界には高い空が見える。いくつかの斜面を上った結果、スバルは山間の小高い丘のような場所に辿り着いていた。
 目的の場所だ。額の汗を拭うアクションをして、それからスバルは眼前の崖――位置的にはそのすぐ側、眼下に存在する建物を視界に入れる。

 見慣れた豪邸、それはロズワール邸の威容に他ならない。
 ぐるりと街道を回り、森と山を経由して辿り着いたのは、ロズワール邸を高い位置から監視できる、絶好の覗きポイントだった。特に、

「エミリアたんの部屋がある、西側がよく見える。なにか異変があれば、すぐにわかるだろ」

 遠目、彼女の居室の窓がうっすらとスバルの視力で確認できる。それを別としても、屋敷の西側を含めた全景が把握できる位置取りだ。外から何者かが屋敷を訪れれば、確実に目視できると判断できる。

 すでに三回目のループも四日目の朝を回っている。スバルの経験では、あと残り十六時間ほどで前回の死亡と同じ時間だ。
 つまり、屋敷になんらかの異常が起きるのもそこだと考えられる。

「あとは、事が起きるのを待ち構える」

 十六時間程度ならば、スバルの精神力でも張り込みは可能だ。
 本当は三日前――ループ開始直後からこの状況を作ろうと考えていたのだが、早まり過ぎても集中力が持たないと三日の猶予を持たせた。
 その甲斐あって、気力体力、そしてやる気ともに充実している。

 ロズワール邸の異変を事前に察知、あるいはなにが起きてもその場に飛び込んでいけるだけの条件を作る、それがスバルの用意した前提条件だ。

 屋敷に残り、最初からスバルも襲撃者の標的に組み込まれてしまうと、前回と同様の魔法で意識がもうろうとさせられてしまう。
 襲撃者の情報がひと欠片でも多く欲しい現状で、それは致命的なことだ。
 故に、スバルはエミリアたちを囮に、襲撃者を釣る作戦を選んだ。

 もちろん、非情に徹し切れないスバルは予防線をいくつも張り、何かが起きれば即座に屋敷に駆け込み、敵襲を報せて走り回る気でいるが。

「敵が俺の叫びでビビって逃げてくれる慎重派だと助かるな」

 希望的観測を口にしながら、道具袋を下ろしたスバルは中身を探る。中から取り出すのは、屋敷の倉庫から拝借してきた長いロープだ。使用人時代の経験から、こういった備品がどこにあるのかは熟知していた。
 目を盗んで持ち出し、こうして非常時用に持ち運んでいたわけだ。

 ロープを手近な太い木の幹に結び、スバルは反対のロープの端を自分の体に固定する。もちろん、このまま命綱的な使用法をすれば荷重で死ぬので、いくつかの結びを各所に作り、衝撃の緩衝材を用意した上でだ。

「あとはロープ切断用のちっさいナイフ……ロープ切断だけで済めばいいけど」

 果物ナイフ程度の刃渡りのそれは、いざというときの自傷用としての役割も考えている。
 前回の魔法に対する抵抗手段として、最初に襲ってくる意識の弱体化の出鼻は潰せるだろう。その後の衰弱には対抗できると思えないが。

「なんの手段も用意できないよりマシだろ……そもそも、次に対抗手段を用意するための今回だから、な」

 自分に言い聞かせるように呟き、スバルは頭を振って弱気を追い払う。
 ふと、脳裏を過ったのは別れを告げたばかりのロズワール邸の面々だ。

 今回、スバルは次のループに備えて彼女らを捨石にしようとしている。今回だって前回までと同様に、確かな絆を結んだはずの彼女たちをだ。

 目をつむれば、今回の四日間の日々を思い出すことができる。
 前回ほど親しい関係を作れたとは思えないが、それでもラムやレムと接する機会は多かったし、エミリアにはこちらから積極的に会いにいった。それがまさに今、こうして胸を痛めることになると予想していながら、だ。

 それは戒めだ。それは当然の報いだ。それは受けて当たり前の罰だ。

 一度は彼女たちを捨石にしなくてはならないと、失うことを前提に策を考えたスバルが、絶対に受けなければならない類の断罪だ。

 痛ましいと、そう思いながら接した。
 愛おしいと、そう思いながら接した。

 生じた傷口に指を差し入れ、さらに肉を裂き骨を割るような苦痛に耐えながら、この三日間をスバルは過ごした。

 全てを忘れないために、だ。

「言ったはずだぜ、ナツキ・スバル。繰り返したとき、みんながそれを忘れていても……お前は、それを覚えてる」

 だから今回のことだって、忘れていいことだなんて思ってはいけない。
 最後の最後の最後の瞬間まで、スバルが欲しがるハッピーエンドを求め続けなくてはならない。
 彼女や彼らの存在を、時の狭間に消える泡沫などと決める権利は誰にもない。

