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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第6章 塔の地脈の力を使ってみよう

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(9) 階層合成

 第八層に神社を置いてからしばらく経ったが、すぐに変化が出るわけではなかった。
 そもそも世界樹の方が、特別なのだ。
 樹の特性を生かして地脈の流れを整えられるので、精霊もそれに応えてすぐに集まってくる。それに合わせて世界樹も成長するのだから、好循環になっている。
 一方、神殿に関しては、ただ建物を設置しただけなので、世界樹の時のように、すぐに精霊たちが集まってくるわけではないそうだ。
 とは言え、自然のままよりははるかに効果が高いとのことなので、後は時間が解決してくれるというのが、コレットの見方だった。
 ちなみに、人手が入らないと本当にただの設置物になってしまうので、普通の神殿のように管理はきちんとしないと駄目とのことだった。
 今まで召喚獣たちの層に建てている建物は放置してきたので、はっきり言えば、汚れるままになっている。
 今後人間が使っていく予定はないので、そのまま放置していたのだが、流石に第八層に設置した神社は、そういうわけにはいかない。
 何故なら放置された建築物というのは、いずれは自然物とみなされてしまうそうで、それだと効果が薄くなってしまう。
 きちんと管理したうえで、精霊が集まるように手をさらに加えていく必要があるのだ。
 というわけで、神社の管理する人手が必要になるのだが、それはワンリに教え込むことになった。
 教官役は、しばらくの間シルヴィアが務めることになった。
 教官と言っても、神社の掃除のやり方を教えるくらいだが。
 目的は精霊を集めることなので、下手に人間の宗教を持ち込んでも意味がないため、神社が傷まないようにすればいい。
 調子に乗って大きい神社を建ててしまったので、いずれは他の人手も必要になるかもしれない。
 当分の間は大丈夫だろうとシルヴィアも言っていたので、それは後々考えることにした。

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 神社の他にも、召喚獣の住む層に色々手を加えている。
 神社ほどの大きな変化は期待していないのだが、召喚獣自体の数を増やしたり<御神岩>を増やしたりした。
 それぞれの層の召喚獣で、百体を超えるようになっている。
 それに伴って召喚陣で召喚している中級モンスターの討伐数も増えた。
 中級モンスターの討伐によって、召喚獣たちのレベルも上がっているので、上位召喚獣の数も順調に増えている。
 現在のそれぞれの階層の様子はこんな感じである。

 第七層 灰色狼群れ、[小さな泉(神水)、厩舎]×3、御神岩×6、黒狼数十頭(狼全体で約百体)
 第八層 妖狐群れ、[小さな泉(神水)、厩舎、神社(極小)]×3、神社(大)、御神岩、太陽の欠片、月の欠片、星の欠片、多尾狐、天狐数十頭、地狐数十頭(狐全体で約百体)
 第九層 灰色狼群れ、[小さな泉(神水)、厩舎]×3、御神岩、黒狼数十頭(狼全体で約百体)
 第四十六層 鸞和群れ(六十体)、小さな泉(神水)、厩舎、御神岩
 第四十七層 灰色狼群れ、小さな泉(神水)、厩舎、御神岩、月の宝石、白狼(狼全体で百体)
 第四十八層 妖狐群れ、小さな泉(神水)、厩舎、神社(極小)、御神岩、太陽の欠片、月の欠片、星の欠片、多尾狐(狐全体で百体)

 第七層で<御神岩>を増やしたのだが、現在は六個で止まっている。
 隠し要素だったのか、六個目を設置した段階で、六個目以降の神力の発生量は減少していくという説明文が加わった。
 六個目から減るのか、全体的にバランスを取って減ってしまうのか、説明文からは分からなかったので、確認するためにそこで設置するのを止めている。
 上位召喚獣が増えたので、召喚で呼んでいる中級モンスターの討伐数もかなりの数になっている。
 現在は、一つの召喚陣だけでなく、それぞれ複数の召喚陣を設置して討伐してもらっている状態だ。
 中級モンスターの討伐が増えたおかげで、そこから得られる神力もかなりの量になってきていた。
 流石に、世界樹やヴァミリニア宝玉から得られる量には劣っているが、それらに次いで神力を稼いでいた。
 残念ながら第五層の村を中心とした冒険者たちの活動範囲から得られる神力は、現在のところそれらに比べれば、微々たるものだ。
 冒険者たちの活動範囲には、召喚陣を設置するといった対応をしていないので、当然だと思っている。

