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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第2部 塔のあれこれ(その7)

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(7)サンドスコーピオン

 考助は、学園でのトワの活躍だったり、養成校での成果を聞いたりしながらいつものように魔道具を作成していた。
 先日訪れた神域で、ココロへの加護の付与の話も出たが、無事にクラーラの加護が付与されたようだった。
 突然の神託に、ココロが驚いていたことをシルヴィアが笑いながら話をしに来た。
 勿論傍にはココロがいたわけだが、笑いながら話す母親にちょっとだけぷっくりと頬を膨らませているのを見て、考助は和んでいた。
 そんな風に、いつもと変わらない日常を過ごしていたのだが、ある日の朝ピーチから塔LVが上がったと報告が来た。
 ピーチが管理している塔は、北東の塔だ。
 この日は、フローリアとシルヴィアに加えて、シュレインもヴァンパイア達がいる町に帰っているので、朝食に同席していたのはコレットとピーチ、ハクである。
 ミツキは当然のように考助の傍に常に侍っていたりする。

「ついに北東もLVが上がったのね。予想は当たっていたの?」
 食事をしながらコレットがピーチに問いかけた。
「当たっていましたよ~。サンドスコーピオンが条件だったようですね」
「サンドスコーピオンね」
 ピーチの言葉にコレットは頷くだけだったが、考助はふと引っかかったことがあった。
「あれ? <サンド>って付くモンスター他にもいなかったっけ?」
「え? そう?」
「いませんよ~」
「あれ? そうだっけ?」
「はい~。北東の塔には居ません。別の塔には<サンドバイパー>がいますが」
「ああ。それは北の塔にいるわね」
 聞き覚えがある名前に、コレットが反応した。
「ああ、そうか。北の塔だったか」
 記憶がごちゃませになっていた考助が、納得したように頷いた。
 そもそも北西の塔がLVアップした際に、塔と同属性を示す眷属がいるかどうかは調べていたのだ。
 最近では塔の中にいる眷属たちも種類が増えてきて、全てを把握することはほぼ不可能な状態になっている考助であった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 考助はピーチと一緒に、北東の塔へと赴いた。
 間違いはないだろうが、念のためサンドスコーピオンがいることを確認するためである。
 スコーピオンはその名の通り砂漠地帯に生息するサソリの魔物だ。
 北東の塔は、地の属性を持つ塔だけあってもともと砂漠が存在している。
 その砂漠に生息しているのがスコーピオンという事になる。
 サンドスコーピオンは、そのスコーピオンから進化した種だ。

「うん。間違いなくサンドスコーピオンだね」
 目の前にいるサソリのステータスを確認した考助が、そう断言した。
 サソリが懐くようにして自分に近寄ってくるのは、この世界に来たばかりの時は不思議な感じがしていたのだが、既に慣れてしまっている。
 勿論、称号に眷属が付いているのも確認してある。
「にしても、サンドスコーピオンって、スコーピオンからの進化だよね?」
「はい、そうです~」
「地の宝玉の効果が出るまでに時間がかかったのは分かるけど、北西の塔より時間がかかったのはなぜだろうね?」
 宝玉の効果が出るのに時間がかかるのは、既に確認済みだ。
 だが、それにしても北西の塔よりも時間がかかったのは不思議な感じがした。
 実はスコーピオンがいる階層は、地の宝玉を設置してある階層からはさほど離れていないのだ。
 少なくとも、北西の塔でウインドタイガーが進化した階層と宝玉が設置したある階層の距離よりも近い場所にあるのだ。

「ええっと・・・・・・」
 何となく気になったので聞いた考助だったが、言いよどむピーチを見て首を捻った。
「ん? 何かあった?」
「いえ~。その、実はスコーピオンを召喚したのは、北西の塔がLVアップしてから何です」
「え? そうなの!?」
「はい~。何となく苦手意識があったので」
「ああ、なるほど。それはしょうがないね」
 考助にも生理的に苦手なモンスターはいる。
 当然塔に召喚出来るモンスターにもそういった物はいるが、わざと召喚していないのはあることだ。
 わざわざ苦手なモンスターを管理するのは、苦痛にしかならない。

