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Re:ゼロから始める異世界生活 作者:鼠色猫/長月達平

第三章 再来の王都

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第三章52 『ゼロから』

 ――賭けに負けた。

 泣き笑いのレムの表情と、かつての自分の言葉に打ちのめされたスバルの内心を占めたのは、全てをなげうったはずの勝負に敗北した脱力感であった。

 スバルに強い依存心を抱く彼女であればあるいは、とスバルは信じた。否、願った。
 ひょっとしたら、なにもかもを投げ捨てて自分を選んでくれるのではないかと。

 儚い夢だった。思い上がった考えだった。そも、わかっていたはずだったのに。
 自分自身になんの価値も見出せないからこそ、逃げ出そうという選択肢を選ぶに至ったはずだったのに、なにに期待していたというのだろうか。

「今、は……笑えないかもしれない、けど……ほら、いざ実行に移してみたらきっと笑えるはずで……うん、そうなんだよ。だから、あの……」

 すでに結論が出たというのに、次にスバルの口から漏れたのは諦めの悪い女々しい取り繕いだった。
 レムの言葉に効果的な反論が思い浮かばない。けれど、なにかしらの言葉を続けなくては望みが続かない。ひょっとしたら、まだ心変わりしてくれるかもしれない。
 語りかけ続ければきっと――それも、都合のいい考え方なのだろうけれど。

「……レムも、考えてみました」

 と、縋るようなスバルを見つめたまま、レムは瞑目してそう呟く。
 彼女はその整った面をわずかに上に傾け、

「カララギに到着して、まず宿舎を借ります。生活の基盤を作るために家は欲しいところですけど、手持ちのお金のことも考えると無理はできません。まずは安定した収入を得る方法を見つけてから」

 指をひとつ立てて、先ほどのスバルの未来予想図に付け足すように彼女は語る。

「幸い、レムはロズワール様の計らいで教育を受けていますから、カララギでもいくらか仕事を見つけるのは容易だと思います。スバルくんは……肉体労働を探してもらうか、レムの身の回りの世話をしてもらうことになるかもしれませんね」

 小さく笑い、レムはスバルがなにもできない点をそう茶化してみせる。
 この世界の教養が浅く、技能に関しても丸っきり無能のスバルに対しては正しい評価といえるだろう。

「収入が安定したら、もう少しまともな住む場所を見つけるべきです。スバルくんにはその間、他の仕事に就くことができるよう勉強してもらって……実際に働くことができるようになるまで、一年かそれぐらい。スバルくんに頑張ってもらって、そこはもっと早く独り立ちしてもらいましょう」

 意外と彼女の教育方針はスパルタなのだ。
 時折、ラムに代わって勉強を見てくれる彼女は教え方こそ優しいが、課題や問題の出し方には容赦がなかった。自身への厳しさ故なのだろうと、口では文句を言いつつも好ましく思っていた部分でもある。

「二人で働いて、ある程度のお金が貯まったら……家を買ってもいいかもしれませんね。なにかお店をしてもいいかもしれません。カララギは商都の盛んな場所ですから、きっとスバルくんの突飛な発想が活かせることもありますよ」

 手を叩き、楽観的すぎるような未来図を空に描くレム。
 スバルにもまた、彼女の幻視する光景がはっきり見えるかのようだった。
 そこでは相変わらずスバルがレムに迷惑をかけつつ、甘やかされつつ、それでも多少なりの責任感をもって、懸命に汗を流している姿があるに違いない。

 そうあれればいいな、と本当に思う。
 彼女のために、彼女のためだけに、懸命にあれたらどれだけ幸せだろう。

「仕事が軌道に乗ったら……その、恥ずかしいですけど……子ども、とか。鬼と人のハーフになるので、きっと腕白な子が生まれます。男の子でも女の子でも、双子でも三つ子でも可愛い子になりますよ」

 頬を染めて、ちょっとだけ先を走り過ぎた想像に小さく首を振るレム。
 指折り彼女は数を数えて、その回数が恐ろしいことに十回を越えたところで数えるのをやめると、

「きっと楽しいことばかりじゃないですし、こんなに想像通りにうまくいくことばかりじゃないと思います。男の子が生まれなくて、女の子ばかりが続いてしまってスバルくんが家庭内で肩身が狭くなることもあるかもしれません」

「……レム」

「でもでも、子どもたちが大きくなってスバルくんを邪険に扱うようなお年頃になっても、レムはスバルくんの味方です。ご近所では有名なおしどり夫婦なんて言われてしまって、ゆっくり、同じように時を過ごして、老いていって……」

「……れむぅ」

「スバルくんにはごめんなさいですけど、できればレムに先に逝かせてください。ベッドの上で、スバルくんに手を握られて、子どもたちやその子どもたちに囲まれて、静かに『レムは幸せでした』って、そう言って、見送られて……」

