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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第10章 塔に神様を召喚してみよう

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5話 ジャルとの会話

『塔の管理をしてみよう(資料集的な物?)』にプロローグから第三章までの登場人物紹介を仮で上げました。作成が話に追い付くまでは、そちらに置いておきます。
最終的にどちらに残すかは、皆様の意見を待ちたいと思います。
※ここまでの話のネタバレも含まれているので、この話だけを見た初見さんはご注意ください。
『・・・またずいぶんと派手なことを考えるわね』
 ジャルの言葉に、考助は苦笑した。
『まあ、せっかくだから、堂々とアピールしてしまおうかと』
『フーン。まあ、私としては面白いからいいけどね。・・・でも、私達から手を貸すことはできないわよ?』
『それは当然だよね』
『分かっているならいいわ。正当な権利を行使した上でなら他の者達からも反対は出ないでしょうし』
『そんなもんなの?』
『当然よ。むしろ反対したら爪弾きにされるわよ』
『うえー。そっちも世界も色々あるんだなぁ』
 自由気ままに活動しているように見えるジャル達も、その実世界のルールにのっとって活動しているのだ。
『そうじゃないと、世界の管理なんてできないでしょう?』
『ごもっともです。だから、いつも抜け道を探して、サボっているというわけだよね?』
『・・・ホウ。なかなか言うようになったじゃない?』
 凍えるようなジャルの言葉に、しかし考助は果敢にも言い返した。
『いや、ほら。様式美って重要じゃない?』
『? どういう事よ?』
『いつものパターンだと、そろそろエリスが来そうかな~と』
『あのね~。そう毎回毎回そうそうワンパターンなことが起こるはずが・・・』
 呆れるようなジャルの声に、しかしいつも通りに声が割り込んできた。
『・・・・・・何がワンパターンなのですか?』
『ワキャッ・・・!? ねねね、姉さま!? どうしてここが? ばれないように、普段来ない所にしたのに!?』
『スピカに聞きました』
『まさかの裏切り・・・!?』
『例の件のことがありましたからね。喜んで教えてくれましたよ?』
『ず、ずるい。・・・職権乱用!』
『そういうことは、自分の果たすべき義務を果たしてから主張してください』
『ううう・・・』
 毎度のことに傍で聞いている考助も既に慣れたものである。
 しかも純粋に他人事のように楽しんで聞いていられる。
『後で覚えてなさいよ、考助!』
 と思っていたら、とばっちりが飛んできた。
『えー・・・?』
『逆恨みはみっともないですよ? ・・・考助様、それではまた』
『うん、じゃあね』
 そのままプツリと今回の交神は終わった。
 毎度のことながら、いいタイミングで現れるエリスだが、出てくるタイミングを見計らって、出てきているのではないかと疑っている考助であった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

 そんな考助の様子を見ていた女性陣のうちの一人が、ソファーの上で頭を抱えていた。
「・・・・・・シルヴィア、聞いていいか?」
「・・・予想は付きますが、なんでしょう?」
「コウスケは、いつもああなのか?」
「・・・まあ、概ねそうですわ」
 シルヴィアの答えに、フローリアが大きくため息を吐いた。
「・・・・・・そうか」
 そもそもこんな簡単に、神と交神すること自体がありえない。
 その上に、考助の気軽な話の仕方。
 交神時は、神の声は聞こえていないが、考助の言葉だけでも知らない者が聞けば卒倒ものである。
 このことを神職にある者に話せば、間違いなく正気を疑われるだろう。
 巫女だけに、フローリアの気持ちがよくわかるシルヴィアは、
「気持ちはわかりますが、早く慣れないとここでは暮らせませんわよ?」
「・・・・・・そのようだな」
 シルヴィアの助言に、フローリアは大きく首を左右に振った。
 そして、一度その両手でパンと自身の頬を叩いた。
 次の瞬間には、いつものフローリアに戻っていた。
 この切り替えの早さは、彼女のいいところである。
 こういう性格だからこそ、以前あのようなことがあったのに、既に管理層に受け入れられていた。
 他のメンバーも、打ち解けるとまではいかないまでも、ごく普通の関係にはなっていた。
 そのメンバーたちは、二人の会話を苦笑して聞いていた。
 ただし、コウヒとミツキは除いて、である。
「・・・誰か教える者はいなかったのか?」
「最初は誰かが突っ込んでいたが、それもいつの間にか無くなっていたの」
 そう言ってシュレインの視線を向けられたのは、コレットである。
「・・・いちいち突っ込むのも馬鹿らしくなったもの。それに、その内自分も人の事言えなくなっていたし」
「それもそうですね~」
 まさしくお前が言うな、状態になってしまったので、どうにも説得力がなくなってしまったという事情がある。
 結果として、考助を止める者がいなくなってしまったのだ。
 ちなみにコウヒとミツキは、最初から考助のやることを止める気がない。

