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Re:ゼロから始める異世界生活 作者:鼠色猫/長月達平

第四章 永遠の契約

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第四章114 『嘘を願いに』


 地竜の嘶きが高々と響き渡り、『聖域』の空に戦いの決着が木霊する。

 満身創痍のガーフィールを跳ね飛ばし、最後の決定打を与えた漆黒の地竜。
 スバルがパトラッシュと呼ぶその地竜は、まるでスバルと意思が通じているかのようにこの場に馳せ参じ、最後の場面で最高のアシストを決めてみせた。

「――――ッ!」

 ガーフィールとパトラッシュの相対は、実はこの『聖域』において二度目のことだ。
 『聖域』を訪れた初日、竜車を引くパトラッシュは『聖域』への侵入者を撃退しに現れたガーフィールと戦いになり、完膚無きまでの敗退を喫した。
 無論、両者には戦士と非戦闘員という境界があり、手も足も出ずに地を舐めさせられた経験をパトラッシュが責められる謂れはない。スバルも当然だが、そんなことで愛竜を責めるようなことはしなかった。

 だが、当人――否、当事者であるパトラッシュがどう思うかは話は別だ。

 主人を守ること叶わず、屈辱に塗れたあの日の出来事。
 誇り高き祖竜の血を引くダイアナ種にとって、何がなんでも返上しなくてはならない汚名だ。
 早々にこの機会を与えられたことについて、言葉の通じないパトラッシュとスバルの間でははっきりとした意思疎通ができたわけではない。
 だから、パトラッシュは伝わりきらない部分も含めて、行動で証明した。

 地竜の嘶きは、主人と祖竜に対して捧げられる。

 そこに達成感と満足感のようなものが混じっているのは、気絶したスバルに鼻面を寄せる雌地竜の姿を見れば、誰にでもわかることだっただろう。


※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 パトラッシュの名誉挽回の嘶きを聞きながら、エミリアは深い息を吐いた。

 呼吸すら禁じられたような錯覚。違う、呼吸を忘れるような戦いだった。
 決着を見届けろと、スバルに言われたエミリアは自分の無力さを痛感しながら、二人の男の壮絶な在り様を最後まで見つめ続けた。

 スバルが血を吐き、痛みに呻き、崩れ落ちる。
 そのたびに何度、エミリアは声を上げて駆け寄りかけたことだろうか。

 しかし、エミリアの弱い心が待つことを投げ出してしまいそうになるたび、「見ていろ」と言ったスバルの言葉と、見計らったようにこちらを見る彼の視線に制止された。

 手を出すことも、口を出すことも、決して許されない場面。
 もどかしくて、堪え難くて、なのに目をそらすことだけはしてはいけない場面。

 指摘されたわけではない。
 ただ、それを決してしてはならないのだと、エミリアの心は静かに悟った。

 胸に去来する、自分の足を引き止める感情が何なのかはわからない。
 スバルがあんなにも意地を張り、ガーフィールがあれほど吠え猛り、男同士の泥臭い殴り合いの果てに決着した争い――その根底を支えたものがなんであったのか、当事者としては蚊帳の外で、男の理屈を理解し難い女のエミリアには断片的にしかわからない。

 ただ、スバルは今の戦いで意地と信念を示し、多くの力を借りてガーフィールを打倒した。
 そのことは確かで、エミリアの胸中に言葉にできない感情が膨れ上がっていることも否定できない事実なのだ。

 その感情にせき立てられるままに、エミリアは二人の男の戦いを賞賛すべきものと認める。
 だからこそ、彼らの戦いの意味が汚されることなどあってはならない。
 故に――、

「……ロズワール」

 一度だけ目をつむり、それきり迷いを置き去りにしてエミリアは前を向く。
 正面、眼下で倒れるスバルたちを視線は飛び越し、その先にある木々の隙間へ。

 ――そこに、無言で一人の魔人が佇んでいる。

「そんな風に、黙っていられると不安になるわ。何かしようとしてるんじゃないかって、疑いたくなっちゃう」

「こーぉれはこれは、心外なことをおっしゃいますね。重傷の身を押して、エミリア様やスバルくんのために駆けつけたってーぇいうのに」

「それがあなたの本音なら、私も安心したいんだけど……」

 口ごもるエミリアの前で、茂みから足を抜く長身――ロズワールだ。
 『聖域』に到着してからの数日、ベッドの上でしか見なかった彼が外出し、こうしてこの場に参じていることにエミリアはかすかな警戒心を抱いていた。

 本来なら、ロズワールはエミリアにとっては王選の後援者であり、権力的に見れば唯一の味方ともいえる人材だ。エミリアを森から連れ出して王座への道を示し、氷の下で眠る村のみんなを救い出す可能性を提示したのも、彼である。
 だからエミリアはこれまで、ロズワールのその一癖も二癖もある人柄は別として、彼を本当の意味で敵視したり、疎ましく思ったり、危険視したことはなかった。
 ただそれも、本当につい先ほどまでのことだ。

