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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第12章 塔を増やそう

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5話 聖獣と魔獣

「・・・水?」
 南東の塔の入り口を通ると、左右には水のカーテンが広がっていた。
 上から下に落ちる水の滝がカーテンの役割を果たしていて、奥へと道が続いている。
 因みに、水のカーテンの奥は普通に壁なので、水を越えていくことはできない。
「土壁に続いて、水のカーテンか・・・。何となくわかった気がするな」
 アマミヤの塔で四つの種類の妖精石があるくらいだ。
 塔だってその四種類があってもおかしくはないだろう。
 まだ二つ目の上にアマミヤの塔を除いた塔は全部で六つあるのだから、予想が外れている可能性もある。
 取りあえず、奥まで進んでその先にあった扉を開ける。
 扉の先には、水の世界が広がっていた。
 世界と言ってもアマミヤの塔の様に空間があるわけではなく、どこかの建築物の中を思わせる作りだった。
 建築物と言っても中に噴水があったり、プールのような物があったり、水に関連する設備がふんだんに使われている。
 それだけ見れば幻想的な雰囲気と言えなくないのだが、残念ながらモンスターたちがいた。
 出ているのは低レベルのモンスターだったのだが。
 当然ながら、水に関連するモンスターが多くいるように感じた。
 さっさとその第一層をクリアして第二層に向かうと、今度はアマミヤの塔と同じように空のある空間が広がっていた。
 こうなるとコーたち飛龍の出番だ。
 召喚で呼びだして、さっさとクリアすることにする。
 南東の塔の階層は、北東の塔と同じ第三十層だった。
 最初の考助の予想通り、南東の塔は水に関連する塔になっていた。
 中には海がある階層もあった。
 まあ海と言っても、階層の広さ自体はアマミヤの塔よりも狭いので、区切られた範囲に海の様なものが存在しているといった感じだったが。
 結局、北東の塔と違って飛龍たちの出番が多かったので、攻略にかかった日数は南東の塔の方が少なかった。
 こんな感じで、南東の塔もあっさりとクリアしたのであった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

「ただいまー」
 南東の塔でいつもの手続きを終えて、アマミヤの塔の管理層へと戻ってきた。
 流石に、その姿を見たシルヴィアが、目を丸くしていた。
「もう攻略したんですの?」
「ああ、うん。なんかきれいな塔だったよ?」
 そういう事を聞きたかったわけではないシルヴィアは、思わず一緒に戻ってきたフローリアを見た。
 そのフローリアは、諦めたように首を左右に振っていた。
 飛龍たちの機動力と、コウヒとミツキの火力があるからこそ、これほどの速さで攻略出来ているのだ。
 一緒にくっついて攻略していたフローリアには、その非常識さがよくわかっていた。
 北東の塔も南東の塔も、階層数は確かにアマミヤの塔よりも低いのだが、だからと言って高ランクのモンスターが出ないわけではない。
 一応ミツキに聞いてみたのだが、「アマミヤの塔に比べたら楽よ?」という返事が返ってきた。
 そして、恐ろしいことに、本当に余裕を持って攻略していた。
 強い強いという印象は勿論持っていたのだが、実際その強さ目の当たりにするとそれが過小評価だと思わされた。
 改めて、コウヒとミツキの二人の実力を思い知ったフローリアなのであった。