 顔が、上げていられない。
 レムの語る未来予想図が、スバルの心を静かに、優しく、傷付けていく。

「幸せに、幸せに……人生を、終えることができるんです」

「そこまで……ッ」

 弾むような、聞いていてむず痒くなるような、胸の奥底を掻き毟りたくなるような、そんな悲痛な幸せに満ちた未来をレムが締めくくる。
 聞き終えたスバルの胸の中に残ったのは、言葉にはできない類の哀切に満ちた激情だった。

 喉が震える。胃の奥に重いものが沈んでいる。頭が痛い。目の奥に熱いものがこみ上げてきて、それを誤魔化そうと頭を振って、

「そこま、で……思ってくれるなら……!」

 スバルと一緒に、どこまでもどこまでも逃げてくれたって――。
 しかしその懇願は、

「スバルくんが笑って、その未来を望んでくれるなら……レムはそうやって死んでも良かったと本気で思います」

 スバル以上の悲しみを堪えて、それでも微笑む彼女には届かなかった。

 愕然と、その痛切なまでの微笑を見つめてスバルはようやっと理解する。
 たとえどれほど取り縋ったとしても、レムのこの意思を覆すことはできないのだと。

 自分はもう本当にどうしようもないほどはっきりと、賭けに負けたのだと。

「――――」

 ずっしりと、肩に重いものが圧し掛かるような疲労感が襲いかかった。
 そのままその場に崩れ落ちてしまいそうな脱力感、かろうじてその無様だけはどうにか堪えて、スバルは自分の顔を掌で覆いながら絶望する。

 レムに同行を断られてしまった。
 そしてそれはつまり、彼女を救うための手段が途絶えたことを意味する。このまま彼女を守るために傍にいれば、待ち受けるのは屋敷に向かう彼女を襲う残酷な運命――そして変えられない悲劇と、残酷な運命の袋小路だ。

 かといって、ならばレムを置き去りにしてひとりで逃げるというのか?
 そうすれば先行きの見えない不安さは残るが、それでも目の前に迫る回避しようがなかった絶望からだけは逃れることができる。もちろん、スバルがいてもいなくても発生する事象に関しての結末はなにも変わらない。ただ単に、スバルがその事実を目にしないで済む――目と耳を塞いで知らないふりをすれば、その現実を直視しないで済むという程度の恩恵でしかない。
 たとえその程度の救いでも、今のスバルには縋りつきたいほど欲するものだ。だけれど、ひとりきりでそれを受け入れてなんの救いがあるというのだろう。

 戦いを挑んでも、狂気の海に沈んでも、全て投げ出して逃げ出すことも、運命は決して許しはしない。
 ならば、いったい、スバルになにが――。

「スバルくんと生きていけるなら……スバルくんが、逃げようと思ったその場所にレムを連れていこうと思ってくれたことが、今は心の底から嬉しい。嬉しいです。――でも、ダメなんです」

 胸に手を当てて、レムはスバルが差し出した逃避のチケットを破り捨てて、それでも万感の思いを込めて頬を染めながら俯く。
 逃げて、逃げて、逃げた先で、さっき彼女が語った夢物語のその成就がなることを、他でもない彼女自身がわかっている。
 幸せだと、そう断言するその物語を、しかしそれでも彼女が否定するのは、

「だってきっと、今、一緒に逃げてしまったら……レムが一番好きなスバルくんを置き去りにしてしまうような気がしますから」

「――――」

 なにを、言っているのだろうか、レムは。

 ゆるゆると顔を持ち上げて、スバルは呆然とした瞳で彼女を見る。
 レムはスバルに悲しげな微笑を向けたまま、それでも毅然とした瞳でこちらを射抜いていた。その意気に圧倒されるスバルに彼女は続ける。

「スバルくん。なにがあったのか、レムに話してください」

 首を振る。無理だ。それをしたら、レムは死ぬ。

「話せないのなら、信じてください。きっと、レムがどうにかしてみせます」

 首を振る。無理だ。それをさせたら、レムは死ぬ。

「……でも、せめて今は戻りましょう? ゆっくり時間をかけて、落ち着いて考えればいい考えも浮かぶかもしれません」

 首を振る。無理だ。それを待っていたら、みんなが死ぬ。

「もう、悩んだんだ……考えたんだ。苦しんだんだ……だから、諦めたんだ」

 誰もスバルを信じない。
 誰もスバルに期待していない。
 誰もがスバルになにもするなと、その浅慮な愚かさに警告を投げた。

 それを無視し続けて、すり減って、散々馬鹿を見て、今の域に辿り着いた。
 その時間は、その心の摩耗は、スバルにとって――。

「――諦めるのは簡単です。でも」

 ふいに、レムが口にしたスバルの弱々しい言葉への反論。

 ――アキラメルノハ、カンタン。

 それを耳に入れた瞬間、スバルの全身にわけのわからない衝撃が走った。
 脳天から雷に打たれたようなその圧倒的な衝撃、言葉にできないそれはスバルの胸の中で爆発し、体中の毛穴が開いたような焼けつく感覚が全身を支配した。

