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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第2部 クラウンの活動

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(5)更なる発展へ(その2)

前半これまでの状況説明回

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本日公式放送でなろうコンの結果発表が行われて、本作品の受賞が決定いたしました。
未だに呆然としている作者ですが、この件に関しては活動報告に書いてありますので、ご確認よろしくお願いいたします。
 神能刻印機が高すぎることに関しては、クラウンの最大級の問題点であった。
 最初に登場してから性能なども併せて何度か更新されているのだが、今回のような劇的な変化はそうそう起こっていない。
 ましてや、サラーサが語ったように、コストが十分の一に減らすことが出来たとなると、クラウンの負担はとんでもなく減ることになる。
 ちなみに、一番最初に考助が作った神能刻印機は、国宝クラスの材料を使いまくって作られていた。
 そんな物をいくら盗まれる心配がないとは言え、ポンポンと設置していくわけにもいかないのだ。
 ついでに言うと、神能刻印機に関しては完全に考助の「好意」で渡されていることになっている。
 そもそも神能刻印機に見合う物が、この世界には出回っていないのだ。
 神能刻印機だけでそう言う状況なのだから、当然クラウンの上層部では考助が現人神でなかったとしても、それに近い扱いにはなっていただろう。
 今でも考助のことを現人神として扱ってはいるのだが、それ以上にクラウン存続の最重要人物として認識されているのだった。

 いくら作成するための値段が下がったとはいえ、神能刻印機は完全に神具である。
 今の技術では再現が不可能という魔道具は数多く存在しているが、その中でも神具とそれ以外には明確な区別がされていた。
 その差は、未来の技術で再現が可能だと判断された物と、どのような力で動いているのか全く分からない物とに分けられる。
 もっと端的に言うと、神力は完全に未知の力なので分析する目途すら立たないのである。
 そんな状態では、全くの未知の物=神具という扱いになっている。
 一方で、技術力が高いとはいえ魔力や聖力で動いている道具は、現在の技術では再現不可能と言うだけで、未来には開発可能とされているのだ。
 そんな中で、神能刻印機がどういう扱いになっているかというと、そもそもクラウンが外部には全く出すことが無いので、未知の道具としか判断されていない。
 そもそもクラウンの本部か支部にしかない機械なので、詳細を検証する機会が全くないのだ。
 調査自体も依頼するつもりがない。
 現人神が現人神として認められるきっかけとなりえる神具、と分かっているだけで十分なのである。
 ただし、考助自身がそれをわざわざ広める必要がないと考えているので、クラウンも自ら広めようとしていないだけなのだ。

 神能刻印機がそんな状況なので、クラウンの最大の特徴といえるクラウンカードに関しては、どうやって作り出されているのかは全くの不明とされている。
 勿論、クラウンで登録の手続きをするときに発行する機械の事は、誰でも眼にしている。
 クラウンカードの登場当初からそれを複製しようとする動きはあったのだが、今もって成功したという話は出たことが無かった。
 表ではにこやかに探りを入れつつ、裏では躍起になって何とか複製しようとする組織・団体・国は数え上げればきりがない。
 当然と言えば当然なのだが、ステータス表示が神の御業として認められている以上、複製など出来るはずもない。
 それでもそういう動きがいつまでたっても減らないのは、人の強欲さが出ているといえるのかもしれない。

 支部がセントラル大陸から他の大陸に進出した際には、その国から技術の一部でも流出することを期待していた所もある。
 だが、そもそも国内にクラウンの支部を作ろうと希望する国は、最初からクラウンに期待を寄せている国なのでそれを裏切るような動きを取ることはしなかった。
 即ち、裏で不正をしようとする者達の入り込む隙間は全くなかったのである。
 結果として、今でも神能刻印機およびクラウンカードの秘密は保たれたまま、という事になる。

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 そうしたことを前提として、シュミットがサラーサへと視線を向けた。
「そうなると、また不届き者達が暗躍しそうですね」
 ここでシュミットが言っている不届き者達というのは、神能刻印機やクラウンカードの技術を盗み出そうとする者達のことだ。
 それに対するサラーサの答えは、単純明快だった。
「好きにさせればいいと思うわ。勿論、目に見える対策は取ったほうが良いけれど」
「まあ、それはそうですね」
 二人の会話を聞いて、上層部の何人かが苦笑していた。

 シュミットが言っているのは、今後クラウンが大きくなるにつれて不届き者達が入り込む余地が多くなってくる。
 当然、それらと繋がりを持った国も出てくるだろうということだ。
 対してサラーサの答えは、どうせ肝心要のステータスに関わる部分は盗めないのだから好きにさせればいい、という物だった。
 ついでに言うと、簡単に盗み出せないように神能刻印機自体にも数々のセキュリティ対策は行われている。
 そうした物を解除して盗み出せるほどの技術があるのであれば、既に魔道具や聖具を開発して大儲けしているだろう。
 そんな革新的な開発で出来た魔道具というのは、彼らも聞いたことが無かった。
 即ち今の技術レベルでは、神能刻印機を盗み出すことすら不可能という事になる。
 さらに言うとこの場に出ている者達は、神能刻印機のステータスに関わる部分は、現人神手ずから作成されていることを知っている。
 神が作成した神威物をどうにかしようという命知らずは、ここには一人としていないのであった。

「それで、実際のところはどれくらいまで増やせそうなのでしょうか?」
「出回る素材の流通を気にしなくていいのであれば、いくらでもと仰っていたわ」
「それは・・・・・・使う素材を確認しないといけないですね」
 シュミットの言葉に、何人かが頷いている。
 サラーサが言っているのは要するに、そこそこ出回っている希少な素材を全て使えば、その分は作れると言っているのだ。
 だが、そんなことをすれば間違いなく市場が混乱する。
 商人部門の者達が、そんなことを許すはずがないのである。
 そのために、必要素材を確認したうえで、神能刻印機に回せる分の素材をどうやって確保していくのかを検討するつもりなのだ。

 さらに、考助がイスナーニと協力して数台の神能刻印機を作るだけなら問題ないが、世界中に増やすことを考えればいつまでも二人に頼ってばかりはいられない。
 ステータスに関わる部分は、考助が作らなければならないとしても、それ以外の必要な所で他に任せられることは任せるようにした方がいい。
 そうしなければ、量産など夢のまた夢だ。
「・・・・・・いずれは、神能刻印機の生産も本部の特産品になりそうですね」
 上層部の一人がそうぽつりを呟くと、全員が楽しそうな表情になった。
「なるほど。確かにその通りね」
「まずはそうなるために各地に支部を作らないといけないですがね」
 サラーサとシュミットもそれに同意するように頷いた。
 世界中にクラウンの支部が出来るようになれば、間違いなくその未来が訪れることになるだろう。
 その時まで、考助自身が神能刻印機の生産に関わっているかは不明なのだが。

 神能刻印機についての報告は、初めははともかくとしてその後は和やかに話されることとなった。
 支部の数が増えれば、それだけ仕事も増えるという事になるのだが、その分実入りも多くなるという事だ。
 商人部門を支える上層部としては、基本的に歓迎すべきことなのだ。
 その辺りは、この場に集まっている全員が商人という事もあるだろう。
 だが、和やかな雰囲気だったのはそこまでだ。
 続いてサラーサから投下された爆弾に、その場の全員が緊張に身を固めることになるのは、もう少し先のことであった。
結局、神能刻印機について一話分以上を費やしてしまいました><
でもまあ、必要なことですから仕方ないですね。
これが無いとまた説明不足で、読者の皆様が置いてきぼりになり兼ねないですから。
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