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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第18章 塔と新たな力

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(4)黒狼の進化

 管理層に来たナナに促されて、第八十一層へ行くことになった。
 通訳のコレット曰く、称号持ちが増えたらしい。
 増えた称号の確認と、新しい種族が増えているかどうかを確認するため・・・という名目の下、久しぶりに狼達と戯れるためでもある。
 管理層でこもりっきりになっていると、どうしても行き詰ってしまうことがあるので、気分転換も兼ねている。
 それをコレットに言ったところ、「いつも気分転換ばかりしていると思うけど?」と言っていたが、考助は聞こえなかったふりをした。
 そのコレットも考助と一緒に付いてきていた。
 こちらは、通訳という名目の下、考助といちゃラブするためだ。
 ちなみにコウヒもついてきているが、コウヒは全くそれに関しては関知していない。
 コウヒにしろミツキにしろ、どちらかは必ず考助の傍にいるが、他のメンバーとくっついていても全く気にしたそぶりを見せない。
 考助にとっては何とも都合のいい話なのだが、深く追及すると怖い返答が返ってきそうなので、聞いたことはない。
 というわけで、この三人+ナナを加えて、第八十一層へと向かったのであった。

「・・・相変わらずの懐きっぷりね」
 もはや見慣れた光景が繰り広げられていた。
 何かというと、考助が第八十一層の狼達に囲まれて襲撃されているのだ。
 攻撃の名前は、舌でペロペロ攻撃である。
 顔やら首すじやら、場所を構わず個体を問わず考助が狼からペロペロとされていた。
 それを見ているコレットは、若干遠い目をしてあたりの風景を見ていた。
 流石にもうこの光景も見慣れているとはいえ、やはり常識外の光景であることは間違いないのである。
 ちなみに、ナナはそれに混ざるわけでもなく離れた場所で見ている。
 管理層で会ったときに既に甘えているので、今のところは満足しているようだった。
 それが分かっているのか、他の狼達もいつもより遠慮が無くなっている。
 考助としてもただ、舐められているだけではなく、ついでにステータスチェックをしていた。
 一通りの挨拶は終わったようで、その癒しタイムが終わった時には、全ての個体のチェックが終わっていた。
 ナナが伝えて来たとおり、称号持ちは増えていた。
 その称号も<~神の~>と言ったものばかりなので、女神達も本当に自重しなくなったようだった。
 考助としても特にもらって問題があるわけでもなさそうなので、有難く頂戴することにした。
 どういう基準で付けられているのかは分からないが、神の名がついた称号が付くと明らかにスキルの能力が上がるので、この階層で狩りをするときには大いに役立つだろう。
 残念ながら称号が付いたことによる新しい種族への進化は無かった。
 ただし、以前に考助が期待した通り、白狼神へ進化した個体が二体出ていた。
 スキル構成でナナとの違いは、<月神の加護>がない代わりに別の神の加護が付いていた。
 あとは<月光>のスキルが無いくらいで、他に関しては同じ構成になっている。

