無機質内における戯れ
オレも蒼依に続いて電車に乗る。
少しの間の後に発車のベルが鳴りドアが閉まり、ゆっくりと走り出した。
車内を見回すと平日のこの時間帯にしては空いていたが、それでも座席はすべてうまっていた。
「けっこう空いてるな。」
返事はない。少し蒼依に視線をやるとまた携帯をいじっていた。
なんだか先ほどの会話から機嫌があまり良くないようにも見えるが、いつものことなので気にしないことにした。
返事ぐらいしてくれてもいい気がすかる…。
が、こうなっては仕方がない。
時間が解決してくれるのを待つ以外に方法はないし…。
まぁ、特別蒼依としゃべる必要性もない。
それに電車から見る夜の風景は比較的好きだ。
『ユウ。』
「うん?」
『あんたの誕生っていつだっけ?』
「…そんなこと聞いてどうすんの?」
『別に気になったから聞いただけ。で、いつなの?』
「…蒼依の誕生日から一ヶ月と十三日後。」
『……なんであんたが私の誕生日を知ってるのよ。』
「オレとお前の関係じゃん。」
『…………………。』
いやいやそんな眼でオレを見るなよ。蒼依の言葉をそのまま反しただけなのに。
「冗談冗談。でも、誕生日は本当。」
『…まぁ、いいわ。』
そう言うと何事もなかったように携帯をいじり始める。
数分で最寄り駅に到着した。
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