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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第5部 第1章 塔同士の戦い

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(3)事前準備

ほぼ説明回です。
 制圧戦を仕掛けて来たサリタの塔は、サント・エミンゴ王国が支配している塔の一つであることは間違いないが、誰が管理しているかまでは公表されていない。
 元々は別の王国が支配していた塔を奪ったので、管理者の権限を国王が得ているのか、それとも以前のまま引き継ぎ続けているのかわからない。
 そのため、サリタの塔がサント・エミンゴ王国の指示で制圧戦を仕掛けて来たのか、それとも塔を管理している者が暴走しているのかの判断ができない。
 どちらにせよサリタの塔がサント・エミンゴ王国に支配されているのは間違いないので、ラゼクアマミヤを通して抗議することは出来る。
 表だって抗議するのか、あるいは外には出ないように抗議するのかは、あくまでも政治的な判断になるので、その辺りの事はラゼクアマミヤに丸投げしてある。
 考助としては、そんなことに頭を煩わせるよりも、攻略戦の方に意識を向けたい。
 アレクが何やら動いていることもサキュバスの報告から分かっているが、今更アマミヤの塔にとって不利なことはしないだろうと、これも考助自身は全く関与していない。
 フローリア辺りはある程度予想はたてているようだったが、詳しく聞くことはしなかった。
 政治的な駆け引きで下手に自分が関わらない方が良いと、考助自身が考えているためである。

 そんな政治的なやり取りはともかく、考助たちは制圧戦についての準備を進めていた。
 実際に戦闘が始まるまでには、宣戦布告を受けてから三日という時間がある。
 実際の戦争ではそんな時間など与えられることなどないという事を考えれば、かなり猶予があるといえるだろう。
 ただし、塔の制圧戦では猶予といえるほどの時間は無かった。
 というのも、宣戦布告と共に開示された制圧戦の条件を詳しく調べるにつれて、相手がかなり周到に準備を進めていたことがわかって来たためである。
「うーん、なるほどね。短期決戦を望むのもちゃんと理由がありそうだね」
 今更ながら制圧戦の事を調べていた考助が、そう呟いた。
 考助が言っている短期決戦というのは、相手が設定した条件の一つだ。
 普通は制圧戦の勝利条件の一つである「三分の二以上の支配」を満たせば、相手の階層を奪う事が出来る。
 だが、この短期決戦では、半日ごとに結果が出るようになっている。
 朝に戦闘を開始して、夜になるころに戦闘終結として、その時点で支配域が多い方が勝者となる。
 わざわざその短期決戦を指定してくるという事は、相手は短時間で支配域を広げる自信があるという事だろう。

 考助の隣で同じように調べていたコウヒとミツキが頷いている。
 彼女たちも考助と同じように、塔同士の戦闘に関してはほとんど調べていなかった。
 二人にしては珍しい手落ちといえるが、そもそも塔の管理をしているメンバー全員が同じような状態だったことからも、油断していたのは間違いない。
 その反省から今は全員が塔同士の戦闘について調べている状態である。
 シュレインを始めとした他の塔の管理を任せているメンバーたちは、それぞれの塔で何か違いが無いかを確認していた。
 そのため、少なくとも初戦は考助たちだけで対処するという事になっている。
 頷いていたコウヒが、首を傾げながら聞いてきた。
「数で押してくるという事でしょうか?」
「うーん。どうかな? それだけだったら楽でいいんだけれど」
 単純に数だけで押してくるような作戦であれば、いかようにも対処の仕方はある。
 制圧戦では考助たちの最大の戦力であるコウヒやミツキが使えないのは痛いが、別にアマミヤの塔の戦力は二人だけではない。
 だが、それは相手にも同じことが言えるかもしれないのだ。
「進化した召喚モンスターを揃えてくると、向こうに利があるかも知れないよ?」
 わざわざ宣戦布告してくるのだから、当然事前準備も進めている上に、そもそも塔の支配していた年月は相手の方が長い。
 そのため、進化したモンスターに関しては、相手の方が多い可能性もある。
 狙って進化させることは出来なくとも、時間さえかければある程度の進化は進めることが出来る。
 召喚したモンスターが、進化しやすいと気づいていれば、例えナナのように一世代で一気に進めなくても、世代を重ねて進化をさせることは不可能ではない。
 ただし、フローリアに確認した限りでは、サリタの塔のLVはさほど高くはないと推測もしていた。
 もしそこまで高いLVであるのならば、他の塔の制圧戦で上級モンスターを召喚して勝利し続けることが出来る。
 だが負けている事実がある以上、そういった無双に近いことは出来ていない、というのが理由だった。
 他の塔が同じように高レベルのモンスターが揃っているのであればその推測は間違っているのだが、そうであるならば今までアマミヤの塔に攻めてきていなかった理由が分からない。
 今のところ考助たちの認識では、そこまでの上級モンスターを自由に召喚できる塔は、アマミヤの塔以外には無いという結論になっていた。

