挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第16章 塔とゴーレム

198/1252

(4) イスナーニのおすすめ

今日で投稿を始めてから半年になります。
・・・半年。感慨深いですねぇ。まさかここまで続くとは思っていませんでした。
これもひとえに皆様のおかげです。ありがとうございます。
三日後に通算二百話がきますので、その時に活動報告でもう少し詳しく書きます。
・・・タブン。
 眷属たちを増やすためには、どうしても管理に手間がかかる。
 主に生きていくための餌が問題になるのだ。
 眷属たちを維持するにはどうしても餌が必要になるが、その餌を用意するには階層で自然発生するモンスターか、召喚モンスターを利用するしかない。
 自然発生するモンスターは、階層の広さによって発生する数が限られるので、当然眷属の数も一定しか維持が出来ない。
 召喚モンスターを利用するには、神力が必要になるが、召喚するのが中級モンスター以上であればコスト的には問題がない。
 理屈だけで言えば、眷属たちの餌に召喚モンスターを使って用意すれば、眷属はいくらでも増やすことが出来る。
 とは言え、それも現実的ではない。
 何故なら召喚モンスターの召喚陣を設置するのは、人の手で行わなければならないからだ。
 考助がアマミヤの塔で眷属を増やさなくなったのは、その問題が出て来たからだ。
 今のところ時間に余裕がないわけではないので、増やそうと思えば増やせるのだが、それをしてしまうと餌やり以外に何もできなくなってしまう。
 女性陣が他の塔の管理を始めた以上、今までのように召喚陣の設置を他の者に任せることも出来ない。
 考助の場合は、コウヒやミツキがいるので彼女たちに任せれば問題ないのだが、それでは根本的な解決になっていない。
 そう言うわけで、先日考助がワンリと話した内容につながるわけだ。
 召喚陣の設置と言うエサやりを自動化できれば、その問題が一気に解決することになる。
 問題はその自動化をどうするか、という事なのだが、一筋縄ではいかないようだった。

