挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第3章 ガゼンランの塔

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

554/1270

(36)前準備

ほぼ説明回です。
 第六十一層から戻ってから一週間は、それ以上の階層にはいかずに泉の再調査などを行ったりしていた。
 最初は第六十一層で調査を始めたのだが、出て来たモンスターが上級ランクのモンスターだったのだ。
 流石にそのレベルになると、ナナの威光も効きづらくなる上に、ミツキ一人だけだと何かの事故が起こる可能性もある。
 いざとなれば考助が馬車を結界で覆えばいいのだが、それでも何があるかわからないので、第六十一層以上の調査はコウヒの合流を待つことにしたのだ。
 幸いランク一位との対戦がすぐ先に迫っているので、それさえ終わればコウヒも比較的自由に動けることになるのを見越しての判断だ。
 第六十一層で上位ランクのモンスターが出ていることに関しては、考助はある疑念を持っていた。
 ガゼンランの塔はアマミヤの塔と違って、百階層の構造ではなくそれよりも少ないのではないかということだ。
 勿論、モンスターの種類だけで、それぞれの塔の階層がわかるわけではない。
 四属性の塔や聖魔の塔でも、モンスターのランクが決まって分布していたわけではない。
 そのため、この先四十階層分で上位モンスターが出てこないとも言い切れないのだが、こればかりはこれまでの経験でそう感じ取ったとしか言いようがない。
 あくまでも、勘とかではなく、経験の方だ。
 色々な塔を攻略して来た考助が、そう感じるとしか言いようが無いのである。
 それをピーチに言ったら「それは勘というのではないですか~?」と聞かれたが、考助にとっては明確に違うのだ。
 こればかりは自分の感覚なので、言葉で説明できるものではない。
 考助がピーチにそう説明をしたら、「そうですか~」と言って頷いていた。

 そういうことでコウヒ抜きで第五十二層から泉の再調査をすることにした。
 流石に一週間弱では、全ての泉を調査することはできなかった。
 第五十二層から第五十五層までの今まで見つけていた泉はくまなく調査できたのだが、残念ながら特殊な水だった泉は第五十四層にある一つの泉だけだった。
 まだ途中で抜けている階層もあるため断言はできないが、かなりまばらな分布になっていると思われる。
 ちなみに、第五十四層で見つけた水は<アエリスの水>で目新しい物ではなかった。
 しかも、その泉がある場所が、第五十四層の中でもかなり奥まった所にあり、ほとんど人が入っている気配が無かった。
 下手をすれば、第五十四層にその泉があることすら知られていないのかもしれない。
 この階層までくれば、わざわざ泉がある奥地まで行かなくても、かなり良い素材が取れる。
 例え泉を見つけたとしても、その水が重要な物だとは気づかない可能性もある。
 今、どの階層のどの泉で水が採取されているかは分からないが、その存在を知っているのはごく一部の者達だとすれば、普通に見過ごされている可能性の方が高いのである。

 調査自体は中途半端だったが、考助たちはコウヒの闘技場での戦いがあるので一旦切り上げて戻って来た。
 考助たちが戻ってきたのが対戦が行われる前日だったため、ギルドは多くの人だかりで囲まれていた。
 コウヒを応援するために来たファンの皆様である。
 特に大きな騒ぎを起こすわけでもないので、エクも特に何か対処をするわけでもなく放置することにしているようだった。
 そもそもギルドの拠点がある場所は、町はずれにあるのでご近所さんから文句を言われることもない。
 流石に夜まで続くようであれば、排除をすることも考えるだろうが、それまでは見逃すつもりのようだった。

