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魔王代理シリーズ

異世界に来ちゃった魔王代理は可愛いものが大好きです!!

作者:狛都まを
恋愛要素は薄め。

楽しんで書いたので、気楽な気持ちで見て頂ければ嬉しいです(*´∀`)
「ふっ……ははっ、愚かな娘だな。こんなところへ来るなど、そんなに死にたいのか」

 イケメンが、私に向かってなんか言ってる。
 ならばこっちも言わせてほしい。

あなたは誰ですか。ここは何処ですか。何故私はここに居るんですか。

――――――――…

 私は高橋 りりな。極々平凡な日本の女子高生。

 たしか、今日もいつも通りに登校しようとして道を歩いていたら、道路の真ん中に立ち往生している子猫を見つけたんだよ。周りの人間が見て見ぬふりをするなか、私はガードレールを飛び越え、その子の救出に向かった。
 子猫を抱き上げて歩道に戻ろうとしていたらトラックが間近に迫ってきてた。咄嗟に猫は歩道のほうへ投げたけど、きっと自分はダメだろうなって思った瞬間、足元に魔方陣みたいなのが現れて、気づけばここにいた。

 薄暗く、じめっとした所。
とりあえず光か出口を探そうと立ち上がる。
 崩れかかった壁や蜘蛛の巣にまみれたシャンデリア。恐らく、お城とかそういう類いの建物だったんだろうけど、今は華やかさなんて欠片もない。

 歩いてる途中、変なモンスターとかも出てきたし。いつのまにか備わっていたチートな魔法で吹き飛ばしたけどね。不気味だしモンスターいるなんて、近所じゃちょっとした肝だめしスポットかもしれない。

 そうして適当に歩くこと約30分。微かに明かりがもれてる部屋があったから入ってみたら、人がいた。

 床につくほど長く綺麗な黒髪。鮮やかな紅い瞳。
 病的なほどに白い肌。見上げる長身。

そのあまりの美しさに、思わず息を飲んだ。
 こんな人、見たことない。芸能人でも全く歯が立たない美形だ。
 うん。カッコいいっていうより、美しい。美人過ぎて逆に恐い。

 扉の前で立ち尽くしていると、紅い瞳が私を捉えた。

「……っ!!」

うわぁ、どうする私。美形さんにみつめられてるんだけど。と、とりあえず会釈しておこう。
 外面冷静を装って頭を軽く下げるけど、内心バクバクですよ。

 すると、私を見た美形さんが、フッと笑った。
美しすぎて死ぬかと思った。形のいい弧を描いた薄い唇が、おもむろに開かれる。

「我の気を受けても動けるとは……娘、お前ただ者ではないな」

 ぐはっ……!!なんていい声をしていらっしゃるんですか!なんかこう、腰にきました。
 生まれてから今まで、異性に興味なんてこれっぽっちもなかったけど……これが胸キュンってやつなのか!?

 ……おっと、取り乱した。え?美形さん何て言いました?ただ者ではないな?いや、普通の女子高生ですよ。こっちにきてからチート能力持っちゃったけどね。
 あ、そうだ。この人に聞けばここが何処かわかるかもしれない。

「あの、ここは何処…」
「ふっ……ははっ、あはははは」

私が質問しようとした瞬間、何故か笑いだした美形さん。

「………え?」
「愚かな娘だな。こんなところへ来るなど、そんなに死にたいのか」

 …あ、ちょっと待ってくださいね。状況が把握できてない女子高生をおいて話進めないでもらえますかー。
 死にたいって何?ここって来ちゃダメな感じ?でも仕方ないよね、私最初からここに落とされたんだし。

「まさか我を知らずして来たわけではあるまい。さしずめ、我を倒しにきた王の差し金か」

 そのまさかなんですけど。あなた本当に誰ですか。そして王様に討伐されそうなんて、一体なにしでかしたんですか。

「こんな小娘を寄越すなど、我もなめられたものだな。安心しろ、すぐに葬り去ってやる」

 え、困る。状況掴めないうちに殺されそうになってる。
 美形さんの細くすらっとした指がこちらへ伸びてくる。ぁあ、もうっ!仕方ない。

 私も負けじと美形さんがに手をかざした。

「チート魔法、発動!!」
私の手から、眩い光が放たれる。

「ぐあっ!?なんだ、この光は!!」

 ごめんなさい。私もわかりません。まだ使いこなせてないらしく、発動する魔法はランダムだ。モンスターを倒すときも、炎が出たり風がでたり、まちまちだった。
 これはどんな魔法なんだろうか?

