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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第25章 塔と神の審判

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(10)神の審判とは

章タイトルを昨日変更しました。
「塔と神の審判」です。
宜しくお願いします。

久しぶりにランキングをチェックしていたら、本作が80位に入ってました。
・・・・・・何があったし!?
 神の審判とは、その名の通り神が人に対して裁きを下すことだ。
 その理由は様々だが、審判が行われる理由には一つだけ決まった物がある。
 それは、人が神の怒りを買うような行いをしたということだ。
 それだけ見れば、今回ゲイツ王国がやったことはまさしく当てはまっているのだが、なぜ彼らがこんな暴挙に出たかというのが不思議な所である。
 この世界においては、神は明確に存在していて神の審判さえ事実のものとして伝わっている。
 当然その審判が行われるような行いなどするはずがない。
 それにもかかわらず、今回ゲイツ王国の使節団は神々の怒りに触れてしまった。
 傍から見れば何を馬鹿なことをしたんだと思われるかもしれないが、実はそうでもないのだ。
 教会や国家が、神々の怒りに触れない程度のギリギリのラインを狙い、神の名を騙って人心を掌握することなど、過去数えきれないほど行われてきた。
 それらの結果から、どの程度のラインであれば大丈夫という自信があったのだ。
 今回の事に関しても、彼らから見ればその範囲内の事だった。

 神は直接地上の行いに口出しできない。
 これは聖職者に関わらず、国政に関わる者においても当然の認識だった。
 だからこそ、地上にある考助に対しては、平気で口を出して来たのだ。
 そこが彼らの認識の甘さだった。
 確かに神々は、地上のまつりごとには口出ししない。
 だが、彼らは神の仕事に対してに直接口を出して来た。
 これは神々からすれば、明確にラインを超えている事になる。
 何しろ地上の人々が神々の仕事に対して口を出せるようになると、神々からすればたまったものではないという事になる。
 ついでに、考助には代弁者の存在も確認されているが、これに関しても彼らには口出しされないという自信があった。
 彼らからすれば、神としての仕事をしろという要求を出しているのであって、現人神そのものを中傷しているわけではない。
 それが結果として考助を縛る行為になったとしても、考助自身を直接貶めているわけではない、というつもりになっていたのだ。
 結果としては、コウヒやミツキは動かなかった。
 考助の命令があれば当然動いたのだが、その命令が無かったので動けなかったのだ。
 以前のように、考助を直接貶めるような行為であれば遠慮なく動いたのだが、彼らの目論見通りそれは出来なかった。
 それが仇になって、今回のような神の審判が下ると言うことになったので、本末転倒とも言える。
 もっとも、それが無くとも二人は動かなかっただろう。
 何しろ考助を含めた神々が怒っていたのだから。
 わざわざ自分たちが動かなくてもいいと理解していたのだ。
 更には、考助だけではなく神々が直接出てくる騒動になってしまったのだから、もはやどうしようもないのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 どんな審判が下されるのか、会場にいる全員の注目が考助に集まっていた。
「まず、ゲイツ王国に直接下される審判は、今こちらの大陸に向かって来ている軍船を沈めます」
 この一言に、ゲイツ王国側の出席者の顔色が変わり、行政府側は首を傾げた。
「・・・・・・軍船?」
 思わずと言った感じで、アレクが呟きを漏らしていた。
「これは元々予定していたんだけどね。せっかくだから神の審判として受け入れてもらおうかと。今この大陸に向かって、十数隻の船が来ているんですよ」
「そんな話は・・・・・・」
 若干慌てているアレクに、考助は宥めるように手を上下させた。
「それはある意味しょうがないかな? 一応彼らも考えているみたいで、通常の航路から外れてきているみたいだから」
 商船が使っている航路は、他の商船も使うため隠れて行動することなど出来ない。
 当然、どこどこ所属の船が来ているという話は、自然と伝わってくる。
 ところが、その航路を外れてしまうと、そういった噂話さえもなくなってしまう。
 航路と言うのは、いくつかあるわけだが、商船が使うのは当然効率が良い航路になる。
 過去見つけて来た航路の中で、歴史的に埋もれてしまった航路と言うのも当然存在しているが、彼らが通ってきているのは、そういった航路なのだ。
 事情を理解したアレクが、苦虫を噛み潰したような表情になっていた。
 頭の中では、それらの航路の事を考えて頭が痛くなっていた。
 過去見つかった全ての航路を監視するなど、ほとんど不可能なのだ。

