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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第4章 スライム!

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(4)スーラに関しての考察

 スライムのスーラは、当然というべきか、きちんと目が存在している。
 スーラは、その目をしっかと見開き、相手を見定めてから標的に向かって全身全霊の力を込めて、体当たりを敢行した。
 ただ、スピードが足りなかったらしく、目標だった相手の顔には当たらず躱されてしまう。
 それでも完全に躱されたわけではなく、相手の身体に当たることはできた。
「キャウン?!」
 身体に当たったのと同時に、その相手が声を上げる。
 その声は、当たった衝撃で上げた悲鳴というよりも、当たったことに対する驚きといった感じだ。
 見た感じでは、ダメージはほとんど受けていないように見える。
 跳ね返って地面に落ちてから更に体勢を整えて、もう一度相手に向かって体当たりをしようとして身構えたスーラだったが、そこでストップがかかった。

「はい、そこまで。 これ以上は、お互いに本気になりそうだから駄目」
 当然というべきか、そう声をかけたのは様子を見ていた考助だった。
 スーラの相手をしていたのは、たまたま管理層に来ていたナナだ。
 最初はスーラがまとわりつくような感じで遊んでいたのだが、先ほどのような状況になったので、考助が止めに入ったのである。
 勿論、ナナもスーラも考助の声でさっさと戦闘態勢を解いている。
 もっとも、戦闘態勢といっても、ナナの方は本気ではなく完全に遊びモードだ。
 スーラは、表情が読めないので、遊びモードなのか本気モードなのかは分からない。
 考助が止めに入ったのは、ナナが本気モードに入りそうな気配が漂っていたためである。

 考助の制止で再びまったりモードに戻ったナナとスーラを見ながら、シュレインが感心した表情になっている。
「なるほど。ちまっこくてもやはり眷属なのじゃな」
 じゃれ合いを超えて本気になりそうなところまでヒートアップしていたモンスターが、たった一声で静まったのだ。
 考助が眷属たちから絶大な信頼(?)を得ているのはわかっていたが、こうした場面でもそれは発揮するのだとシュレインは改めて認識したのだ。
「それはね。それに、そうじゃなかったらここまで連れてきていないだろうし」
「ほんとか?」
 微妙に疑うような視線で見ていたシュレインに、考助はウッと詰まった。
「・・・・・・タブン」
 視線を逸らしながらそう言った考助に、シュレインは小さく笑った。
「たとえスーラが眷属でなかったとしても、コウスケはリンから頼まれた以上連れてきていたと吾は思うが?」
「それは否定しない」
 どう考えてもシュレインの言った通りになると考えた考助は、あっさりと反論を諦めることにした。

 シュレインにしても考助のことはいつものことなので、蛇足でしかない。
 それよりも、シュレインには別に気になることがあった。
「スーラは、見た目はあれじゃが、どれくらいのランクになるのだろうの?」
「さあ? そもそもスーラの種族がクラウンのモンスター図鑑に登録されているかも分からないしねえ」
 クラウン、というよりもこの世界で広まっているギルドには、モンスターを強さで区分しているモンスター図鑑がある。
 当然未発見の種類に関しては、順次追加されていくことになるのだが、未だに新たに追加されていっている状況なのだ。
 中には絶滅したと思われるような種族もいるが、いつまた出現するか分からないので、しっかりと記録には残っていたりする。
 クラウンやギルドが管理しているモンスター図鑑は、全ての施設にあるわけではないため、だれにでも見ることができるというわけではない。
 そのため、考助にもスーラの種族が一般に認知されているのかどうかは、分からないのである。
 勿論、考助が頼めばクラウンが管理している図鑑を見せてもらうことはできるだろうが、今のところそこまでするつもりはない。
 それは、別にスーラのランクが分かったからといって、何かが変わるわけでもないためである。

 肩をすくめながらの考助の言葉に、シュレインも納得の表情で頷いた。
「それもそうじゃの」
「スーラの種族が何かあった?」
「いや、リンとスーラが同じ種族みたいじゃからの。ランク的にどうなるのかと気になっただけじゃ」
「あ~。なるほど」
 実は、リンとスーラは種族で見ればまったく同じなのだ。
 ただし、持っているスキル構成は同じでもレベルは全く違っていることは確認済みだ。
「考えてみれば、スキルレベルがどうやって上がるかも正確にはわかっていないからねえ」
 当然のように何度も同じようなことを繰り返したりすれば、レベルが上がることはわかっている。
 それでもある一定のところで止まってしまうことも確かなのだ。
 そのため、レベルの壁を越えるためには、何か特別な条件があるのではないかとも言われている。
 考助もレベルを「見る」ことはできても、どうやって「上がる」のかは分からないのである。

 リンとスーラの差がなんであるかを見れば、その辺りのことも分かるのではないかというのがシュレインの考えだ。
 だからこそ、ランクでどうなっているのかを確認したかったのだが、残念ながらその答えを持っている者は管理層にはいなかった。
「身体の大きさが違うからランク分けも違っている可能性もあるけれどね」
「確かにの。じゃが、そもそも種族自体が見つかっていないこともありえるの」
「それはそうだよね」
 考助もシュレインも、リンとスーラが希少種であることは理解している。
 そのため、むしろ考助がスーラを連れてギルドに行けば、新種族として登録される可能性が高いこともありえる。
 ただし、考助を含めた管理層のメンバーは、それをするつもりはない。
 もしスーラを連れて新種族として登録したとすると、騒ぎになることは目に見えているためだ。
 最弱の代表とされているスライムが、最低ランク以外の種がいることもそうだし、持っているスキルのこともある。
 そもそも考助の周囲にいる眷属たちは、詳しく調べられると困るような者たちばかりなのだ。

 ここまで考助と話をしていたシュレインだったが、ふと素朴な疑問がわいてきた。
「そういえば、リンが突き抜けているのはわかるが、スーラはどの程度の強さなのじゃ?」
「いやそれは・・・・・・ナナとかワンリとかより弱いというのはわかるよ? 勿論、リンも」
 そう言った考助だったが、ナナたちと比較するのが間違いだということはよくわかっている。
 だからといって、他の眷属たちと戦わせて強さを比べるわけにもいかない。
 さきほどのナナとスーラのように、どこで本気になって事故につながるか予測は不可能なのだ。
 考助としてもそんな危険を冒すつもりはない。
「まあ、それはそうじゃの」
「それに、どこかの階層に行って戦わせて調べるのもいいけれどね。・・・・・・まあ、はっきり言えば、そこまでして調べる必要もないかなと」
 言外に面倒だということを匂わせた考助に、シュレインも同意するように頷いた。
 シュレインとしても興味本位で聞いただけで、そこまではっきりとした答えを期待していたわけではないのである。

 考助がかまってくれるのがうれしいのか、話をしている間、スーラは一心不乱に考助の手に纏わりついていた。
 それを見ながら考助とシュレインは会話をしていたのだが、結局ただのおしゃべりで終わってしまい、はっきりとしたことは何も分からず仕舞いだ。
 もっとも、考助もシュレインも何かの結論を出したくて話をしていたわけではない。
 あくまでも暇つぶしの雑談程度にしか考えていないのであった。
何か、ごちゃごちゃと色々分析しましたが、結局確定的なことは何一つ分からずじまいでした><
図鑑を見て話をしているわけではないので、仕方ありませんね。
ついでに、同じ種族がたくさんいるわけではないですし。
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