 あまりの神々しさに私も目を開けていられなかった。
 光がおさまった後、ゆっくりと瞼を上げる。

 先程となんら変わらない部屋の様子。
ただそこに、美形さんの姿はなかった。

「消え、た?」

 キョロキョロと四方八方を見渡すも、あの人は見当たらない。我ながら、なんて恐ろしい力だろう。人を消すだなんて……。と、冷や汗が頬を伝った時

「おい!娘!貴様、我に何をした!!」

ハッ!美形さんの声!!でも、声はするけど姿は見えず……。

「何処を探している!ここだ!下だ!」

 え、下?
言われるがまま、視線を下げる。
見えた光景に、私はこれでもかと目を見開いた。

 絶世の美しさはそのままに、美形さんは小さくなっていた。私でも腕に抱えられるようなぬいぐるみサイズに。美しいというより、可愛い。

 可愛いぬいぐるみ……じゃなかった。美形さんは悔しそうに小さい足で地団駄を踏んだ。…………可愛い。

「不覚!我としたことが……魔王であるこの我が、娘ごときに魔法をかけられるなどっ!!」

 ん?聞き捨てならない単語が聞こえた気がしたぞ?

「………魔王、様?」

 ありえないよね。そんなファンタジーな生き物いるはずないよね。だってもしこの人が魔王だったら、私が今いるここって魔王城じゃん。この世界は異世界ってことじゃん。

「いかにも!我は百三代目魔王、リファレ・アンダージット・マクナガレトⅨ世である!!」

 私の淡い希望を打ち砕くように美形さん、もとい魔王様が胸を張る。悔しいことに、すごく可愛い。
我慢できないんだけど、いいかな?少しくらいならいいよね!
 私は得意気な魔王様をギュッと抱きしめた。

「んなっ!?何をするか無礼者!!早く下ろさんか!」

ポカポカ殴ってくるけど、全っ然痛くない。なにこの可愛い生き物。堪らないんですけど。

「は~な~せ~!! 我がお前の魔法にかかっていなかったらお前なぞ捻り潰しておるのに!」

 小さくなっていなかったらそもそも抱きしめてませんけど。どうやら魔王様は私の魔法のせいで、本来の力を使えないらしい。それは好都合。

 しばらくの間、私は魔王様を可愛がり続けた。

「っ、ハァハァ……よくも、我を弄びやがって…この責任は必ずとってもらうぞ!!」

 なんか言い方が卑猥。想像によっては18禁指定になりそうだ。

「責任?嫁にもらってくれとか?」

脳内がピンクの想像のまま発言したら、魔王様の顔がみるみるうちに赤くなった。

「………なっ///なにを言っておるのだ!!!アホか貴様!!それに性別的に我は嫁じゃないだろう!!」

「じゃあなにをして欲しいんですか」

 そこまで取り乱す?冗談として受け流せばいいのに。案外魔王様ってピュア?一生懸命否定してる姿も可愛いですね。

 魔王様はハァ~と息を吐き出し、

「お前に、我の代わりに魔王業をして欲しい」

なんかとんでもないこと言い出しました。

「無理に決まってますよね!?ていうか絶対嫌です!」
「致し方あるまい。我は力を使えないのだぞ?それにお前の魔力は我を上回っておる。仕事といってもここでモンスターたちを統べるだけだ」

 まじですか。私の魔力、魔王様を上回るんですか……。モンスターを統べるだけってそんな簡単なことなの?
 とか不安はあるけど、小さい魔王様に上目使いに頼まれたら断れるわけがないでしょう。

「わかりました」
「本当かっ!?」
「そのかわり、これからも魔王様を可愛がらせてください」
「……えっ」

 高橋 りりな、17歳。
可愛いものが大好きです。そして魔王様の代わりに魔王業を勤めることになりました。

 それじゃあまずは、この居心地の悪い魔王城を改装することから始めますか。


―――――――……


 私が魔王業を始めて早三ヶ月。
これまでの私の業績を軽く言うと……

・モンスターたちを無事まとめあげました。
・試しになついたモンスターたちを人間界へ放ったら、国を一つ潰してきました。
・城を私好みのファンシーで乙女チックにリフォームしました。

こんなところ。
 最初の一週間ぐらいでモンスターたちに認められてから私はほとんどリフォームしかしてない。
 モンスターたちが遊びに行きたいって言うから冗談で「国でも取ってくれば?」なんて言ったら本当に実行してきてビビった。

 人間界じゃ、今回の魔王は歴代最強だとか言われてるらしい。人類はお終いだ~っで騒いでるみだいだね。もちろんそんなことはしないけど。私だって人間ですから。前回のは……ごめんとしか言えないけど。

 魔王様も褒めてくれるし。モンスターたちに「我の言うことは聞かなかったくせに!!」って怒鳴って、「だってりりな様のほうが優秀なんですもん」って言われて泣きそうになってたけど。
 涙目でプルプルしてる魔王様、可愛すぎてどうしようかと思った。

 そんな私は今日も元気に魔王様と戯れてます!