「まさか、見つからないとでも思った?」
 押し黙っているゲイツ王国の関係者たちに、考助が含むように笑ってそう聞いてきた。
 実際この船の存在を見つけたのは、考助でも塔の機能でもないのだが、そんなことはわざわざ口にするわけもない。
 第一、まさか夢で見たなんて言っても信じる者などまずいないだろう。
 最初に船の存在に気付いたのは、ピーチの夢だったのだ。
 一度来ていると分かれば、あとは塔の機能で探し出すことは難しい事ではなかった。
「一応時間的余裕は与えるから、さっさと船から逃げ出すように言うといい。幸い今は少し大きめの島で停泊しているみたいだし」
 その言葉に甘い考えを持ったのか、アーサー王はあからさまにホッとしたような表情になった。
 だが、そんなアーサー王に考助が追い打ちをかけた。
「時間的余裕と言っても数時間だからね。精々船から頑張って食料を持ちだすように言うんだね」
「そ、そんな!!」
「何? 時間をあげるだけでもいいと思うけど?」
『そうですね。私なら時間的余裕など与えずにさっさと沈めてます。考助様に感謝しなさい』
 文句を言いたげなアーサー王に、エリサミール神がさらに口を出して来た。
 流石にこの期に及んで、エリサミール神に口答えするほど愚かではなかったらしい。
 すぐに反論するのを諦めようだった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「次はバッヘムの塔に対してだけど、アマミヤの塔が攻防戦を仕掛けるから」
 これに反応したのは、カールだけで後の者達は首を傾げただけだった。
 攻防戦が何の事か分からなかったのだ。
 今まで歴史上で一度も塔の攻防戦が行われたことなど無かったのだから、これは仕方のないことだ。
 攻防戦に関しては、フローリアが説明をした。
「簡単に言えば、塔同士の戦争だ。これが行われるとどう細工しても敵となった塔の関係者には、塔の入口を閉ざすことが出来ない。あとは普通の塔の攻略と同じだ。攻略者は最上階まで行くことが出来れば勝ち、防衛側はそれを阻止できれば勝ちとなる」
 きわめて簡単なルールに一同は納得した。
 そのすぐ後に、それがどういう事か理解できた。
「そ、それは・・・・・・」
 そう言って口ごもったのは、アーサー王だった。
 塔の管理者であるカールは、既に事情を察して顔が青褪めている。
 アマミヤの塔を含めて七つの塔を所持している考助が、自分の塔に攻めて来たらどうなるのか、既に結果は分かっているのだろう。
 そしてアーサー王が口ごもったのは、そのバッヘムの塔がゲイツ王国にとって重要な存在であるからだ。
 カールから別の者に支配者が変わることは、別にどうでもいい。
 要は今まで通り国に利益をもたらしてくれるかどうかなのだ。

「ああ、安心してください。僕らが攻略してもすぐに解放しますから」
 その考助の言葉に、再びゲイツ王国側は首を傾げることになる。
 これも無理もないことだった。
 今まで攻略された塔が解放されたことなど無いのだから。
 これもフローリアの説明が入った。
「要は、誰かに攻略される前の状態に戻るという事だ。ゲイツ王国側は我々が解放したあとで、頑張って攻略すると良い」
 折角手に入れた塔をすぐに手放すと言っているのだから破格の条件と言っていいだろう。
 考助にしてみれば、別の大陸にある塔など所持すると面倒しか発生しないので、いらないとしか言いようがないのだ。
 これには、ゲイツ王国側は微妙な表情になった。
 既に敵対しているといって良い考助に管理されているよりはましとは言え、いまのゲイツ王国にいる人材で塔を攻略できるかというと、心もとないためだ。
 今のゲイツ王国は、塔の管理者であるカールを含めて過去からの財産で食いつないできたと言って良いのである。
 もっともこれは、現在塔を所持している国家全てが当てはまるのだが。
 現在の冒険者や国家の軍では、塔を攻略できる所などないと言っていい状態なのだ。
 結果として、アマミヤの塔のバッヘムの塔への攻防戦の仕掛けは、ゲイツ王国への罰と言って良いのであった。
神の審判はまだあります。
神殿に対しての罰がまだですから。
その話は次話になります。
というわけで、今章は10話では終わりませんでした><
もう少しだけ続きます。
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