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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第15章 塔と女神様

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6話 握手会

昨日章タイトル付けました、がなんか納得がいっていません。
何れ変えるかもしれません。
そのままで行くかもしれませんが。
 考助の嫌な予感は当たった。
 エリスが言っていた準備が何かというと、端的に言えば宴会だった。
 前回の送還時のふれあいだけでは不満を持った神様方が、今回はきちんとお話出来る席を設けてほしいと嘆願したのだ。
 その話をエリスから聞いた考助は、助けを求めるようにアスラの方を見たのだが、両手を合わせてごめん、とだけ言われた。
 アスラにしても女神達の勢いは抑えられなかったらしい。
 強権を発動して抑えられなくはないが、この程度のことでわざわざ強権を発動するわけにもいかない。
 さらに付け加えて考助に向かって、
「それに・・・考助だって、美女・美少女に囲まれるんだから悪い気はしないでしょう?」
 と、笑顔で言われてしまった。
 前回の訪問時で体験したのだが、少なくとも考助の目についた女神様達は、皆美しかった。
 後で落ち着いて考えると、流石女神様と感心したのだが、実際に囲まれているときはそんなことを考える余裕は無かった。
 矢継ぎ早に飛んでくる質問に対処するので、精いっぱいだったのだ。
 勿論考助とて男だ。
 きれいな女性に囲まれて嬉しくならないはずがない。
 だが、珍獣扱いされるのは勘弁してほしいと思わなくもない。・・・贅沢だとは分かっているのだが。
「・・・贅沢な悩みですね」
 口にはしなかったのに、エリスに突っ込まれてしまった。
 考助は、諦めたようにハアとため息を吐いた。
 どうにも逃げられないらしい。
 というより、下手に逃げ出すと塔に押し掛けられる可能性があるので、逃げるという選択肢は無かった。
 どこか悟ったような表情になった考助は、アスラとエリスに連れられて会場へと向かったのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「・・・と、言うわけで、この男性が現人神であり、この世界で唯一の男性神である考助で~す」
 ジャルの言葉に、会場中から拍手が沸き起こった。
 思った以上に広い会場だった。
 その会場に数百人以上の女性が集まっていた。
 当然全員が女神様達だ。
 その会場のいわゆる王様席の様な場所に考助は座らされていた。
 そして、なぜか会場ではジャルが司会を行っていた。
「なぜジャルが司会を?」
 誰に言ったわけでもないのだが、隣にいたアスラがそれを聞きとがめた。
「だって、エリスに任せたら雰囲気が固くなって面白くないし、スピカは柄じゃないでしょう?」
 発案者はアスラだったらしい。
「まあ、いいんだけどね」
 小声で交わされる会話を余所に、ジャルが着々と司会をこなしていた。
「では、めんどくさい代表者の挨拶はすっ飛ばしまして・・・」
「えーーーーーー!?」
 その司会っぷりに考助の隣から抗議の声が上がるが、ジャルにはスルーされた。
「それでは、本日のメインイベントである、握手会を始めましょう!!!!」
 わー。パチパチパチ。
 盛り上がる会場を余所に、考助は目を丸くしていた。
「・・・は? 握手会? 誰の?」
「面白いこと言うわねえ。貴方以外に誰がいるの?」
 きっぱりとエリスに断言をされてしまった。
「・・・・・・どこのアイドルだ」
 思わず沈み込みそうになったが、気合で回避した。
「あら。実際に似たようなものだと思うわよ? 神という立場を気にしなくても付き合える唯一の男性なのだし」
「・・・・・・ハア。まあ、もういいか」
 こんな会話をしつつも会場では着々と握手会会場が用意されていた。
 いま考助がいる場所とは別の場所で行われるらしい。
 準備が整ったのか、呼びに来たスピカに連れられて考助は握手会を始めるのであった。