「うふふっ、可愛い~」
「むぅ……」

 三ヶ月もしたら慣れたのか、ぶすっとしながらもおとなしく撫でられてる。だから私は遠慮なく撫でる。

「相変わらず、りりな様と魔王様は仲良しですね~」
「はぁっ!?何を言うか貴様!!」

 私たちの身の回りのお世話をしてくれるドラゴンのベベが私たちに、孫を見るおばあちゃんみたいな目を向けてくる。 そういうのにいちいち反応する魔王様、可愛いなぁ。

「うん、仲よし!!」

 ギュ~と抱きしめ、頬擦りすると、魔王様の体温がカッと熱くなった。

「り、りりな……お前はもう少し恥じらいというものを」
「だって、こんなに可愛いんだもんっ!!そんじょそこらのぬいぐるみじゃ太刀打ちできないよ!」
「…………」
「あらあら、りりな様ったら残酷ですこと」

 素直な感想をもらすと魔王様は急に黙り、ベベはくすくすと笑いだした。
 残酷?私が?

 はてなマークを浮かべていると、部屋のドアがドンドンと叩かれた。

「りりな様大変でございます!!」

 乱暴にドアを開け放ち、入ってきたのは人間界へ偵察に行っていたモンスター。きっと慌てて来たのだろう。ひどく焦った様子で、人間の変化も解かずに額に汗を浮かべてる。

「どうしたの?」

 ただ事じゃない雰囲気に、緩みきった表情を引き締める。
 モンスターは膝をつき、深呼吸をしてから話し出した。

「人間の王が、我々を消すために討伐隊を編成しました。そいつらがこちらへ向かっています」

「え」
「なっ、なんだと!?」

 これには私も魔王様も驚きの声をあげた。
そっか~勇者様とかがこっちに向かってるのか。

「すごいね!RPGみたいじゃない!?」
「感心している場合ではないぞりりな!!我が一族の大ピンチだ!!」

 わ、わかってますって。だからほっぺつねらないで……痛くないけど。

 でもたしかに、このお気に入りのお城を離れるのは寂しいかな。やっと自分好みにしたのに。
 それに、モンスターの皆とも仲良くなったし。魔王様を可愛がれなくなるとかツライ!

「よっしゃ!迎え撃ってやろうじゃんか!!」

 私が声高に宣言すると、モンスターたちが一斉に雄叫びをあげた。迫力パない。正直、ちょっと怖かった。


「来たぞ!」
「みたいだね!」

 今、私たちは最深部の部屋の中。水晶で外の様子を確認している。

「……ねぇ、なんで私たちは戦わないの?」
「当たり前だろう。モンスターはいくらでも替えがきくが、我らは違う」
「ふ~ん。そっか……」

 でもなぁ、替えがきくっていっても、モンスターの皆も生きてて、それぞれに個性があるのに。
 私は誰にも傷付いて欲しくないよ。
そんな私の気持ちを読み取ったのか、魔王様が私の人差し指をキュッと握る。

 魔王討伐隊はたった三人だった。

 先頭で剣を腰に差している、金髪碧眼の王子様みたいなひとが勇者様だと思う。着てるアーマーとか本当にゲームみたい。カッコいい。
 そしてウィッチハットを被り、太陽を模した杖を握っている茶髪緑色の目のショタ風イケメンが魔導士様かな?魔導士ってもう少しマジメなイメージだった。でもショタ魔導士も全然イケる。
 三人目の長い白髪を臙脂色のリボンで結び、修道士のようなローブを纏った黄金の瞳のイケメンは僧侶様ってとこかな?背中に担いでる長い槍が素敵です。