 その結論を出したにも関わらず、考助がコウヒに向かってそんなことを言ったのにはわけがある。
「制圧戦はとにかく数が多い方が有利そうだからね」
「そうね。高レベルのモンスターをちまちま召喚しても、中々数は増やせないわね」
 ミツキの言葉に、コウヒも頷いた。
 飛龍を始めとした上級モンスターは、一つの召喚陣で召喚できる数が極端に少ない。
 かかるコストも莫大になるため、そうそう簡単に数を揃えることが出来ないはずなのだ。
 ただし、アマミヤの塔は除いて、という注釈が付くが。
 アマミヤの塔は現状、神力はあまりまくっているので、上級モンスターを召喚しまくっても特に問題ない。
 どちらかといえば、召喚するのに手間がかかるのが問題になるくらいだ。
 とはいえ、制圧戦では質よりも量の方が重要になりそうだというのが、考助たちの感覚だった。
 それならば、ミツキが言ったことも的外れどころか、重要な指摘になり得る。

「結局、相手がどの程度の召喚が出来るかによって、対処の仕方も変わってくるか」
 サリタの塔が下級モンスターばかりの数だけで攻めてくるのあれば、そこそこ強い中級モンスターを揃えた方が対処がしやすい。
 逆に中級モンスターが揃えられるようなレベルであれば、こちらはある程度上級モンスターも混ぜた方が良いとなる。
「やはり最初は様子見ですか?」
「だね。取りあえず、一戦目は下級モンスターをそこそこの数揃えて当てようと思う」
 コウヒの確認に、考助がそう言った。
 最初から負けるつもりはないが、必ず勝たなくてはならないというわけではない。
 この辺が制圧戦の駆け引きの一つ、という事になる。
 制圧戦の場合、一回負けたところで一つの階層だけになる。
 今のアマミヤの塔にとっては、短期的に一階層を取られたからといって、大した損害にはならないのである。
 今回は、階層を維持することに固執するよりも、相手の情報を取る方を優先することにした。

 考助の思惑をきちんとくみ取ったコウヒとミツキの二人は、同意して頷いた。
 あとは、一戦目が開始するまでに制圧戦用の階層に召喚モンスターを召喚していくだけである。
 ついでに今回は、眷属を召喚するのではなく、単純に数が多い召喚陣を置いて行った。
 これも相手の様子を見るための戦略だ。何も最初から手の内を全て晒す必要はない。
 いくつか対策は考えてあるが、こればかりは始まってみないと意味があるかどうかは分からない。
 結局、考助たちは、万全とはいいがたい状態で、制圧戦の第一戦を迎えることになるのであった。
新しいことばかりなので、説明ばかりになってしまいました><
これが無いと混乱しますからね。
考助たちの知識不足という設定(オイ)を利用して、説明するという形にしてあります。ご了承ください。
これでもまだまだ制圧戦の説明は足りなのですが、それらは実際に戦いを進めながら説明していこうと考えています。
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