「あれ? でも、そうすると、サンドスコーピオンにはすぐ進化したってこと?」
「はい。そうなんです~」
 北西の塔がLVアップした時から数か月しか経っていない。
 スコーピオンからサンドスコーピオンへの進化は、その間に起こったという事になる。
 アマミヤの塔で眷属たちを進化させてきた初期の頃を除いて、ここまで早く進化したのは久しぶりのことだ。
「うーん。ということは、やっぱり環境条件さえ整っていれば、進化はすぐにでも起こるってことかな?」
「そうかもしれませんね~。別の階層で召喚したらすぐに進化したという事もありましたし」
「そうだよね」
 ある階層で召喚をしても全く進化をしなかった眷属が、別の階層で召喚してすぐに進化するという事はよくある事だった。
 問題は、どのモンスターがどの環境にあっているかを確認するのに時間がかかるという事だ。
 スコーピオンのように、分かりやすい眷属であれば何となくで召喚も出来るのだが、逆によく見るモンスターの場合はどの環境に適しているかを見極めるのが難しいのである。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「これで、同属性の進化が必要だというのはほぼ確定したと思うけど、問題は種族まで見ているかどうかだよな」
 管理層に戻って来た考助がそう呟いた。
「え? そこまで条件に入っているの?」
 考助の呟きを聞きとがめたコレットが、多少驚いたような表情になった。
「分からないけどね。そういう条件があってもおかしくは無いと思っているよ?」
「うわー。それはまた面倒ね」
 以前も確認したが、南東と南西の塔ではそれぞれの属性と同じ進化をした眷属はまだいない。
 そのため、普通に同じ属性への進化をさせれば塔LVが上がるはずである。
 だが、その条件に同属性への進化だけではなく、特定の種族を指定されているということも考えられるのだ。
 もっとも、北東と北西の塔の二つが偶々指定された種族への進化を果たしたという事は、偶然にしては出来過ぎとも言えるだろう。

「そうだろうね。まあ、今回はともかくとして、次のLVアップは種族指定とかがあってもおかしくはないと思うよ?」
「うわあ。それはありそうね」
「確かに、アマミヤの塔のことを考えるとありそうですね~」
 アマミヤの塔のLV10への進化条件は、神族への進化だった。
 そんな条件は、普通は満たせるはずがない。
 それから考えると、しらみつぶしに進化させて条件を探すことくらいは大した問題ではなく感じる。
 勿論、普通であれば短い人生の間でそんな手間を掛けるとなると、気が遠くなるはずなのだが。

「次のことを考えて、属性に合わせた進化を色々させておいた方がよさそうですね~」
 ピーチの言葉に、考助が頷いた。
「そうだね。まあ、他に条件があるかも知れないけれどね。やっておいた方が良いかもね」
「そうします~。そのまえに属性進化できる種族を探さないといけないんですが」
「あとは、他の二つの塔も見つけないとね」
 今はフローリアもシルヴィアもほぼ塔の管理はしていない。
 南東と南西の塔は、他のメンバーが片手間に管理しているような状態なのだ。
 勿論考助も手を出したりしている。
「属性進化を探す方が先に出来そうかな?」
「どうだろうね? 今仕込みをしているのが当たっていればいいけどね」
 以前に北西の塔が進化してから、色々眷属を召喚して進化を試したりしている。
 予想と勘が正しければ、その結果ももうすぐ出るだろう。
 北東の塔の進化を受けて、残りの二つの塔のLVアップにも期待を高める考助であった。
今回は北東の塔のLVアップでした。
次話は最後の予告|(?)通り残りの二つの塔のLVアップです。(ネタバレw)
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