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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第2部 塔のあれこれ

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(5)生誕祭

ま、間に合った。
何とか間に合ったので、今日はクリスマスネタ(?)をどうぞ^^
 くつろぎスペースでのんびりしていると、コウヒが予想外の事を言い出した。
「・・・・・・クリスマス?」
「はい。クリスマスです。祝わないのですか?」
 突然何を言い出すのかと、考助は目をぱちくりさせた。
「いや、クリスマスって、そもそも向こうの神様の生誕を祝う儀式なんだけど?」
 正確には違うのだが、考助のざっくりとした知識だと、こんなものになってしまうのである。
「はい。ですから、こちらの神様の生誕を祝ってもよろしいかと」
「いや、待って待って。そもそもクリスマスが成立するのって、一神教だけだから! 多神教で生誕を祝ったら毎日クリスマスになってしまうよ!」
 数多の神が存在するこの世界でクリスマスをするとなると、考助が言った通りほぼ毎日お祝いをしていないといけなくなる。
「あら。でも、神様達だってお祝いはしてほしいんじゃないの?」
 コウヒとの話にそれまで黙っていたミツキも食い込んできた。
「それは、まあ、そうだと思うけど・・・・・・」
 流石に考助も、それは否定できなかった。
 そもそも神々は、この世界との繋がりを何よりも求めている。
 だとすれば、神々を祝う儀式を行うと、大喜びするだろう。
「いっそのこと、本人たちに聞いてみれば?」
 ミツキのその提案に、考助は釈然としないまま交神をすることにした。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

『いいですね』
『楽しそう!』
『楽しみ』
『頑張って考えてね』
 考助がエリスに連絡を取ると、何故か姉妹神全員が集合していた。
 しかもちゃっかりアスラまで加わっている。
「え? 良いの? てか、考えるって何を?」
 何か無茶ぶりをされたような気がしたので、思わず確認をしてしまった。
『あら決まってるじゃない。貴方がこの世界に新しい儀式を作るのよ。神を祝う儀式なんて、神殿でしょっちゅう行われているし』
『そうですね。神殿で行われている儀式とは違った物を考えていただけるとありがたいですね』
 アスラとエリスの言葉に、考助は頭を抱えた。
 やっぱりどう考えても無茶ぶりだ。
「いや、新しい儀式って・・・・・・。いきなり言われても考え付かないって」
『そう言わずに。いつかの時みたいに、何かひねり出してよ』
『そうですね』
 ジャルとスピカまで無責任にも援護して来た。

「儀式・・・・・・儀式・・・・・・クリスマス」
 何とか思いつこうと頭を捻る考助だったが、中々思い浮かんでこない。
 だが、ふと何かが頭に引っかかった。
「クリスマス・・・・・・聖夜。聖夜? ・・・・・・夜? ん・・・・・・? あれ?」
『お? 何か浮かんだ?』
『しっ。静かにしてなさい。何か浮かぶかもしれないわ』
 考助が何を考え付くのか、この世界のトップたちが固唾を呑んで待っている。
「・・・・・・一つ聞くけど、こんなことって出来るかな?」
 何とかある案をひねり出した考助が、神たちにある提案をした。

『クスクスクスクス。やっぱり考助ね。私達では思いつかないことを考え付くわ』
『そうですね』
「そうなのか? むしろ今までやっていなかったことの方が驚きなんだが?」
『そもそもの前提として、自然に発現するのを待つのが常識だからな』
『こっちから与えるなんて、普通は思いつかないわよ』
 考助の提案は、思った以上に上位神たちに好評だった。
「それで? 他の神たちの協力は得られそう?」
『間違いなく大丈夫です』
『そうね。まあ念の為確認は取るけど、反対する者はいないでしょう』
「問題はないのかな?」
 最後の考助の確認に、全員から問題ないと返事が返って来た。
 こうして、コウヒの何気ない一言から、世界を巻き込む大騒動へと発展するのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 その日、世界は喜びの声に包まれた。
 主に喜んだのは、十歳の子供を持つ親たちである。
 その日の朝。
 子供たちが起きだしてきていきなり言いだしたのだ。
 神様が夢に出て来て、スキルの贈り物をしたと。
 そして、それを使って人の役に立つことをしなさいとお告げをして言ったという事だった。
 それを聞いた親たちは、当然子供の戯言、寝ぼけているのだろうと、最初は全く気にしていなかった。
 ところが、である。
 その日の昼には、神殿からある神託が発表された。
 これから毎年同じ日の夜、十歳を迎える子供たちにスキルの贈り物をすると。
 その発表に、親たちは仰天した。
 まさしく、朝子供たちが言っていたことが戯言ではなかったことが証明されたのだ。
 当然、十歳の子供を持つ親は、神殿に押し寄せることになった。
 ただ、神殿側もいきなりの事で明確な回答など持っていなかった。
 この日の時点で正確な情報を出せたのは、ミクセンの神殿だけだった。
 勿論考助が、シルヴィアを通じてミクセンの神殿に伝えたのだ。