「諦めるのは……簡単……?」

「スバルくん?」

「ふざ、けるな……ッ!」

 戸惑いを瞳に宿すレムに、歯を食い縛るスバルの怨念じみた声が漏れた。

 冗談じゃない。諦めるのは簡単? あっさりと、目的を投げ出して背中を見せて、両手を空にして走り出すのはさぞ気楽なことだろうと?
 そんな馬鹿な話が、あるものか。

「諦めるのが、簡単なわけねぇだろうがぁ!!」

 堪え切れない鬱屈とした感情が炸裂し、それがそのまま舌に乗って吐き出された。
 怒声を張り上げるスバルにレムは驚いたように身をすくめ、王都正門の通りを行き交う人々も、そのスバルの激昂した様子に何事かと目を向けてくる。
 その群衆の不躾な視線を無視し、スバルは目の前に立つレムだけを睨みつけて、

「俺がなんにもしないで、なんにも考えないで、ばっさり全部切り捨てて、あっさりとなにもかも投げ捨てて、それで諦めてるんだって、お前はそう思うのか!?」

 苦渋の決断だった。血の涙を流し、喉が叫びで涸れ果てるような経験を経て、それでもなおも届かないと思い知らされたこその決断だった。
 全てを諦める、言葉にしてしまえばそれだけの結論だが、その結論に辿り着くためにどれだけの犠牲を払ったのか、それを軽んじることだけは絶対に許されない。

「諦めるのだって、簡単なんかじゃなかった……! 戦おうって、どうにかしてやろうって、そう思う方がずっと楽だったよ……! だけど、どうにもならないんだよ……道がどこにもないんだ! 諦める道にしか、続いてないんだ……!」

 運命の袋小路は、提示される全ての道を塞いでスバルを嘲笑う。
 挑んでも挑んでも、立ち向かっても立ち向かっても、策を練っても、他者に委ねようとしても、そして逃げようとしてすらも。

 全部を、拾い上げることはもはや不可能なのだ。
 助けたいと思った人たちにすら、差し伸べる手を拒絶されて、どうしてそれでもまだ頑張ろうなどと言える。諦めるのが早すぎるなどと、誰がスバルに言えるのだ。
 スバルと同じだけの経験を経て、スバルと同じだけの苦痛と苦境を味わって、スバルと同じだけの地獄を見てから、同じ言葉を吐けるというのか。

「なんとかできるんなら……俺、だって……俺だって……!」

 なんとかしたいと、本気で思っている。
 助けたいと、救い出したいと、奪われるのが嫌だと本気で思えている。
 だけど届かないのだ。届かせてくれないのだ。これも全て、これまでのスバルの日々の積み重ねが、その時間の全てが牙を剥いた結果だ。
 だからスバルは――、

「スバルくん」

 声を絞り出し、感情を絞り尽くし、うなだれるスバルにレムが声をかける。
 耳鳴りが酷くて、みっともない本音をさらけ出したことが苦々しくて、スバルは彼女の顔を見上げることもできない。
 そんな情けなくて、救いようがなくて、どうしようもない運命に負けた敗北者に、

「諦めるのは簡単です」

「――――」

「でも」

 先ほど、スバルを激昂させた言葉をもう一度繰り返すレム。
 その彼女の言葉に信じられないものを感じて、スバルは唇を震わせて顔を上げる。

 なぜ、わかってくれないのか。
 これだけやっても、スバルの苦悩は彼女には理解してもらえないのか。

 そんな内心の鬱屈が、不満が、八つ当たりのような感傷が、

「――スバルくんには、似合わない」

 スバルの黒瞳を真っ直ぐに見つめて、断言する彼女の前に霧散した。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 レムはまるで、それが絶対に正しいことであるのだと、そう信じているかのようにはっきりと口にする。

「スバルくんがどんなに辛い思いをしたのか、なにを知ってそんなに苦しんでいるのか、レムにはわかりません。わかります、なんて軽はずみに言えることじゃないのもわかっています」

「――――」

「でも、それでも、レムにだってわかっていることがあります」

「――――」

「スバルくんは、途中でなにかを諦めるなんて、できない人だってことをです」

 目の前で悲嘆に暮れて、全て投げ出して、今まさに諦めを口にした男に対し、レムは恥じることなく、恐れることなく、揺らぐことなく言葉を紡ぐ。

「レムは知っています」

「――――」

「スバルくんは未来を望むとき、その未来を笑って話せる人だって知っています」

「――――」

 レムと逃げた先の、きっと穏やかで安楽に満ちているはずの世界を、罪悪感と後悔でぐしゃぐしゃの顔で語った男に対し、レムは嘲笑うこともなく、失望することもなく、真っ直ぐな目のままで言葉を紡ぐ。