 気になるのは、一緒に連れてきていた黒狼に全くの変化がみられないことだ。
 神の名の称号が付いているのに、全く種族に変化がみられないのが、数頭いた。
 神の名付の称号が付けば進化が出来るという予想は、これで外れてしまったことになる。
「うーん・・・どういう事なんだろうな?」
 黒狼たちを前に、考助は首を捻っていた。
「普通に進化しない種族なんじゃないの?」
「うーん。いや、そうなのかもしれないけど、何となくそれはない気がするんだよねえ・・・?」
 ただの気のせいとするには、あまりにも強い感覚なので、何となく無視できない気がするのだ。
「それって、現人神としての感覚なんじゃないの?」
「そうなのかな? よくわからないや。まあ、でも確かに前はこんなこと感じなかったな」
 称号を持っている黒狼をじっと見ていると、進化しないという考えに違和感を感じる。
 初めてのその感覚に、考助もよくわからず首を捻っている。
 ついでに、目の前にいる黒狼も首を傾げていたのだが、これは単に考助の真似をしているだけだ。
 その仕草が可愛くなって、ついその頭を撫でてしまう。
 頭を撫でられた黒狼も嬉しそうにすり寄ってきた。
 残念ながら考助に頭を撫でられたからと言って、進化をするという事が起こるわけでもなく、単に撫でるだけで終わったのだが。
 ちなみに妖精石と同じように、神力を込めてみたりしたが、特に変化は起こらなかった。
「さすがにそうそう都合よくはいかないか」
 一通り試してみて、特に変化がなかったために苦笑した考助であった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 黒狼が進化しないことは気になるところだが、考えても分からない以上どうしようもない。
 アマミヤの塔の制御盤の前で、進化の助けになりそうなものが無いかと探したが、ピンと来るものはなかった。
 思い出せそうで思い出せないような、モヤモヤとした感覚になっているので、何とかならないかと思っているのだが、現状ではどうしようもなかった。
「黒狼・・・黒狼・・・。ブラックウルフ・・・ブルフ・・・って何を考えているんだ」
 考助は、自分でもよくわらからない思考になったところで、考えるのを止めた。
 そんなことをやっていると、不思議そうな顔をしてシルヴィアが近づいてきた。
「どうしました?」
「ああ、いや。ちょっとね・・・」
 そう前置きをした後で、先ほどの件をシルヴィアに話した。
 ちなみに、今はコレットは近くにはいない。
 南の塔の管理をしているのだ。
 シルヴィアは、考助の話を意外にも真剣に聞いていた。
 コレットが冗談交じりに言った「現人神としての感覚」というのが、本当にそうではないかと疑っているのだ。
 それは単に当てずっぽうではなく、考助の巫女としての感覚だった。
 話を聞いた瞬間に、何となくだが、考助の現人神としての力の一部として感じたのだ。
「そうですか・・・」
 そう言って黙り込んだシルヴィアに、逆に考助が慌てた。
「いや、そこまで考え込むことじゃないと思うけど?」
 首を傾げた考助に、シルヴィアは自分が感じている感覚の事を話す。
「巫女ってそんなことを感じれるの・・・!?」
「当然です。というより、それが巫女の役割ですわ」
 そもそも考助の現人神としての権能の一つは、ステータスの確認なのだが、それ以外に関しては全く分かっていない。
 神威召喚と神域への送還は、現人神への条件となっていたが、神の権能と言われると微妙な扱いだった。
 権能が一つしかない神は、別に珍しくないのだが、考助がそれに当てはまるかというと、シルヴィアは以前から違うと感じていたのだ。
 そうした神の力を感じ取るのは、巫女としての役割の一つとなっている。
「ふーん。そうなんだ」
「ただ、ステータス以外の権能も感じますが、それが何かまでは残念ながらわかりませんわ」
「そうか。それじゃあ、仕方ないかな?」
「いえ。一つだけ、ヒントになりそうなことはありますわ」
 シルヴィアの意外な言葉に、考助は目を丸くした。
「え? ほんとに?」
「本当です」
「それって、何?」
「ピーチの占いですわ」
 シルヴィアの答えに、考助は再び目を丸くした。

「無理。無理、無理ですよ~。占いなら私ではなく、他の人に頼んだ方が・・・」
 シルヴィアが占いをしてほしいと頼んだ結果、ピーチが逃げ腰でそう答えた。
 彼女がそう言うのも無理はない。
 神を対象に占いなど、通常は出来るはずがないのだ。
「そんなことはありませんわ。むしろ、ピーチだからこそ適任なんです」
「どういう事?」
 二人の様子を見ていた考助が、疑問を投げかけた。
「ピーチには、コウスケ様の巫女としての資格がありますわ。だからこそコウスケ様の占いをする資格があるのです」
 普通に考えれば、神を対象に占いをすることなど出来るはずもない。
 だが、それが巫女であるならば、話は別だということなのだ。
「巫女? そうなの?」
 初めて聞く話に、考助はピーチを見た。
「そうみたいです~。・・・はあ。取りあえずシルヴィアの言いたいことはわかりました。占ってみますね。ただ、当たるかは保証しませんよ?」
 これから占いを行う者が言う台詞ではないと思ったのだが、賢明にも考助は黙っていた。
 ここで考助が余計なことを言うと、ピーチがへそを曲げてしまうと感じたのだ。

 渋々と言った感じで、ピーチは占いの道具を取りに自室へと戻った。
 それからピーチの占いは始まったのだが、その結果はある意味で占いらしい結果と言えた。
 すなわち「近々答えが分かる」という結果が出たのであった。
無理やりピーチの占いを詰め込んだので、なんじゃそれ、という答えになってしまいました。
次話でもう少しだけ占いの内容を書きます。
そして、その結果に向けて動き出します。
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