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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第11章 塔から神域へ行こう

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7話 LV10の条件

 盛大なお出迎えをされた考助だったが、他に現人神になったことを広めていないかすぐさま確認を取った。
 流石にその辺はわきまえているメンバーだったので、管理層以外で広まってはいない。
 ユリに関しては、そもそも考助と繋がっている部分があるので、送還した時点である程度察した上に、アスラの介入で気づくことが出来たのだ。
 ちなみにもう一人(?)、エセナも気づいていたりするのだが、わざわざ自分から人前に出ることはしないので、そこから広まることもほぼないと言っていいだろう。
 取りあえず、状況確認できた考助はようやくほっとできたのだが、それを見た女性陣は改めて考助をからかい始めた。
 結局、その日一日終わるまで、考助は現人神としてからかわれ続けた。
 いまだこの雰囲気になれていないフローリアが、神となった考助にこんなことをしていいのかと、悶々としていたのはまた別の話である。

 明けて翌朝。
 考助は、いつものように管理メニューのチェックをはじめ・・・ようとして固まった。
 メニューを確認すると塔LVが上がっていた。
 それはいい。条件さえ満たせば、いつかはLVが上がるのは分かっていたことだから、別に固まるほどの事ではない。
 問題はその条件である。

 <管理長が神に属すること>

 これが塔LV10に上がるための条件だったらしい。
 なんという無理ゲーと思った考助だが、実際に神の一員となってしまった身としては、説得力がない。
 どこで道を踏み外してしまったんだろうと思わなくもなかったが、今更である。
 何気に転生すると決めた時は、のんびりと過ごすつもりだったのだが。
 そんな目論見は、あっという間に崩壊していた。
 まあコウヒとミツキを仲間にした時点で、あっさりと放棄したくらいなので、そこまでこだわっていたわけではない。
 だが、まさかこの世界に来た当初は、自分が神の一員になるとは欠片も思っていなかった。
 いや、いまでも信じられていない。
 と、思うのだが、既に神々に認められてしまっている以上、考助が否定したところで意味がないことは分かっている。
 結局のところ考助の心の問題なので、時間が解決するだろうと流されるままにすることにした。

 それはともかくとして、今は塔LV10のことだ。
 勿論、いつものように召喚陣も設置物も増えている。
 だが、それよりも注目すべき更新があった。
 それは、<通信機能解放><支配権解放>の二つである。
 <通信機能解放>は他の塔との通信機能の解除だ。
 簡単に言えば、メール機能が追加されたと思えばいい。
 相手は、この世界にある塔の全てだ。
 メールの送信先に当たる場所を選ぶと、現在この世界にある塔のすべてがあり、さらに既に支配されている塔が分かるようになっていた。
 セントラル大陸にある塔は全部で七つ。うち一つは当然アマミヤの塔であり、残り六個は周辺の塔で支配者はいない。
 他の大陸もそれぞれ十前後の塔が存在しているが、支配者が存在しているのは、それぞれの大陸で二つか三つと言った程度だった。
 思ったより少ないとみるべきだろうか。
 この<通信機能解放>は、塔LV10になったアマミヤの塔だけが全部の塔に送れるようで、塔LV10に達していない他の塔は、アマミヤの塔にだけ送れる機能らしい。
 他の塔の状況は確認できないのだが、説明にはそう記載があった。
 実際、今まで通信機能は無かったので、塔LV10に達したのがアマミヤの塔が初めてだったのは、間違いないのだろう。
 ちなみに、この機能は塔が攻略されたり支配者が代わった時に送られてくる物とは別の物だ。
 新規攻略時や交代時のメッセージは、塔が自動で送っている物なので、管理者たちが自由に送るための物は無かったのである。
 後のことになるのだが、他の塔からのメッセージがアマミヤの塔へと送られてくることになる。
 中を見ると、丁寧な言葉で書かれていたり、なぜか上から目線だったり、色々あって楽しませてもらったのだが、結局共通していたのは、どうやって塔LVあげればいいのかと言う問い合わせだった。
 そんなことくらい自分で探せばいいと思ったのだが、わざわざケンカを売る必要はない。
 丁寧に、「自分でもなぜかわからない」とだけ返しておいた。
 嘘は言っていない。ただ、頭に付けるべきどうして現人神になれたのか、という言葉を抜いただけである。
 ついでに言えば、別に塔LV10の条件を聞いてきたわけでもないのに、わざわざ返答は塔LV10の事だけに絞っていた。
 珍しく(?)黒い考助が発動したわけだが、簡単に教えてもらえると思ってもらっては困る。
 というより、そもそも教えるつもりはない。
 それでけち臭いと思われるなら、それはそれで構わないとさえ思っていた。
 考助の返事をどう受け取るかは、それぞれの塔の支配者たち次第だ。
 その反応見て、対応を決めても遅くはないと考えているのだった。

