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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第9章 塔をさらに発展させよう

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7話 飛龍騎乗

 考助&ミツキが空に上がった後。
 少ししてからシュレインとピーチを乗せた飛龍たちも空へと上がってきた。
 さすがに飛んでいるときは、普通の言葉による会話は出来ないが、様子を見る限り徐々に慣れてきているようだった。
 最初は、恐る恐る乗っている感じだったのが、最後は方向を指示できるくらいにはなっていた。
 乗る前に心を通じ合わせたのがよかったのだろう。
 シュレインとピーチが飛龍に乗りこなすようにするのに精一杯だったので、その間考助はミツキを相手に神力念話による会話が出来るかどうかを試していた。
 飛龍たちと繋がっているときに、同時(?)利用が出来るかどうかだけが心配だったのだが、普通に使えることが出来た。
 感覚的には、車の運転しながら同乗者と会話をする感じである。
 飛龍たちの騎乗に慣れれば、シュレインたちも使えるようになるだろう。
 空に上がってしまえば、当然言葉による会話は出来なくなるので、神力念話が使えるようになるのは、非常に便利だ。
 会話が出来れば、突然の予定変更などにも対処が出来るのだから。
 しばらくの間空を飛んでいたが、いつまでもそうしているわけにもいかないので、地上へと戻る。
 その後は、シュレインとピーチがそれぞれの飛龍に名前を付けた。
 別の者が名前を付けたら<眷属(仮)>がどうなるかと思っていたのだが、通常通り(仮)は取れた。
 これに関しては、ある程度の予想が出来る。
 考助が名前を付けるのが重要なのではなく、考助がその個体の名前を認識するのが、必要なのではないかと言うことである。
 (仮)が取れることが分かれば、特に重要なことでもないので、考助としてもこれ以上調べるつもりもないのだが。

 そんなわけで、第八十層の作成の他にも色々と収穫を得て、管理層へ戻った考助達だった。
 ところが、シュレインとピーチの話を聞いた他のメンバーが、自分たちも飛龍に乗りたいと言い出した。
 この反応は、空から戻ってきたときのシュレインとピーチを見て、予想はしていたので、元々そのつもりだった考助としても否やは無い。
 とはいえ、管理層に戻ってきたときには、いい時間になっていたので、他のメンバーの騎乗訓練は翌日改めて、と言うことになった。
 絶対に、とかなり怖い顔で、念を押されてしまったのだが、特に問題はないだろう。
 結局約束通りに、翌日シルヴィアとコレットを連れて(シュレインとピーチもついてきた)来て、残った飛龍の中から相性のよさそうな個体を選び、騎乗の方法を教えた。
 シュレインとピーチの話を聞いていたためか、二人の時のような拒否感(?)も無かったのか、すぐに背に乗ることが出来た。
 現在は、四人そろって空を飛んでいる。
 試しに地上から神力念話を試してみた(突然実行するのは危ないので、前もってシュレインに言ってあった)が、特に問題なく使えた。
 これで、管理層常駐メンバーは、全員が移動手段を得ることが出来たわけである。
 特に喜んでいたのが、コレットだ。
 コレットの管理している第七十三層は、<階層合成>のおかげでかなりの広さになっている。
 そのため飛龍という足が出来たのは、管理するうえではとても有難いことだったのだろう。
 もっとも、飛龍と言う移動手段を得て有難かったのは、管理している層を持っているシュレインとピーチも同様だったのだが。

