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祖母のはなし

作者: 水宮 光姫

 死んだ母方の祖母の話だ。


 祖母は色々なおまじないを知っていたらしい。

 私が母から教えてもらったのは、針仕事を終えた後に唱えると、もし針を落としていても被害にあわないおまじないと、火傷にきくおまじない。


 どんなに虫歯になっても、歯根は残り、抜かなくてすむおまじないというものもあったらしい。

 母は祖母が死ぬ前にちゃんと教えてもらえば良かったと言っていた。


 実際、祖母は歯は一本も抜かなかったらしい。



 そんな祖母は、いわゆる視える人だった。



 ある日道を歩いてたら、地面に大きな顔が突然出てきたことがあったらしい。


 もっとも、祖母は

「あら、Aさん、久しぶり。そういえば暫くお墓参り行ってなかったねぇ」

の一言で済ませ、後日お墓参りに行ったそうだ。


 私なら悲鳴を上げるか怖くて動けなくなるかのどちらかだと思う。

 随分剛毅な祖母だ。




 そんな祖母の家系はかなり遡れる古い家系らしい。

 その所為なのか、

「どこそこの誰々さんが狂って死んだ」


「誰それさんは焼身自殺した」


 という話題が良く出ていた。


 しかし、私はその話をしている親戚がとても怖かった。何故なら、罰が当たったのね、と平然と言っているからだ。


 戦後疎開したときに、酷い扱いを受けていたらしい。

 犬に食わせる食べ物があるのに、腐りかけたじゃがいもひとつ分けてくれなかった、等々。


 確かに食べ物の恨みは恐ろしいし、酷い扱いを受ければ恨みも残るだろう。







 そして、私は思うのだ。


 そんな祖母のいうおまじないは、本当にただのおまじないだったんだろうか。

ちなみに針仕事のおまじないは覚えてません。

火傷のおまじないは覚えています

「さるさわの いけのほとりでやけこけて みずなきときは あびらうんけんそわか×3」です。

グーグル先生に聞くと似たようなおまじないがありましたが、最後の部分って真言ですよねぇ……


あ、ほぼ実話です。

ちなみに私は幸いなことに全然見えません。

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