「レムは知っています」

「――――」

「スバルくんが未来を、諦められない人だって、知っています」

 噛みしめるように、俯くスバルにレムはそう言い切る。
 彼女の瞳には真摯な輝きだけがあり、そこにはスバルのことを心底信じ切った色だけしか浮かんでいない。

 その激しく強い輝きにスバルは圧倒される。
 だって、それは彼女の思い違いでしかない。滑稽なほどの勘違い、スバルという人間を買い被りすぎた発言でしかないのだ。

 レムの瞳に映るスバルがどれほど高潔で、誇り高い人格者なのかはわからない。
 けれど、本物のスバルはそんな大層な人間であるはずがない。

 弱音を吐き、逆境に挫け、見るも無残な己の小ささを自覚し、敗北感に塗れて逃げ出そうとする――それが、ナツキ・スバルだ。

「ちが……俺は、そんな人間じゃない……俺、は」

「違いません。スバルくんはみんなを……エミリア様も、姉様も、ロズワール様や他の人のことも、諦めてなんかいないはずです」

 強い語調で否定される。だが間違いだ。スバルは彼女らを投げ出した。

「諦めた、諦めたよ。全部拾うなんてどだい無理なことだった……俺の掌は小さくて、全部こぼれ落ちて、なにも残らない……ッ」

「いいえ、そんなことはありません。スバルくんには――」

 どこまでも、どこまでも、彼女はスバルの諦めを否定してみせた。
 どうしてこうまで、ここまで醜態をさらしたスバルのことを、そのスバルの非を認めようとしないのか。彼女にはスバルがどう映っているのか。

 それがあまりにも不愉快で、耐え切れなくなって、

 ――お前が、どれほど、なにを言おうと。

「――お前に! 俺のなにが!! お前に俺のなにがわかるって言うんだ!?」

 激情が、胸に内側で燃えたぎる炎が、灼熱の赤が勢いよく噴き出す。
 怒声を張り上げ、スバルはすぐ脇の壁に拳を叩きつける。固い音、砕けた拳から血の赤が壁に散り、掌でそれを乱暴に広げ、

「俺はこの程度の男なんだよ! 力なんてないのに望みは高くて、知恵もないくせに夢ばっかり見てて、できることなんてないのに無駄に足掻いて……!」

 誰にだって、なにかひとつぐらいは取り柄がある。
 そしてそのひとつの取り柄を伸ばして、相応の場所に誰もが行くのだ。
 ――だが、ナツキ・スバルにはそれすらない。それすらないのに、望みの場所の高さだけは分不相応に高すぎて。

「俺は……っ! 俺は、俺が大嫌いだよ!!」

 へらへら笑って誤魔化して、おどけて囃し立てて逃げ続けて、真剣に向き合ってこなかった現実――それを前にして、スバルは初めて本音をさらす。
 ナツキ・スバルは自分のことが、誰よりも誰よりも、嫌いだった。

「いつだって口先ばっかりで! なにができるわけでもねぇのに偉そうで! 自分じゃなにもしねぇくせに、文句つけるときだけは一人前だ! 何様のつもりだ!? よくもまぁ、恥ずかしげもなく生きてられるもんだよなぁ! なあ!?」

 自分を高めることなんてできないから、相対的に他者を貶めて自分を高く見せようとする姑息さ。他者に劣っていることを認めたくないから、揚げ足を取るような真似をして自分の薄っぺらなプライドを守ろうとする卑賎さ。

「空っぽだ。俺の中身はすかすかだ。決まってるさ……ああ、当たり前だ。当たり前に決まってる! 俺がここにくるまで、こうしてお前たちに会うような事態になるまで、なにをしてきたかわかるか!?」

 異世界に落ちてくる前。
 元の世界で、何事も変わらない平凡で退屈な日々の中で、なにをしてきたか――。

「――なにも、してこなかった」

 怠惰を貪り、惰眠に沈み、努力とも研鑽とも無縁の日々を過ごしてきた。
 かといって自分を諦めているでもなく、なにかそのときがくれば本気を出してやろうじゃないかなんて都合のいいことばかり考えていて。

「なにもしてこなかった……なにひとつ、俺はやってこなかった! あれだけ時間があって! あれだけ自由があって! なんだってできたはずなのに、なんにもやってこなかった! その結果がこれだ! その結果が今の俺だ!」