「ナナとワンリはどうするの?」
 シュレインたちが、空を飛んでいる間、一緒に来ていたミツキが聞いてきた。
 今回もコウヒが管理層でお留守番である。
「うーん・・・。人化できるワンリはともかく、ナナはどうなんだろう?」
 そもそも四足を踏ん張ってまで、空を飛ぶ必要があるのかと考えたが、どうしても空を飛ばないとダメなときはあるのだろうか。
 いざというときは、小型化して考助と一緒に乗ってもいいだろう。
「まあ、本人たちが望めば、勿論教えるけど、無理に勧めるつもりはないかな?」
「そう」
 ミツキの様子に、何か思う事があったのか、考助は視線だけで先を促した。
 大体が行動を共にしている上に、一緒にいる期間も長くなっているので、何気ない仕草で言いたいことがあるときは、気づけるようになっていた。
「この後、飛龍たちをどうするのかと思ってね」
 これには、考助も考え込むような表情になった。
 飛龍は、狼や狐達とは違って、最初から上級モンスターだ。
 そうそう簡単に進化などしないだろう。そもそも進化することすらないかもしれない。
 そうだとすれば、数を増やして、言葉は悪いが実験をする必要はない。
 それでも数を増やすのであれば、それは純粋に戦力として増やす、と言うことになる。
 空と言う移動手段もそうだが、純粋に個体としての戦闘能力も高いのだ。
 だが、現状塔にそれほど高い戦力を持つ必要があるのかと言うと、非常に微妙である。
 そもそも塔に対する外部からの攻撃手段が限られているので、そこまで戦力をそろえる必要はないのだ。
 勿論考助としても、安穏と構えるつもりは全くない。
 いざというときの手段は、出来る限り用意しておくべきだ、ということは理解している。
 とはいえ、召喚コストが重い飛龍の数をそろえるとなると、神力も当然かかるというわけなのだ。
 思考がグルグルと回り始めたのを自覚した考助は、一度大きくため息を吐いた。
「まあ、とりあえず、一日一匹ずつ召喚して行って、二十匹ほど揃ったら一旦止めるかな?」
 一日一万程度の消費だったら現在の収入から考えて、さほどの負担ではない。
 二十匹で止めるのは、飛龍たちの餌の観点からだ。
 これほどの巨体を維持するための食料を得るのに、どのくらいの広さのテリトリーが必要なのかが分からない。
 数が多くなりすぎて、食物連鎖(?)のバランスが崩れて、飛龍たちが飢えてしまうようなことになっては、元も子もない。
「そう・・・まあ、そんなところかしらね」
 考助の考えを読んだのか、ミツキも同意した。
 どうでもいいが、ミツキの考助に対する察し方が、最近エリスやアスラ並みに感じるようになってきた。
「使ってない階層を、さっさと使うようにするのも手だけど、それをするにはコストがかかりすぎるしね」
「いっそのこと、上級層に拠点作ったら?」
 ミツキの言葉に、考助は渋い顔をした。
 こう言う反応を考助がするということを分かっていて、ミツキもあえて言ったのである。
 考助としては、召喚獣(というより眷属)にはなるべく犠牲が出てほしくないという思いがあるのだ。
 そういう事に関しては、考助はやや臆病とも言えなくもない。
 そして、そんな考助だからこそ、ミツキとしても好ましく思っているのだが。
 ちなみに、考助がひどい(?)性格だったとしたら、アスラに会うこともなく、下手をすれば[常春の庭]で、そのまま消滅していたかもしれない。
 そんなことは考助は知らないのだが、わざわざ知らせる必要もないので、アスラもエリスも教えたりはしていない。
「・・・・・・いずれは、そうしないといけないんだろうけど、ね。・・・取りあえずは、この階層で様子を見てからかな?」
「そうね。それがいいかしらね」
 それに、わざわざ飛龍だけにこだわる必要はない。
 他にも召喚獣の候補はいるのだ。
 それに、第九十一層からはドラゴンも出てくるので、不意打ちされれば、確実に倒されてしまうだろう。
 そのために、スキルのレベルアップのために利用することはあっても、第九十一層以上に拠点を置くことは、今のところは全く考えていない。
 この世界でも、ドラゴンはやはり(?)別格の存在なのである。
 ナナ達は今のところ、数を減らすことなく順調に第八十一層で討伐を行っていた。
 だが、それはあくまでもナナという存在がいるからなのであって、他の狼達が強いからではない。
 狼達に関しては、今後に期待と言ったところである。
 飛龍たちの召喚というかミツキの言葉をきっかけに、今後のことを考えるいい機会になったと思う考助なのであった。
考助の性格に関して書きましたが、むやみやたらにチートを求めてくるような性格であれば、そもそもアスラは話をしようとは思わなかったでしょう。
考助だからこそ、話をしようと思ったわけです。
アスラにしてみれば、考助のことはあくまでもイレギュラーのことだったので、特にこの世界で召喚や転生を必要としていたわけではないのです。
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