 じっと身を伏せ、歯の根を噛み殺し、スバルは木々と草の間に体を隠し、森の隙間からロズワール邸を監視する。
 呼吸は薄く、緊張しているはずの体はやけに心臓の拍動もゆるやかで、スバルの決めた覚悟を全身が肯定しているのが伝わる。

 かつてないほど、自分の体が自分に従う感覚。
 その得難い感覚を得ながら、スバルはジッと時を待ち続けた。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 身を伏せ、時がくるのを待ち続ける。
 緊張が体を強張らせ、不安が心臓を不安定に揺らし、焦りが視界に余計なものを映り込ませる。
 そんな無意識の妨害を静かに避け、スバルは息を殺し続けていた。

 すでに時間は六時間が経過し、昼前だった世界には夕焼け空が鮮やかな橙色を注ぎ込んでいる。
 思い返すと、この時間は前回までは、ラムかレムのどちらかと村落へ買い物に向かっていたはずの時間だ。
 しかし、今回は彼女らのどちらも屋敷から外へ出るのは確認していない。スバルがいなければ、あの買い物イベントも起きないということだろうか。

「純粋に、ひとり分の食料が浮いたから買い出しが明日に回った……って感じか。客観的にそれがわかるのも、変な気分だ」

 六時間以上も黙り込んでいたせいで、ふと呟いた声は思った以上に嗄れていた。苦笑し、スバルは道具袋――その中の水の入った筒を取り出し、冷たい水で喉を潤す。竹筒のようなシンプルさだが、中の水がいつまでも冷たいのが不思議な道具だ。これもまた、魔法と関わりのある道具なのだろうと思う。

「たった六時間で、情けねぇ。集中力切らしてる場合じゃねぇよ、気ぃ入れろ、俺!」

 言いながら頬を叩き、乾いた音を立てて意識をはっきりと持ち直す。
 まだ予想の時間までは半日近い時間が残っているのだ。ここで折れているようでは先が思いやられる。
 ゆるんだ気持ちを立て直し、改めて見張りに戻らなくてはならない。

 幸か不幸か、ソレはスバルが気持ちを切り替えた、その瞬間だった。

「――――ッ!」

 かすかに鼓膜を捕えた違和感、それを感じ取った瞬間、スバルの体は一切の躊躇もなく横へと飛んでいた。
 全感覚を投入した上での、事前に決めていた通りの回避行動。
 それは確かに実を結び、スバルの体をその奇襲の脅威から見事に救ってみせた。

 直後、聞こえたのは重量のある物質が樹木を半ばからへし折る破砕音。薙ぎ倒される木々が周りを巻き込み、葉が枝が、折れ散る音が乱舞する。
 その中をスバルは駆け出し、一気に身を崖の方角へと躍らせていた。

「――――ううぁ!」

 歯の根を噛んでも殺し切れない悲鳴がわずかに漏れ、高所からの落下に内臓がひっくり返る浮遊感を味わう。が、ほんの数メートル落下したところでその勢いは急停止。腰をきつく締めたロープが食い込み、苦鳴を上げながら、

「緊急、脱出……!」

 言ってナイフでロープを切断。解放された身が再び落下を再開、傾いだ崖を靴裏が噛み、滑るようにしながらどうにか地面へ乱暴に降り立つ。
 そのまま息をつく暇もなく、スバルは形振り構わぬ逃走を選択。身を軽くするために道具袋なども投げ出し、文字通りの身ひとつで山中を駆け下る。
 息を切らして走りながら、

「見た! はぁ……ああ! 見たぞ!」

 木々を薙ぎ倒した物体、それはひと抱えほどもある棘付きの鉄球だ。ボーリング玉に殺傷機能を持たせたといってもいいそれは、長い長い『鎖』で使い手と結ばれたロマン兵器――その名も、モーニングスターだ。

 山中で生じた違和感、それは鉄球を繋ぐ鎖の音色。聞き覚えのあるその音は間違いなく、あの夜にスバルの命を奪った凶器であった。

 その威力と威圧感を目にして、スバルは今さら恐怖で歯が噛み合わない。
 あの質量が鋭さを伴って飛来すれば、直撃を受けた体が四散してもおかしくない。左半身がもぎ取られたのも、納得がいくというものだ。

「しかし……こっちにきたか!」

 枝を踏み、溝を飛び越え、悪い足場を踏破しながら唾を飛ばす。
 予想されたアクションではあった。ロズワール邸への襲撃と同じくらいの可能性で、屋敷を離れたスバルへの襲撃はあるものだろうと。

