挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第2部 塔のあれこれ(その2)

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

346/1285

(1)左目の力

 考助がセントラル大陸に初めて降り立ったころの事。
 考助は、とにかく左目の力の事を把握しようと色々なことを試していた。
 まず分かったのが、左目で意識して神力の力を使うと色々な物のステータスが見えるという事だった。
 といっても最初に確認したように、「?」でマスクされている場所もある。
 そもそもその部分が見ることが出来るようになるのか、ということも疑問の一つだ。
 最初気絶した時は、今表示されている以上の情報が流れて来たはずである。
 流石にその情報全てを見ようとしてしまえば、一番最初と同じようなことに気絶してしまうようなことになり兼ねない。
 アスラから言われたとおり左目の力を使い続ければリミッターが外れるという事なので、考助は慎重に神力を流して左目でいろんな物を見続けた。
 その結果として、考助の神力の扱いを一気に上達させる事になったのだが、この時の考助は気づいていなかった。

 左目の力の地道な調査は、アマミヤの塔を攻略してからも続けられていた。
 その地道な努力(?)の結果、以前に見れなかったところが見れるようになってきていた。
 依然として、コウヒやミツキの不明になっている所は見ることが出来なかったが。
 色々試した結果、アスラが言っていたようにリミッターが外れると「?」になっている部分が見れるようになっていくようだった。
 コウヒやミツキのステータスが見えていないのは、考助自身の力が足りなくてリミッターが掛かっているためだ。
 となれば、左目の力か考助自身がレベル(?)を上げると見れるようになるかもしれない。
 そんなことを考えつつ、その日も左目で色々な物を見続ける考助であった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 コレットやシルヴィアが管理層に来たばかりの頃の事。
 テーブルに突っ伏している考助を見て、コレットが不思議そうな顔で聞いてきた。
「何をしているの?」
「いや、左目の力を色々試してたら、頭が痛くなってきた」
「あんまり無理すると駄目だって、釘を刺されてたんじゃなかったっけ?」
 コレットが、呆れたような表情になって考助に聞いてきた。
「そうなんだけどね。つい張り切りすぎちゃって・・・・・・」
「もう。あんまり無理して倒れられたらシルヴィアが心配したりするんだからね?」
「はい。ごめんなさい」
 本当に心配そうな表情になったコレットに、考助は素直に謝った。
 確かに頑張りすぎたという自覚があるために、今後は無茶なことはしないようにしようと思った。

「それならいいんだけど。それにしてもステータスって不思議な物よね」
「そうかな? いや、そうだよな」
 そもそも人が持っているスキルを数値化して表わすというのは、普通に考えればおかしいだろう。
 考助が日本でのゲームの知識を持っているからこそだろう。
「私が持っている剣術のスキルだって、さほど意識したことは無いのにしっかりと表示されているし」
 コレットがクラウンカードを確認しながらそう言って来た。
 シルヴィアやコレットのクラウンカードは、二人が管理層に来ることになった時点で作っていた。
「そうなの?」
「そうよ。確かに剣も使えるけど、メインは弓だしね」
 コレットは剣も使うことができるが、やはりメインはエルフらしく弓なのだ。
 それは、シルヴィアと組むようになってからも変わらない。
 それではどちらも後衛になってしまうのだが、コレットが弓で牽制した後にシルヴィアが魔法で止めを刺すというのが定番パターンなのだ。
 シルヴィアの魔法で倒せないような魔物の討伐依頼を受けるような無茶はしていない。
 もっとも冒険者をしていれば、いくらでも思惑通りに行かないことはある。
 そういった場合は、コレットが剣を使っていたりしたのだが、未だに上手く扱えているとは考えていない。
 その剣術のスキルがしっかりと表示されているのを見て、最初コレットは驚いていたのだ。

「まあ、ステータスはメインで使っている技術だけが表示されるわけじゃ・・・・・・あれ? ということは、どういう事なんだろ?」
 突然首を捻りだした考助に、コレットが不思議に思い聞いてきた。
「どうしたの、突然」
「いや、そもそもステータスって、神能刻印機で表示させることができるよね?」
「そうね」
「ということは、別に僕の左目の力じゃなくてもいいという事だ」
「?? どういうこと?」
 考助の言っている意味が分からなくて、コレットは首を傾げた。
「ああ、ゴメン。僕自身が左目の力を使わなくてもステータスは確認する方法があるってこと」
「えーと、あの機械がどういう仕組みかよくわからないけど。あの機械を使ってカードを作るときは、その目の力は使ってないってこと?」
「ざっくりと言えば、そういう事」
 正確に言えば、左目の力を転写してステータスを読み取るようにしているのだが、コレットの言い分でおおよそ正しい。
 あくまで力のコピーなので、神能刻印機が動いているからといって、考助の左目が一々働いているわけではないのだ。

「それがどうかしたの?」
「ステータスとしてその人の能力を表示する力は、別に僕自身だけが使える力ってわけじゃないってこと」
「??」
 考助が言いたいことがいまいちわからずに、コレットはさらに首を傾げた。
「だから、今マスクデータになって見れない所は、僕自身の力が足りないんじゃなくて、別の理由があるかもしれない」
「ああ、そういう事!」
 ようやく考助が言いたいことがわかって、コレットも頷いた。
「あれ? でもマスクデータになっているのって、コウヒとミツキのステータス?」
「それ以外にも僕の持っているスキルにもあるね」
 現状「?」のように表示されているのは、考助自身も含めた三人でしか確認できていない。
 それが何と表示されるのかを見たくて頑張っていたのだが、そもそも根本を間違っていた可能性がある。
「つまり、コウスケの力が足りないわけじゃなく、別の要因の可能性があるってことね」
「そうそう」
 考助は頷きつつ顎に手を当てて考える仕草をした。
「となると、何が原因になっているか何だけど・・・・・・」
 いくら首を捻っても分からない。
 そもそも漠然としすぎてて、何が原因なのかがさっぱり分からないのだ。
 結局この時は全く思い当たらずに、放置するしかないのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 何度目かの神域訪問の時に、ふとステータスのマスクデータの事を思い出した。
 コウヒやミツキのステータスが見れなかったところで、いくつか見えるようになっているものもあったが、それでも見れない物もあるのだ。
 流石に通常の戦闘スキルや料理などの一般的なスキルは見えるようになっていたが。
 そもそも考助のステータスにある<女神の○○>や<天女の○○>は未だに分からない。
 折角思いだしたので、アスラに聞いてみることにした。

「それねえ。私もわからないのよね」
「あれ? そうなんだ」
「前にも言ったと思うけど、考助の力は私でも把握できないのよ」
 この世界にとっての初めての力なので、流石のアスラも分からないようだった。
「うーん。そうか、残念」
 今までも分からなかったからと言って不便を感じたりはしなかったので、考助もさほど落ち込まずに頷いた。
「ただ、何となく考助の称号で表示されていない理由は分かるかも知れないけど」
「え!? 本当? なんで?」
 勢い込んで聞いてくる考助に、アスラは謎の笑みを浮かべた。
「秘密。自分で気づいてね」
 こうなってしまっては、考助がどう頑張っても最後まではぐらかされることは、いままでの付き合いで分かっている。
 結局この時は分からずに諦めるしかないのであった。
放置気味なっていた左目の力についてでした。
結局何もわかってないw
今話は、今までのまとめ的な話です。
これからも考助の力の話は、ちょこちょこと挟んでいきたいと思います。

ちなみに、コウヒとミツキのマスクデータは、称号で「考助の○○」となっています。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