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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第9章 塔をさらに発展させよう

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5話 妖精石

 塔LVが上がったことで、新たな設置物が追加されていた。
 その中で考助の興味を引いたのが、次の四つの設置物である。

 <地の妖精石>
 <水の妖精石>
 <火の妖精石>
 <風の妖精石>

 詳細は次のように表示された。

 名称:火の妖精石
 設置コスト:50万pt(神力)
 説明:火の妖精が宿る石。塔に設置できるのは、一度につき一つのみ。
    条件を満たせば、火の妖精を召喚できる。
    火の妖精を召喚すると妖精石は消えるが、新たに設置することが可能

 「火」の部分を他の属性に変えれば、そのままそれぞれの詳細になるので、ここでは<火の妖精石>以外の詳細は省略する。
 なぜ普通の召喚ではなく、妖精石と言う形になっているのかが分からないが、それぞれの妖精を召喚することができるアイテムだった。
 残念ながら条件を満たさない限りは、召喚が出来ないようであるが、何となく予想が出来る・・・ような気がするので、早速設置してみることにした。
 第七十三層の<階層結合>に使用する予定だった神力を、<火の妖精石>の設置に回すことにした。
 現状第七十三層は、慌てて広げる必要はないので、これくらいは回り道をしてもいいだろう。
 設置する場所は、例によって地脈の交わる所と決めている。
 ユリの時の例からも、妖精と地脈は密接な関係があると思われるためだ。
 そんなわけで、考助はさっそくコレットを伴って、第四十六層へ向かった。
 現在では、コレットだけでも大まかな地脈の流れは探れるようになっていた。
 世界樹の巫女としての修業の賜物である。
 第四十六層は、鸞和達がいる層だ。
 理由は単純で、火の属性を持った鳥ってかっこいいよね、と言ったところである。
 そもそも、鸞和達の進化に上手く活用されるかどうかは、やってみないと分からないので、こればっかりは結果待ちになった。

 <百合之神社>の時と同じように、地脈の交点に当りを付けてから管理層へと戻り設置をする・・・つもりが上手くいかなかった。
 念の為いくつか候補を用意していたのだが、その候補地がことごとく<火の妖精石>が、設置できない場所だった。
 結局、何度か第四十六層と管理層を往復する羽目になり、ようやくこれは、と言う所を見つけることが出来た。
 その場所に、<火の妖精石>を設置することにした。
 今回は神社などの建物を設置せずに、<火の妖精石>をそのまま設置している。
 最初は<百合之神社>の時と同じように、建物を設置してから<火の妖精石>を設置しようとしたのだが、出来なかった。
 しょうがないので、一度設置した<神社(小)>を撤去して、<火の妖精石>を改めて設置したのである。
 念の為、<火の妖精石>の周囲を結界で覆っておいた。
 それらの作業を終えて、考助は改めて第四十六層の<火の妖精石>へと向かった。

「これが、<火の妖精石>?」
「うん。・・・そうみたいだ」
 考助たちの目の前に、直径一メートルほどの球形の石があった。
 見た目は、普通の石だなぁ、と考えていた考助だったが、その思考をコレットの言葉が遮った。
「これは・・・・・・すごいわね」
「え・・・!? そうなの?」
「とんでもない位の精霊の力が宿っているわよ、これ」
 コレットが石を見ながらそう言ったので、考助も改めて<火の妖精石>を見直した。
 考助にとって、精霊たちを「見る」ことはさほど難しいことではない。
 左目の力があるからだ。
 とは言え、世界樹の時の様に、精霊たちが自分から姿を現しているときはともかく、自主的に姿を隠している精霊たちを最初から「見る」ことは出来ない。
 あくまでも考助が、意識して力を使わないと駄目なのだ。
 だが精霊がいるかどうかを見分けるためには、常時左目の力が発動しっぱなし、という状態にしなければならないので、考助としてはそれは避けたいのだ。
 そんなことをすれば、初めて左目の力を使った時のようになってしまう可能性があるからだ。
 きっちりとオンとオフを使い分けているからこそ、通常の生活を送れている。
 話がそれてしまったが、考助はコレットの言葉で、改めて左目の力をオンにして<火の妖精石>を見た。
 そうしてようやくコレットの言葉の意味が分かった。
 石の周りに精霊たちが飛び交っているわけではない。
 ただ、目の前の石の中には、間違いなく精霊の力が宿っていた。
 エリスやユリ達程の力ではないが、そう思える考助の感覚の方が、世間一般とはずれている。
 普通に考えれば、かなり大きな力なのだ。
「へー。なるほどね。確かに大きな力が宿ってる・・・かな?」
 首を傾げた考助に、コレットが若干非難するような視線を向けた。
「かな、じゃないわよ。普通に考えれば、かなり大きな力だからね、これ。コウスケの感覚がずれているのよ」
「うわ。ひどい」
「単なる事実よ」
 コレットはそう言って、考助の腕に自身の腕を絡めて来た。
 いつものようにコウヒが傍にいるが、コウヒかミツキが常に考助の傍にいるのは当たり前なので、コレットは全く気にした様子はない。
 目の前に見せつけられているコウヒも、コレットのこうした行動は当たり前になっているので、止めることはしなかった。
 むしろ、空いている反対側の腕に自身の腕を絡めて来た。
 これには、考助もびっくりした。
 コウヒがこうした行動を(夜以外に)取るのは、非常に珍しいのである。
「・・・・・・コウヒ!?」
「ダメ・・・ですか?」
「いやいや。まさか。そんなことは無いよ」
「では、しばらくの間お許しください」
 そんな二人のやり取りを、コレットはニヤニヤしながら見守っていた。
 もちろん、自分が絡めている腕は、つないだままである。
「まあ、たまにはコウヒとそういうことしてもいいんじゃない?」
「いや、そうなんだけどね? 突然だったから、驚いただけだよ」
「ふーん・・・?」
「何? その視線は・・・?」
「なんか、私の時より嬉しそうに見えたから」
「いや、そんなことないよ。・・・ない・・・よね?」
 考助のその答えに、コレットはムッとした。
「なぜそこで疑問形になるのよ」
「いやだって・・・コレットはいつもの事じゃないか。けど、コウヒが自主的にこんなことをするのは、多分初めてか、しばらくぶりのことだし・・・?」
「むー・・・私もしばらく控えようかな?」
 基本的に、考助にくっつくことを好むコレットがそんなことを言いだした。
「・・・・・・何のために?」
「もちろん、久しぶりに抱き付いてドキドキさせるために?」
「・・・・・・出来るの?」
「無理!」
 悲しいほどきっぱりと否定するコレットであった。

 そんなことをしていた考助たちの周りには、この階層の召喚獣である鸞和達がいた。
 何羽かの鸞和達は、何か珍しい物を見るように<火の妖精石>を眺めている。
 時折<火の妖精石>をそのくちばしで、つつこうとするような者達がいたが、なぜか全て直前で止めていた。
 コレット曰く、<火の妖精石>の力を感じているのではないかということだった。
 文字通り、下手につつくのは、駄目だと理解していたのかもしれない。
 しばらくの間、考助達は<火の妖精石>と鸞和達の様子を見ていたが、特に変化が起こらなかった(妖精石と鸞和たちのどちらも)ので、管理層へと戻った。
 <火の妖精石>を気にしている鸞和達を見て、間を空けてから再度来た方がいいと結論付けた。
 <火の妖精石>では今のところ召喚せずに、第四十六層で放置して、鸞和達に変化が起こるのか、あるいは起こらないのかを見守っていくことになったのである。
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