【―俺・私が選んだ道―】縦書き表示RDF


昔、得意な事もやりたい事もない少年がいた……。

無知で世間の事なんて全然知らない少年がいた……。

そんな少年は、無謀にも旅に出る……。

やりたい事を見つける為だ……。

そこには、辛い事や過酷な事……絶望しかないかもしれないのに……。

だけど、少年は信じている……。

絶望を乗り越えれば……いつか、希望が見えると……
【―俺・私が選んだ道―】
作:M&K


特に得意なものなし、特にやりたいものなし、こんな俺が面接で受かる訳がない……。

「はぁ〜、また不採用か……」

俺はこの前、面接を受けてきた会社の手紙をみて、嘆く……。

当然だ、だって不採用の手紙なんだから……。

「やっぱ、やりたい事見つけた方がいいのかな?」

金が手に入ればどの職でもかまわない……、そんな風に思っていたけど、それが面接の時、顔に出るのか、採用と言う文字の手紙が俺に届く事は一回もなかった ……。

「バイト……フリーターか……」

ふと友人が高校を退学してフリーターをしているのを思い出す……。

「気楽でいいよな……フリーターって」

まぁ、実際にやった事ない俺のただの客観的に見た感想だが……。

「得意なこと……やりたい事……」

俺はない頭を必死に振り絞って考える……。

「あぁ〜〜! 就職活動なんて面倒くせぇ!! いっそどっか逃げちまうか!」

自分で言った、その言葉に俺ははっとした……。

昔、俺は親と喧嘩してよく家出をした……。

すごい遠くまで家出して、色々な体験をしたっけ……。

そうか、やりたい事がないなら探せばいいんだ……自分の足で自分の目で!

金銭なんて関係ない、家だって野宿で我慢すればいい……。

本当に金に困ったなら、その場でバイトして稼げばいいんだ……!

そうだ! 俺は旅に出たい! 自分のやりたい事を見つける旅に!

次の日、俺は親や先生に事情を話さず家を出た……。

「一言くらい言った方がよかったかな? まぁ家族には置手紙しておいたし」

それに、言ったら絶対止められるしな……。

だから、言わない……。

大人から見れば、子供の発想の無謀な事なんて思うかもしれない……。

それに、旅って言うのは俺が想像する以上に辛くて過酷な事かもしれない……。

だけど、辛い事なんて実際辛い目に遭わなきゃ分からない……。

過酷な事なんて、そんな状況に置かれないと理解できない……。

だから、試したい! 俺の力がどこまで通用するか……。

そして、どんな仕事が俺に一番合ってるか……。

どんな困難が遭っても乗り越えて見せる……っ!

だって、これは……

「これは……俺の選んだ道だから!」

【私が選んだ道】

その日、早朝から駅のホームに向かう一人の少年の後姿が見えた……。

彼の後姿は、前までの貧弱な後姿ではなかった……。

力強く、精一杯子供だけど生きようとする強い意志が感じられたからだ……。

私には、あそこまで強い意志を持つことができない……。

会社を首にされるのを恐れ、昇進も望まず……ただ、ひたすら同じ日々を繰り返す……。

大人になると人間は、『変化』を恐れる……その変化によって、最悪の事態を想定してしまうからだ……。

だが、子供は違う……『変化』に興味を持ち、最悪の事態になる可能性があるのに、その奥にある可能性……『希望』を望む……。

子供頃の……何事にも一生懸命で何事にも一途だった私を思い出した……。

彼の後ろ姿を見て……

私も彼みたいに絶望が待っているかもしれない道へ立ち向かって行けるだろうか……?

その奥にある希望を信じて、力強く、その道を進んでいく力があるだろうか……?

いつか、私もその道を歩くから……

絶望が待っていたとしても……諦めず歩くから……

その時は、旅に出た君の後姿を思い出すよ……。

私の本当の人生の第一歩を踏み出す時に……


昔、旅したいなぁ〜なんて思った事があります。進路指導の先生に「将来の夢は?」と聞かれた時、即答で「旅に出たい!」なんて無謀な事を言いました……。
その願望がこの小説には出てるかもしれません^^;
大人の登場人物の心境は社会人になった、兄の心境を書いています……。うまく伝われば嬉しいです^^
では〜













ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう