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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第18章 塔と新たな力

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(2)防御と攻撃

 この大陸における塔の重要な役割が判明したわけだが、当然考助はそれを崩すことは考えていない。
 塔の機能を使えば、この魔法陣も作り変えることは可能だということはわかっているが、そんなものにまで手を出すつもりはない。
 もっと言えば、今回の件で追加された機能でお腹いっぱいだったりする。
 まず一つが、皆に説明するために例に挙げた大陸に結界を張る機能。
 これに関しては、塔の周辺に限ってという限定付きだが、好きな場所、好きな大きさ、好きな時間に張ることが出来る。
 大きさに関しては、最大の物は当然大陸を囲うことが出来るもの、という事になる。
 最小の物は人間一人を囲うくらいまで小さくすることが出来るが、それに関しては無駄なコストということになる。
 似たようなもので、考助が既に神具を創っているため、その神具の方が運用コストが安上がりなのだ。

「一つ聞くけど、大陸を囲う結界って、どれくらいの期間張れるの?」
 コレットが素朴な疑問を考助に飛ばした。
 それに対する考助の回答もあっさりしたものだった。
「神力がある限りいつまでも」
「という事は~。結界の維持が出来る神力を塔が稼いでいれば、いつまでも張りっぱなしにできるんですか?」
「そういう事になるね」
 流石の考助も呆れたような表情になっている。
「何というか・・・これが他の大陸にあったら何が何でも塔を奪おうとするだろうな・・・」
 ぽつりと感想を漏らす元王女フローリア
 全員が頷いた。
「もしかしたらあるのかも知れませんわ。今まで、大陸全部の塔を攻略できる者がいなかったから気付かなかっただけで」
 そもそも大陸全ての塔を攻略したのは、考助が初めてなのだ。
「どうかな? この大陸の塔は、位置的にもあからさまにそういう位置に立っているけど、他の大陸の塔ってどうなの?」
 考助の疑問に答えられる者は、いなかった。
 せいぜいフローリアが、自分がいた大陸の塔は違っていたという事が分かっているくらいだった。
「といっても私も全ての塔を把握していたわけではないからな。きちんと探せば、そういった位置関係にある塔もあるのかもしれないな」
「なるほど」
 セントラル大陸の塔は、数も位置も分かり易い位置に立っているので、推測しようと思えば推測できただろう。
 ただ、地上を歩いて塔に到達して、位置を正確に測った者がいなかったために、気づかれていなかったのだ。
 塔の麓に到達するだけでもかなりの高ランクパーティじゃないと到達できないので、わざわざ全ての塔を調査するという酔狂者は出てこなかったのだ。