「……魔王様」
「なんだ」
「敵、めっちゃかっこよくない?」
「黙れアホ」

 魔王様もそうだけどさ、実力者って美形が多くないですか?天は二物も三物も与えるって本当だね。
 逆に平凡な容姿の私がチート能力もらっちゃってごめんなさい。

 私が変なことを考えている間に、討伐隊は城門の前に着いていた。
 城門には怪力自慢のモンスターたちが集結していたはずだけど……。

 私はガタッと席を立つ。

「りりな?」

 不思議そうに私を見上げる魔王様の頭をポンポンしてから微笑んで見せる。

「ごめんなさい。私、皆が傷付くところを黙って見てられません」
「……っ、ダメだ!りりな!!」

 止めようとする魔王様の小さな腕を振り払い、私は部屋を飛び出した。
 言うこと聞けなくてごめんなさい。あぁ、もしこれで魔王様に嫌われたら嫌だなぁ。可愛がらせてくれなくなるかな。
 でもじっとなんてしてられない。私は驚いた様子で私を見るモンスターたちを振りきるように全力で城門へ走った。

 門の前では、まさに一触即発な空気が醸し出されていた。モンスターたちの中には何匹かケガをしている子もいるけど、討伐隊の人たちは無傷。
 服に皺さえなければ、息を乱してすらいない。

―――強い。

オーラがただ者じゃないと語っていた。

「かかってこい」
剣を握り直した勇者様にモンスターたちが飛びかかろうとする。

「ストップ!!」

 私が叫ぶと、モンスターたちは皆動きを止め、こちらを見た。討伐隊も、私を視界に捉える。

「えっ、人間!?」
「どうして人間がこんなところに」

 討伐隊の皆さんは突然の私の登場に動揺を隠せないみたい。そりゃそうですよね、最近感覚が麻痺してたけど、女子高生が魔王代理ってありえないですよね。

 モンスターたちも「どうしてりりな様が!?」と驚いている。ごめんなさい、約束を破ったからです。

 私はモンスターたちを庇うように討伐隊の前に立ちはだかった。

「私が今のこの子たちの主です。この子たちを倒すだなんて、許せません」

 彼らを真っ直ぐに見据えて言った。
成り行きで始めた魔王業だけど、この気持ちは紛れもない本物。私はここを守ってみせる。

 私の言葉で討伐隊は更に困惑したようだけど、サッと表情を引き締めると、各々武器を構えだした。

「人間を殺すのは不本意だか、許してくれ。俺らも人間界を守る義務がある」

 勇者様の鋭い眼差しに射抜かれてドキッと……げふんげふん。なんか私、この世界に来てからミーハーになった?まぁ、この世界に美形が多いのが悪いんですね。

 こちらに向かって武器を降り下ろす彼らに、私は右手をかざした。

「チート魔法、発動!!」

 ちなみに、未だに思い通りに操作できてません。
つまり、何がでるかは運次第!!

 私の右手から目が潰れるほどの光が放出される。
………あれ?もしかしてこの魔法は

「うわぁっ!!なんだ!?」
「目がっ!!」
「くっ!……」

そして目を瞑ること三分弱。

「なんだ?何がどうなってるんだ!?」
「え?僕、小さくない?」
「一体…何が起こったのでしょう?」

可愛い討伐隊の出来上がり。
 ちょっと待ってよ。天使が一気に三人て……。
私を殺す気かっ!!!?

 私はパニックに陥っている三人の後ろから忍より、

「かっわいいっ!!!!」

思いっきり抱きしめた。

「な、何してるんだ!」
「下ろしてよぉ~!」
「女性がはしたないですよ、早く離しなさい!」

 はしたなくてもいいです、絶対に離しません!!
ジタシダ暴れても、腕に噛みついても全く痛くない。


「………で、連れてきたわけか?」
「うん!」
「アホか!?貴様の脳みそは稼働していないのか!?!?
そいつらは我らの敵なのだぞ!!」

帰った途端、魔王様に怒られました。当たり前だと思うけど。

「でも……可愛いんだもんっ!!」

私が本心から言うと、魔王様はガックリと肩を落とした。

「そうか、わかった。……りりなに何を言っても無駄だ」
「違います。ただ可愛いものが好きなだけで…」
「黙れアホ」

 むぅ~……。ま、可愛いものの良さは女の子にしか伝わらないもんだよね。
 私は腕の中の三人を下ろし、自己紹介をする。

「私、高橋 りりなです。ここで魔王代理をしています。この人は魔王様。皆さんと同じ魔法にかかり、このザマです」
「このザマとはなんだ!ザマとは!!」
「ほら、魔王様も挨拶してください」
「……………リファレ・アンダージット・マクナガレトⅨ世である」