「うーん。・・・駄目だなこれは」
 制御盤を前にして、考助はそう呟いた。
 召喚陣の設置の自動化を目指すにあたって考助が真っ先に考えたのは、自動化ツールの作成だった。
 普段は制御盤をタッチパネルのように操作しているのだが、それを内部から自動で操作できるように出来ないかと考えたのだ。
 だが、残念ながら制御盤は完全にブラックボックスで、開けることすらできなかった。
 下手に開けて管理できなくなっては困るので、正直開けられないというのが本音だ。
 ちなみにこの時点で、管理ツールの中に自動で設置してくれるような物がないかを探してみたが、そんな便利な物はなかった。
「そこまで甘くはないってことだろうな」
 がっくりとしていた考助に対して、イスナーニが話しかけて来た。
「どうですか?」
「いや、さっぱり駄目だわ。そもそも何で動いているかも分からないしね」
「そうですか」
 イスナーニもある程度予想していたのか、特に表情を変えずに頷いた。
「という事は、やはり外部入力するしかありませんね」
「そうなるなぁ・・・」
 考助としては、出来れば内部で処理できないかと思っていたのだが、そうそう甘くはなかった。
 とは言え、いつまでもそれにこだわっていてもしょうがないので、スパッと思考を切り替えた。
「それで? そっちの方はどうなった?」
「いくつか候補はあります。魔道具を作る、ゴーレムを作る、奴隷を使う、と言ったところでしょうか」
 さっくりと奴隷を使うと言ったイスナーニに、考助は渋い顔をした。
 奴隷が倫理的にどうか、と言った話ではない。
 既にクラウンで大量の奴隷を使っているのは分かっている。
 彼ら奴隷がいなければ、クラウンの維持さえ出来ていないだろう。
 いくら奴隷とは言え、いや奴隷だからこそ単純作業をさせるのが勿体ないと考えているのだ。
 奴隷と言うのは、ヒューマンを始めとして亜人たちも含まれている。
 その彼らを使うのに、召喚陣の設置だけさせるのが勿体ないと思っているのだ。
「奴隷はなあ・・・どうせ使うんだったらもっと別の事に使いたい」
「そうですか。となると今すぐにでも取り掛かれるのは、魔道具かゴーレムになりますが、おすすめはゴーレムです」
「ん? 理由を聞いても?」
「魔道具は作ってしまえばそれきりですが、ゴーレムは拡張性が高いからです」
 作り方によっては、別の作業を教え込めばその作業もこなすことが出来るようになる。
 勿論、そう言った拡張性の高いゴーレムを作るのには、それなりの材料と時間が必要になる。
「ゴーレムか・・・」
 今のところ考助には、ゴーレム作成の知識はほとんどない。
 だが、確かに作れるようになれば、色々な意味で便利になりそうだった。
 考助がまともな物を作れるようになれるかは分からないが、試してみる価値はありそうだった。
「あれ? そう言えば、イスナーニは作れるの?」
「ある程度の知識はありますが、今すぐに目的の物を作るのは難しいです」
「そっか。それじゃあ今から二人で勉強始めようか」
「はい!」
 元気よく返事をしたイスナーニだったが、それまで黙って聞いていたコウヒが混ざってきた。
「その話、私も混ぜてもらってもいいでしょうか?」
「え!? いいけど、どうしたの突然?」
 コウヒの珍しい介入に、考助は驚いて聞き返した。
「いえ。折角ですので、メイドのようなゴーレムを作れないかと思ったのです」
「それはいいわね。私も混ざっていい?」
 なんとミツキまで食いついてきた。
「え? メイドって?」
 ここまで考助がイメージしていたゴーレムと言うのは、ゲームでよく出てくるようなごつごつしたタイプの物だった。
 だが、この世界で一般的なゴーレムと言うのは、人形を指している。
 人形にある作業をさせることを出来るようにしたものをゴーレムと言っているのだ。勿論ごつごつ系のゴーレムもいないわけではない。
 コウヒやミツキが食いついたのは、管理層の維持をするためのゴーレムを作りたかったためだ。
 それが出来れば、より考助に張り付いていられるようになる。
「そうか・・・人形タイプの方だったか。まあともかく反対する理由もないからいいよ」
 納得した考助は、二人にそう許可を出した。
 こうして四人によるゴーレム作成が始められた。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 まずはゴーレムを作るための技術の取得だが、これは管理層の設置物に教本のような物があったのでそれを用意した。
 勿論四人いるので、一冊だけではなく複数種類設置した。
 どこからそういった物を塔の制御盤が用意しているのかは分からないのだが、ある物はありがたく使わせてもらう。
 ゴーレムを作成するにあたって、まず一番問題になるのは、材料集めだ。
 当然質のいいものを作るには、それなりの物が必要になる。
 だが、これに関してはほとんど心配していなかった。
 塔と言う資源がある上に、その中にいるモンスターをすべて倒せるコウヒとミツキがいるからだ。
 勿論塔では取れない素材もあるだろうが、それに関しては、シュミット頼りになる。
 今のところ何が必要になるかは分かっていないので、おいおい考えていかなければならない。
 材料さえあれば、あとはゴーレムを作るための技術だけになる。
 これに関しては、簡単な物から作成して行ってどんどん腕を上げていくしかない。
 考助としては、その過程で目的の物を作ることが出来れば、問題ないと考えていた。
 この時点で考助の思考は、本来の目的からずれて行っているのだが、残念ながらそれに気づくものはいなかった。
 取り寄せた資料などを見た感じ、単純作業用だけではなくもっといろんなゴーレムが作れそうだと思ったのが、考助の好奇心に火を付けてしまったのだ。

 結局、この四人がゴーレム作成に関わることによって、この世界で停滞してた技術がさらに伸びることになるのは、もう少し先の話なのであった。
この話で出てくるゴーレムは、いわゆるドラ〇エに出てくるゴーレムではなく魔力などで動くタイプの人形です。
材料が非常に高価なので、一般には出回っていません。
技術的にはさほど高くはありません。コウヒが言っていたメイドのようなことが出来るタイプは、超一流の技術者が高価な材料を使って作るレベルです。言葉は片言でしか話せません。
材料が高価なのは、希少というわけではなく、それ以外に使うものがないので一般に出回っていないためです。

この話を書いていて、別の話を書きたくなってきました。タイトル「人形遣い」・・・まんまですねw
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