 関係者を皆殺しにするつもりなら、三日滞在したスバルがリストから消えるとはまずない。そして、スバルを標的として選ぶということは、

「そもそも、俺があの屋敷にいることを何日も前から見てたってことになる」

 襲撃者は屋敷を数日前から監視していたのだ。
 故に、屋敷を離れたスバルをも標的から外すことはなかった。なにより、隠れて潜んでいたスバルを見つけ出したのがなによりの証拠だ。
 屋敷を出たスバルのあとを追わずして、どうしてそれができよう。

「――うぁっ!」

 考えごとに集中しすぎ、足下がおろそかになった瞬間だった。
 木の根がスバルの足を取り、勢いに乗る体を派手に転倒させる。地面を転がり、斜面を滑る。と、その頭上を狙い澄ましたように鉄球が通過した。
 今、転がっていなければ、とスバルの心胆を震えが駆け抜ける。

 そのまま横に転がって立ち上がり、口の中に入った土を吐き出して再び逃走を再開。もはや道は完全に見失っているが、立ち止まるわけにはいかない。

 息が切れる。肺が痛い。そもそも、持久力がスバルには欠けている。
 あらゆる運動力で平均以上の自信があるが、スタミナだけは本当にダメなのだ。山道での追いかけっこなど、考えただけで勝ち目がない。考えただけで勝ち目がないのだから、実際にやったらもっと勝ち目がない。

 つまり、

「追い込まれるのは、必然だったってわけか……」

 眼前、スバルを閉じ込めるように崖がそびえ立っている。
 硬く鋭い破片を覗かせる石の壁は、上ることも踏み台にすることも拒む自然の要害だ。当然、ここを乗り越える手段など今のスバルにはない。

 振り向き、大きく息を吸って吐いて、呼気を整えて身構える。
 正面、いつの間にか森の中の闇は深く、夕焼けを木々が覆い隠すこの場所は世界から隔絶されたかのように寂寥感で満ちていた。

「くるなら、こいや……」

 弱音を強気で追い払い、スバルはジャージの正面を開けると上着を脱ぐ。それを両手に広げて構え、襲撃者が辿り着くのを静かに待つ。

 追い詰められている。追い込まれている。スバルは今や、捕食者の罠にはまった無力な獲物に過ぎない。
 だが、ただで食われてやるわけにはいかない。
 こうまで犠牲を払ったのだ。せめて、それに見合う対価は貰っていく。

 ――刹那、闇の彼方から鎖の音を引き連れて、暴力が高速で飛来した。

「こんっじょう……入ってるかぁぁぁ!?」

 致死確定の一撃を眼前に、スバルの体が常識を外れた反射を見せる。
 両手に構えたジャージの上着を持ち上げ、飛来した鉄球を真下から巻き取ると、その勢いをわずかにそらし、胴体への直撃を紙一重で回避したのだ。

 もっとも、両腕から上着はもぎ取られ、衝撃を殺し切れずに岩壁に叩きつけられた体はノーダメージではない。
 だが、顔を上げ、狙いを外した鉄球が壁に突き刺さっているのを見た瞬間、スバルは会心の笑みを浮かべると伸び切った鎖をしっかりと掴んだ。
 そして、伸びる鎖の反対――それを握る、襲撃者がいる方向へ目を向け、

「さあ姿を見せろ、クソ野郎! その面を見るのに、一週間かけたぞコラァ!」

 怒声を張り上げ、口汚く罵ることで自らを鼓舞。
 どんな相手が出てきても、決して見逃さないように目を凝らして闇を睨む。

 絶体絶命の状況だったが、どうにか命を拾った。
 あるいは今回を捨石にすることなく、姿を見せた襲撃者を撃退することも可能かもしれない。
 逸る意識がスバルに、楽観ともつかない思考を思い描かせる。

 一度は諦めかけた状況の中で、見えた光明に必死で手を伸ばす。
 その光の中にエミリアが、双子が、生意気な少女やロズワールがいる。思わず状況を忘れて頬が緩みそうになる感覚、そして、

「――仕方ありませんね」

 鎖の音が鳴り、持ち主の接近に伸び切ったそれがたわむ感覚。
 だが、そんな些細な感覚など置き去りにして、スバルは目を見開いていた。

 唇がわななき、声にならない声が呻きとなって喉から漏れる。
 知らず、手指は掴んだ鎖を手放し、首はそれを拒むように小さく力なく横に振られていた。

 草を踏み、枝を越え、闇からゆっくりと彼女の姿が現れる。
 黒を基調としたエプロンドレス、頭を飾る純白のホワイトプリム。小柄な体躯には決して見合わぬ鉄球と繋がる鎖の柄を握り、

「何も気付かれないまま、終わっていただけるのが一番でしたのに」

 青い髪を揺らし、見慣れた無表情で小首を傾けて、

「嘘だろ……レム」

 守りたいと思っていたはずの少女が、スバルの前で鉄球を振り上げていた。


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