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塔の管理をしてみよう 作者:早秋

第8章 塔で神力の訓練をしよう

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5話 神力強化

祝! 100話!!
 ピーチとシュレインが、神力を繋げる訓練をしていた時の事。
 神力の動きを感じていたピーチが、ふと気付いたことがあった。
「・・・あの~? シュレインさん、神力って見えてます?」
「いきなり、何を。見せるように形作っているならともかく、普通の使い方をしているときには、見えるはずが無かろう?」
 神力を感じ取ることは出来ても、目で見ることはできないのだ。
 それは、魔力や聖力であっても同じである。
 魔力や聖力が違う物と思われているのも、目で見ているわけではなく、感覚としての物である。
「・・・そうなんですか~・・・」
 考え込むピーチを見て、シュレインはふと思い当たることがあった。
「もしかしなくてもお主、神力が見えているのか?」
「はい~。といっても自分の神力だけのようです。シュレインさんのは、見えてませんから」
 普通は見ることが出来ないはずの神力を見ることが出来る。
 例えそれが自分の物だけであっても、十分特異性がある。
 シュレインとピーチは、慌てて訓練を中断して、皆のところへ向かうことにしたのだ。

「おかしいわね」
「そうですわね。おかしいですわ」
「やっぱりおかしかったか」
「・・・皆さん、ひどいです~」
 三人が一様に頷くのを見て、ピーチが抗議の声をあげた。
 残念ながらその意見はスルーされることになるのだが、それよりもコレットには気になることがあった。
「・・・コウスケ? さっきから何故、視線をそらしているのかしら?」
 とてもいい笑顔で、考助の方を見た。
「ああ、いや、うん。やっぱり神力が見えるのって、変なことなんだと思って、ね」
 何故かピーチを除く三人が、視線を合わせる。
「予想通りね」
「流石、コウスケさんですわ」
「まあ、コウスケ殿だからのう」
「・・・同類に見られて、何となく複雑です~」
 さすがの(?)考助もそれらの意見には、抗議した。
「おいこら、待て。その意見は、何かおかしくないか?」

「「「「何か反論でも?」」」」

「・・・ありません、済みません」
 一斉に視線を向けられた考助は、一瞬にして撃沈することとなった。
「と、とにかく、神力が見えることが、普通じゃないということは分かったよ」
 反論を諦めた考助が、元の話題へと慌てて戻す。
「・・・普通じゃないんですか~」
 ピーチが、ガクリと肩を落としている。
「そこまで落ち込むことは無いわよ。そもそも神力を扱う事自体が珍しいんだし」
「そうだの。魔力や聖力とて、視認できる者が全くいないわけでもない。神力とて同じだろう」
「・・・そうなんですか~?」
 ピーチの疑問に、シルヴィアが頷いた。
「高位の神官や巫女にも聖力が見える者は、それなりにいますわ。神力を見ることが出来ても、不思議ではありませんわ」
「それよりも確認したいのだが、見えるようになったのは、神力が使えるようになってからかの?」
「そうです~」
「・・・だとすると、先天的か後天的かどちらで身に付くものか微妙な所だの」
 シュレインが言いたいのは、訓練で身に付けることが出来るかどうか、と言うことである。
 そもそも神力が扱えないと見ることが出来なかったのは、納得が出来る。
 神力が使えるようになった後に、訓練で視認することが出来るようになるのか、それとももって生まれた力なのか、それが問題なのだ。
 シュレインの言葉に、考助を除いた皆が首を傾げていた。
「あの~。そこってそんなに考えないといけないほど、重要なこと?」
 考助の言葉に、皆が顔を見合わせた。
「・・・そうね。大した重要ではないわね」
「そもそも神力をまともに使える人が少ないのだから、あまり意味がない考察ですわ」
 コレットとシルヴィアの言葉に、シュレインも同意した。

