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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第8章 塔で神力の訓練をしよう

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9話 九尾狐

 固有名:ワンリ
 種族名:九尾狐(狐型)
 固有スキル:狐火LV8 噛みつきLV8 回避LV8 察知LV9 言語理解(眷属)LV9 神力操作LV8 妖精言語 陽炎LV8 月光LV6 星闇LV6
 天恵スキル:変化LV8 念話LV7 妖精召喚LV5
 称号:考助の眷属 太陽神の祝福 月神の祝福 精霊神の加護(星神の祝福と統合)

 ワンリに狐型に戻って(?)もらって、ステータスを確認した。
 人型の時では使えないスキルが有効になっていた。
 さらに、人型でも狐型でも全体的にスキルLVが上がっている。
 LV的には、完全に上級モンスターレベルと同等だ。
 さすがにナナほどではないだろうが、恐らく一対一で戦うことも可能だろう。
 人型になったワンリに聞いてみたところ、人型も狐型も戦闘の強さ自体はさほど変わらないとのことだった。
 そのために、最近では人型でいるときの方が多いそうだ。
 勿論、他の狐達と[会話]をするときは、狐型の方が便利だとのことだった。
 理屈は本人もよくわからないそうだが、狐型の方がコミュニケーションが取りやすいということだった。
 ちなみに、最初の挨拶はセシルとアリサに教わったそうで、今では口調は普通になっている。
 最初は御主人様(!)呼ばわりだったのだが、流石に考助が止めたので、今では「コウスケお兄ちゃん」と呼んでいる。
 というか、それ以外は御主人様から始まり、誰から教わったんだという呼び名ばかりだったので、妥協した結果「コウスケお兄ちゃん」になったのだ。
 そう呼ばせることに決まった時には、周囲の視線が若干冷たく感じた考助だったが、ワンリの笑顔に押し切られてしまった。

 ワンリの称号で<精霊神の加護>とあったのが気になったので、ワンリに直接聞いてみることにする。
「ワンリ、<精霊神の加護>ってわかる?」
「うーん? 何、それ?」
 ワンリは首を傾げた。
 やっぱり普通に聞いても分からないかと、別の方向から聞いてみることにした。
「じゃあ、神様と話をしたことは?」
「それならある!」
 今度は即答された。
「その神様の名前は聞いたことある?」
「うん! スピカ様!」
 なんとなく予想していた通りの答えが返ってきた。
 ステータスで見る限り、<星神の祝福>が<精霊神の加護>に統合されているので、つながりのある神だろうと思っていたのだが、精霊神=星神=スピカ神と言う事なのだろう。
 まあ、まだ断定はできないが、後でジャルかエリスあたりに聞けば答えてくれるだろう。
 その他にも聞くことが出来たので、後で確認してみることにした。
「スピカ様とは、いつでも話は出来る?」
「ううん。あの御社にいるときしか、話が出来ないみたい・・・」
 そう言ってシュンとしてしまったワンリを見た考助は、許可が取れれば交神用の神具を創ってあげようと決心するのであった。
 結局、考助も他のメンバーと同様に、ワンリには甘々なのだ。
「そうか・・・。それで? 今までこっちに来なかったのは、なぜ? ・・・ああ、ごめん。別に、怒っているわけじゃないから」
「・・・・・・ホントに?」
「ホント、ホント。ただ、不思議に思っただけだよ」
「スピカ様に止められてたから・・・。それに、セシルとアリサの二人にも、そっちの方がいいって言われて・・・」
 なるほど、と内心で納得した考助だった。
 それにしても、まさかセシルとアリサまで、この件に噛んでいるとは思わなかった。
 スピカ神に止められているという大義名分があったので、面白半分、ということもあったのだろう。
 逆にスピカ神がなぜ止めていたのか、と言うのは気になるところなので、出来ればこれも後ほど確認してみることにした。
「そう。・・・前にも言ったと思うけど、いつでも自由にここには来ていいんだからね?」
「うん。わかってる! それに、もう考助お兄ちゃんにも会えたから、今度からは好きにしていいと思う」
「そうなんだ?」
「うん!」
 嬉しそうに頷くワンリを見て、考助も思わずワンリの頭を撫でてしまった。
 以前(幼女&狐姿)の時の癖が抜けていないのだが、止めようとしたところワンリに寂しそうな顔をされてしまったので、考助は無理に治す気を無くしてしまった。

 ♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

『それで私に連絡を取ったのですか?』
『うん。だって、僕はスピカ神とは交神したことがないから。ちゃんと許可貰った方がいいよね?』
『それはまあ、そうなんですが・・・』
 なぜか煮え切らないような口調のエリスに、考助は首を傾げた。
 こんな態度の彼女は珍しい。
『? 何か問題でもある?』
『いいえ。特にはありません。・・・・・・全く・・・ジャルに続いて、スピカまでですか・・・』
 後の方は小声になっていて、考助には聞き取ることはできなかった。
『ん? なんか、言った?』
『何でもありません』
『そう? それで、なんで成長したのを知らせないようにしていたのかも聞いてほしいんだけど・・・』
『分かりました。と言っても、恐らく大した理由はないでしょう』
『あ、やっぱり?』
『ええ。まあ、大方そっちの方が面白そうだから、という理由だと思います』
 身もふたもない言い方に、考助はアハハと乾いた笑いを返した。
『それから、星神と精霊神ってやっぱり同じ神なの?』
『そうです。と言うよりそもそも星神と精霊神を分けているのは、あくまでもそちらの区分ですから。精霊神は元々、精(霊)神で同じ物なんですよ』
『へー。星と精霊じゃだいぶ違う感じがするけどね』
『そうですか? では、あなたのところにいる・・・ナナ、でしたか。彼女は大神ですが、狼と大神、同じだと思いませんか?』
『え? あれ? そう・・・なのかな?』
 なんとなく騙されている気分になる考助である。
『そんなに深く考えないほうがいいですよ? 同じ音だから同じ扱いになるということはよくあることです。勿論すべてがそうなるのではなく、彼女の様に特殊な条件を満たさないといけませんが』
『へえ』
『もちろん星神も精霊神も神ですから、そこまで単純な話ではありませんが・・・似たようなものと考えても間違いではないでしょう』
『なるほどね』
『その辺のことを詳しく知りたければ、私よりもシルヴィアに聞いた方がいいですよ?』
『え!? そうなの?』
『そうですよ。私達は役割分担を分けて活動はしていますが、其方の呼び方などは、あくまでも其方の人や亜人たちが付けている物ですから』
 長い歴史の中で、別と考えられていた神が実は同一だったなどは、よくあることなのである。
『ふーん。まあ、興味が出たら後で聞いてみる』
 取りあえず今回は、星神=精霊神と分かっただけでも十分だ。
『・・・聞く気ありませんね? まあ、別にいいですが』
 やはり鋭いエリスに、考助は再びアハハと笑って誤魔化した。
 エリスにしても、現世での呼ばれ方は、実はあまり興味が無かったりするのだ。
 真名であるエリサミールの名前さえ伝わっていれば、後はどうでもいいと思ってたりする。
 そもそも神の名(エリスで言えば、太陽神あるいは太陽の女神)は、その時々によって変わったりするので、ある意味当然の感覚なのかもしれない。
 最もその辺を真面目に研究している神職達からすれば、卒倒するかもしれないので、そんなことをわざわざ広める気はない。
『そろそろ時間ですが・・・ほかに聞きたいことはありますか?』
『いや、特にはないかな』
『分かりました。それではこの辺で失礼します』
『ああ。また』
 相変わらず、唐突に交神が終わる。
 シルヴィアの時の様に、一言だけで終わったりするわけでは無いので、まだましな方なのだろう。
 考助にしても、エリスが忙しそうにしているのは、よくわかっている。
 むしろ今回は、聞きたいことがきちんと聞けたので、十分な結果だ。
 そして、数時間後には、きちんとシルヴィア宛に、神具を創っていいと連絡があったのだから、考助にしてみれば感謝しか浮かばないのであった。
2014/5/15 余計な文言を削除
2014/6/21 誤字修正
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