「微精霊たちが、さっきからずっと落ち着かないで騒いでるの」

「……ほーぅ」

「何か、すごーく禍々しいものを感じるって、みんな言ってる。……そして、それは今は私にもはっきりと見えるの」

 緊張に声を低くしながら、エミリアはゆっくりと墓所の入口から広場へ下りる。
 満足げな顔で倒れるスバルと、無念に口元を歪めたガーフィール。二人の間に立つパトラッシュの隣に並び、エミリアはいざというときに三者を守れる位置へ立った。
 三者を守る――そう考えなくてはならないほど、今のロズワールの放つ気配は異質だ。

 濃密な、あまりに異常な濃度のマナにロズワールの周辺の大気が歪められている。
 その体の中で練り上げるマナの密度はどれほどのものなのか。六種類の属性の全てを使いこなし、王国随一の魔法使いとして知られるロズワール・L・メイザース。
 その男が最大限に己の魔法を爆発させたとき、どれほどの奇跡が起こせるのか。

「――――」

 濃密なマナに酔いそうな錯覚を味わいながら、エミリアは息を呑む。
 隣に並ぶパトラッシュもまた、スバルをロズワールの視線から隠すような位置へ立ち、その長い首を伸ばして魔人を威嚇する唸り声を上げていた。
 パトラッシュもまた、ロズワールの尋常ならざる気配に脅威を感じているのだ。その二人の警戒を目にして、ロズワールは常のような態度で肩をすくめる。

「恐い恐い。そーぉんな目で見ないでいただきたいですねーぇ。どーぅも、地竜もそうですが動物にはめっぽう好かれない性質でして。精霊にもそうだとしたら、ベアトリスと仲良くしてもらえないのも納得しちゃいますがねーぇ」

「茶化さないで。それに、この子が不機嫌なのはきっと別の理由だわ。……昔から、そうなんだったらわからないけど」

「いーぃえ。昔……本当に昔はそんなこともなかったんですがねーぇ。地竜のいなかった頃は幽牛――ファローに乗ってこの場所にも足を運んだものでしたよ」

「地竜の、いなかった頃……?」

 ロズワールの口にした言葉の意味がわからず、エミリアは眉を寄せる。
 エミリアも詳しいわけではないが、地竜はもうすっかり生活にも密着した生き物で、その文化と歴史――人類との繋がりも長く続いてきたもののはずだ。
 ロズワールが言ったのは、『ルグニカには』という意味だろうか。いつから地竜がルグニカで重用されているのか、勉強不足でわからない部分ではあるけれど。

 そんな疑問符を浮かべるエミリアに、ロズワールは小さく吐息を漏らす。
 それはどこか、わかりきっていた失望を感じさせるものだった。

「エミリア様もご存知ではありませんか。まーぁ、そうでしょうね。エミリア様は長命のエルフの血を継ぐといっても、御年まだ百年と少し……その大半を寝て過ごされたとあっては、当時の世界のことなど覚えもないでしょうしねーぇ」

「……変なこと言うのね、ロズワール。そんなこと言い出したら、ロズワールだって私よりずっと年下じゃない。その、起きてた時間の長さでは負けるけど」

 百年ほどの時間を氷の中で過ごし、世界の時間に置き去りにされたことはエミリアにとっては恥ずべき過去だ。
 世界中を見渡しても明らかに年長者に入るはずの自分が、その年齢に見合った経験や知識を何も蓄えていないのだから。
 『試練』を突破できないことも含めて、この『聖域』の日々で改めて自覚することとなった自分の『足りなさ』の数々――その一端だ。

 だが、ロズワールはそんなエミリアのささやかな悩みを鼻で笑い飛ばす。
 さすがにその反応は予想外で、驚いたエミリアはすぐに眉を立てた。

「ちょっと、ロズワール。そんな風に笑って、どういうつもり?」

「――。申し訳ありません。大したことではなーぁいんですがね。……無知は時に、悲しいほどに滑稽な状況を生み出すものであると」

「……それ、馬鹿にしてるでしょう。私だって、それぐらいわかるんだから」

 どこか不遜なロズワールの言葉に、エミリアは眉を立てながらますます警戒する。
 ロズワールを取り巻く異常なマナ。自分が練り上げるそれに中てられたように、ロズワールがこちらへ向ける態度にもこれまでにない変化がある。