 有り余る時間を有用に使えば、きっとスバルはなんにだってなれたはずだ。
 だが、現実のスバルは与えられた時間を大いに無駄に浪費し、結果としてなにかを得ることもなければ、なにかを生み出すことすらもなかった。
 だからいざ、なにかをしたいと心から思ったときに、それを成し遂げるための力も知恵も技術も、なにも身につけていないのだ。

「俺の無力も、無能も、全部が全部! 俺の……腐り切った性根が理由だ……ッ! なにもしてこなかったくせに、なにか成し遂げたいだなんて思い上がるにも限度があんだろうよ……怠けてきたツケが、俺の盛大な人生の浪費癖が、俺やお前を殺すんだ」

 救いようがない自分。どうしようもない自分。
 仮に生まれ直せたとしても、きっと自分は同じ道を通って、同じだけの時間を同じように浪費して、同じ心持ちでこの場所にきて、同じ後悔を得るだろう。
 腐り切った性根は変わらない。ナツキ・スバルという人間は、そんな底の浅い人間性しか持ち合わせていないのだ。その事実は、揺らがないのだ。

「そうさ、性根はなにも……この場所で生きてくことになったって、そう思ってもなにも変わっちゃいなかった。あのヴィルヘルムの爺さんは俺のそこんとこも、きっちり見抜いてやがった。そうだろ?」

 王都に残り、クルシュの邸宅でスバルはヴィルヘルムに剣の師事を受けた。
 幾度も幾度も打ち倒される内、そうしてボロボロになりながら、なおも挑みかかるスバルの姿を見て、しかしあの老人はその真意を見抜いていた。

『強くなるつもりのない人間に、強くなるための心構えを説くことはあまり意味のないことではと思ったものですから』

 修練の日々の中、打ち倒したスバルに剣を振るものの心構えを話し、彼の老人はそう首を振ったのだ。
 あのときはスバルはわからないと、なにを言っているのかわからないと、そう否定したが――本心では、それがどういう意味なのかはっきり悟っていた。

「強くなろうとしてたわけでも、どうにかなろうと思ってたわけでもねぇ……俺はただ、なにもやっていないわけじゃないんだって、努力しているんだって……そうやって、わかりやすいポーズを取って、自分を正当化してただけだ……」

 エミリアに見捨てられて、王選の場でこれ以上ないほど惨めをさらして。
 そんな自分に向けられる周囲の目が、意識が耐えられなかったから、その視線に見えるように『努力している』風を装って、自分を守ろうとしたのだ。

 ――俺はちゃんとやっている。なにもしてないわけじゃない。変わろうとしている。

 そうやって、妥協の理由を探して、あの行為に行き着いただけだ。
 変わろうとしていると、その考え自体がなにも変わっていないことの証明であったにも関わらず。

「しょうがないって言いたい! 仕方がないって言われたい! ただそれだけだ! ただそれだけのために、俺はああやって体を張ってるようなふりをしてたんだ! お前を付き合わせて勉強してたのだって、その罰の悪さを誤魔化すためのポーズだったんだよ! 俺の根っこは、自分可愛さで人の目ばっかり気にしてるような、小さくて卑怯で薄汚い俺の根っこはなにも! なにも、変わらねぇ……」

 剥がれ落ちていく、虚勢が。崩れ落ちていく、虚栄が。
 他者に悪く思われたくないという虚栄心が、自分は間違っていないのだと主張を通したがる利己心が、薄っぺらな殻を破って溢れ出してくる。

「……本当は、わかってたさ。全部、俺が悪いんだってことぐらい」

 誰かのせいにして、なにかを理由にして、それを声高に攻撃していれば楽だった。
 本当の自分を見ずに済むし、本当の自分を見せずに済むし、上辺だけ剥がれなければその内側になにを抱え込んでいるのかなんて見られずに済むし。

 弱くて、身勝手で、喚くばかりのくせに愛されたい。
 そんな醜い自分を見られなくて、そんな醜い自分を見なくて、済むから。

「俺は、最低だ。……俺は、俺が大嫌いだよ」

 胸中に溜まり切った薄暗い闇を全て吐き出して、スバルは荒い息をつく。
 濁りに濁った汚濁ようなそれを、異世界にきてから――否、元の世界にいた頃からの鬱屈としたそれを、思う存分にぶちまけてやった。

 我ながら反吐が出るような人間性だと思う。
 吐き出し切ってなお、胸が悪くなるような感慨が消えることがない。溜め込んだものを吐き出したなら、少しは軽くなるのが道理ではないのか。
 欠片も楽にならない上に、言葉にしてようやく自覚した自らの愚かしさに、今すぐに死んでしまいたいほどの羞恥が覆いかぶさってきている。

 そしてそれだけの汚濁をぶちまけて、その矢先に自分のことばかり考えている弱さがなによりくだらなかった。
 今、目の前で、信じ切った瞳でいたレムに対して、お前の見ている輝きは全てまやかしのものだと、黒の塗料で汚く塗り潰すような真似をしておいて、スバルは彼女を案じるよりも先に自分可愛さを優先した。