渋々ながらも挨拶してくれた魔王様、可愛いです。

「え、待て」
「はい?」

 勇者様が小さな手でストップをかける。なんか、すごくキュンってした。

「俺たちはここに居座るのか?」
「…………えっ!?違うんですか!?」

 そうか、すっかり皆で暮らすつもりだったんだけど、討伐隊の皆さんには家族や友人も人間界にいるんだもんね……。

「帰り方がわからない私とは違うんだよね……」
「……帰り方がわからないとは、どういう意味ですか?」

 不思議そうに首を傾げた僧侶様に、私がこの世界へ来た経過や、これまであったことを話すと、真面目な顔で考え事をし出した。

 しばらく口元に手を当てて下を向いていた僧侶様はやがて顔を上げ、

「もしかしたらそれは“ラティヴァナ”の召還魔方陣かもしれませんね」

聞き慣れないことを言い出した。ラテ?なんだって?とにかくすごく言いづらい。
 ところが、それを知らないのは私だけらしく、勇者様も魔導士様も、魔王様までも目を丸くした。

「この子が、ラティヴァナだって言うの?」
「あれはお伽噺ではなかったのか!?」
「りりなが……ラティヴァナだと?」
「断言は出来ませんが、りりな様の証言は文献にあるラティヴァナの召還と酷似しています」

あああ、またおいてかれてる。当事者をおいていかないでー!

「ラティヴァナって何ですか?」

先生に質問するみたいに、手をあげて発言する。

「……ラティヴァナとは、この世界の秩序を正すために異世界から召還された英雄。この世界では神にも等しい存在です。とはいえ、もう千年も昔の話ですから、作り話だとばかり思っていたのですが」
「だが、ここ十年たしかに世界は荒れている。もしラティヴァナの話が本当なのだとすれば召還されてもおかしくはない」

………ん?僧侶様が丁寧に説明してくれたけど理解不能だよ?私が神様と等しいとか、ないない。 

「メロ、りりなさんがラティヴァナなら、僕らの使命は…」
「そうだな」

勇者様が私を見上げた。

「俺はメロ・ナーギル。勇者をしている」
「僕はリュナ・マシム。こう見えても魔導士だよっ」
「私はスザーク・リジット。僧侶をさせて頂いております」

 自己紹介一つにも個性が出てて可愛いな~。今すぐギューってしたいけど、シリアスな雰囲気だから我慢。
 私が欲望を理性でねじ伏せていると、勇者様が私の手に小さな手を重ねてきた。

「もし、りりながラティヴァナであるならば、俺たちの役目は君を護ることだ」
「ラティヴァナじゃなくても、りりなさんを元の世界に戻す方法が見つかるまで一緒にいてあげるね?」
「改めて、よろしくお願いします」

 えっとぉ、ラティヴァナが何なのかはわからないんだけど……。つまり、可愛い子が三人増えるってことでいいんだよね?

「っもう、大歓迎っっ!!!!」

我慢した分、思いっきり力強く三人を抱きしめた。
 少し照れてる辺りが最高に可愛い。

「魔王様もおいで」

 少し離れたところで拗ねたように頬を膨らませる魔王様も呼んだ。何その態度。可愛いすぎて困るよ。

「何故我がそのようなものたちと共に抱かれねばならんのだ!」

 ぷっくりしたほっぺでそんなこと言われても説得力ないです。
 素直じゃない魔王様を無理矢理腕に抱き込む。

あぁっ、可愛い×4!堪らんです!!この子たちマジ天使だと思う。

 仲良くしてくれるといいな。魔王様は意地っ張りだから最初はギクシャクするかもしれない。
 けど、私は知ってるんだ。実は魔王様が友達を欲しがってたこと。きっとこの四人ならうまくいくよね?

 それにしても四人って、両腕に二人ずつ抱けるからちょうどいい。

ラティヴァナとか、未だ見つからない帰る方法とか、問題は山積みだけど……。

「だぁいすきっ!!」

「……へっ!?///」
「えぇえ!?///」
「りりな様、そういうことは……無闇に言うものではありません///」
「だからお前はもう少し恥じらいというものを持てっ!!///」

 もうしばらくこの世界を楽しもうと思う。

可愛いものって素敵ですよね!!

ただ、彼らは本来ならば立派な青年だということを主人公は忘れている。

どうやったら彼らの魔法は解けるんでしょうね?
それはりりなも作者もしらない……。

衝動的に書いてしまった小説ですが、楽しんで頂けたら幸いでございますm(__)m

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