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Re:ゼロから始める異世界生活 作者:鼠色猫/長月達平

第六章 『記憶の回廊』

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第六章27 『エレクトラの壁』



 ――女、一人の女がいた。

 女はどこにでもいる、生まれも育ちも平凡な村娘だった。
 父母に愛され、兄弟に愛され、女もまた家族を愛する、極々普通の女であった。
 家の決めた許婚がいて、凡百の村娘と同様に寒村の片隅で定まった生涯を終える。
 それが女にとっての人生、疑う余地もない舗装された在り方だった。

 そんな女の平凡は、村を訪れた下衆な権力者によって打ち砕かれる。
 自分の何が良かったのか、ただ人のモノを欲する悪習だったのか、いずれの事実かわからぬまま、権力者は女を強引に欲しがった。

 小国の寒村であろうとも、権力者との間には拭いきれない格差がある。
 権力者の求めに、女は逆らえない。運命の不条理に、ただ屈する他にない。

 だが、女は愛されていた。家族に、許婚に、村々の人々に。

 権力者の横暴に耐えかね、人々の怒りは燃え上がり、それはやがて戦火を生む。
 炎は延焼し、村々は軍となり、ついには権力者は館ごと焼き尽くされる。

 たったの一晩で女の立場は大きく変わる。
 ただの平凡な村娘から、挙兵した一団の首魁、その許婚の立場へと。

 なおも尽きぬ炎の猛り、これを危険視した周囲は次々に手勢を向ける。
 そのことごとく、女のためにと奮起する人々によって返り討ちに。
 戦火は瞬く間に燃え広がり、やがて小国を、周辺国を、大国を焼き尽くす。

 その発端とされた女の存在は知れ渡り、人々は彼女を天上の美姫と噂する。
 幻想に幻想が重なり、膨れ上がる関心と期待に、女の細い体は潰れそうになる。

 そのことに誰も気付かない。家族も、許婚も、人々も、誰も女を見ていない。
 手を振れば歓声が、道を歩けば人波が、声をかければ感涙が、女へと向けられる。

「こんな、の……おかしい。ま、間違って……る……」

 顔を覆い、否定する。そんなはずがない、こんなはずがない。
 自分はただの村娘、天上の美姫でも傾国の艶女でもなく、一介の村娘。
 どこにそんな価値がある。

 人々は夢に酔っている。幻想に惑わされ、理想に踊らされているのだ。

 やがて歯止めの利かないままに、大国さえも女を発端とした炎が焼き尽くす。
 滅んだ大国、奪った城、その頂で許婚は女に跪く。そして、告げた。

「――君を愛している。この勝利も、人々の笑顔も、全ては君がくれたものだ」

 燃え上がる首都、積み上がる死体、狂喜に打ち震える人々。
 共に過ごした村人たちも、彼女を愛した家族も、女の幸福を願った許婚も。
 もう、誰も、どこにもいない。

 ――女は、許婚に返事をせずに去った。家族も、村人も、何もかも捨てて。

 与えたはずがない。欲したこともない。女はただ、全てを失くしただけだ。
 確かにあったはずの、愛されていた日々を失くして、女は一人、焼け野原を行く。

 それでも、夢は、幻想は、理想は女を逃がさない。
 行く先々で、誰もが女を愛し、女に尽くし、女を欲し、全てが滅んだ。
 誰もが女を愛する。呪いのように。その内側の、本当の愛も知らないで。

 『色欲の魔女』は失くした愛を求めて、滅びを迎える愛に愛され続ける。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 ――放たれる剣気が野放図に、『エレクトラ』に挑むスバルたちへ突き刺さる。

 紅の着流し、その両袖を抜いて、さらしを巻いた上半身を剥き出しにする男。
 『棒振り』は狂気的な目つきで、絶望的な宣言をこちらへぶつけてきた。

 二層の『試験』――試験官である『棒振り』に上層へ進む資格を認めさせることが条件であるそれは、常識外れの男の技量によってすでに二人の脱落者を出している。
 そんな条件下でも、持ち前の胆力とおねだり、そして圧倒的物量を武器にした戦闘力で何とかエミリアが勝利をもぎ取ったのだが――、

「――誰か一人でもクリアすればいいって条件じゃねぇのか!?」

「あぁン? 誰がンなこと言ったよ、勝手抜かすな、オメエ。なンで一人がいけたら残りも全部いけることになンだよ。常識で考えろ、常識で! 頭の中身も稚魚か、オメエ」

「せ、世界で一番、常識なんて言われたくない奴に正論を……!」

 両手に一本ずつ持った箸をぺしぺし交差させる男、その正論にスバルは呻く。

 実際、『試験』におけるクリア条件を勝手に早合点したのはこちらの方だ。
 三層での試験内容が謎解きであり、解かれた途端に部屋の構造自体が変化したのも、その早合点に拍車をかけたといえる。てっきり、二層の『試験』も一人がクリアすれば、新たな書庫が開放されるものと勘違いしていた。
 その前提が崩れ、クリアに個々の戦力が必要であるとされれば、この『試験』の突破は絶望的であるといえる。

