第二話 出会い
バチバチバチ・・・・・ 木々が燃えていく。森につけられた火は瞬く間に燃え広がっていた。
「くそ・・・・火の回りが速すぎる。このままじゃ森がすべて焼けてしまうかもしれない。レムエム!まだか!?」
「・・・・・まて。もう少しだ」
そういうと、レムエムは再び目を閉じた。今の状況で目を閉じる余裕など本当はないはずだが今、レムエムはこの森に棲む水の精霊に干渉しているのだ。
「くそ!こんなことするなんて。見つけたらただではすまさないぞ」
そういった瞬間、森の方でまた火柱が立ち上った。
「まだか!?レムエム!そろそろやばいぞ。」
「もう少しだ・・・・もう少し・・・・・・よし!今だ、レイオス!」
ブウウウゥゥン・・・・・・突如、レイオスの周りに魔法陣が現れ始めた。
魔法陣・・・・それは、この世界においてとても重要な呪文式である。
魔法陣とは、魔法を使えない人々が魔法を使えるようにする為に高名な魔術師が編み出した呪文式である。通常の魔法は、口で唱えて発動するのだが古代語で唱えなければいけないため解読が難しいのだ。それに、魔法は才能がある人でないと使えない。そのため、高名な魔術師が魔法を使えないものたちのために編み出したものが魔方陣である。今では、魔法使い達の間でもすぐに魔法を使えるという理由で使うものたちも多い。レムエムたちも、たいがいの場合は魔法陣を使っている。
「よし!それじゃ行くぞ。」
そういうと、レイオスは呪文を唱え始めた。
魔法陣を作ったうえに、呪文も唱えると威力が倍増するのだ。
『静寂なる森に眠りし命を司る水の精霊よ。長き眠りから目を覚まし、悪しき者たちの力をうちけしたまえ!』
『ホーリー・スプラッシュ!!』
レイオスが呪文を唱え終えた瞬間、空から金色に輝く雨が降り出した。それは徐々に勢いを増し、魔術でつけられた火を瞬く間に消してしまった。
「よし!消えたぞ!」
レイオスが喜びの声を上げた。
「後は小娘をとっ捕まえて終わりだな。レイオス」
とっ捕まえるって・・・・・こいつ、かなり切れてるな。ま、しゃあねえか。自分の森が荒らされたんだからな。
「よし、それじゃ捕まえに行くとするか・・・・って、レムエム。お前の顔、切り傷がついてるぞ」
「な、なんだと!?」
よくみると、確かにそれは切り傷だった。それもただの切り傷ではない。魔術で着られた傷だ。
ここで一言、説明しておこう。
魔術と魔法は全くの別物である。魔法は、癒しや守りなど主に補助的なものが多いのに対し、魔術は破壊や消滅など攻撃的なものが多い。ちなみに、さっき使ったホーリー・スプラッシュは魔法なので魔術ではない。
「わ、我の顔に傷がああぁぁぁ!!!精霊界の『精霊の中で一番犬顔に近い精霊コンテスト』で堂々の一位を取った我の顔があああぁぁ!!!」
「なんだそれ!ってか、精霊界でそんなことやってんのかよ。もうちょいましなことしろよな。それにその傷、魔術でつけられた傷だぞ」
その瞬間、先ほどまで燃え続けていた森の方から何者かが猛スピードで突進してきた。
「あんたね〜!!火を消したのは!?覚悟しなさい!」
ガキィン!! 刃と刃が交差する。
「な、なんだお前は!?」
森の中から現れたのは、レイオスと同じ17歳ぐらいの少女だった。燃えるような赤い髪をしている。服はどこかでみたことある服だ。その少女は、刃を交差させながらこういった。
「私の名前はラピス・レティオール!世界一かわいい美少女よ!!」
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