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 そんなことをしていたら、一日で得られる神力が十万ptをこえていた。
 考助にしてみれば、いつの間にかと言った感じだが、世界樹やヴァミリニア宝玉が順調に成長している上に、召喚獣の層を合わせるとある意味当然ともいえた。
 それに伴って、塔LV7になった。
 今まで通りの中級モンスターの召喚陣や設置物の追加に加えて、新たに大きな項目が増えた。
 それが、<階層拡張>と<階層合成>である。
 <階層拡張>は、階層そのものの広さを大きくすることが出来る。
 一度大きくした階層は、元の大きさに戻すことが出来ないそうだ。
 一回拡張する際に必要なptは百万ptだった。
 現在の収入から考えれば、払えない量ではない。
 だが、今のところ<階層拡張>は考えていない。
 それよりも、次の<階層合成>の方が使い勝手がいいと思ったからだ。
 こちらは、それぞれの階層を合わせることが出来る機能である。
 <階層拡張>と違って、<階層合成>の方は一度合わせた階層をもう一度外すこともできる。
 考助が、その機能を見た時に考えたのは、各階層を合わせれば、それぞれの層のモンスターの流動が起きるのではないか、ということだった。
 現在使われていない階層は、完全に棲み分けが出来ているのか、見た感じ自然死と食物連鎖以外の戦闘は起こっていない。
 まあそれが自然の摂理なので当然なのだが、<階層合成>によってそれに変化が起きるのではないかと考えたのだ。
 <階層拡張>だと、ただ単に階層が広がるだけなので、それがあまり期待が出来ない。
 そのために考助は、<階層合成>の方が使い勝手がいいと判断した。

 そう思っていたのだが、新たに追加された二つの機能を皆に話したときに、考助とは別の活用法が見いだされた。
 それを提案したのが、コレットであった。
「それ、もしかしたら世界樹の成長に使えるかも・・・?」
「ん? それは、どういう事?」
「世界樹が地脈に影響して成長しているというのは知っていると思うけど、結局エルフ達がやっていることって、地脈の活性化なのよ」
 コレットによると、地脈を活性化する=そこを流れる精(霊)力の増大という事らしい。
 精(霊)力の増加は、それを利用している世界樹の成長につながる、ということだった。
 階層をつなげると、その分の地脈が増えるので、当然精(霊)力も増えるだろうという予想だ。
 それを聞いた考助は、納得したように頷いていた。
「あと、単純に空間が広がるのも大きいわ」
「やっぱり関係あるの?」
「それはね。単純に一本の樹として、物理的には今の広さでも十分だけど、世界樹は周囲の環境からも力を得ているからね」
「周囲の環境って、他の樹とかから?」
「それだけとは限らないわよ。簡単に言えば、環境によって地脈の性質が変わってくるから、そこから得られる物も大きく変わってくるだろうし」
「なるほどねー」
 世界樹の管理者と言われるエルフらしい意見に、考助以外の者達も感心している。
「どの程度の影響があるかは、分からないけれどね」
「それはしょうがないよ。・・・・・・よし、じゃあとりあえず、エルフの里の階層を拡張することを前提に、しばらく神力は節約しようか」
 召喚モンスターからの神力の回収もあるので、完全に使わないというわけにはいかないが、他の設置物の設置を抑えれば、結構節約が出来るだろう。
「いいの? 絶対というわけじゃないわよ?」
「それはしょうがないよ。いずれは<階層合成>は試してみようと思ってたから。それに合わせて世界樹の事も試せるなら十分だよ」
「そう。それじゃあ、私の方も里の人達に伝えて置くわ」
 いきなり世界(階層)が広がるのだから、事前に伝えておかないと混乱するだろう。
「そうだね。あとは、どの階層と合わせるのがいいか選んでおいて」
「わかったわ」
 今はまだ、使ってない階層が残っているので、ある意味で選びたい放題である。
 <階層合成>を使いだすと、意外に階層が足りないなんていう事態が出てくるかもしれないな、と思った考助であった。
明日は13時と20時の2話投稿になります。

2014/5/11、24 神社の階層修正
2014/6/14 誤字訂正
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