 エミリアの引き出した条件――『男を一歩でも動かす』というものが、その内容の簡易さに反して、どれだけ難儀なものだったのかを目にした直後だ。

 はっきり言ってしまえば、エミリアは現状、このプレアデス監視塔へ挑戦するメンバーの中ではユリウスと並んで最高戦力――ユリウスが準精霊との契約が切れている以上、異論なく一番強いのが彼女といっていい。
 そのエミリアに、男が最も油断している初戦での突破を許してしまった。

 つまり、一番弱体化した状態の敵に、一番強い先鋒をぶつけてしまった形だ。
 これが一回限りの勝利でよければまだしも、個々の勝利が必要となる勝ち抜け戦とした場合、以降は隙のなくなる男相手に、戦闘力に劣る次鋒たちをぶつけていかなくてはならないということだ。

 一歩、男を動かす――エミリアがあれほどの攻撃と、ほんのわずかな幸運の果てにもぎ取った勝利を、はたして自分たちが勝ち取れるのか。

「――待った、なのよ。お前の言い分には決定的な誤りがあるかしら」

「誤りだぁ?」

 戦慄し、不利な戦況の中に勝利の糸口を探ろうとするスバル。そのすぐ真横で、落ち着けとばかりに強く手を握ったベアトリスが、男にそう言い放っていた。
 それを受け、不機嫌になる男はベアトリスをその隻眼に収め、

「なンだ、オメエ。十年早えぞ、オメエ。せめて五年はいンだろ、オメエ。もっとちゃンと手足と背丈伸ばして、胸と尻ズドンってなってからこい、オメエ」

「……元々、お前の戯言に付き合うつもりはなかったけど、今ので完全にその気がなくなったのよ。だから、ストレートにぶつけてやるかしら」

「すとれーとに、何を?」

「決まっているのよ。――エミリアはお前に、一歩でも動いたら『私たち』の勝ちと言ったかしら。つまり、エミリアの勝利はベティーたち全員の勝利なのよ!」

「――っ!」

 ベアトリスの指摘にスバルは息を呑み、思わずエミリアの方を見た。
 まさか、あの図太い交渉にはそこまでの意図があったのか、とエミリアの秘められた悪女ぶりに驚愕する。そのスバルの視線の先で、エミリアは口に手を当てて「あ」と言っていた。違った。素だった。E・M・Tだ。

「そう、そういえば、私言ってた! 私たちって言ったわ! どう? それなら、私たちは全員であなたの『試験』を乗り越えたことにならない?」

「そりゃ言い方の問題だろうよ、オメエ。ならねえよ」

「そう……わかったわ。スバル、ベアトリス、ごめんね。ダメだって……」

「引き下がるのが早すぎるかしら!!」

 がっくりと肩を落とし、神妙な顔で引き下がるエミリアにベアトリスが怒鳴った。しかし、落ち着いて考えれば無理のあるトンチだったとスバルも思う。
 そんな可能性に縋りたくなるぐらい、壁の高さを絶望視したというのもあるが。

「まぁ、そのジャリの言い分もわからなくはねえよ。最初はどうも、何人掛かりでもいいンでオレを抜いてみろって話だったみてえだしよ。――言いなりになンのはつまンねえから、無理くり起きてやったけどな」

「無理くり起きたって……最初のあれは、システム破りってことか!」

「知らねえよ、オメエ。オレにわかる言葉使えよ、オメエ。若白髪みてえなことばっか言ってンじゃねえぞ、オメエ」

 上機嫌と不機嫌がころころ入れ替わる男、その男の発言に適当に頷きつつ、スバルはなんとなく男の正体――『試験』の、システム部分にある推論を立てた。

 三層と二層の『試験』、そして出現直後の正気になかった風に思えた男の発言とその後の言行。それらの端々から窺えた違和感とを結び付けて至れる理解。
 要するに、本来の『試験』と現状の『試験』との間には、致命的な齟齬がある。

「本当は、全員で協力して条件を満たせばいいだけの『試験』が、お前が『起きた』のが理由で、一人ずつ条件を満たさなきゃいけなくなった?」

「かっ! なンだ、わかンじゃねえか、オメエ。けどな、どっちが楽だったかはわかンねえぞ。総掛かりでオレを殺すのと、オレに胸揉ませて一発殴ンのとどっちが楽だったかはわかりゃしね……っと!」

