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ゲームのような異世界で、チートライフを楽しみたい! 作者:ラズベリーパイ

第3章

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あのエロ女神様、ただの痴女というわけではなく

 こうしてどうにか危機を脱した俺は、マーヤの手を引き町に引き返した。
 とりあえずは周りに人がいる場所のほうが、目撃者が増えるので、彼らはひと目を避けるだろうという判断……いや、偽怪盗の件を思い出すとどうなのかという話になるが、それでもその可能性があるので俺はきた道に戻る。
 先ほどの女性との件で時間が経過したせいだろう、先程よりも人通りが多い気がする。

 だがまだ人は少ない。
 よし、今のうちに俺はマーヤをリズさんの家に届けて、俺は不審者という不名誉な称号から開放されたいと思った。
 こうしてたしかこちらだったなと方向を確認しながら進んでいくと、

「ここか、確かここだったな。……あれ?」

 俺がちょうどリズさんの家に着くと、家からリズさんだけでなく夫であるリドルさんと普通の格好をしたチルド伯爵が出てくる。
 この三人が一度に出てくるなら話は早くていいなと俺が思っていると、三人が居れに気づいたらしい。
 走って近づいてくるリズさんに俺は、

「マーヤが家に来たので送ってきました」
「ご迷惑をお掛けしました。マーヤ……全くもう、タイキさんにお礼を言いなさい」
「……ありがとう、タイキ」
「タイキさんでしょう? 全くすみません」

 謝りながらも嬉しそうに門を開いて、リズさんはマーヤを迎える。
 マーヤもどことなく嬉しそうだ。
 何だかんだ言って、マーヤもリズさんを信頼しているのかもしれない。

 そう思いながら、俺が何か話すのを忘れている気がして、何だったかと考えてそこで思い出した。
 先ほどの襲撃者の話と、赤い球の話だ。
 おれがもう赤いあの球を持っていないとなると必然的にその話をしないとつじつまがあわないからだ。

 というかどう誤魔化せば良いのかわからない。
 なのでここで正直に話してしまったほうがいいだろうということで、先ほどの出来事をリズさん達に俺は話すことに。
 それを聞いたリドルさんの方は、特に困ったような様子はない。

 代わりに何か考えこんだように黙ってしまう。
 だから俺は、

「あの、何か問題がありますでしょうか」
「いや、確かに奪われてしまったのは、そういった事情を考えるとしかたがないだろう。それにどのみち、魔王側の方から、赤い球のレプリカに成功したという話も聞いている」
「……昨日の今日で、ですか?」
「作り自体は簡単であったし、魔族自体が魔力が強い点や魔法知識が豊富なのもあって可能だったそうだ」
「そ、そうなのですか……」
「後は出入り口となっている場所を見つければ良いのだが、その後はどうするかは現在、我々と魔族の方で調整中だ」
「出入り口、ですか?」

 確か以前、その異界からこちらに来る時の魔族の門がといった話はあったが、今の話ではどうも別物であるようだ。
 しかもこの辺を捜査しているのを見ると、まさかこの町にあるのだろうかと思う。
 そしてその予感はあたっていたようだ。

「そうだ。この前のサーシャ姫のえてしまったあの力とは別の“鍵”であるらしい」
「あの赤い球が、“鍵”。でも、以前遭遇した敵は空間を裂いて連れ帰っていましたが」
「あれは、異界とこの世界を繋ぐ境界を、女神様自体が封じているが、その異界との接点である結界の脆弱性をついてこの世界に手を伸ばしているらしい」
「女神様がそんなことをしていたのですか」

 あのエロ女神様、ただの痴女というわけではなくきちんと女神らしいお仕事をしているらしい。
 そう俺が考えているとそこで、

「今、すごく失礼な事を考えたでしょう」
「ふごっ」

 俺のポケットのスマホから出てきたらしい女神様が、いつもの様に素晴らしい重量の旨を俺の頭にのせた。
 頭が重い。
 そもそもあまり感触を感じず、そして肩に負担のかかる頭の上に胸を乗せるのはいかがなものかと思うがそれを言うと次に起こる展開は分かっていたので俺は沈黙した。と、