 けっきょく、そんなものなのだ。
 自分の嫌な部分を、悪いところを、欠落した部分を認めて実感したところで、それがイコールすぐに改善できるわけでもない。むしろ、目立った穴は途方もなく深く暗く、どうにかしようという気概さえ奪っていったのかもしれない。

 ぽっかりと空いた空虚の穴は、そのままナツキ・スバルという人間が足りない人間であることの証左だ。それを目の前に動き出す気が起きないこともまた、それを裏付ける消極的な堕落となるだろう。

 憐れまれる価値すらないスバル。そんな彼の心の底にこびりついていた、薄汚い自我の果てを聞き、青い髪の少女すらとうとう――、

「レムは知っています」

「――――」

「スバルくんがどんなに先の見えない暗闇の中でも、手を伸ばしてくれる勇気がある人だってことを」

 ――それでもレムは、スバルを見限ってはくれなかった。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 絶対の親愛に、全幅の信頼に、スバルはかつてない焦燥感を得ていた。

 これだけ悪しざまに罵ったのに、あれだけ醜い本心をさらけ出したのに、正面切って全ては嘘偽りで、救いようのないクズなのだと告白したのに、

 ――どうして彼女は、そんな慈愛に満ちた目でスバルを見ているのか。

「スバルくんに、撫でられるのが好きです。掌と髪の毛を通して、スバルくんと通じ合っている気がするんです」

 静かに、訥々と、押し黙るスバルに彼女はふいにそうこぼし始める。

「スバルくんの声が好きです。言葉ひとつ聞くたびに、心が温かくなるのを感じるんです。スバルくんの目が好きです。普段は鋭いんですけど、誰かに優しくしようとしているとき、柔らかくなるその目が好きです」

 なにも言えないスバルにたたみかけるように、レムは続ける。

「スバルくんの指が好きです。男の子なのに綺麗な指をしていて、でも握るとやっぱり男の子なんだって思わせる、強くて細い指なんです。スバルくんの歩き方が好きです。一緒に隣を歩いていると、たまにちゃんとついてきているか確かめるみたいに振り向いてくれる、そんな歩き方が好きです」

 心が、絶叫を上げていた。
 レムがそうやって言葉を繋げるたびに、スバルの胸に悲鳴が木霊していた。

「……やめろ」

「スバルくんの寝顔が好きです。赤ん坊みたいに無防備で、まつ毛なんかちょっと長くて。頬に触れると穏やかになって、悪戯で唇に触れても気付かなくって……すごく胸が痛くなって、好きです」

「どうして……」

 そんな言葉を、続けるのか。
 これだけ愚かしくて、なにもないスバルに、どうしてそんな言葉を投げ続けるのか。

「スバルくんが自分のことを嫌いだって、そう言うなら、スバルくんのいいところがこんなにあるって、レムが知ってるってことを知ってほしくなったんです」

「そんなものは……まやかしだ……ッ!」

 レムが見ているのは都合のいい幻だ。
 本当のスバルはそんな人間じゃない。本当のスバルはもっと汚い。レムがそうして好意的に見てくれるのとは正反対の、もっと悪意に満ちたスバルがいるのだ。

「お前はわかってないだけだ! 自分のことは、自分が一番よくわかってる!」

「スバルくんは、自分のことしか知らない! レムが見ているスバルくんのことを、スバルくんがどれだけ知っているんですか!?」

 反射的に声を荒げて、その声にさらに被せるようにレムが叫んだ。
 この場所にきて、初めて声を大にした彼女にスバルは驚く。驚いて、息を呑んで、努めて無表情を保とうとするレムの瞳に、大粒の涙が溜まっていることにようやく気付いた。

 スバルの言葉を受けて、彼女が傷付かなかったはずがない。
 スバルの自虐の限りを耳にして、心優しい彼女が胸を痛めなかったわけがない。

 それでも、彼女はスバルを信じているのだ。
 あれだけ悪しざまに語られた内面を知ってなお、レムはスバルを信じている。

「どうして……そんなに、俺を……。俺は弱くて、ちっぽけで……逃げて……ッ。前のときも同じで、逃げて、それでもどうして……」

 ――こんなに情けなくて、頼りにならなくて、自分の弱さに負けてばかりの俺を、どうしてそうまで信じてくれるんだ。俺自身が信じられない俺を、どうして信じてくれるんだ。

「――だって、スバルくんはレムの英雄なんです」

 無条件で、全幅の信頼を寄せるその言葉に、スバルの心は静かに震えた。
 どんな悪条件を重ねられても、どんな欠点をひけらかされても、そのたった一言にはそれら全ての悪意を跳ね返すだけの願いが込められていた。