「――迂闊なこと言ってんじゃねぇよ、セクハラ野郎。俺は静かに切れてるぞ」

 不用意な一言、そこへ怒りを込めた鞭撃が襲いかかった。
 腰の裏から引き抜いた鞭を、スバルは肘から先だけの動きで速度重視に叩きつける。が、男は音速に迫るはずの鞭撃を箸で難なく受け止め、摘まんで揺すった。
 当たる見込みは低かったが、鞭の奇襲はこれにて失敗――、

「かっ! 棒振りする雰囲気じゃねえと思ったが、まさか鞭かよ、オメエ。どンな趣味だ、オメエ。鞭で引っ叩くのは敵と、オメエの女だけにしとけや」

「お前は敵で合ってんだろうが! それに、エミリアとはもっとちゃんと順序踏んでくつもりだし、踏んでった先に鞭使うような選択肢もねぇよ!」

「スバル、スバル、落ち着くのよ。わけわかんないこと言ってるかしら。それに、相手のペースに乗せられてるのよ!」

「そうよ、スバル! そんなに怒っちゃダメ! 私はただ胸に触られただけだし、おかしなことはされてないから」

「それがおかしなことなんだよ、エミリアたん!」
「普通は怒るとこなンだぜ、激マブ」

 落ち着かせようとするエミリアの言葉に、スバルと男が同時に突っ込んだ。その息の合った注意にエミリアは目を丸くし、ベアトリスが深々と嘆息する。
 そこへ――、

「――ちょっと、いいかしらあ?」

 毒気を抜かれた、と言わんばかりの四人のやり取り――そこに、ここまでずっと沈黙を守り続けてきた人物が、満を持して声を震わせた。

「……こんなこと言いたくないけどお、引き返すべきだと思うわあ」

 そう言って、小さな手を上げたのは濃い青髪を三つ編みにした少女――メィリィだ。少女はその膝に失神したシャウラの頭を乗せたまま、ゆるゆると首を横に振る。
 奥に佇む男、彼を映した黄緑の瞳に確かな怯えを宿しながら、だ。

「なんで、お兄さんがその人と普通に話せるのかがわからないわあ。……騎士のお兄さんも、襟巻きのお姉さんもやられて、裸のお姉さんだって」

「シャウラだけは別の理由で倒れてんだが……確かに、妙だ」

 メィリィの弱気な意見は、しかし現状戦力を顧みれば当然の判断だ。
 むしろ、この場に残ってなおも挑戦を続行しようとしたスバルの方が冷静になりきれていない。完全に、『棒振り』の剣気に中てられている。
 そこに、エミリアへのセクハラと、ユリウスとアナスタシアの二人が倒れたことがどれだけ影響しているかは客観的になれないが――、

「――仮の話、引き下がって出直しってなったら、それは認めてくれんのか?」

「――――」

 エミリアのクリアを認めた潔さ――引っ込みがつかなくなっただけともいえるが、それを見せたあととはいえ、それ以外の部分も物分かりがいいとは限らない。
 メィリィの真っ当な判断を実行に移すにも、相手がそれを認めなければ戦闘は避けられないのだ。先ほどまでは不殺の手心が相手にあった。だが、ギアを入れ替えたとばかりに振る舞った今、次の挑戦にも命の保証があるとは限らない。
 そうなれば、挑戦どころの話ではない。撤退するのに、全力を出す必要がある。

 掛け値なしに、『棒振り』の実力は破滅的なレベルに達している。
 棒切れ二本でユリウスを撃破し、エミリアと渡り合い、なおも明らかに余力を残した態度――その実力、誇張なくラインハルト級だ。いったい、この塔の管理者は何のつもりでこんな化け物をここへ置いたのか。
 三層での『星座』を題材とした謎解きも含め、クリアさせる気がないとしか思えない有様ではないか。

「どう、なんだ?」

 じりじりと、踵をずらしながら背後に倒れるユリウスとアナスタシアへ近付く。そのスバルの動きに気付いて、ベアトリスとエミリアもそれとなく位置取りする。
 『棒振り』が牙を剥くことがあれば、その瞬間にエミリアが再びアイシクルラインを発動し、ベアトリスのムラクを倒れた三人にかけて駆け出す以外にない。最悪、まだ未完成の、ベアトリスとの切り札第三弾を発動することも考慮して――、

「――やめだ」

「え?」

「やーめーだ! やめだやめだやめだやめだやめやめやめ! 萎えた!」

 身も心も全力撤退に向けていたスバルたちへ、男は唐突にそう言い放った。その子どものような態度にスバルたちが目を剥くと、男は抜いた左袖に再び腕を通し、着流しを最初と同じ状態へ羽織り直した。そして、不機嫌に歩き出すと、警戒するスバルたちとは離れた位置――哀れにも、蹴り飛ばされた選定の剣へと向かった。
 その、落ちた剣を男は踏みつけて跳ね上げ、軽々と受け取る。それから、先端を勢いよく白い床に突き刺し、『試験』が始まる前と同じ状態へと戻した。
 そして――、