 次は<支配権解放>である。
 こちらの方が今の考助にとっては重要な物だった。
 何かと言うと、簡単に言えば他の塔を支配できるようにする機能だ。
 支配すると言うと仰々しいイメージだが、要は神力だったり階層の互換が可能になるそうだ。
 今のところその対象になるのは、同じ大陸にある残り六つの塔だけだった。
 他の大陸の塔は、後で出来るようになるのか、それとも最後までできないのかは分からない。
 まあ、まだセントラル大陸の塔も攻略できていないので、そこまで考える必要はないだろう。
 それはともかくとして、今まではアマミヤの塔だけでやってきたが、この機能のおかげで他の塔の攻略も視野に入れるきっかけが出来た。
 階層的にはまだまだ余裕があるが、今後のことを考えると、他の塔も手に入れておいた方がいいだろう。
 他の六つの塔がどういう構成になっているか分からない以上、どういう管理になるかはわからないが、それは攻略した後で考えることにする。
 と言うわけで、そのことを他のメンバーに話をすることにした。

 話をすることにしたのは、夕食の席だ。
 メンバー全員が揃っていたので、丁度よかったのである。
 その場で、他の六つの塔の攻略を始めることを宣言した。
「・・・ということは、長期間ここを留守にするという事かの?」
 疑問を口にしたのは、シュレインだった。
 考助が、アマミヤの塔を攻略してから長期間の間留守にしたことはほとんどない。
 しかもそれは長くて二、三日程度だった。
 だが、塔を攻略するとなると、そうもいかないだろう。
 アマミヤの塔の管理の仕事は残っているのだから。
「うん。そうだね。連れて行くのは、コウヒとミツキ、あとはフローリアにしようと思う。その間の管理層は、シュレインをメインに動いてもらう」
「吾が!?」「わたしが?」
 考助の言葉に、シュレインが驚き、フローリアが首を傾げた。
「フローリアは、追っ手の目くらましの目的もあるからね。それにここにずっと籠っているよりいいだろう?」
「なるほどな。確かにその通りだ」
 基本的にフローリアは、体力系の人間である。
 部屋に籠って何かをしているよりは、動いている方がいいというタイプなのだ。
「シュレインは特別に何かしてもらうことはないよ。一応何かあった時のために決めておくだけだから」
「・・・そうはいっても、のう」
 シュレインは、考助がいない塔で何が起こるかわからないので、まだ及び腰になっている。
「まあ、何かあったら神力念話で話もできるから、そんなに心配いらないと思うよ?」
「そう言えばそうだったの」
 すっかり神力念話のことを忘れていた。
 基本的に用があるときは管理層で話せばいい上に、今まで緊急性を擁することも無かったので、ほとんど活用する場面が無かったのだ。
「・・・そういう事なら引き受けてもよいが、他の者達はそれでよいのか?」
 シュレインはそう言って、周囲を見渡した。
 それを受けて残留組の全員が頷いていた。
「よし。じゃあそういう事で決まりね。流石に明日からとはいかないけど、数日中には出発するから」
 思い立ったらすぐ行動するのが考助だ。
 さっさとそう宣言して、今後の予定を決めていくのであった。
話数が少ないですがここで第11章は終わりです。
閑話を挟んで第12章になります。
当然第12章のメインは、他の塔の攻略です!
・・・・・・ツートップにさっくりとクリアされそうですが。

2014/6/29 誤字訂正
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