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前話では大変な失態を犯してしまいました。
やっぱり頻繁に更新していかなきゃいけないですね
絶賛反省中です!

§19 レディ
 ……どうしたことかしら。
 エミリーはため息を吐きそうになるのをすんでのところで止めた。

 賑やかなはずのバイキングフロアだが、自分達の一角だけまるで別物のように重々しく感じる。原因は明白。何故なら自分も、しっかりとその現場を目撃していたからだ。
 簡単に説明してしまうのなら、フェアリーを抱きしめた人物はちゃんとフェアリーの知り合いであった。混乱したフェアリーがそれでも懸命に顔を上げると、そこには見知った顔がある。
「ランセ兄様?」


「……幼なじみ、ね」
 ぽつりと呟いたクロードにびくりとフェアリーが震えた。
 フェアリーの幼なじみだというランセ本人はというと、あのあと実にあっさりとフェアリーを離し、理事長に挨拶へ向かった。
 そして、今やいつものメンバーだと云われるようになってしまった、エミリーやアバンズを含んだ四人はいつものようにバイキングフロアに居る。
「まさかランセ先輩とわがままレディが幼なじみだったとはなぁ。
 クロードが貴公子なら先輩はまさしく王子様。クロードと人気を二分していたオートリア学園の二大トップの人気者じゃないか」
 苦笑しながら話すアバンズの言う通りであった。フェアリーが入学するのと入れ違いのように卒業したランセだったが、元はこの学園の生徒であった。

 フェアリーはちらりとクロードを見ては、むぅと不機嫌そうに、または戸惑っているように頬を膨らませてフォークをくわえる。当のクロードは黙々と食事をしている。その様子をエミリーは心配そうに見ていた。
 普段なら、絶えずクロードがフェアリーを構っている。クロードが不機嫌、あるいは何かを考え込んでいるのは明らかで、フェアリーは何故クロードがそんな様子になっているかが分からず戸惑っている。こんな状況のフェアリーが放置されている時点でいつものクロードではありえないことだ。
 とうとうフェアリーが俯いてしまったとき、エミリーはキッとクロードを睨みつけた。
 そんな視線に気づいたのか、クロードがハッと我に還り、前に座るフェアリーを見た。クロードの瞳が揺れる。
「レディ」
 伸ばした手が届く前にフェアリーは立ち上がる。
 何かを耐えるような、そんな眼でクロードを一瞥して走って行ってしまった。そのあとすぐをエミリーが追う。
 それを、クロードは揺れる瞳で見つめていた。



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