 これまでエミリアは、これほどはっきりロズワールに悪意を向けられた経験はない。
 エミリアの知るロズワールは、普段からふざけているし、人を食ったような発言が多いし、スバルやパックと同じぐらいくだらない軽口を叩きはするけれど、彼らと同じで決してエミリアを貶めるような類の発言はしてこなかった。
 それはロズワールの抱く目的に、エミリアの存在が協力者として必要であり、『王』という上に置かなくてはならない相手として接する必要があったからだ。

 だから逆説的にいえば、今のロズワールはその価値をエミリアに見出していない。
 『試練』をいつまでも突破できないエミリアに業を煮やし、見限られたのだろうか。それならば、まだいい。それならば、まだ納得ができる。
 しかし、今のエミリアがそれよりも恐れるのは、もっと別のことだ。

「ロズワール……いつから、スバルたちの戦いを見てたの?」

「――いつから、というと?」

「私が、ロズワールに気付いたのは……ちょっと前。スバルとガーフィールが叩き合いになって……スバルが、シャマクを使った直後ぐらい」

 ボロボロのゲートを酷使して、スバルは何度目になるかわからない魔法を使った。
 なけなしのマナが絞り出されて、最後の力を振り絞るような形で魔法は行使され、そしてその効力を未熟に発揮し、霧散した。

 エミリアが本気でスバルに駆け寄りかけたのは、思えばそのときだろう。
 かつて、エミリアの前でスバルは同じように死力を尽くしてシャマクを使い、その果てにこれ以上ないほどの圧倒的な敗北を得た。
 そのときの姿とこのときの姿が重なり、声を上げそうになったことを誰にも責められないだろう。ただ、スバルが隠し玉として結晶石をガーフィールに打ち込み、形勢が五分五分へと傾いたことで、エミリアの心にも焦燥感以外の感情が生まれた。

 そうして、ある種の切迫感を失って初めて、エミリアは気付いたのだ。
 自分と同じように、二人の戦いを影から見ている存在の異質な気配に。

「最初は、ロズワールもスバルが限界になったら手を出してくれるんだと思った。ラムやオットーくんが、ガーフィールを止めるために何かしていたみたいだから、ロズワールもスバルに加勢にしにきてくれたんじゃないかって。でも……」

「お言葉どーぉり、私はスバルくんに加勢しにきたんですとも。と、そう言っても信じてもらえそうにないですねーぇ」

「パックがいなくても、私にだってマナの流れぐらいわかるわ。ロズワールが、いつでも手を出せるように戦いを見ながら……どっちに、狙いを定めていたのかも」

「――――」

 ロズワールの、左右色違いの瞳がエミリアを見て細められる。
 その双眸は、先の戦いを見つめるときにもそうして細められていた。いつでも、高まった魔力を放出できるよう、奮闘するスバルに狙いを定めながら。

「答えて、ロズワール。――スバルに、何をしようとしていたの」

 エミリアは、持ち上げた掌をロズワールへ向けて問いかける。
 傍らにパックはいない。マナの制御に、不安がある。微精霊たちは禍々しい魔力をまとうロズワールへ、恐怖心を強く抱いてエミリアへ訴えかけてきている。
 彼らの力を十全に借りられないのならば、自分がやるしかない。

「お願い、答えて。そうでなきゃ、私は……」

「この期に及んで、まーぁだ判断に迷われる。どこまでも能天気なお方だ。あるいは他人の善意に期待しすぎるのですかね? これまでの日々、悪意を浴びせられることばかりだったはずなのに、どうしてそんな風に隙だらけでいられるのか」

「――――っ」

 懇願するようなエミリアの言葉は、ロズワールの容赦ない悪意に上書きされる。
 口ごもるエミリアに、色合いの違う二つの瞳に等しく悪感情を宿すロズワールは譲らない。彼の中で、混沌のように渦巻く複数のマナの力もまた同じだ。

 雲行きの怪しさと不穏の気配。エミリアは思わず自分の胸に手を伸ばし、そこに慣れた感触がないことを思い出して歯噛みする。
 無意識に不安をパックへ預けようとしてしまう自分の弱さが口惜しい。
 その弱さを誤魔化すように、エミリアはロズワールを睨みつける視線に力を込めた。

「あなたが、私の質問に答える気がないのはわかった。それなら、私の方も――きゃっ」

 手加減なしに、ロズワールの真意を問い質そう。
 そう決意して、マナを集中させようとした途端、頭を横から何かに小突かれた。

 銀髪を乱される感覚に驚き、エミリアが横を向くと、そこに地竜の鼻面があった。
 パトラッシュだ。押す、というには勢いのつきすぎた一発にエミリアは目を丸くする。すると、漆黒の地竜は気品のある顔つきのまま、もう一度、その鼻先でこちらの額を突いた。