 これからは毎年スキルの贈り物をする。
 与えるスキルは、子供たちが今まで行った行動や、これからの事を見越して送られる。
 ただし、与えられたスキルは、今後の子供の将来を決めるものではない。
 家柄に合ったスキルが贈られなかったからといって、落胆する必要はない。
 あくまで、その日その時に送られているだけなので、そのスキルに合わない職に就いたとしても全く問題はない。

 そういったことが神殿で伝えられて、親たちの中には安堵する者もいた。
 例えば、鍛冶師の家に生まれた子供が、鍛冶以外のスキルを貰っていたりするのだ。
 既に、セントラル大陸では、クラウンの存在が普通になっているので、スキルという考え方も一般に広まっている。
 冒険者以外の大人たちは、クラウンカードを持っていない者も多いので、自分が何のスキルを持っているのか分からない者達も多い。
 そんな中で子供たちが、何のスキルを持っているかはっきりしてしまえば、慌てもするだろう。
 勿論そういう事を見越して、ミクセンの神殿から発表されたのだ。
 スキルについて安心した親たちだったが、次に心配したのは子供にスキルを与えてくれた神に何をすればいいのか、という事だった。
 これに関しては、神殿からは特に明確な回答は無かった。
 ただ、自然発生的に、夜にでも神と子供を祝福するようなお祝いをすればいいのではないか、という話が出回った。
 結果として、子供にスキルが送られた家庭では、その日の夜は外に食事に行ったり、多少豪勢な夕食が食されることになったのである。

 この年、神たちからスキルを送られた子供たちは、様々な活躍を見せることになる。
 そのため、神たちから送られたスキルは神の祝福とされ、加護に近いような意味合いを持って行くことになる。
 ただ、十歳になれば全員が贈られることになるので、加護程の希少性はない。
 後に、この年にスキルを贈られた子供たちは、<始まりの子供たち>と呼ばれるようになっていく。
 そして、神からスキルを贈られる日の事を、子供たちが生まれて無事に成長したことを祝う意味を持つ<生誕祭>と呼ばれていくようになるのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「乾杯」
「「「「「「「「かんぱーい」」」」」」」」
 管理層の食堂には、メンバー一同が集まっていた。
 このところメンバー達が忙しいので、全員が集まることはほとんどない。
 そのためこうして集まって食事がとれるのは、珍しくなっていた。
 わざわざ集まったのは、<生誕祭>を祝うためである。
 一般ではスキルを送られた家でお祝いを行うことになっているが、そんなことは関係がない。
 別にお祝いをするのは、子供がいる家庭だけではなくてもいいのだ。
 という考えの下、一同が集まってささやかなパーティが開かれることになったのだ。
 結局その日は、夜遅くまで騒ぐことになるのだが、管理層という隔離した場所で行われたため文句を言う者は誰もいなかった。

 ちなみに、この日にメンバーが集まってパーティを開くことが定番化していく事になる。
 そして、それを知った周囲の者達が似たようなことを始めて行くのだが、それが一般化していくことまでは、メンバーの誰一人として予想していなかったのであった。
今日、夕方外を歩いていて急遽思いついたネタなので、色々と突っ込みどころがあるかも知れませんw(いつもの事?)
何とか作成が間に合ったので、投稿しました。
校正も何もしていないので、いつも以上に誤字があるかも?(おいw)
+注意+
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