「・・・・・・なんか、さっきからひどい言われような気がするけど?」
 考助の抗議に、コウヒとミツキを除く全員の視線が集まった。
「うっ・・・・・・ごめんなさい?」
 その視線に押されて、思わず考助が頭を下げた。
 これだけの女性の視線に耐えられる人がいたら、是非とも連れてきてほしいと思う考助であった。
「そ、それはともかく、フローリア」
「なんだ?」
「冒険者たちは、ようやく第五十一層に到達したって?」
 この情報は、管理層に戻ってきたばかりのころに、フローリアから聞いた。
 詳しく聞く前に交神に入ったので、改めてその話を聞くことにしたのだ。
「ああ、つい先日だな。塔の中にダンジョンがあるという話題が、冒険者たちの間でもちきりだった」
 考助にしてみれば、ようやくと言った情報だった。
 冒険者たちにしてみれば、一層一層が広いアマミヤの塔では、わざわざ上層をめざさなくても十分稼ぎが出せるのだ。
 それぞれの階層で冒険者たちが集まって来て、下位の層で稼ぎが悪くなれば、腕の立つ者はさらに上層に向かうといったサイクルになっていた。
 クラウンの登録者数も増えて、塔に来る冒険者の総数が増えて来た結果、ようやくダンジョンの層である第五十一層に足を踏み入れるパーティが出たのだ。
「そうか。ようやく、か」
「? 管理する側としては、攻略されないほうがいいのではないのか?」
 フローリアの意見ももっともなのだが、各層のモンスターの討伐数を増やしてほしい考助としては、集まっている冒険者の数に対して、予想外の遅さだった。
 少なくとも下位のダンジョンである第五十一層から第六十層はさっさと超えて、次の中層である第七十一層と第七十二層にまで到達してほしいのが本音である。
「・・・・・・そうだったのか」
 考助の説明に、フローリアは腕を組んで考え込んだ。
「とはいえ、今のままだと厳しいぞ?」
「あ、やっぱり?」
「うむ。何よりこの塔の各層は広すぎて、次の層へとは簡単に足を伸ばす気にならないからな」
「うーん・・・かといって転移門でつないでしまうのもなんか違う気がするしなぁ」
「・・・・・・出来るのか?」
「出来るけど・・・転移門で短縮して攻略させるのって、少なくとも塔の管理者がすることじゃないよね、とか思ったり・・・」
 考助の言い分も分からなくはない一同である。
 だが、移動距離が延びれば、その分だけ冒険者達のコストパフォーマンスが悪くなるわけで、上層を目指す者が少なくなるのも当然なのだ。
「・・・一度でもダンジョンの層に足を踏み入れたパーティは、短縮できるようにするとかはできないのか?」
「クラウンカードを転移門と組み合わせていじれば、できなくはないけれど・・・しょうがない。一度検討してみるか」
「うむ。そうすれば、ダンジョンを目指すパーティも増えるだろう」
「ついでに、各層にセーフティエリアでも作ろうか?」
「・・・・・・出来るのか?」
「結界で覆うだけの簡単な物だけどね」
 塔の機能を使えばそれ以上の物も作れなくはないが、今のところそこまでする気はない。
 考助としては、冒険者優先で塔を運営するつもりはないのである。
「安全に休める場所があるというだけでも、攻略の仕方が全く違って来るだろうさ。間違いなく冒険者たちにとってはプラスになる」
「そうか・・・それじゃあ、例の件と合わせて、それも発表することにしようかな?」
 タイミング的にはちょうどいいということで、考助も決断することにした。
 別にわざわざ発表せずに、人知れず設置してもいいのだが、せっかくなので公式に発表することにした。
 転移門に関しては、それに合わせてどういう運用にするのか、それとも設置しないのかを決めることにした考助であった。
ようやく現在の冒険者達の様子が出てきました。
塔の各層に出てくるモンスターは、各大陸からの輸入に頼っていた物ばかりだったりするので、冒険者は十分に稼げているという事情があるので、簡単に次の層に行きません。人が増えてくればそうもいっていられなくなるのですが。

2014/6/3 誤字修正
2014/6/27 誤字訂正
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