「さて、タイキ、言い訳を聞いてあげてもいいけれど、どうする?」
「申し訳ありませんでした。謝るので許して下さい」
「謝って許して許してもらえるなら……と言ってもいいけれど、今はその話をしている場合じゃないわね」
「はい」
「一応はこの世界を守護するものとして、そういったものを張っているのよ。でもやっぱり、見落としがあるのよね。あちらもなかなか優秀だわ。もっとも、見つけ次第、さくさく塞いではいるのだけれどね」

 どうやら気づいた時に対応をしているらしい。それを考えると、

「だからあの方法を嫌がっていたのか。次にその手が使えなくなるから」
「そうかもしれないわね。とりあえずは相手の切り札をまた一つ潰せたことになるわね」

 女神様は楽しそうに笑う。
 そこでリドルが、

「現在、異界との門を調べている最中です」
「そう、まだ見つからないのね」
「はい」
「最近は見えないように偽装する手段を覚えてきたから彼らもやっかいね。そうなってくると……手当り次第あたってみるしかないか」
「そうなります」

 どうやら根性で虱潰しに探していくしかないらしい。
 そこでリドルさんが俺を見て、

「もし、見かけたなら連絡をして欲しい」
「……そんな偶然がそれほどあるとは思えないのですが、見かけたらそうします」
「よろしく頼む。君はどうも奇妙なものに遭遇しやすいように感じるから、案外、君自身も奇妙なものなのかもしれない」
「俺は異世界人ですから、奇妙なのは当然かと」
「ふむ……なるほど、確かに異世界から呼んだ人物で、女神様の加護があるとなると普通とは違うか」

 確かにそう言われると普通ではないが、俺は普通の一般人である。
 そう言われるのは何となく奇妙に思っているとそこでリドルさんが、

「その特殊性を考えると、君は“精霊”と似ているかもしれないな」
「いやいや、俺はあのサーシャの杖の精霊みたいな猫ではありませんから」
「精霊はいろいろな姿を取る。確かにこの世界は人型のものが少ないし、あちらの異界も精霊というと人型ではないらしいが」

 どうやら精霊とは基本人型ではないらしい。
 しかも魔族の元の世界である異世界の精霊は人型はいないようだ。

「なるほど、だからこの前の怪盗の剣で彼らと戦った時、サーシャが幽霊状態の時は、精霊に近いものでも彼らは特に畏敬の念を抱いている様子はなかったと。俺の人造精霊も」

 どちらも人型だった。
 観測はされていないし、姿を変える事もできるものもいるらしいが。
 でもそういえば杖の精霊のミィがいたような気が通れが思っているとそこで、

「精霊といっても“敵”に回れば彼らにとってそれは“敵”以外の何物でもないのだろう。友好的な者達ばかりでないのは彼らも知っているはずだ」

 そういった説明を補足して更にリドルは、


「話を戻そう。侵略してくる異世界の人間は精霊に関して、ある種の特別な思いを抱いているらしい。魔法とは異なるが彼らの力を借りれば、魔族しかほとんど使えない魔法が使えるからだそうだ。他にももしかしたなら理由があるかもしれないが」
「でも彼らが精霊を使役しているところは見たことがありません」
「それはそうだろう、世界が似ているのならこの世界と同じように精霊に関しての情報は少ないだろう」

 確かに言われてみればそうだ。
 だから彼らはそんなに精霊を使役していないというか遭遇していないのかもしれない。
 危険が少なくていいと俺は思いながら、

「とりあえずは精霊に関しては参考になりました。でもできるだけ遭遇したくないですね」
「さて、どうなるだろうね」
「……」

 楽しそうなリドルさんに俺は思う所があったけれど、深く考えないことにした。
 そこでチルド伯爵が手を挙げる。 

「丁度いい、君に伝えておこうと思っている話があった」
「何でしょうか」
「サーシャ姫の体をこちらに持ってくる日取りが決まった。今日から一週間後だ」

 そう俺に告げたのだった。
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