「店仕舞いだ。帰れ、オメエら。オレは飽きた。やってやらン」

 その場にどっかりと腰を下ろし、片膝を立てた姿勢で吐き捨てるように言った。

「――。ま、待て待て待て! 自由すぎるだろ、なんだそりゃ!? お前の気分で、『試験』のあれこれを勝手に決めるのかよ!?」

「るせえな、オメエ。元々、ここの裁量はオレに任されてンだぞ、オメエ。そのオレがやらねえつったらやらねえンだよ」

 その傍若無人な言いように、スバルは思わず絶句する。そんなスバルの驚きに、男は「それに、だ」と続け、

「――やる気がねえときのオレは遊ばねえぞ。オメエ、やれンのか?」

「――――」

 ぶわ、と風が吹く悪寒をスバルは全身に浴びた。
 箸さえも懐に仕舞い込み、一切の武装を捨てた男は口の端を歪めている。それは、笑みに違いなかったが、これまでのそれとは質が異なる。
 獰猛でありながらも陽の雰囲気があった笑みではない。どす黒く血生臭い、陰惨な殺意を纏った凶獣の微笑だった。

「……ぁ」

 小さく、呻く声が聞こえた。
 見れば、それはスバルのものではなく、横にいたはずのエミリアのものだ。彼女は自分の白い喉に手を当てて、宝石のような瞳を見開いて驚愕している。
 膝が落ちて、床にへたり込むエミリア。自身が立てなくなっていることにも、呼吸を忘れてしまっていたことにも、この瞬間に気付いたとばかりに――、

「は――」

 そして、それはエミリアの反応に呼吸を『思い出した』スバルも同じだ。気付けば息苦しさに膝をついて、スバルはおびただしい量の汗に全身を濡らしていた。
 エミリアと同様に――否、彼女以上に、男の剣気に威圧された。
 心臓の鼓動すら忘れかけ、殺されかけたと言ってもいい。

 周囲に、思い出させてくれる誰かがいなければ、今頃は眼力だけで死んでいた。

「せいぜい、頭ひねって勝ち筋探せよ、オメエ。激マブと同じ手は通用しねえぞ。寝てるエロ女ぐれえでもねえ限りな。失せろよ、オレは寝る」

 低い声色に遊びなく、それだけ言って、かくんと男の頭が下がった。しばらく待てば、徐々に聞こえてくるのは寝ていてもやかましい男のいびきだ。
 ある意味、全くその人柄を裏切らない高いびき――しかし、そのことを笑う余裕など、この場に残った誰一人にもなかった。

「早く、戻りましょお」

 一刻も早く、この場を離れたい。
 そんな本能に逆らわずに主張するメィリィ、少女の言葉を契機に、スバルたちはゆっくりと負傷者を連れ、『試験』からの撤退を余儀なくされた。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「――なるほど。それが二つ目の『試験』からすごすご逃げ帰った理由なわけね」

「……辛辣っすね、姉様」

「やめなさい、その喋り方。そこで寝てる娘のお師匠様説が真実味を帯びるわよ」

「それはヤバいな。気を付ける」

 ゾッとしない忠告に力なく肩をすくめれば、その返答にラムは小さく吐息した。
 場所は四層、緑部屋の隣室にあたる空間だ。そこで顔を合わせているのはスバルとラム、そこにエミリアとベアトリスとメィリィが加わり、最後に転がされているシャウラを含んだ六人ということになる。

 ――長い長い階段を下り、二層から逃げ帰った一行は、ひとまず負傷者を緑部屋へと担ぎ込み、精霊の治療に彼らの身柄を委ねた。

 道中の見立てではユリウスは単なる昏倒、アナスタシアも魔法を使いすぎたことによる疲弊が原因とのことで、命に別状はないとの話だ。
 故にベッドに預け、部屋の人数制限と、事情説明を兼ねてラムを連れて部屋を移動したのだが――、

「聞くだに馬鹿げた試験官がいたみたいだけど……エミリア様だけは、そのお眼鏡に適ったのでしょう? 一人だけでも、書庫を見てくることはできなかったの?」

「それは……」

「あ、そういえば思いつかなかった。そっか、私だけなら一層に上がれたのかも……できるかどうか、『棒振り』さんに聞いてみる……?」

「……いや、やめとこう。不機嫌なときに刺激して、藪蛇をつつきたくないし、仮にエミリアたん一人だけ上にいけるって言われても、あれだ、危ない」

「すごーく気を付けるわよ?」

「危ない」
「危ないわね」
「危ないかしら」

 エミリアの決意に、スバルとラムとベアトリスが同時に水を差した。その心配されようにエミリアがすごすごと引き下がるが、何も過保護が理由で彼女のやる気を挫いたわけではないのだ。