「あなた……」

 言葉の通じない間柄なのに、エミリアにはそれが地竜からの声援に思えた。

 ――落ち着け。そして冷静に、自分のやるべきことをなせと。

 鋭い視線にそう言われている気がして、エミリアは自分が熱くなっていたことに気付く。目をつむり、振り返ってロズワールに向き直ったとき、その手は胸に触れていなかった。

「本当に……地竜には、いーぃ思い出がない」

 表情の変わったエミリアを見て、ロズワールがパトラッシュを忌々しげに評する。
 パトラッシュの気遣いは、それほど効果的にロズワールの思惑を割ったということだ。つまりそれは、ロズワールは今、エミリアに手を出されたがっていたということだが。

「ロズワールが何を考えてるのか、今の私には全然わからない。今だって、この子が止めてくれなかったらきっと私は……。なのに、まるでそれを望んでたみたい」

「念のために言っておきますが、痛くされるのは私も嫌いですからねーぇ?」

「……? そんなの、誰だって嫌いでしょう」

 エミリアの眉を寄せた返答に、ロズワールが皮肉げに唇を緩めるのが見えた。どういう意味の笑いなのか、エミリアには全くわからない。
 いずれにせよ、エミリアがこの場で選ぶべき手段は武力ではない。

「話して、ロズワール。今のあなたが、いつものあなたじゃないのは見てたらわかる。どうしてそんな風に……自棄になってるみたいなのか、それを教えて」

「……自棄、ですか。ふむ、これはこれは意外にも」

「投げやりな態度で、魔法をぶつけられるかもしれないのに平然としてて……これで、自棄になってないなんて言われても、信じられない」

 自分が嫌になって、無茶苦茶になってしまえばいいという破壊衝動はエミリアにだって理解できる。それを自分の内側に向けるか、外側に向けるかの違いがあるだけだ。
 エミリアは、それを内側へ向けるタイプだ。ロズワールもまた、そうなのだろうか。

「もしそうなら、話して。何ができるかわからないけど、力になる。だって、これまで私はロズワールにたくさん助けられて……」

「――いえ。もう結構ですよ、エミリア様」

 しかし、エミリアの方から差し伸べた手は、ロズワールの掠れた声に拒絶された。
 これまでで最も平坦な声に顔を上げるエミリアを、ロズワールの凍えた瞳が見下ろしている。道化のメイク――笑っているように見えるその化粧の下、彼の素顔が痛切なほどに感情を殺しているのがわかって、エミリアは息を呑む。

 ロズワールの表情が、まるで何もかも全て投げ出してしまったような顔にも思えて。

「結構って……どういうこと?」

「そのままの意味ですよ。私の思惑をあなたに理解してもらうつもりはないですし、この二人の怪我や『試練』のことも……それ以前に、王選のことすらももはやどーぅでもいいことなんですよ。――もう、終わる世界のことですからね」

「終わる世界って……それに、どうでもいいってなんなの。王選も『試練』もどうでもいいって……ロズワール、何を言ってるの!?」

 突然の暴言に、その真意が理解できないエミリアは怒声を張り上げる。
 不穏の気配を漂わせていたロズワール。だが、今やその表情からは虚無感が、取り巻くマナは身が締め付けられるほどの空虚で満たされている。

 ロズワールの心は今、あまりにも不安定の極みにある。
 それを理解してもなお、彼の主張はエミリアに受け止められるものではない。

 彼が捨てようとしているものは、エミリアにとって大事な全てであり、スバルが命懸けで証明した言葉にできない何かであるのだ。

 スバルと対立したガーフィールの主張は、彼の叫びがはっきりと示していた。
 ガーフィールは墓所を破壊し、『試練』の続行を食い止めようとしていた。
 『聖域』を結界から解放させないことで彼が何を求めていたのか。変化のない日々を求めていたのではないかと、なんとなくエミリアは理解している。
 そしてガーフィールのその主張は、エミリアに共感できないものでもなかった。

 変わらずにあること、あれること。それは安らぎであり、楽な道なのだ。
 それが平穏な場所で、大切な人たちと過ごせる日常であるのなら、その時間に浸り続けることを望む気持ちは誰にも否定できるものではない。

 なのに、スバルはそれを真っ向から否定し、意地を示して跳ね除けた。
 エミリアも立場的にはスバルと同じ、『聖域』に変化を促す側だ。だが、そうする理由をスバルほど確立したわけでも、『聖域』の人々の想いを汲み取ったわけでもない。
 目的のために必要な工程だから、踏み込んだ領域に過ぎない。それがもたらす変化に対し、周囲がどう思うのか――自分の内側にばかり目を向けるエミリアは、そんな当たり前のことすら問いかけてこなかった。