 そして、スバルは遅まきに失して、ようやく気付いた。

 勘違いをしていた。思い違いをしていた。間違ってしかいなかった。
 彼女は、レムだけは、スバルの堕落をどこまでも許容してくれるのだと思い込んでいた。どんなに弱くて情けない醜態をさらしても、許してくれると勘違いしていた。
 それは誤りだ。間違いだ。致命的な愚かさだ。

 ――レムだけは、スバルの甘えを絶対に許さない。

 なにもしなくていいと、大人しくしていろと、無駄なことをするなと、みんながスバルにそう言った。
 誰もがスバルに期待なんかせず、その行いが無為であるのだと言い続けた。

 ――レムだけは、そんなスバルの弱さを許さない。

 立ち上がれと、諦めるなと、全てを救えと、彼女だけは言い続ける。
 誰もスバルに期待しない。スバル自身すら見捨てたスバルを、彼女だけは絶対に見捨てないし、認めない。

 それは、ナツキ・スバルが彼女にかけた『呪い』だった。

「あの薄暗い森で、自我さえ曖昧になった世界で、ただただ暴れ回ること以外が考えられなかったレムを、助けにきてくれたこと」

「――――」

「目を覚まして動けないレムを、魔法を使いすぎて疲れ切った姉様を、逃がすために囮になって魔獣に立ち向かっていってくれたこと」

「――――」

「勝ち目なんてなくて、命だって本当に危なくて、それでも生き残って……温かいままで、レムの腕の中に戻ってきてくれたこと」

「――――」

「目覚めて、微笑んで、レムが一番欲しかった言葉を、一番言ってほしかったときに、一番言ってほしかった人が言ってくれたこと」

 スバルが彼女にかけた『呪い』の数々が、彼女の口から語られる。
 その『呪い』は深く優しく、彼女の心を信頼という名の鎖で雁字搦めにして、今もこうして彼女を縛りつけている。

「ずっと、レムの時間は止まっていたんです。あの炎の夜に、姉様以外の全てを失ったあの夜から、レムの時間はずっと止まっていたんです」

 壮絶な過去の片鱗を口にして、レムはスバルをじっと見つめる。
 そこには寸分狂うことのない信愛が込められていて、

「止まっていた時間を、凍りついていた心を、スバルくんが甘やかに溶かして、優しく動かしてくれたんです。あの瞬間に、あの朝に、レムがどれだけ救われたのか。レムがどんなに嬉しかったのか、きっとスバルくんにだってわかりません」

 だから、と胸に手を置くレムが言葉を継ぎ、

「――レムは信じています。どんなに辛い苦しいことがあって、スバルくんが負けそうになってしまっても。世界中の誰もスバルくんを信じなくなって、スバルくん自身も自分のことが信じられなくなったとしても――レムは、信じています」

 語り、一歩、レムが間合いを詰める。
 手の届く距離で両手を伸ばし、レムが俯いて動けないスバルの首に腕を回した。引き寄せる力は強くないのに、無抵抗のスバルは為す術なく彼女に抱きしめられる。
 身長差のあるレムの胸に頭を抱かれて、真上から声が降るのを聞きながら、

「レムを救ってくれたスバルくんが、本物の英雄なんだって」

 額に唇が寄せられて、温かな感触がそこに触れるのがわかった。
 触れた感触から熱が広がり、スバルの胸の内にわけのわからない感情が膨らむ。

 動けずにいた手足に血が通い、頭蓋を埋め尽くしていたノイズが晴れる感覚。

「どれだけ頑張っても、誰も救えなかった」

「レムがいます。スバルくんが救ってくれたレムが、今ここにいます」

「なにもしてこなかった空っぽの俺だ。誰も、耳を貸してなんかくれない」

「レムがいます。スバルくんの言葉なら、なんだって聞きます。聞きたいんです」

「誰にも期待されちゃいない。誰も俺を信じちゃいない。……俺は、俺が大嫌いだ」


「レムは、スバルくんを愛しています」


 頬に触れる手が熱く、間近でスバルを見つめる瞳が潤んでいる。
 その姿が、彼女の在り方が、その言葉の真摯なまでの『本当』を肯定していたから、

「俺、なんかが……いいの、か……?」

 何度挑んでも、何度やり直しても、その都度全てを台無しにした。
 みんな死んだ。手が届かなかった。みんな死なせた。考えが足りなかった。

 空っぽで、無力で、頭が悪くて、行動すら遅くて、誰かを守りたいという気持ちすらもふらふら揺れる半端もので。
 そんな自分でも、いいのだろうか。

「スバルくんが、いいんです」

「――――」

「スバルくんじゃなきゃ、嫌なんです」

 自分でも信じられない自分を、信じてくれる人がいるのなら。
 ナツキ・スバルは、戦ってもいいのだろうか。

 ――運命と戦うことを、諦めなくてもいいのか。

「空っぽで、なにもなくて、そんな自分が許せないなら――今、ここから始めましょう」

「なに、を……」

「レムの止まっていた時間をスバルくんが動かしてくれたみたいに、スバルくんが止まっていると思っていた時間を、今、動かすんです」

 なにもしてこなかった過去を、なにもできなかったこれまでの日々を、無為に過ごしてきたそれらの時間を悔やみ、恥じ、諦めに変えようとしていた。
 そのスバルにレムは微笑み、