 現状、あの『棒振り』を迂闊に刺激したくない。これは紛れもない事実だ。
 あの奔放ぶりに物申したい気持ちがあるのは本音だが、『試験』の再開がいつになるかは別にしても、不機嫌なときに挑むのは自殺行為でしかない。
 実際、今のスバルたちはあの男が剣を握った姿すら目にしていないのだから。

 そして、もしもエミリアだけがあの男の横を抜けられたとしても――、

「本当に、二層の『試験』が一個だけなのか怪しい。馬鹿にあっさりと……いや、エミリアたんがトントン拍子に抜けたからそう見えるだけかもしれねぇが、あれだけで本当に終わりなのかって不安がある」

「それは、私は考えすぎだと思うの。あの人……乱暴で、ちょっと言ってることが変なところもあるけど、嘘はつかなそう。ううん、つけなそうな人だったもん」

「その嘘がつけないのが信条が理由か、知性が理由かで評価が分かれるな……」

 ともあれ、エミリアの指摘を撥ね退ける根拠はない。それにどちらかといえば、スバルもあの『棒振り』に対する人物評では彼女と同意見だ。
 あっさり抜けたと思われる『試験』も、言い換えれば最高戦力のエミリアだからようやく達成できたとも取れる。現に、ユリウスは倒れたわけで――、

「あいつ、凹みすぎなきゃいいけどな……」

「ユリウスのこと、心配?」

「どうだろ。心配は、まぁ、心配なんだろうけど……そんな簡単でもないかな」

 『棒振り』との真っ向勝負、それに完敗し、打ち倒されたユリウスの姿が記憶に焼き付いている。あの、最後の瞬間のユリウスの横顔を思えば、スバルの不安は考えすぎということはないだろう。

 剣技は届かず、児戯のように弄ばれ、挙句に騎士剣さえも折られて――、

「代わりの剣は竜車に用意があったけど、そういう問題じゃねぇだろうしさ」

「剣は打ち直せばいい。ベティーには、その拘りはわからないかしら」

「ベア子だって、俺が作ってやったハンカチとかミトンとかエプロンとか大事にしてくれてんだろ? それが破られたみたいな、それの上級版みたいな話だよ」

「……分からず屋なこと言って、悪かったのよ」

 暴言を素直に反省したベアトリス、その頭を撫でてやり、スバルは吐息をつく。
 緑部屋で目覚めたあと、ユリウスがどういった反応をするかは想像がつかない。らしくもなく落ち込むのか、あるいは彼らしく気丈に振る舞ってみせるのか、どちらであったとしても、なんと声をかければいいのかわからず、気が重い。

 それに気掛かりがあるとすれば、それはユリウスのことだけに留まらない。

「アナスタシア……エキドナの、あの必死さはいったい……」

 スバルの脳裏に疑問として強くこびりつくのが、ユリウスと『棒振り』との一騎打ちに割り込み、援護を加えたアナスタシア=襟ドナの判断だった。
 あの瞬間、ユリウスを援護する手が割り込んだことに疑問はない。ああして劣勢に陥るユリウスの姿に、どうにか援護の手を入れようとしていたのは、スバルを含めて全員が同じ気持ちだったはずだからだ。

 ただ、それを言ってしまえば傍観者的な立ち位置にあり、アナスタシアの肉体を間借りする形で活動していたエキドナがしたことは、意外を通り越し、驚愕に値した。

 ここまでの旅程や、監視塔に到着して以降も、エキドナはアナスタシアとしての振る舞いを忘れず、極力、彼女の肉体に配慮した行動をすると断言してきた。それに反することもなかったと、少なくともスバルの目の届く範囲では納得している。

 それがここへきて、突然に、あんな行動に出たことにはどうした意味が――。

「あの娘の衰弱は、ちょっとした魔法の使いすぎとは深刻さが違っているかしら」

「――そりゃ、どういう?」

 考え込むスバルに、唯一、アナスタシアとエキドナの現状を共有しているベアトリスがそっと耳打ちしてくる。
 聞き返したスバルに、ベアトリスは「つまり」と言葉を継ぐと、

「にーちゃとベティー、それにあの襟巻きは精霊の中でも特殊なのよ。それぞれ、凡百の精霊と比べて強力だけど、代わりにちょっとした制限があるかしら。ベティーのことは、スバルには今さら説明する必要もないはずなのよ」

