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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第10章 塔に神様を召喚してみよう

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1話 エリスからの依頼

第10章スタート!
・・・ですが、タイトルはバグではありません。
一応決めているタイトルはあるのですが、盛大なネタバレになりそうなので、自重します。ある程度話が進んだらきちんと直します。

※昨日投稿した「閑話 とある商人の話」ですが、さすがに時系列的におかしな場所にありますので、週末辺りに6章の最後に移動いたします。ご了承ください。
 考助が、管理層で寛いでいたある日。
 シルヴィアが、話しかけて来た。
「コウスケさん、今いいですか?」
「うん? 何?」
「先ほどエリサミール神と交神したのですが、コウスケさんにお話があると仰っておりましたわ」
「え? エリスが・・・!?」
 珍しいことがあるものだと、考助は驚いた。
 これがジャルであったならば、大して驚かなかっただろう。
 考助が連絡を取るたびに、もっと連絡が欲しいと催促してくるからである。
 逆にエリスの場合は、よほどのことが無ければ、催促してくることはない・・・はずである。
 それが、わざわざシルヴィアを経由してまで連絡を取りたがっているということは、何かがあったと思うべきだろうと考えた。
「・・・わかったよ。すぐに連絡を取ることにするよ」
「お願いしますわ」
 シルヴィアがそう言って、頭を下げたのを見た後、考助はすぐに交神具を取り出して、エリスへと連絡を取った。

♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

『エリス、話があるって聞いたけど?』
『あら。早かったですね』
『うん。まあ、今は特に急ぎの用事は無かったしね』
『・・・そうですか』
『うん。それで、何かあった?』
『あったといえば、あったのですが・・・』
 珍しく歯切れの悪いエリスの言葉に、考助は首を傾げた。
『珍しいね。ほんとにどうしたの?』
『・・・正直、このようなことを我々の方から干渉していいのか判断に迷っています』
 エリスが迷うほどの事って、どれだけの厄介ごとか、と思わず身構えてしまう考助であった。
『・・・なんか、そんなことを言われると、全力で断りたくなってくるんだけど・・・』
『・・・やはり、そうですよね』
 何故か考助の言葉に、同意してくるエリス。
 そんなエリスの態度を見かねたのか、別の声が割り込んできた。
『エリス姉さま、待ってくれ。この件に関しては、きちんとあの方を交えて、話したはずだぞ。それを今さら反故にするおつもりか?』
 聞こえて来たのは、スピカ神の声である。
『・・・そうでしたね・・・あの方も関わっていましたね』
 あの方、と言うのが、誰かと言うのはもはや今さらである。
 そして、今の話を聞いて、考助としては、ますます面倒事に感じて来た。
『あー・・・なんか本当に厄介ごと?』
『さて、どうだろうな? 今回の話を厄介ごとと感じるかどうかは、君次第ではないかな?』
 そう言われた考助は、話を聞く覚悟を決めた。
 そもそもこの世界にとっての神々からの話を、断れるとは思っていなかったのだが。
『はあ。・・・まあ、いいや。ちゃんと話の内容を聞かせて?』
『何。話の内容自体は大したことではない。直接的には、私が関わってくる内容になる』
『・・・スピカが?』
『うむ。何しろ私が加護を与えている相手の事だからな』
 考助が知る限り、スピカが加護を与えている人物(?)は二人しかいない。
 ワンリとフローリアである。
 その内、ワンリに何かがあったとは思えない。
 となると、必然的にもう一人のことを言っているのだと推察した。
『・・・フローリアの事?』
『お、鋭い。そういう事だな』
『単純に二択の中から選んだだけだから。それより、フローリアに何かあったの?』
『何かあったというより、これから何かをしてほしいという所だな』
 遠回しなスピカの言い方に、考助は眉を顰めた。
『・・・何をすればいいの?』
『ああ、すまん。誤解を与えたようだが、ほんとに大したことではない。フローリアを管理層で保護してほしいのだよ』
『保護って・・・何かあったの!?』
『いや、特に何もないな』
 思わずソファーに沈み込んだ考助である。
『・・・交神、切っていいですか?』
『待て待て、悪かった。ちゃんと話す。別にからかっているわけではない。正確には、このまま何もせずにいれば、必ず何かが起こる、と言ったところだな』
『・・・・・・何かって?』
『それは、わからん。いくら我々とて、全てを見通すことなどできないのだよ。まあ君にとっては、よくわかっている事だろうがな』
 スピカの言う通りである。
 [常春の庭]でのエリスを知っている身としては・・・。
『・・・考助様?』
 余計なことを考えたら、今まで黙っていたエリスが突然割って入ってきた。
『いや、うん。勿論、分かっているよ』
 慌てて話を元に戻す考助であった。
『・・・君も大変だな、色々と』
 なぜか、スピカに同情されてしまった。
『それはともかくとして、わたしとしては、何かが起こる前に、私の巫女を保護しておいてほしいのだよ』
『ここで保護すると、何も起きない?』
『断定はできないがな』
 考助は腕を組んで考えた。
 確かに厄介ごとと言えば、厄介ごとである。
 とは言え、スピカの話しぶりからは、むしろこの話を受けない方が、色々面倒事が塔の中で起きそうな感じがする。
 あくまでも、スピカの話を聞いた考助の勘でしかないのだが。
『管理層で生活させればいいんだよね?』
『ああ、そうだ。フローリアには、私から伝えておく』
『・・・それって、やっぱり神託で?』
『他に何の方法がある?』
 あっさり答えたスピカだったが、それを聞いた考助は、ずいぶんと大袈裟だな、と思った。
『交神具なんてものを平然と作る君が、そんなことを考えるのか?』
『それには私も同意します』
 まさかのエリスからの援護射撃に、考助は内心で両手を挙げた。
『まあ、そう言うわけだから、数日後にはフローリアを迎えに行ってくれ。準備が出来たらシルヴィアを通して連絡する』
『わかった』
『それでは頼む』
 そう言って、今回の交神は終わった。
 こうして正式に神から依頼を受けるのは、初めてのことだな、と思う考助であった。

 交神を終えた考助に近づいてくる影があった。
 シルヴィアだ。
「・・・いいのですか?」
 今回の交神中の話は聞こえていなかったはずだが、そう聞いてきた。
 ある程度は、エリスから聞いていたのかもしれない。
「うーん・・・。正直、微妙な所だよね。ここで保護してもしなくても何かが起こりそうな気がして・・・」
「では、何故受け入れることに決めたんですの?」
「どっちにしても何かが起こるなら、目の届くところにいてもらった方がいいと思って」
 何かがあったとしても、コウヒやミツキの目が届く所で対処できないことは、まず起こらないだろうというのが考助の考えである。
「・・・・・・そういう事ではありませんわ」
「・・・え?」
 小さく呟かれたシルヴィアの言葉は、考助の耳には届かなかった。
「なんでもありませんわ」
 少し拗ねた様子のシルヴィアに、考助は首を捻った。
 その考助の様子を見て、シルヴィアはもう一度ため息を吐いた。
「コウスケさんに、そういう事を察するのを期待した私が無茶でしたわ」
「・・・どういう事?」
「気にしないで下さい。私が気にしていることは、大したことではありませんわ」
 益々分からなくなった考助だが、残念ながらこれ以上の言葉はシルヴィアからは聞き出せなかった。
 ちなみに、考助の護衛としてコウヒも傍にいたのだが、シルヴィアと同じようにため息を吐いていたのにも気づかなかった考助であった。
ようやくフローリアが管理層へ・・・来る前準備でした。

2014/6/27 誤字訂正
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