「それで? もう一つの機能は、どんな物かの?」
 なんとなく想像できるが、と付け加えてシュレインが考助に聞いた。
「まあ、想像通りだと思うけど、攻撃が出来る機能だね」
 それを聞いた全員の顔が、やっぱりといった表情になった。
「一応聞くけど、それもやっぱりいつでもどこでも可能なの?」
「そういう事だね」
 他の大陸に存在している国家に所属している者が聞けば、涎を垂らして喜びそうな機能だった。
 もっとも現状国家が存在していないセントラル大陸では、ほとんど使うことがない機能とも言える。
 この機能も結界と同様に、大陸内のみで及ぼせる機能なのだ。
「怖いからあまり聞きたくないんですが、効果はどれくらいなんでしょう~」
「あー。うん。この大陸を沈めるくらい? あの推測もこれを元に話したから」
 考助にしてみれば、この基準があったために、魔力暴走が起こった際の被害も推測できたのだ。
 魔力暴走を抑えることが出来る魔法陣が、それと同じ規模の被害を出せないはずがないのだ。
 流石に二度目の事なので、前程は驚かなかった一同だが、それでもドン引きさせていた。
「素朴な疑問なのだが、その威力で大陸を吹き飛ばした場合は、塔はどうなるのかの?」
「ああ、うん。塔はそれくらいでは壊れないって。島みたいに周辺の陸地が残って、それぞれの塔が点在する感じになるみたい」
 考助がなぜこんなことを話せるかというと、新しく追加された塔のメニューにしっかりとそのことが書かれていたからだ。
 そんなことをわざわざ書いてあるメニューに、何となく作為を感じた考助だったが、わざわざそれに乗るつもりはない。
 大陸を破壊して喜ぶような精神は持っていないのだ。
 現状において、攻撃系の機能は宝の持ち腐れといった状態になりそうだった。
 いや、活躍できるような情勢になってほしいというわけでは、決してない。
 さらに言うなら、この機能が活躍する前に、コウヒとミツキという二大巨頭が、しっかり周辺の環境にある程度配慮したうえで片づけてくれるだろう。
「そもそもそれを考えると、全部の塔を攻略できる実力がある者が、この機能を持つ意味があまりないとも言える気がするね」
 考助の感想に、フローリアが異を唱えた。
「いや、そうでもないな。支配者が代替わりすることを考えれば、必ずしも塔の支配者が常に自身が強かったり、コースケのように周りに強い者がいるとも限らないからな」
「そんなもんなの?」
「そんなものだ。そもそも現在攻略されている塔のほとんどは、代々受け継がれているような物だぞ?」
 フローリアの言葉に、コレットとシルヴィアも頷いている。
「なるほどね。それを考えると、この攻撃系の機能は喉から手が出る程欲しいだろうねえ。特に国家は」
「そうですね~」
「まあ、この大陸はそんなこと考えなくてもいいし、他の大陸に関しては・・・考えなくてもいいか」

 あっさりと答えた考助に、フローリアは首を傾げた。
「いいのか? 今以上に勢力が広がれば、そろそろ他大陸の国家が出てきそうな気もするが?」
 既に他大陸の影響力が他よりも強い東西南北の街に、リラアマミヤの支部を出しているのだ。
 それを通して何かしらの反応が出てきてもおかしくない。
「構わないよ。武力行使されるとなったら結界の出番もあるだろうけど、それ以外に関しては特に口出しするつもりはないよ」
 貿易のような経済活動に関しては、考助がわざわざ口を出す必要はないと思っている。
 勿論実際の武力を使わなくても、ただの経済活動と思っていてもそれが既に、攻撃になったりするという認識は考助にもある。
 ただ、それらに関しては、クラウンだったり行政府で十分対処可能だと考えているのだ。
 逆に、今後の為にもそれくらいは対処してもらわないと困るとさえ思っている。
 セントラル大陸には国家がないため、正式な軍という物も存在していない。
 そのため他大陸の国家が、明確な意思を持って攻め込んできた場合はひとたまりもない。
 そう言った場合には、結界が非常に役に立つだろう。
 何しろ海を越えるために、絶対に船を使わないとだめなのだから。
 いざというときのために、結界の存在があることは、アレクに伝えてもいいと考助も思っている。

「しかし・・・外部がちょっかいを出してきそうなときに、こういう機能が出てくるというのは、偶然かの?」
 シュレインの言葉に、考助も少しだけ首を傾げた。
「まあ、卵が先か鶏が先か、という話と同じだよね」
 塔が発展したからこそ、こういった機能が追加され、外部に対する影響力が大きくなっているのだ。
 どちらが先という事は考えるだけ時間の無駄だろう。
 誰かの作為的な意図があれば別だが、そんな者はあり得ない。
 あり得るとすれば、女神様達くらいだろうが、彼女たちがそんなことはしないという事は、考助は確信している。
 そもそもそんなことが気軽に出来るのなら、神域に行った考助に対して、あそこまで繋がりを持とうとは思わないだろう。
 言いよどむ考助に、シュレインが首を傾げた。
 そう言うことから、誰かの作為が働いているとは全く考えていない考助であった。
考助は、大陸級戦略兵器を手に入れた!
ピロリロリーン(効果音)

(ただし、使い道のない武器)
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