 それを代わりに問いかけ、訴えかけたのが先のスバルではなかったのか。
 自分はまた、自分が負うべき荷をスバルに背負わせ、全てを見過ごしてしまった。

 それを痛感したからこその今だ。
 なのにロズワールは、スバルが命懸けで切り開いた今を、捨てようとしている。

「ロズワール……何を、投げ出そうとしてるの? あなたが……あなたと私が始めたことでしょう? それを途中で……そんなこと、許されるわけない!」

 噛みつくエミリアの声に、ロズワールの眉が反応する。
 彼は瞳にわずかな力を取り戻すと、片手で青い方の瞳を塞ぎ、黄色の瞳を震わせた。

「私と、エミリア様で始めた……? 何を言っているのか」

「え……?」

「始めたのは私と、先生だ。――断じて、あなたじゃーぁない。だから、終わらせることだって、私と先生の自由であるべきだ。そうに決まっている」

「そんな勝手、通るわけないじゃないっ!」

 尋常ならざる気配に気圧されながらも、エミリアは声を上げる。
 感情を見失いかけている道化の顔を睨みつけて、エミリアは腕を振り上げた。

「最初はロズワールと、その誰かが始めたのかもしれないけど……もう、あなたたちだけの問題じゃない。私だけの問題でもない。たくさんの人を巻き込んで、色んな人に迷惑をかけて、それでこうして続けているの! 勝手に終わりになんて、できっこない!」

「道はすでに終わりにしか通じていない。なーぁらば、終わりに辿り着く前にこちらで終わらせて何の不都合があるというんですかねーぇ。今回の私たちは、やーぁはりダメだった……次の私たちと、スバルくんに期待するとしましょう」

「スバルに……?」

 スバルに期待、とはどういう意味なのか。
 倒れているスバルをちらと見て、エミリアはロズワールの言葉を実行させてはならないと意識を新たにする。

 当然だ。

 だってスバルは、もう十分にやるべきことをやってのけた。期待になら、十二分に彼は応えたのだ。これ以上、何を求めることもするべきじゃない。
 与えられたものに対して、報われるべき当然のもので応えるべきだ。

「スバルが開いた道が終わりに通じてるなんて、どうしてあなたに言えるの。閉じかけた道を、スバルたちが力を合わせて開いた。今の争いは、そういうことじゃないの?」

「右へ行くとも左へ行くとも行き止まり。そんな分岐の前で、懸命になっていたというだーぁけの無益な行いですよ。本当に正しい道行は、全てここに記されているんですから」

 言いながら、導師服の懐からロズワールが黒い装丁の本を取り出す。
 見覚えのないそれを見て、なぜかエミリアは自分の胸の内に掻き毟りたくなるような衝動が湧き上がるのを感じて、目を見開いた。

 ひどく、嫌な気分になる本だ。
 タイトルも表紙も見えない、何の変哲もない本に見えるのに、なぜかエミリアその装丁を見ているだけで、精神が不安定になるような圧迫感を覚える。

「その本は……」

「複製された『叡智の書』。あるいは上等な福音書とでも呼びましょうか。私以外のものには読めない文字が並ぶだけの悪戯書きですが、私にとっては違う。辿るべき、正しい歴史を記す導きの書です」

「辿るべき歴史……竜歴石みたいなものってこと……?」

「元を辿れば同じ原理、とは先生から聞いていますね」

 先生、と先ほどからその単語を口にするときだけ、ロズワールの瞳に感情が戻る。
 愛おしい誰かを思い浮かべるような、そのたった四文字の音にだけは殺し切れない想いを抱き続けているような、そんな多くを察せられる声色だ。
 そんな風に、ロズワールにも誰かを思うことは当たり前のようにできるのだ。できるのに、彼は目の前の全てを無価値であると断じようとしている。

「その本に記されていることと、違った形に進むから台無しにするって、そういうの? そんなことして、どうなるっていうのよ。本とは違う、行き止まりじゃない道を探せば……」

「スバルくんと同じことを言いますね。それも、彼の受け売りですか?」

「――っ!」

 うっすらと笑うロズワールに、エミリアは図星を突かれた気がして喉を詰まらせる。
 そんなエミリアの表情に、ロズワールはつまらなそうなため息をこぼした。

「借り物の言葉、用意された立場。『試練』に挑むことすら、そうするべきだと後押しされてのこと……えーぇ、責めはしませんとも。そうしろと、あなたに言ったのは私であり、周りであり、あなたではないのですから。空っぽで何もないあなたが、そうするしかないのを知っていての言葉……スバルくんも、酷なことを迫るものだ」

「酷なこと、なんて……」

「彼のことですから、どーぅせ『試練』に挑むことの必要性が云々なんて道理は説かずに、ただただエミリア様を叱咤激励しただけでしょう? 独りよがりを押し付けて、やればできると根性論を口にしただけだ。わかります。わかりますとーぉも。なーぁにせ、彼と私とは同類ですからねーぇ」