「ここから、始めましょう。一から……いいえ、ゼロから!」

「――――」

「ひとりで歩くのが大変なら、レムが支えます。荷物を分け合って、お互いに支え合いながら歩こう。あの朝に、そう言ってくれましたよね?」

 隣り合って、未来を笑いながら語ろうと、スバルは言った。
 寄りかかって、支え合って、そうやって歩いていこうとスバルは言った。

「かっこいいところを、見せてください。スバルくん」

 かっこ悪いところばかり、見せ続けてしまったから。
 彼女に、消えることのない『呪い』をかけたのはスバル自身なのだから。

 スバルにはその責任を、果たす義務があるのだ。

「……レム」

「はい」

 呼びかけに、彼女は静かに応じる。
 顔を上げる。前を見る。レムの瞳を見つめる。穏やかで、優しげで、スバルの口にする答えを待っている。
 だからスバルは、彼女が愛してくれたナツキ・スバルでありたいから。

「――俺は、エミリアが好きだ」

「――はい」

 スバルの告白に、レムは全てわかっていたような微笑のままで頷く。
 その微笑に、彼女の優しさに、スバルは残酷だとわかっていながら、

「エミリアの笑顔が見たい。エミリアの未来の手助けがしたい。邪魔だって言われても、こないでって言われても……俺は、あの子の隣にいたいよ」

 変わらないその気持ちを、レムの気持ちを受け取った今、再確認する。
 でも、その募る思いの感じ方は、以前のそれとは違っていて。

「好きだから、って気持ちを免罪符にして、なんでもかんでもわかってもらおうって思うのは……傲慢だよな」

「…………」

「わかって、もらえなくてもいい。今、俺はエミリアを助けたい。辛くて苦しい未来が待ってるエミリアを、みんなで笑っていられる未来に連れ出してやりたい」

 だから、

「手伝って、くれるか?」

 手を差し出して、すぐ傍にいるレムに問いかける。
 差し出された彼女の気持ちに、応じられないのだと答えておきながら、卑怯だとわかっていながら、彼女の想いを利用しているのだとわかっていながら、それでも大切な人の未来を諦められない自分を、彼女が愛してくれていたから。

「俺ひとりじゃ、なにもできない。俺はなにもかも足りない。真っ直ぐ歩けるような自信がない。弱くて、脆くて、ちっぽけだ。だから、俺が真っ直ぐ歩けるように、手を貸してくれないか?」

「スバルくんは、ひどい人です。振ったばっかりの相手に、そんなことを頼むんですか?」

「俺だって、一世一代のプロポーズを断られた相手に、こんなこと頼みづらいよ」

 力なくスバルが笑い、レムが堪え切れないように小さく噴き出す。
 互いにひとしきり笑い合い、それからレムは姿勢を正し、優雅にスカートを摘まんでお辞儀をすると、

「謹んで、お受けします。それでスバルくんが――レムの英雄が、笑って未来を迎えられるのなら」

「ああ、見ててくれ、特等席で」

 差し出した手を彼女がとり、誓いを交わしたレムをスバルは引き寄せる。
 小さく「あ」とレムの声が漏れ、小柄な彼女の体はスバルの胸の中に収まった。その柔らかく、熱い、自分を好きでいてくれた女の子の存在に感謝して、

「――お前の惚れた男が、最高にかっこいいヒーローになるんだってところを!」

 胸の内が、熱い。
 抱きしめたレムが、スバルの胸に顔を押しつけて、その表情を隠している。
 息遣いが熱い。擦りつけられる額が、頬が熱い。きっと、彼女の瞳から流れ出している涙が、一番熱い。

 ――今だって、スバルは自分が好きにはなれない。嫌いなままだ。

 でも、そんなスバルを好きだと言ってくれた子がいるから。
 そんなスバルであっても、好きだと思ってもらいたい子がいるから。

 ――エミリア《きみ》を見てる。レム《きみ》が見てる。だから、俯かない。

「――――」

 借り物の勇気だけど、この胸に抱く想いは本物だと信じられるから。

 ここから、ゼロから始めよう。

 ナツキ・スバルの物語を。



 ――ゼロから始める、異世界生活を。

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