 そんな彼らを横目で見ながら、考助たちは馬車で直接ギルドへと入っていった。
 馬車を置いている所が裏口になるので、人を避ける意味でも丁度良かったのだ。
 裏口から建物に入った考助たちは、すぐにエクとコウヒに出迎えられた。
 そこで表の人だかりの対処について少しだけ話した後で、すぐに各自の部屋に戻った。
 コウヒは当然のようにミツキと一緒に同じ部屋に入って来たが、考助も特に何かを聞くようなことはしなかった。
 コウヒにとっては明日の戦いも今までと何の違いもないのだ。
 例え相手がランキング一位だろうと、考助にとってもそれは変わらないのだ。
 建物の外は大騒ぎだが、普段と変わらない時間が過ぎていった。
 他のメンバー達もこれまでの対戦でそれがわかっているので、何か大袈裟にするようなことは無かった。

 幸いにも拠点の外にいた者たちは、日が暮れる頃には解散となっていた。
 場合によっては、闘技場の席取りを目指して並ぶ者もいるのだろう。
 そしてあくる朝。
 いよいよ、コウヒとランキング一位のハルトヴィンとの対戦の日となった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 闘技場ランク一位のハルトヴィンは、既に十年以上その座に君臨し続けているまさに王者と言える存在だ。
 闘技場デビューを果たしてから、ほとんど負けたことが無いという、普通に考えれば化け物と言ってもいいほどである。
 そんな相手と、デビュー以来強者をなぎ倒し続けたコリーとの一戦が行われるとあって、この日の対戦は闘技場ファンのみならず一般の者たちからも注目されていた。
 闘技場ギルドもある程度の予想はしていたのか、最初から人員整理の人材を雇ってしっかりと列を作っていた。
 そんな列を尻目に、考助たちはコウヒの推薦で関係者入口から入ることになっていた。
 今回ばかりは、一般の席ではなくVIP席に座ることになっているのだ。
 ギルドの宣伝も兼ねているためそういうことになったらしい。
 考助たちが塔の調査をしている間に、コウヒとエクで話し合って決めたことだ。
 考助としても特に問題は無いので、その作戦に乗ることにしたのである。

 VIP席と言っても考助が知っているようなボックスが用意されているわけではなく、戦闘が見やすい一角を関係者席として確保してあるという感じだ。
 あえてなのか、対戦相手の関係者と近い席だった。
 考助たちがその席に腰を落ち着けてしばらくしてから、そちら側の席にも何人かがまとまって座っていた。
 お互いに挨拶をかわすわけでもなく、席に着いたところでいよいよイベントの開始となった。

『さて、いよいよです! 世紀の一戦といっていい闘いが、いよいよ行われようとしています!』
 そのアナウンスが会場に流れると、会場が一気に盛り上がりを見せた。
 以前に聞いたアナウンスと同じような言葉だったが、定番のやり取りというわけだろう。
『私、本日のアナウンスを務めさせていただきます。ホスエと申します! 本日はよろしく!』
 今日のアナウンスもホスエが担当することになったようだ。
 偶然なのか、必然なのかは考助には分からない。
『希望はしましたが、まさか通るとは思っていなかったので、私もかなり興奮しています。一緒に盛り上がりましょう!』
 どうやらホスエ本人が希望して、それが通ったという形らしかった。
 そんな事情はともかく、会場は既に大盛り上がりになっている。
 新星のように現れたコリーと、長い間トップに君臨し続けている男との闘いに、沸きに沸いていた。
 あるいは、観客たちの中にも「もしかして」という思いが浮かんでいるのかもしれない。
 それが期待なのか、不安なのかはそれぞれの観客によって違いはあるのだろう。
 どんな結果が待ち受けているにせよ、この闘いが今まで見たものとは全く違ったものになるのだろうという期待もあるのだ。

 そんな観客たちの想いを余所に、イベントは着々と進んでいく。
 そしていよいよ本日闘うことになる両者が会場へと姿を現すのであった。
引っ張ってしまった><
実はさくっと終わらせるプランもありましたw
悩みに悩んで、色々書いて行ったら説明回もどきになってしまいました。
こういうのが進行を遅くさせる原因なんでしょうね。
(消しませんがw)
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