「スバルと、ロズワールが同類? どういう意味?」

「恋しい女性に対して、理想を押し付けるということですよ」

 断言。
 片目をつむり、黄色だけの瞳でエミリアを見つめるロズワール。彼は力ない笑みをたたえたまま、押し黙るエミリアに対して言葉を投げ続ける。

「なんて言葉を投げかけられましたか? 耳心地の良い言葉ばかりだったでしょう? エミリア様を甘やかし、理想を押し付け、優しく壊れやすいものに触れるかのように丁寧に丁寧に扱われたことでしょう? エミリア様が本当は弱く、脆く、恐がったり逃げたがったりするような、当たり前の心の持ち主であることなど考慮もしてくれなかったでしょう? 本当のあなたになんて、彼はこれっぽっちも興味がない。彼が恋しているのは、自分の頭の中で輝いているあなたのことだけ。――そーぅでしょう?」

「――――」

「私も、同じですよ。彼女に対して、理想ばかりを見ていた。素晴らしい、さすがです、あなた以上なんていない。そう褒めそやし、言い続け、ガラス細工に触れるように愛を注いだ……そんなものに、何の意味もないのに」

 早口に言って、ロズワールはどこか苛立たしげに視線をそらす。
 スバルのことを言っているのか、自分のことを語っていたのか。ロズワール自身にすらその明確な区分けはできていなかったのかもしれない。
 その勢いに圧倒されながら、エミリアは小さく息を吸う。
 今のロズワールの態度に気圧されるものを感じながらも、言わなくてはならないことを言ってやるために。

「……それだけ?」

「――――」

「スバルと、あなたが共通点だと思うことは、それだけなの?」

 エミリアの問いかけに、ロズワールが胡乱げな目を向けてくる。
 彼の中に生じた疑念。言葉を継いでこないことが、エミリアの問いかけに対する明白な答えだ。ならば、やはり言ってやらねばならない。
 考えを、正してやらなくてはならない。

「あなたが、言いたいことがそれだけなら……」

「――――」

「スバルとロズワールは、全然同じじゃないわ」

 だって、墓所の中までエミリアを追いかけていたスバルは、確かに理想論を並べ立ててきたし、『聖域』を解放することの意味なんてエミリアに説いたりはしなかった。
 だけれど、彼は決して、エミリアに綺麗事や美辞麗句を言い募るばかりではなかった。

「スバルね、私のこと面倒な女だって言ったもの」

「……なに?」

「自分が色々やってるのに、迷惑ばっかりかけて何様だって。過ぎたことにいつまでも引っかかって、期待ばっかり持たせるなって。お前は口先ばっかりで、何もかもが足りなくて見てられないって。――スバルは私に、そう言ってくれたもの」

「――――」

「スバルは、私をちゃんと見てくれてる。私も、スバルに格好悪いところばかり見せていられないって、今は思ってる。だから、先を見ているふりをして、今の何も見てないロズワールとは、スバルは全然違うわ」

 ナツキ・スバルが、エミリアを通して理想の姿しか思い描かない人だったら、きっとエミリアは今も墓所の中で膝を抱えたままだ。
 ガーフィールだって、理想以外のことを知った上で、それでも理想論を口にするスバルを相手にしなければ、耳を貸すことすらもしてくれなかったことだろう。

 スバルはエミリアの弱さを見た上で、エミリアをそれでも好きだと言った。
 スバルはガーフィールの優しさを知った上で、それでも変われとガーフィールに言った。

 誰もかれも、その場に留まり続けたがる相手に、スバルは叱咤して回り続ける。
 ここにいてはいけないと、もっとやれることがあるはずだと、顔を上げろ、前を向け、拳を振り上げろ、お前には止まっている暇なんてない。

 ――いつまでも、立ち止まってはいられないのだと。

「ナツキ・スバルが、この『聖域』で正しい選択をする……? そんな馬鹿なことが……だとしたら、この叡智の書の記述は……」

「記憶が蘇って、不安だった。パックがいなくなって、押し潰されそうだった」

 自分の考えとスバルの示した答えの違いに、ロズワールが困惑している。
 エミリアは自分の胸に手を当て、そこにあった感触を確かめるためではなく、その下で鼓動を打つ自分の存在を確かめる。

「何もかも思い出したとき、きっと私は違うものになってしまうんだって、そう思ってた。そうなったとき、ここまできた私は間違ったものになるんだって、そう思ってた」

 今も、声を上げている自分の頭の中にある記憶の迷子。
 それがはっきりとした像を結んだとき、取り返しのつかないものが現れる。

 それを得て、エミリアの世界は一変する。
 その変化を、エミリアは恐れて、拒絶したがっていて、でも、必要ないと知った。

 何が変わったとしても、これまで歩いてきた道のりが消えてなくなるわけじゃない。
 これからどうエミリアが変わっても、それが今の始まりと違う形の自分へと変わることであっても、今こうして抱いている気持ちが過ちになるわけじゃない。