「ああ。独占欲が強いから、お前と契約した俺は他の精霊と契約できない。俺はベア子のものだ。安心していいぞ」

「べ、別にそんなの嬉しいとかちょっとしか思わないかしら。それより、あの襟巻き精霊の方なのよ。あれが、あの娘の体を借用してるのは事実だけど……ここまで付き合ってきて、わかったかしら。あの娘、オド以外に使える魔力がないのよ」

「オド以外に、使えない?」

「スバルと同じで、肉体のゲートに不備があるかしら。弁が壊れていて、外からマナを取り入れる機能が死んでるのよ。だから、命を削らなきゃ魔法が使えないかしら」

「それは……」

 致命的ではないか、とスバルは息を呑んだ。
 アナスタシアの肉体が抱える問題、その事実にスバルは驚嘆する。それは、この世界においては非常に重たいハンディキャップだ。
 切り札は身を削る、アナスタシア=襟ドナがそう言っていたことが思い出される。それは文字通り、本当に文字通りの意味だったのだと。
 そして、明らかになったその事実が、ますますスバルを困惑させた。

 事実として、エキドナがアナスタシアの肉体を酷使することが、宿主である彼女の命を縮めることに他ならないとしたら――、

「なんであいつはそうまでして、ユリウスを助けようとしたんだ?」

 計算高く、何かを目論んでの行動――そんな風には見えなかった。あの必死さの裏側にあったのは紛れもなく、ユリウスの身を案じるものの懸命さだ。
 それを、エキドナがユリウスに抱いたのだろうか。それも、彼の持つ『誘精の加護』の力だというのだろうか。

「――アナスタシア様と、騎士ユリウスのことも心配だけど、もっと突き詰めるべき問題が別にあるわね」

「あの、『棒振り』のことだな」

「ええ。薄情なようだけど、ラムにとっては『試験』がどうなるのかの方が大事だもの。――それが越えられなければ、レムを取り戻す手段に届かない」

 スバルの思考に割り込み、ある意味、冷酷な意見を口にしたのはラムだ。
 彼女の言葉は自分で認めた通り、少しばかり配慮に欠けている。だが、スバルはそのことを責める気にはなれなかった。

「――――」

 そうは見えないラムの硬い表情、その裏側に微かな焦りがあるのを感じる。それは失われた妹の存在を取り戻す可能性、それに指をかけていながら、なかなか届かないことへのもどかしさ、それが察せられたからだ。

「着流しに隻眼、赤い髪に青い瞳……いやに、自己主張の激しい背格好だけど」

「思い当たる人間がいたりするか? 実物を見ないとイメージつかないかもだが、はっきり言って化け物みたいに強い。ラインハルト級かもしれない」

「悪夢ね」

「でも、スバルの言ってることは嘘じゃないわ。ラインハルトの本気の強さは見たことないけど……ん、それぐらい強かったと思う」

 信じ難いといったニュアンスを含んだラムに、エミリアからもフォローが入った。実際に手合わせしたエミリアがこうまで言うのだ。
 彼女に嘘をつくメリットもない。その判断から、ラムは疲れた風に額に手をやり、

「バルスとエミリア様の言葉を信じるとすると、騎士ラインハルトと同格の敵……地上最強と並び立つなんて言われてるのは、今の世界じゃせいぜい各国一人ずつよ」

「ラインハルトが王国最強で、他の三国にもそれぞれ最強がいるってことか」

「ヴォラキア帝国一将『青き雷光』セシルス・セグムント、グステコ聖王国の『狂皇子』、それからカララギ都市国家の『礼賛者』ハリベル。でも、どれも特徴が違うわね」

「赤毛の長髪はいない?」

「聖王国の『狂皇子』だけは特徴が知られてないからわからないけど」

「皇子、皇子か……そんな雰囲気では、なかったかな?」

 もっとも、『狂』の部分だけ拾えば絶対に違うとも言い切れないが、美しい顔立ちだったとはいえ、王族の気品があったとはいえない。
 あれは野にある美しさ、荒野にあるから許される類の美術品だ。

「となると、世に名の知られていない武芸者の類……」

「服装はカララギの民族衣装だったのよ。ハシも、使いこなしてたかしら」

「本来の使い方と違いすぎて、使いこなしてたって言っていいもんか……」

 それに、あの男と『世に知られていない武芸者』という印象は、どう頑張ってもスバルの中では繋がりそうにない。

 男の年齢はスバルよりやや上――おそらくは二十代半ばといったところだろうが、あの年齢まであれほどの実力者が、それもあれだけ人間性の濃い人物が知られずに済んだということには違和感が先立つ。

