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ゲームのような異世界で、チートライフを楽しみたい! 作者:ラズベリーパイ

第3章

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服ちょっと溶かしてみない?

 “原初の魔族”と、魔王ロリィは驚いていた。
 どうやら正体不明の魔族であるマーヤはそういったものであったらしい。
 ただ、原初と言うと、人間で言う猿やホモサピエンスやら何やらというイメージが付きまとう。

 理由を聞きたいのだが、その言葉を発したロリィは驚いたように見つめたままだった。
 なので一人で驚かれていても俺には分からないので、

「あのー、“原初の魔族”とは? ミルルは種族が分からないので実家に連絡して調べてもらうとか何とかと話していましたが」
「! ああ、済まない。まさかこんな場所でお目にかかるとはな。そもそも私があちらの世界にいた時もすでに生まれなくなっていたので、もう出てこないだろうと思っていたのだが……うむ」

 何やら思う所があるらしく、うむうむ頷くロリィに俺は、

「えっと、一人で頷かれても困るのですが……」
「いや、そうだな。うむ……簡単に説明をすると、我々の魔族の祖先があれだ」
「……あの液体の様なものから今の形になったと?」
「うむ、先に“人間”がいたためにそれに近づくような形を選択して、個々に好きな能力を強化していって現在の種族が出来たのだ。特に“淫魔”など、人間が大好き過ぎてあんな能力を手に入れてしまったからな」
「あんな能力?」

 “淫魔”と言えばミルルがそうだなと思っているとロリィが余計な事を言ったというような顔をするが、そこでちらりと店の入口あたりを見る。
 つられて俺も見るが、そこには誰もいない。

 マーヤといいロリィといい、何でちらちらべつの方向を見るのだろうか。
 やはりそこにお化けの様な物が何かいるのかと思う。
 昔から俺はそういったものが苦手なのだ。

 ああいった自分の手で掴めないのにふわふわと漂っている物は、現実味がなくて、自分もその場所に連れて行かれてしまいそうで怖いのだ。
 そんな風にお化けは嫌だと俺が心の中で思っているとそこでロリィが、

「所でお前はミルルと何処まで進んでいるのだ? 彼氏か?」
「い、いえ、そこまででは……」
「うむ、では教えられないな。あの能力は」

 ロリィがそう呟くのを聞きながら俺は考えてみる。
 彼氏には教えられるような能力で、そうでない俺には教えてもらえない……。

「もしや、エロい能力なのでは? 例えばこう……」
「ち、違うぞ、絶対に違うぞ!」
「ロリィが焦っている、つまりは正解か!」
「し、知ったとしても、いや、『ぐへへへ、強くなりたいんだろう? だったらその体を俺様に……』みたいな展開になる前にここで記憶を消しておくか」

 そう言ってロリィが暗く笑いながら、大きな金槌の様なものを何処からともなく取り出した。
 一昔前の漫画の様に頭に衝撃を与えて記憶を消すというやり方だったりしないよなと俺が思っていると、

「……少し頭に衝撃を感じるかもしれないが、災いの芽は早めに……」
「や、止めてくれ。そんな事をしたらしんでしまう」
「ああ、お前は魔力が強いから大丈夫だろう。怖いなら目をつむっていてくれ」
「ちょ、冗談じゃな……え?」

 そこで俺は後ろから抱きしめられた。
 後頭部の辺りに柔らかい何かがもにゅっと当たる。
 多分あれだ、と俺は思うのだが振り返れば振り返ったで弄ばれるのが分かっていたので俺はその状態でいると、抱きしめているその背後から伸びた腕が俺の顔に触れる。
 頬を両手で撫ぜたりしながら、その後ろの人物が、

「ロリィちゃん、タイキは私のお気に入りなの、だから傷つけないで欲しいわ。もっとも、ロリィちゃんにそれが出来るとは思えないけれど」
「め、女神様。いらしていたのですか」
「ええ、おむすびを頂いていたのだけれど、不穏な言葉を聞いてしまったから。タイキの顔をいじって良いのは私だけなの、ほら、こんな風に」

 そう言って、女神様は俺の頬を引っ張りました。
 むにゅーと引っ張られて痛い気がするのですが、それを見てロリィは笑っているのでこれで殴るのは足にして欲しいなと思っているとそこで、女神様がロリィに、

「それでその、魔族の元になったそれについては興味深いわ。この世界の者ではないから、私にはよく分からないし」
「は、はい……」
「それであの子にはどんな能力があるのかしら」
「それはあの子が決めるので何とも……」
「現在の能力は?」
「そうですね、触れた相手を痺れさせたり魔力を吸い取ったり、限定して溶かしたり、かと」
「限定して溶かしたり?」
「そうですね。例えば服を溶かしたりといった感じでしょうか」
「え?」

 そこで俺はうっかり疑問符をあげてしまった。
 その途端、獲物に狙いを定めるかの様な瞳で、無表情にロリィが俺を見る。
 しかも背後から女神様は、

「タイキ、今、何を考えたのか聞いていいかしら」
「え、ええっと、服を溶かすみたいなのでそこから吸収できる栄養素に分解しているのかなとか、肌は傷つかないのかとかそんな感じで……」
「正直に言ったら見逃してあげるわよ?」

 女神様が俺を脅します。
 というか今度は何をされてしまうんだろうと俺は思いつつ、それが嫌だったので、

「女の子の服が溶かされたり、と、少し考えてしまいました」
「よーし、マーヤちゃん、タイキの服ちょっと溶かしてみない?」
「やめてぇええええ」

 悲鳴を上げた俺だが、マーヤはそんな俺を一瞥して、

「服、美味しくない。このおむすびの方が美味しい」

 きっぱりとそう告げて、おにぎりを口にして幸せそうに微笑むマーヤ。
 それを見て俺は、良かった、酷い目に遭いそうにない、と思っていると、

「仕方がないわね。じゃあ私達でタイキを剥いちゃいましょうか」
「うむ、これぐらいの年なら良いだろう」
「ちょ、そんな理由でっ、やめてぇええ、服引っ張らないでぇええ」

 俺は必死になって自分の服を抑えるが、ロリィにも襲いかかられて服を脱がされてそして……そこで女神様は俺のズボンのポケットから何かを取り出した。
 それは赤い石の飾りで、たまたま先ほどぶつかった女性が落としていったものだ。
 後でギルドか何かに届けておこうと思った俺だが、それを女神様と魔王ロリィが真剣なまなざしで見て、

「やっぱり、そうみたいね」
「女神様もお分かりですか」
「ええ。そしてこれがどういったものなのかを解析する一番いい場所は、貴方の城よね」
「そうなりますね。丁度うどんも食べ終わりましたし、お代はここにおいて……ふむ」

 そこでロリィが俺を見て、おむすびを食べているマーヤをを見て一人頷き、

「折角だから他の者達も招待するか」

 その言葉と共に、俺の目の前の景色が一瞬で変化したのだった。
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