 フローリアのそういった心情を、表情から察したシルヴィアは、それ以上時間に関して追及するのは止めて、新しい塔について聞くことにした。
「綺麗ってどんな感じだったんですの?」
「なんか、水が多かった。北東の塔が土の塔なら、南東の塔は水の塔って印象だったよ」
「そうですか」
「何と言うか・・・残り四つのうち二つは火と風が来そうな気がする」
「それは私もそう思いますわ」
 考助とシルヴィアは顔を見合わせて笑った。
「とすると、後二つになるけど、何だろうね?」
「さあ。流石にそれは分かりませんわ」
「四大が揃うんだったら、後は聖力と魔力の二大が来そうな気がするね」
 考助とシルヴィアの話に、今までいなかったコレットが交ざってきた。
 たまたま世界樹の様子を見に行って、出ていたのだ。
 ちなみに、ピーチは里の様子を見に、シュレインは北東の塔に行っている。
「ああ、なるほど。それはありそうだな。でも、四大は分かり易いけど、聖力と魔力ってどう違いをだすんだ?」
 聖力と魔力は、術を発動するときの力の元が違うだけで、術そのものはほとんど違いがないのである。
「さすがにそれは分からないわ。・・・出てくるモンスターで区別しているとか?」
「モンスターの中で、特に聖力を使う者を聖獣、魔力を使う者を魔獣と言ったりしますから、あり得ますわ」
「ああ、この世界でも聖獣とか魔獣とかあるんだ」
 考助は納得して頷いた。
「それは勿論あるが・・・恐らくコウスケが考えてるのとは違う区別だぞ?」
「え? そうなの?」
「聖獣は聖なる生き物で、魔獣は魔力に操られた生き物、とか考えていないか?」
 二つの塔を攻略したことで、何となく考助のモンスターに対する考え方が分かってきているフローリアだった。
「うん、まあ、大体そんな感じ?」
「ああ、なるほど」
 二人のやり取りを聞いていたコレットが頷いた。
 いや、コレットだけでなくシルヴィアも同じような表情になっている。
「確かに昔は、それこそ聖力と魔力で争いがあった頃は、そんな考えもあったけどね」
「今はそんな風に考える人は、ごくわずかですわ」
「ついでに聖獣だろうと魔獣だろうと己の領域が侵されれば、とんでもない被害を与えてくるからな」
「それに、基本的に聖獣と呼ばれる生き物は、高位ランクしか見つかっていません。基本的に、こちらから手を出さない限りは、穏やかな性格の物が多いです。ですので、聖なる生き物として崇められていた時期もありますわ」
「神殿によっては、まだ聖獣を神の使いとして扱っているところもあるって、聞いたことあるわよ?」
「そうですわね」

 三人の話に、感心したように考助は頷いていたが、ふとあることに気付いた。
「・・・そう言えば、ナナとかワンリってどういう扱いになるんだ?」
「ナナは、神獣でしょう・・・?」
「いや、神獣になる前とか」
「・・・・・・さあ? シルヴィ、どうなの?」
「結局のところ、聖獣とか魔獣とかの区別は、魔力を使っているか聖力を使っているかですから、それで分けられるだけですわ」
 気付いたときには神力操作を持っていたナナとワンリは、そう言う意味では別の存在だったという事になる。
 と言っても、ワンリに関しては、妖精言語を持っていたことから聖力を使っていたということは、分かるのだが。
 だからと言って、最初のころのワンリが聖獣かと言えば、首を傾げるしかない。
 聖獣や魔獣と呼ばれる獣は、まずは強大な力を持っているからこそ呼ばれる総称なのである。
 今のナナやワンリであれば、その資格はあるかも知れないが、神力操作を持っている時点で、別の存在と言えるかもしれない。
 結局のところ、慣習や昔からの呼ばれ方で聖獣や魔獣として呼んでいるだけで、きちんとした分類はされていないということだ。
 何かあれば、人の世界に重大な被害をもたらすのはどちらも一緒なので、区別する意味が無くなっているとも言えるだろう。
 関係があるとすれば、それらのモンスターを使役する者達くらい。
 一般の者達にとっては下手に手を出さないほうがいい存在、という意識だけで十分なのだ。
 もっとも、聖獣や魔獣を使役するような召喚者やテイマー達は、ほんの一握りしかいない上に、下位の獣を使役するのがやっとと言う程度なのである。
 そう言う意味では、聖獣と魔獣の明確な区別などほとんどなくなってしまっているのが、現在の状況なのであった。
塔の話をしていたはずが、脱線して聖獣と魔獣の話になってしまいました。
勢いで書いたので、以前の話と矛盾があるかも知れません><
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