 それに、だ。
 このプレアデス監視塔の奇妙な仕組みに組み込まれた男が、はたして只人なのかという疑問がずっと付き纏っていて――、

「あ、お兄さんたちちょっといい?」

「ん?」

「裸のお姉さん、そろそろ起きるみたいよお?」

 部屋の隅っこで、甲斐甲斐しくシャウラに膝を貸していたメィリィが手を上げる。その彼女の言葉通り、シャウラはメィリィの膝枕に頭を乗せたまま、やけに艶めかしくくねくねと身をよじり、「ううーん、あうーん」だのと唸り始めていた。
 そして、全員の注視を浴びながら、ゆっくりとその瞼が開いて――、

「お師様ぁ……独りにしないで……もう、寂しいのは、嫌ッス……」

「出鼻に切なくなるようなこと言うのやめろ! 本当は起きてんだろ、お前!」

「ちぇーッス。しおらしいこと言ったら、お師様ほだされてくれるかと思ったのにいけずッス。でもでも、そんなところもあーしは愛してるッス」

「心配して損した……」

 長い足を振り上げ、それを振り下ろす動作でシャウラが身軽に立ち上がる。括った長い後ろ髪――彼女曰くスコーピオンテールを揺らし、シャウラはきょろきょろと部屋の中を見回すと、「おや?」と首を傾げ、

「あれ? なんでこんなとこにいるんスか? 確か、あーしたちはお師様の劇的な閃きで『試験』突破して、上に向かって……」

「ああ、それは夢じゃない。現実だ」

「そこでお師様があーしを抱きしめて、もう離さないって笑いかけて……」

「それは夢だな! 二つ目の『試験』が始まった途端、気絶したんだよ!」

 おっとろしい夢の内容を語るシャウラを怒鳴りつけ、スバルは気絶直前の出来事を思い出させようとする。が、シャウラは「気絶~?」と何故か小馬鹿にするように鼻を鳴らし、

「あーしが気絶なんて、そんなみっともないことあるわけないじゃないッスか。何百年ぶりかにお師様と再会しても、気絶まではしなかったッスよ? そのあーしが気絶だなんて、ちゃんちゃらおかしくってへそで茶が湧くッス!」

「ううん、疑いたくなる気持ちはわかるけど、ホントに気絶してたのよ。スバルと、メィリィがすごーく心配してたの。信じてあげて」

「ええ! お師様があーしのことを!? でへへへ、信じるッス」

「安い……」
「わたしがおまけみたいなの、なんだかすごおく心外だわあ」

 しまりのない顔をして、デレデレと意見を翻すシャウラにスバルとメィリィが揃って複雑な顔をした。ただ、その事実を認めたあとで、シャウラは「あれれ?」とさっきとは反対に首を傾げて、

「でも、気絶って何があったんスか? あーしが倒れるなんて尋常じゃないッス。そんな状況、お師様以外は皆殺しになっててもおかしくないッスけど……」

「あなたがバルス……ならぬ、お師様に過剰な期待を寄せているのはわかるけど、事実だそうよ。ゆっくりと思い返しなさい。……目の前に、長い長い階段があるわ」

「長い長い階段……」

 記憶を辿って蘇らせるつもりか、ラムが催眠療法のように静かな声で語りかける。肝心のラムがその現場を見ていない不都合があるはずなのだが、ラムはまるで見てきたかのように、ゆっくりとシャウラの閉ざされた記憶を紐解いていった。

「出迎えるのは白い部屋、床に突き立つ鋼の剣。それを手にした瞬間、その場にいた全員の心に響き渡る奇妙な声――」

「どきどき……」

 ラムのやたらと情感のこもった語り口に、すっかりシャウラとエミリアが感情移入している。シャウラはともかく、エミリアは何が起こったのか事細かに知っているはずなのだが、スバルは話の腰を折るのを恐れて言及しなかった。
 そして、語りはシャウラの封じられた記憶へと差し掛かり――、

「そのとき、部屋の奥に現れる人影。それは、赤い長髪に青い瞳をし、異国の衣装を纏った風体の男……」

「ひやあああああ!!」

 肝心の場面に達した瞬間、シャウラが悲鳴を上げて飛びずさった。そのまま彼女はスバルへ飛びつくように向かってきたが、それを予期していたスバルは腰を落とし、どっしりと体ごと受け止める。今回は倒れない。
 代わりに、シャウラの柔らかい肌に万力のように締め付けられる。

「痛い痛い痛い痛い! お、思い出したのか! 思い出したんだな!?」

「な、な、な、なんであいつがここにいるッスか! お師様たちが死んだって言ってくれてたのに! 生きてたッス! やっぱり殺しても死なない奴だったッス!」

「はあ!? お前、何を……」

 痛みに涙目になりながら、スバルはシャウラが何を言い出したのかと問い返そうとして――そこで、気付く。

 シャウラの言葉の示す意味に。
 彼女の語った通りの内容に、この塔へきてから該当する話題の人物は一人だけだ。
 それは――、

「『棒振り』! 『棒振り』レイドッス! あの鬼畜! 悪魔! またあーしの胸ズバズバ揉むために生きて帰ってきたんスよーーー!」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 ――レイド・アストレア。