 足踏みをして、立ち止まってしまっても、また歩き出そう。
 前だと思える方を見て、前へ向かって。

「やりたいと思ったとき、変われると思ったとき、そうしたいと思ったとき――それでも大丈夫だって、手を引いてくれる人がいるって、教えてもらったもの」

「欺瞞だ……!」

「嘘なんかじゃない。私は、私を信じてくれるって言ってくれた、スバルを信じたい。スバルの言ったそれは、根拠のない出鱈目だって今は思えるかもしれないけど。それを嘘だって言いたくなるのかもしれないけど……それを嘘じゃなくするのが、私のしなくちゃいけないことだわ」

 彼を、スバルを、何もできないどうしようもないエミリアに、ありもしない希望を説いて駆けずり回った嘘つきだなんてレッテルを、絶対に貼らせてはならない。
 ナツキ・スバルが、エミリアに『きっとできる』と断言したのだ。

 今のエミリアでは、それを嘘にしてしまう。
 でも、エミリアが殻を破り、『きっとできる』を成し遂げれば、嘘は嘘ではない。
 人はそれを、『願い』と呼ぶのだ。

「嘘を、願いにするのが、今の私がやらなきゃいけないことで、したいことだもの」

 スバルが必死になって、懸命になって、教えてくれたこと。
 それがエミリアの中で、形にできなかったそれがようやく言葉に結びつく。

 これが本当の正解なのかわからない。
 まだ形になっていないものを、正しいものへしていくのは、エミリアの行いだ。
 そのことに、もう躊躇わないで、迷わないで、いきたいとそう思う。

「――――ッ! 馬鹿な!」

 そのエミリアの答えに、顔色を変えて後ずさるのはロズワールだ。
 彼は普段の余裕も、先ほどまでの虚無感もかなぐり捨てて、いっそ絶望的な表情で声を絞り出し、今の答えに慄いている。
 腕を振り上げ、エミリアを指差して、裏返る声で叫ぶ。

「なぜ、どうして! 今、ここでその答えに辿り着いてしまう!? 私が先生に伝えられなかったことを、どうして先にナツキ・スバルがあなたに伝えてしまうんだ!? 彼が今! この段階で! その想いに到達していいわけがない!」

「私は、自分が何を怖がっていたのか思い出したわ。それと向き合う覚悟も、今は固めてる最中……あなたは、何を怖がっているの」

「決まっている! 記述とそれること! この記された歴史の通りに進められずに、約束された再会が果たせなくなること! それ以外の、何を!」

「でも、今のロズワールが問題にしているのは、それとは違うことに思えるわ」

「――――!」

 ロズワールの双眸に怒りの火が灯る。
 彼が口にするのは、スバルの心境に対する共感できないことへの憤怒だ。ロズワールは何か、過去に自分が味わったものと同じものをスバルに感じてもらいたがっていた。
 彼が口にした、自分とスバルが同類であるという言葉は、あるいは揶揄でもたとえ話でもなく、ロズワールがそうあるべきだと頑なに信じ込んでいたことなのかもしれない。

 スバルとロズワールは、想い人に対する向き合い方において、同じ流れを汲み、同じ傷を負うべきだと、そう考えていたのかもしれない。
 その根底が揺らぎ、自信が崩れそうになっている。

 今のロズワールの狼狽が、エミリアにはそういう風に思えた。

「ああ、なんてことだ……! 私としたことが、こんなことになるなんて」

 ロズワールは口元に手を当てて、メイクが落ちるのも構わずに頬を歪ませる。

「賭けの時点から、掌で踊らされていたというのか? ガーフィールが負けたことも、エミリアが立ち直ってしまうことさえ、全て計算の上だったと? ……賢人の抑止力に対して、謀を目論んだ時点で間違っていたとでもいうのか……なら、私は何のために」

「ロズワール?」

 めまぐるしい思考の中に埋もれて、ロズワールはエミリアの存在を意識の外へと押し出してしまう。
 必死の形相で彼が考えるのは、己の思惑からそれた世界をどう軌道修正するか。
 しかし、そんな方法はもはやこの世界のどこにもない。

 彼の持つ、予言書にどんな記述があるのかはエミリアにはわからない。
 ロズワールがこれほど追い詰められるのだ。よほど豪快に、ずれたのだろう。

 それこそ、もう完全に、別世界であるというほどまでに――。

「――ああ、そうか」

 ふと、これまで混迷の渦の中にあったロズワールの呟きが漏れた。
 その声には理知的な響きが戻っていて、エミリアは彼の混乱が一時的に収まったものと期待する。理性的な会話で、妥協点を探ることが――。

