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ゲームのような異世界で、チートライフを楽しみたい! 作者:ラズベリーパイ

第2章

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よし、殲滅完了!

 俺達がその部屋を探していたが、それらしき花は見つからなかった。
 一応杖を取り出しておく俺。
 先ほどの炎のコウモリはここに入ってこれないようだが、その分だけ凶悪生物がここにいるのかもしれないからだ。
 代わりに色々な材料が次々と手に入る。

「“雷の実”“宙を泳ぐ魚草さかなそう”“赤色の魔石”“三色鉱石”などなど……なんだこれ、錬金術士と魔法使いの天国じゃないか!」
「本当にこんなに色々と有用なものがあると、目移りしちゃうけれど、早くあれを探さないとね。……タイキ、何でそれ捨てているの?」
「え? よく分からないただの雑草かと」

 鈴に言われて俺は緑色の草を見る。
 緑色の葉っぱに白い星形の斑点がある。
 こんな材料は見たことがない、そう俺は思っていると、

「それ、回復薬の材料だよ? しかも品質が良くなるんだよ」
「そうなのか? ……採取出来る材料図鑑は半分くらい埋めたんだけれどな、知らなかった」
「私は75%です。どうだ!」
「……そのうち追い越してやる。……そういえばあの図鑑はどうなっているんだ? 調合したりといったものを作る時は名前と、効果や性能が棒グラフ上で表されて、素材を変更するとどうなるかが数値で見えるだけなんだよな」
「そういえばそうだね。でも図鑑なんて新しい物を手に入れた時作る時くらいしか見ないよね。正確には自動表示だけれど」
「そうなんだよな、特に困らないんだよな……。それにゲームの時よりも、ここは異世界だから採取出来るものは多いのかもしれない……。そういえばあの謎モンスターの羽アイテムはこの道具に使えているわけだしな。そういえば、ゲームの中ではモンスター図鑑みたいなものはなくて、倒した敵だけは記録されていくんだよな。経験値の関係で」
「だからイラスト付き説明本おすすめしたじゃない。まだ見てないの?」

 この前本屋で手に入れたあのイラスト付きの本だがあれを思い出しながら俺は、

「読んでいる暇がなかった。しかも連日大忙しだし」
「だよねー、タイキ、頑張ってるぅ」
「本当にな~。でもこれだけ敵を倒せばレベルアップも楽しいだろうな」
「でもレベルを上げている内に倒されるの困るしね」
「違いない、その件に関しては女神様に感謝だなっと。コレで全部見たか」

 俺は周りを見回して嘆息する。
 “もこもこ花”という女神様に見せてもらったあの形の花はここをすみからすみまで探しても見つからなかった。
 しかたがないので他の部屋だろうなということで俺達は隣の部屋に向う。
 そこでようやく俺達はその花を見つけたのだった。




 女神様の見せてくれた花は画像だったので小さく見えた。
 だからかもしれない。
 目の前で膨れ上がる大きな花。

 花びらの一枚一枚がクッションのように太く大きくなっており、中央からは黄金色の花の蜜のようなものが垂れている。
 それは別に構わないのだが、そこに群がる、4足歩行の黄色いアリのような生物がいる。
 触覚はなく足も四本しかなく色も違うのだが、そんな魔物だった。

 それらは花の蜜を吸っていた。
 俺達が来るまでは。
 キシャアアアと、空洞に風邪を通らせたような耳をふさぎたくなる鳴き声を出す。

 同時に彼らは一斉に俺達に振り返る。
 どうやら敵と認識されたらしい。

「どの程度の攻撃が効くかわからないが、サーシャ、“氷の祝福”を頼む」
「はい! というわけで、とりゃああ」

 そんな掛け声を上げながらサーシャが氷の爆弾を投げつける。
 みしみしと氷が広がっていくが、すぐにそれは氷からは抜け出してくる。
 このアイテムは結構強いんだぞと俺が思って焦っていると、鈴がかけだして、

「じゃあこういうのはいかがですかっと!」

 鎚を振り下ろす。
 その押しつぶした場所から吹き出す雷を見ながら、北欧神話にはそういえば槌を持った雷の神様がいたような気がするなとふと思った。
 やがて圧倒的な雷の力で持って倒された鈴の鎚の下から、水色の結晶が見える。
 つまりこの魔物達は、

「氷の魔力が強いのか。……そういえば途中の炎のコウモリがここには入ってこなかったのは、こいつらの氷の力に勝てないからか。そうと分かれば……」
「じゃあタイキ、私は私で倒していくね」
「おい、鈴!」
「早くじゅもんを唱えないとタイキの分が無くなっちゃうぞ?」
「だから油断するなって! ああもう、早く呪文を選択して……“遠雷の鋭きファーサンダー・ソード”」

 選択画面を選択。
 同時にいつものように足元に円陣が浮かび上がる。
 その間にも次々と鈴はそのアリのような魔物を倒していく。

 正直四足歩行まではいいのだが、あの細い足は気持ち悪い。
 そんなことを考えながらもそこで呪文を唱えて終わり、

「“遠雷の鋭きファーサンダー・ソード”」

 そう俺が呟くと同時に、俺の左右の小さな円陣から棒状の光の柱が伸び、それが金色に輝くと同時に、丈夫に球体の光が出来、そこから雷が伸びる。
 それらが大きな剣のように何本もそのアリのような魔物につき刺さっていく。
 そして消失して魔石を落としていく。

 多めから見て結構純度の良い魔石だ。
 サーシャが好きかもなと思っていると、

「わぁ、この魔石は実に美味しそうです。回収します!」
「おい、そんな勝手に……聞いちゃいないし」

 嬉しそうにその魔石を集めるサーシャ。
 そこで鈴が最後の一匹にとどめを刺して、鎚をしまう。

「よし、殲滅完了! いい運動をしたわ!」
「……所で鈴は、魔法使いなんだろう? 魔法は使わないのか?」
「えー、体を動かしてザクザク倒す所が快感なのに」
「相変わらず鈴は……でも怪我には気をつけた方がいいんじゃ……」
「何? 心配してくれているの?」
「それはそうだろう。……幼馴染だし」

 それに鈴は何だか上機嫌に笑う。
 こうやって笑っていれば普通に可愛い女の子なんだけれどな、と俺はちょっと悲しく思った。
 そこで鈴が、

「タイキ、今失礼なことを考えたでしょう」
「ち、違う、もうちょっとおしとやかにすれば女の子らしく見えるのにと思っただけだ!」
「口に出しやがって……。まあいいわ、あの花早くもらっていこう」
「そうだな。でもどうやって持って帰ろう。こんな大きい花のどの部分が必要なんだろう?」
「それは……コレ丸ごと持って帰って煮込む?」
「いや、無理だろう。鍋で何回煮こむんだよ、もう少し小さいものがないかな?」

 そうやって俺と鈴がその大きな花の脇を探していくと、

「あ!」

 そこには小さな“もこもこ花”が咲いていたのだった。

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