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ゲームのような異世界で、チートライフを楽しみたい! 作者:ラズベリーパイ

第1章 

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あとは全部よろしく!

本日より、0時投稿です。
 “寝りの蒼の遺跡”は、入口はつるつるとした白い素材で作られ、何処かのテーマパークにありそうな入口だった。
 その劣化していない入口を見ながら、眠り攻撃に対抗する為の“企業戦士Z”を半分ほど飲みこむ。
 準備は完璧だ、と思った所で俺は、そういえば鈴がどんな役職か聞いていなかったと俺は思い出し、

「そういえば鈴、鈴の役職は何なんだ?」
「私? 私は「魔法使い」と「じゅう器使い」だよ?」
「? 「じゅう器使い」?」
「そう。ゲーム内では、999までレベルアップされた時に新たに追加された職業で、重と銃をかけているから、ひらがなで「じゅう」なの。まあ、剣以外の斧とか棒とか……ああ、大鎌は剣士に分類されるんだっけ?」
「ああ、シルフが使っていたからな」
「あらあら、じゃあ、タイキは攻撃されたんだ」
「……何で分かった」
「なんとなく。それで私は、つち……ハンマーね。今使っているのは雷の追加属性攻撃ができるものなの」

 そう鈴が説明してきた所で、空飛ぶ鳥のような魔物と、分類上“妖精”のような魔物が合計五匹、地面を走るネズミのような魔物が四匹現れる。
 ギラギラと赤く瞳を輝かすそれらの魔物が現れる。
 明らかに俺達を狙っている

 事前に表示設定にしたので、敵キャラの体力と魔力が棒状に表示されている。
 その量とレベルからそれほど強くない魔物だと分かる。
 そして俺達のレベルも表示されているが、俺の場合は825で、鈴は∞(むげん)のマークになっている。
 確かにそうなるよな、そういえばこのステータス画面は俺にしか、後は鈴にしか見えなかったのか。
 ちなみにゲームの場合は、冒険者ギルドで初期設定がなされて自分と相手のレベルが見えるようになるのだが、それは置いておいて。
 そこで鈴が、

「さてと、この程度のレベルの敵、数も少ないから、私の実力を見せつけるために、これは全部任せてもらってもかまわないかしら」

 鈴が言うと、俺もそうだが、ミルルとシルフも頷く。
 それに機嫌良さそうに、鈴は腰のベルトに付けていた物を外す。
 銀色の、柄の部分に赤い魔石の様なものが二つ付いた、花模様が彫られている可愛らしい女の子が好きそう?な装飾が施された小型のハンマーだ。

 けれどそれを持ち、鈴が自身の目の前、斜め上にそのハンマーを掲げると、白く輝くと同時にハンマーが巨大化する。
 鈴の身長の三倍程度の大きさになったそれを鈴は持って、

「閉鎖空間なら、巨大化して押しつぶしてやる方法もあるけれど、数が少ないからね。他の人もいるからそのまま攻撃した方が良い、こうする!」

 鈴が叫んで走り出す。
 ひらりと短いスカートが揺れたが、微妙に中が見えない。
 惜しいと不健全な事を考えていた俺は、そこで鈴の力を目撃する。

 その巨大なハンマーを軽々と持ち上げて、横に薙ぐように攻撃を加えると、その空飛ぶ魔物が触れた瞬間に黄色い閃光が走る。
 先ほど言っていた雷の付随効果だろう。
 その時点で何匹かが黒焦げになり、何かアイテムを落としていたが、鈴はそのまま残ったその魔物達を壁に打ち付けて飛行系の魔物を全て倒す。

 次に狙いを定めたのは地面に立つ魔物達。
 長い前歯をむき出しにするネズミのような魔物達はきいっと鳴声をあげて合図する。
 そして一斉に鈴に攻撃を仕掛けようとするが、

「一つに固まってくれて好都合ね。そーれっ!」

 鈴が大きく上からハンマーを振りおろす。
 魔物の集団全てを踏みつぶし、すぐに鈴はそれを持ちあげるとその下には粉々になったアイテムがある。
 こちらのアイテムは使い物にならない。
 そのアイテムに視線を向けて鈴は、

「しまった、敵を踏みつぶすのには手加減しないとアイテムは壊れちゃうんだった。床すれすれで止めないといけないのに、張り切っちゃって容赦なく叩き潰しちゃった」

 舌を出す鈴だが、鈴の強さと派手さに俺はひきつる。
 凄まじい圧倒的な力。
 けれどこれよりも少し強い程度の力を俺は貰っているので、多分同じような事は出来る。

 そういえばドラゴンは一撃で倒せたので、力としてはこんな感じだろう。
 女神様の加護とはいえ強すぎる力。
 平穏に過ごしたいと俺は思うのでもうちょっと隠して行こうと思いながら俺は、

「鈴、平穏な生活のためには、この力は隠しておいた方が良い」
「それは分かっているし、この力は普段の生活にこの力は使えないでしょう?」

 言われてみればそうだった。
 普段町には防御用の結界がはられていて、それを超えて魔物はほぼ入ってこれない。
 その街の中で生活するならば、町の秩序を守るためにもこういった力は使えない。

 つまり、冒険しなければ、力が気付かれず平穏な生活が過ごせるのである!
 そこまで考えて俺は、そうやってこの世界に馴染んだらもとの世界に戻してもらえるのだろうかと不安にかられる。
 いっそこの世界で生活したらと、あの女神様なら言いそうだ。

「……信頼できる仲間とならそれでもいいか」
「そうそう。それでどう? 私の、じ・つ・りょ・く!」
「凄いな、手慣れているというか……」
「うっふふ、こう見えても、ゲームの時のレベルは811だったし」
「! 俺よりも多い!」
「そういえば、タイキのレベルっていくつだっけ」

 にまにましている鈴は、絶対俺のレベルを知っている。
 でも悔しいので絶対に俺は言わない。
 そう、絶対にだ!
 そんな俺を更に楽しそうに鈴は見て笑って、

「なになに、守って欲しいの?」
「……俺が鈴を守ってやる!」

 何で女の子に守られないといけないんだ、といった男のプライドから俺は言ってしまったのだが、

「よし、男らしい答え。じゃあ後は全部よろしく!」
「……」
「……口は災いのもとってね。頑張ってね」

 俺はがっくりと肩を落とす。
 そんな俺をミルルが何か思う所がありげに俺を見ていたり、そんなミルルをシルフが睨みつけていたり、サーシャが壊れた魔石をもったいないと俺のベルトの箱からにゅっと体を出して、欠片を拾い集めたりしていたが……。
 手に入ったちょっとしたアイテムを回収し、俺達はさらに“発光銀花”を探しに、遺跡の奥深くに潜って行ったのだった。
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