背には、二つの道が。縦書き表示RDF


詩ではない気がしますが、物語というには、あまりにも短いような気がします。雲の上っぽい、一人語りです。
背には、二つの道が。
作:秋之


納得できないよ。全然。

僕は、納得できない。

君はどうなの?

納得できた?

ここに来てみて、納得できた?

ふふふ。

納得できないでしょう?

出来る訳ないじゃない。

君は理解もしていないんだから。

楽をしようとするからだよ。

逃げちゃったからだよ。

本当にもう、お馬鹿さんだなぁ。

うふふ。

なぁに? そんな風に僕を見たって、僕は何にもしてあげないよ。

僕、君みたいなのは嫌いだもの。

彼……昔会った彼は良かったな。潔くって、それでいて徹底してた。

君に会わせたいくらいだよ。

君みたいに…いや、君らみたいに、周囲に
「背負わせた」
んじゃなくて、全てを
「背負って」
消えた彼。

あぁ、会わせたいな。

一回、彼と会話してみればいいんだよ。

そうだな。

彼ならたっぷり、君らの心の奥底に届くまで語ってくれるだろうな。

君らとは、着眼点が違うんだよ。

彼は人の為に死んでしまったけど、いや、それがいいっていう訳じゃないけど、自分で死んだのよりはましかなぁ。

分かるかい。

彼は白で、君は黒だよ。
彼は甘くて、君は苦い。
彼は柔らかくて、君は固い。
彼は天で、君は地だ。

そんな感じ。付け加えるなら、月とスッポン?

何を思ってそうなったのか知らないけど、馬鹿馬鹿しいと思うよ。

自分より辛い立場の子は居るのに。

やっぱり人間は、その目で見ないと、理解しない生きもののようだね。

常に目を背けているものを見てみればいいよ。

少しは分かるから……って、君、もう死んでるんだっけ。

あぁ、もう!

何なんだよ、本当に!

そんなきょとんとした顔でいたって、現状が変わらないでしょ。

それに変えられないよ。

僕は神様じゃぁない。

……あるいみ、神様かもしれないけど、僕は何にも出来ないよ。出来ないんじゃぁないな。しないんだ。

だって、君が逃げてきた人生だもの。

介入する事が、干渉する事が、もう一度戻ることが、簡単なわけ無いじゃない。

自分で一度投げたものは、拾いに行かなくちゃ。

走って、ね。

地面に触れるたびに、君の人生はひび割れて、欠けて、もしかしたら粉々になってしまうかもしれない。

君は行くかい?
それとも逝くかい?

一度、捨てたのに?


いくの、君は。


だったら僕は助けてあげよう。

運命から逃げた、臆病で卑怯な君を。

助けてあげるよ。

その代わり、もう二度と、逃げる事は出来ないよ。

逃げる事は許さない。

この僕が、絶対に許さないよ。

それでいいんなら、助けてあげよう。

さぁ、どうする?


納得したい? その為には、君はやっぱり、逃げたくなると思うよ。逃がしはしないけどね。

納得したくない? 楽なまんまで、全部忘れて、やり直せる事を、次の自分に祈る? きっと、繰り返すだけだろうけど。


まぁ、何にせよ、僕には関係ないけどね。

存在が他存在に関わることの出来る範囲なんて、決まってるもんなんだ。

それに変えるのは、僕じゃない。あくまでそれ自身なんだからね。

分かるかな。

きっと分からないよね。うん、分からない。

そうでしょ?

しょうがないなぁ。じゃぁ、君に選ばせてあげる。






右と左、どっちがいい?












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実は、小説・背負いの、訳分からん存在の一人語りだったりしました。













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