 それは、伝説に名を残した剣士の名前だ。
 魔獣を斬り、剣豪を斬り、龍を斬り、ついには魔女を斬ったとされる大剣士。

 『剣聖』の名を最初に賜った人物であり、世界を救った三英傑の一人でもある。
 ラインハルト・ヴァン・アストレアを含む、『剣聖』の家系であるアストレア家の栄光の始まりにして、今なお剣に生きるものたちにとって至上の憧れ――。

 信じ難いことではあった。その名は、四百年も前に失われたはずの命の名だ。
 ここが数百年前から存在し、魔女に所縁のあるものの手で作られた塔でなければ、そんな可能性は一笑に付したことだろう。

 だが、ここには四百年前を知る生き証人がいる。
 だが、ここは四百年前を生きた『賢者』が作り上げた塔。

 その性格の悪さを思えば、『最強の番人』として初代『剣聖』を置き、彼を超えてみせろなどと、いかにも言い出しそうなものではないか――。

 その事実を収穫に、スバルたちは急ぎ、緑部屋へと舞い戻った。
 相手がレイド・アストレアであると知れたなら、その対策を練らなければならない。幸いにして、彼の『剣聖』は逸話に事欠かない男と聞く。
 そして幸い、過去の偉人について詳しい人材が、この一行には含まれているのだ。

 無論、敗戦の影響が彼に残っていることは想像がつく。しかし、相手の素性を知ればその恥もすすげよう。だって、相手が悪かったのだ。
 何せ、相手は『剣聖』――ラインハルトと同じ家名を持つものであり、その家名を作り上げた始祖にあたる人物だ。

 そう思えば、あの敗戦のことだってうまく消化できるはずで――、

「――あの、馬鹿野郎」

 そんな慰めの言葉を抱えて、緑部屋へ戻ったスバルは押し殺した声を漏らした。
 部屋の奥にある、負傷者を寝かせる精霊が作り上げた草のベッド――四つのベッドにはそれぞれ、レムと、アナスタシアと、一番奥にパトラッシュがいて。
 アナスタシアと、パトラッシュの間にある一つ、そこが空になっていた。

 ただ、その蔦で編まれたベッドの上に、折れた騎士剣だけが置かれていて。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 ――階段を叩く靴音と、肌を刺す剣気に男はゆっくりと瞼を開けた。

 眠りを邪魔されたことへの怒りはない。そも、人生とは常在戦場。
 この身は常に死線上にあると定めれば、そこで何事が起ころうと心を乱さずに在れるものだ。そこで、どれだけ遊び心を持つかは別の話だが。

「――――」

 階段を上がり、徐々にその姿が見えてくる。剣気に覚えがあった。靴音、足捌きにも同じく覚えがある。直近のことだ。忘れようがない。
 ただ、それは相手も同じはずだったから、そのことは奇妙に思った。
 もう少し、賢い相手かと思ったのだが――、

「――――」

「かっ!」

 そんな印象は、上がってきた相手の目を見て掻き消えた。
 代わりに喉を鳴らしたのは、込み上げてきた衝動だ。

 それを舌の上で盛大に鳴らして、ガシガシと乱暴に赤髪を掻き毟った。
 そして――、

「今度は、遊びじゃ済まねえぞ、オメエ」

「――――」

 意味があるとは思えなかったが、一応の義理として言葉を投げかける。
 それを受け、相手は一度瞑目し、すぐにあらゆる感情を投げ捨てた。

 それから、躊躇いなく手を伸ばし――床に突き立つ、剣を抜き放って、構える。

「ルグニカ王国、近衛騎士団所属――ユリウス・ユークリウス」

「――――」

 名乗り上げ、こちらが目を細めるのを契機に、騎士は猛然と走り出した。
 その様子に男は――レイド・アストレアは、酷薄に頬を歪めて、


「そのつまンねえ肩書き名乗ってる間は、オレの遊び相手にもなンねえよ」





※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

たぶん、部屋から撤退するときはスバルがユリウスを背負って、エミリアがアナスタシアをお姫様抱っこして、ベア子とメィリィがシャウラの腕と足を持って担架みたいに運びました。
軽くしていたシャウラですが、ベア子とメィリィが途中でばてて落とし、転がり落ちるのを慌ててエミリアたんがキャッチ。最終的にエミリアたんがアナスタシアとシャウラの二人を両肩に抱えて、ベア子とメィリィを励ましながら階段を下りていったと思われます。
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