「なーぁにも、悩む必要はない。いずれにせよ、『契約』がある。彼が『本物』に辿り着けるかどうかなど、思い惑うことはなかった」

「何を、言っているの? ロズワール、今度は何を……」

「何も。何もありませんとも、エミリア様。ご心配と、混乱させてしまい申し訳ありませんでした。あなたはあなたの望まれるまま、私の期待する通り動いてくださればいい」

 腰を折り、ロズワールは道化た態度を振りまきながら笑みを向けてくる。
 もちろん、エミリアの方は納得できるはずもない。先ほどまでの取り乱しようから一転して、この普段を変わらないような態度だ。
 取り乱していたときの方がよっぽど、『まとも』に見えていたなどどうかしている。

「……ロズワールの期待する動きって、私に何を期待しているの?」

「もちろん。――心のままに『試練』に挑まれ、結果を出されることをです」

 それが、どちらの結果なのかについてはロズワールは言及しなかった。
 そしてどちらを望まれているのかも、エミリアには何となく察しがついた。

 わからないのは、ロズワールがそれを望む理由。
 そして投げやりになってしまったわけと、それを呑み込んで収めた理由。
 わからないことだれけだ。でも、

「それは、今はきっと……話して、くれないのよね」

「…………」

「いいわ。それを無理に聞き出そうとは思わない。その資格がきっと、今の私にはないから。――でも、いつまでも隠したままでいられると、そうは思わせないわ」

「――頼もしい、ことですとも。真実を知り、自分を取り戻してなお、その虚勢が張れるかどうか」

 最後の最後、向けられた悪意めいたそれは、しかし懇願にもエミリアには思えた。
 それきり、ロズワールはこちらへ背を向けて歩き出す。向かう先は、おそらくはロズワールが療養していた仮宿だろうか。
 結局、彼がここまで足を運び、戦いを見守っていた理由はわからない。ただ、渦巻くマナの濃度は今も変わらず、ロズワールの体内で奇跡の時を待ち焦がれている。

「そうだ。――エミリア様、一つだけ忠告を」

「なに?」

 立ち止まり、指を立てるロズワールにエミリアは眉を上げる。
 ついさっき、敵対にも等しい会話で別れを切り出された相手に対して、無防備すぎる姿をさらすエミリアにロズワールが苦笑した。

「ガーフィールですが……根の深さを甘く見ない方がいーぃ。ただ、殴り倒したぐらいで考えが変わるほど、彼の執念は浅くない」

「――わかったわ」

 素直に受け取るエミリア。彼女を残し、ロズワールは今度こそその場を後にする。
 彼を見送ってしまえば、広場に残るのはエミリアの息遣いと、遠ざかる背中を最後まで睨みつけ続けていた漆黒の地竜の鼻息だけだ。
 あとは、倒れて意識のない二人の男の、寝息ともとれる深い息吹だけ。

「――はぁっ」

 ふと、エミリアは肩を震わせ、大きく息を吐いた。
 その反応に隣でパトラッシュが目を丸くするのに気付き、エミリアは苦笑する。

「ううん、大丈夫。あなたのおかげで、私も冷静になれたから。……でも、すごーく緊張した。ロズワールと、戦いになるかもしれなかったもの」

「――――」

「うん。どうして戦うのかもわからないのに、戦うのなんて嫌。ロズワールも、なんであんなになってるのか……スバルなら、知ってるのかな」

 パトラッシュの気遣わしげな視線に応じながら、エミリアは仰向けのスバルの隣に跪き、血塗れの彼をそっと抱き起こす。
 乾き始めている血を指で落としながら、腫れ上がった顔をそっと撫でた。痛みかくすぐったさを感じたように、表情がわずかに引きつる。

「治療、してあげなきゃ。スバルもガーフィールも、痛いのは嫌だもんね」

「――――」

「あ、そんな心配そうな顔しなくても大丈夫よ。パックがいないからちょっと制御は不安だけど、簡単な治療ぐらいなら微精霊の子の力を借りてできるんだから」

 言いながら、エミリアは周囲の微精霊に語りかけ、淡い輝きを身にまといながら力を借りる。柔らかな光がスバルとガーフィールを包み、彼らの傷を癒し始めた。

 どこか、表情の安らいでいくスバル。
 それにエミリアは小さく微笑み、彼の頭をそっと自分の膝の上に乗せる。

 こうしてスバルに膝を貸すのは、もう何度目だろうか。
 それ以上に色々なものをもらいすぎていて、何をすれば返せるのかわからないぐらいだけれど。

「目が覚めたら、すごーくたくさん、聞きたいことあるんだから」

 小さく呟き、エミリアはスバルの前髪にそっと指を差し込んだ。
 顔をしかめるスバルに、かすかに頬が緩む。


 ――森の方からオットーと、彼に背負われたラムが合流するのは、それから十分ほど後のことだった。

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