表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/611

19.一日で三十万稼ぐ男

 次の日。

 今日はニホニウムでの能力あげを完全にお休みにして、テルルにやってきた。


 目的は、魔法カートの性能テスト。

 満載でどれだけ詰めるのか、どれだけの金額になるのか。

 そのテストだ。


 まずは地下一階、モンスターはスライム、ドロップはもやしだ。

 スライムは弱いから銃弾を節約して倒していく。


 ……が。

 効率があきらかに悪かった。

 出会って、近づいて倒して。

 近づく労力と、近づく途中で向こうもちょこまか移動するから、接近戦で倒すのは効率が悪かった。


 割り切って、出会ったら即発砲で倒していく。

 スライムを倒して、もやしを魔法カートに入れる。

 それを延々と繰り返して、やがて、カートの容量が一杯だというアラートがでた。


 そうなったから、オルトンさんがつけたカスタム機能を使ってみる。

 もやしの買い取り単価をいれると、総額がでた。

 41789ピロ、なんと四万越えだ!


 これにはびっくり。

 今まで大体一往復で二万くらいだったのに、いきなり倍だ!

 すごすぎて興奮した。


 もやしは1789ピロの端数分をハグレモノにして銃弾に変えて、他をエルザのところに持ち込んだ。


「四万ぴったり! どうして!?」


 エルザにメチャクチャ驚かれた。

 カートの機能だって説明するとエルザは感心して、横で聞いてた別の冒険者が自分もほしいって言ってきたから、オルトンさんの店を教えてあげた。


 もやしで四万稼いだあと、今度はテルルの地下二階に来た。

 眠りスライム相手に、ニンジンのドロップ狙いだ。

 最初にニンジンの買い取り単価を設定した。


 眠りスライムと出会って、一発で倒す。

 ドロップしたニンジンを魔法カートに入れる。

 34ピロ。


 更にスライムと出会って、一発で倒して、ドロップニンジンを入れる。

 34から63ピロになった。


 次に倒して、割と大きめなニンジンをゲットして、101ピロまで上がった。


 もやしの時みたいにまとめて計算じゃなくて、最初に入力して少しずつ積み上げていった。

 数字が、収入が少しずつ上がっていくのをみるのはわくわくした。


 やがてまた、魔法カートがいっぱいになった。

 金額は38814ピロ――もやしよりもちょっと少なかったけど、やっぱり前の倍くらいだ!


 814ピロの端数分を銃弾に変えて、38000ピロの収入を得る。


 次は地下三階、コクロスライムにカボチャだ。

 ニンジンと同じように、先に単価を設定する。


 コクロスライムを倒して、ポン、とポップコーンのようにでかいカボチャがドロップした。

 それを魔法カートに入れる、10016ピロ。

 一個で一万越えだ!


 一個ずついれてるのに上がり幅がすごい、さっきと違う意味で興奮した……けど。

 魔法カートは四つまで入らなくて、ぶれ幅もあって、四つで39608――四万にギリギリ届かなかった。


 つかった銃弾は4発だから、銃弾の補充はしなかった。


 というか、こうしてみるともやし優秀だな。

 カボチャやニンジンとちがってびっしり入るから多いのかな。

 多分一番相性悪いのはカボチャだ。

 四つの一番少ないのが八千ピロ台で、大きいから五つはいらなくて四つが限界。

 最悪一往復35000ピロくらいになる可能性もある。それでも前よりは効率圧倒的にいいけど。


 そのカボチャをフルに換金して、最後にテルルの地下四階にきた。


 モンスターはバットスライム、ドロップはタケノコ。

 単価設定――どっちにしようかちょっとまよった。


 今日最後の稼ぎだし、景気よく行くか。

 そう思って、「リョータ・タケノコ」の単価を設定した。


 バットスライムを撃ち抜く、ブランド化したタケノコを入れる。

 ……せっかくだからみないようにした、最後にどれくらいになるのかまとめてみることにした。


 倒して、タケノコ入れる。

 倒して、数字から全力で目をそらしつつ入れる。


 無心で倒していって、タケノコを次々と入れた。

 そして、積み荷が一杯になったアラートが鳴り響いた。


 満杯になった、さあ金額は!?


 ドキドキして、すごく緊張して――何故か片目つぶったおそるおそるって感じで数字をみた。


 211740。


 え?

 えっと、一、十、百、千、万……。

 えっと1はこれ二つ並んでるんだよな、見えてるのがぶれてるんじゃないんだよな?


 つまりえっと……六桁?

 ――六桁!? 二十万ピロ!!


 タケノコで二十万ピロいったのか?

 ここのタケノコはエリックのおかげでブランド化して高いけど、二十万?


 普段の――十倍ってこと!?

 効率倍だから、魔法カートなくても十万ピロいけるってことか。


 すごい……。

 魔法カートのすごさと、リョータタケノコのすごさ。


 一日ダンジョンにもぐって、その二つを体験して。

 ものすごく興奮して、気分が上々な一日になった。


 と、思っていたら。

 四万と四万と四万と二十万で……約三十二万?


 定時上がりなのに、毎日終電で残業代マシマシだった昔の収入を一日で稼ぎ出した事に気づいて。

 おれは更に興奮したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