 何だかんだで三百柱近くの女神様達と握手したらしい。
 ちなみに会場には握手の権利を獲得できなかった女神様達も来ていた。
 ついでに、この会場に入りきれなかったために、来れていない女神様はまだたくさんいるらしい。
「一体どれくらいの神様がいるんだ?」
「さあ?」
 親玉であるアスラの答えだこれだった。
「把握してないんだ・・・」
「出来ないのよ。今この瞬間も生まれたり消えたりしてるんだから」
「え? そうなの?」
「そうなのよ」
 神がそんな簡単に生まれたり消えたりするのが不思議な気がしたが、この世界ではそう言う物だと言われれば納得するしかなかった。
「ところで、握手してみてどうだった?」
「え? どうも何も疲れたけど?」
 流石に三百近くの数をこなすと、一つの動作が少ない握手でもかなり疲れるのだ。
「そうじゃなくて・・・ほんとに私達が握手させるためだけにこんなことをしたと思ったの?」
「え・・・!? 違うの?」
 考助の驚いたような表情に、アスラはため息を吐いた。
「これは一度、私達の事をどう思っているのか問い詰めないと駄目かしら?」
 そう呟いたアスラの表情を見て、考助は冷や汗を流した。
「・・・まあ、今はそれは置いておくとして・・・ほんとに何も感じなかった?」
 真剣な表情をして聞いてくるアスラに、考助も真面目な顔で頷いた。
「うん。ごく普通に握手をしていたけど?」
「・・・・・・さすがにそれは予想外だったわ」
 若干呆れたような表情になるアスラ。
「え? 何? 何かあったの?」
「ああ、いやうん。別に悪いことじゃないから大丈夫よ。・・・・・・タブン」
 最後の小声の一言が気になった考助だったが、残念ながら聞き取ることが出来なかった。

 一通りイベントの整理が終わったのか、ジャルが近づいてきた。
「お疲れ様。だいぶ頑張ったんじゃない?」
「ああ。おかげさまで。ただの握手なのに、こんなに疲れるんだな」
 ジト目の考助に、ジャルは笑って誤魔化した。
「あははは。まあ考助にとっても悪い話じゃないんだからいいんじゃない?」
「? 何のこと?」
「あれ? ・・・また余計なこと言った?」
「ジャーールーー」
「わきゃ・・・!? ね、姉様、な、何?」
 いきなり目を吊り上げ始めたエリスに、ジャルが落ち着きを無くし始めた。
「ふふ。エリス、いいわよ。そろそろ説明するつもりだったし」
 三人のやり取りを見て、何となく事情を察した考助が切り出した。
「・・・で? 今回は何を企んだの?」
「人聞きが悪いなぁ・・・。考助がいい人材を探しているって言うから、協力してあげたのに」
「・・・・・・は?」
 女神達と握手することが、人材探しと結びつかず、首を傾げる考助。
「ほら。あの子たちって一応神様をやっているじゃない?」
 一応、のところで周辺からの視線を一気に浴びた気がしたが、考助は気のせいだと思い込むことにした。
「もし相性が悪い娘とかいれば、そこから助言とかできるかなとか思ったけど、ものの見事に全員と相性がいいみたいだし。助言も出来ないわ」
 まさか握手会にそんな意味があったとは、思ってもいなかった考助だった。
「えーと。・・・さっき聞いてきた何か感じなかって言うのは・・・?」
「そう。相性が悪かったりすると、色々感じたりするんだけど、何も感じなかったみたいね。あの娘たちも」
 アスラが、確認するように女神達の方を見ると、握手をした女神達がうんうんと頷いていた。
「・・・どうしますか?」
 確認してくるエリスに、アスラは少し考えた後、笑みを浮かべた。
「うん。いいこと思いついたけど、準備が出来るまで秘密で」
「わかりました」
 アスラの言葉に、エリスはあっさりとひいてしまった。
 考助としてはもう少し粘って聞いてほしかったのだが、エリスの目が、ではご自分で聞いてくださいと語っていた。
 目は口程に物を言う、というのを実感した考助であった。
さて、アスラは何をたくらんでいるのか?
・・・真相は次回です。・・・タブン
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