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とうとうやってしまいました新連載。
テーマはかわいらしく
楽しんで頂けると幸いです


§2 わがままレディ?
 二人組の男子が廊下を歩いていた。
「にしても久しぶりだなっ、クロード。どうだった一年間の社会勉強は」
「それなりに有意義だったよ。アバンズ」
 アバンズと呼ばれた左側の赤毛を後ろに流す青年は愉快そうに笑う。

 生徒は色めき立っていた。その話題は(もっぱ)ら、クロード・ジェントルマンについてである。
 クロードはかつて、十二歳の春から入学することのできるこの六年制の学園に通っていた。ところが二学年を終えると同時に、社会勉強と称し一年間父親に付き家業の仕事を学ぶ。クロードの父は有名な商人であった。

 元々クロードは在学中は一番の有名人であった。
 輝かしい容姿に切れる頭、それを鼻に掛けない人当たりの良さで女子からは密かにオートリアの貴公子、等と呼ばれる。
 そんな彼が帰ってきたとあって、彼を知っている高学年や同級生はもちろん、噂を聞いていた低学年、まさに学園中の注目の的であった。
 しかしクラスならまだしも、廊下を歩いている彼に声を掛ける勇気はない。同学年でさえ、擦れ違った時に軽く挨拶するくらいだ。
 必然的に、クロードとその従来の友、アバンズ・ブランドを遠巻きに観る形となった。


 昼食はバイキングとなっており、各々が好きな時に好きな場所で食べられる。職人達が毎朝生徒よりも早く学園に来て、取り寄せておいた新鮮な食材で仕上げていくのだ。
 クロード達は桜の見えるテラスで食事をとることにした。
 バイキングのあるガラス張りのフロアから外にでた其処には、四人分くらいの白いイスとテーブルしかない。
「この学園にサクラが在るとは知らなかったよ。もっと東の方でしか咲かない花じゃなかったかい?」
「結構必死になって品種改良したらしいぞ。ちょうどお前が出ていった冬休みに植えてた」
 そう言うアバンズはさっさと昼食を食べてしまう。クロードも口に運ぼうとしたとき。

「貴方達、其処は私の席よ!」
 花びらと共に舞う赤毛を押さえ付けて、前髪から覗く蒼石が二人を睨む。大声を出し過ぎたのか肩で息をしていた。
 いきなりのことに二人は固まる。
「あ、もしかして噂の」
 アバンズは呟くが、今だクロードは動かない。
「わがままレディ?」
 ふんっと少女は鼻を鳴らした。




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