「それもそうだの。そろそろ本題に入ろうかの」
「「「本題?」」」
 首を傾げたのは、考助、コレット、シルヴィアだった。
「ピーチが、あの時吾に言いたかったのは、神力が見えることだけではあるまい?」
 思えば、ピーチに質問してくる前に、不思議な動きをしていた。
 自分の手をじっと見ていたのだ。
「そうなんです~。神力を繋げる訓練を始めてから気付いたんですが、手とか身体とかに神力を纏っているようなんです」
 シュレイン、コレット、シルヴィアの視線が、考助の方を向いた。
 見られた考助は、首を左右に振った。
「ないない。それは、僕もやったことがないよ。・・・でも」
 改め考助は、ピーチの神力を確認した。
「言われてみれば、確かに纏ってるように見えるな」
 まるでドラ〇ンボールのように、神力がピーチの全身を覆って見えている。
 だが、その言葉を意味することに気付いた考助以外の全員が、ため息を吐いた。
「やっぱり、他人の神力も見えているのね?」
 代表して言ったコレットの言葉に、また失言したことに気付く考助だった。
「や、あ・・・ほら、今はピーチの話だよね?」
 また自分に矛先が向きそうになったので、慌てて話題の転換を図る考助。
「・・・まあ、いいけど。それって、恐らく強化じゃないかしら?」
「うむ。吾もそう思った」
「・・・強化ですか~?」
 魔法にはあまり詳しくないピーチが、首を傾げた。
「その状態だと、身体能力が上がったりはしていないのか?」
「特にそんな変化はありませんね~?」
 ピーチの言葉に、今度は、魔法や聖法に詳しい三人が首を傾げた。
「おかしいですわね。魔力や聖力だと、肉体強化に繋がったりするんですが・・・?」
「あー。もしかしなくても、神力は魂に依存する力と言うことに関係するかも?」
 魔力や聖力は、体に依存する力だからこそ、身に纏えば身体能力の向上につながるが、魂に依存する力である神力では、直接肉体に影響を与えることは無いと言うことだ。
「ということは、魂の強化をしているってこと? ・・・魂の強化って何?」
 コレットの疑問には、考助も首を傾げるしか出来なかった。

「魂の強化か・・・フム・・・」
 シュレインがそう呟いた後、唐突に魔法をピーチに向かって放った。
 突然の事だった上に、至近距離からの攻撃で誰も動くことが出来なかった。ちなみに、コウヒとミツキは、分かっていてあえて動いていない。
 コウヒとミツキを除くメンバーの中では防御聖法が一番上手く使えるシルヴィアも、動くことが出来ずにただ黙って見ている事しかできない。
 あっという間に自身の目の前に火の塊が来て、本来の高い身体能力でも腕で顔をかばうのがやっとだった。
 シュレインが出した炎が、ちょうどその腕の位置に向かっていく。
 だが、その腕に炎が当たる直前に、炎はポスッと小さな音を立てて消えたのだ。
「・・・やはりな」
 シュレインは、その結果に満足そうに頷いている。
「ど、どういう事?」
 不思議そうに言ったのは考助だった。
 他の三人は、その結果に唖然とした表情になっている。
「そこまで驚くことは無かろ? 魔力の身体強化とて、魔法を防ぐのだから、神力が防いだところで何ら不思議ではなかろう?」
「・・・あっ!?」
 さすがに真っ先に気付いたのは、シルヴィアだった。
「魂を傷つける物を防いだ結果、肉体も守ることになった?」
「おそらく、だがの。まあ細かいことはもう少しきちんと調べないと分からんだろうがな」
「ふわ~。驚きましたぁ」
「すまんの。事前に告げると、余計な情報を入れて結果が変わる可能性があったからの」
「そういう事ですか~」
 攻撃を向けられたピーチも、納得したように頷いている。
 後から冷静に考えれば、あの程度の炎だと大した攻撃ではなかった。
 例えけがを負ったとしても、シルヴィアがいれば簡単に治すことが出来るのだ。
 もっともシルヴィアに言わせれば、そんなことで自分の力を頼りにしないでください、と言いそうだが。
「神力を身に纏えば、魔法の攻撃を防ぐことが出来る、か。物理攻撃はどうなんだろうな?」
「さてな。その辺は要検証、と言ったところだろう」
「精霊魔法もあるわね」
 次々に言われる物騒な言葉に、ピーチは思わず顔を引きつらせることになった。
 それを試されるのが誰になるのか、今更ながらに気付いてしまったのだ。
 ピーチに近寄って怪我がないか確認していたシルヴィアが「ご愁傷様ですわ」と言ったのが、やけに耳に残ったピーチであった。
ピーチさん、ご愁傷様です。
この後、様々な実験の実験台となりました。

総話数100話達成に関しては、活動報告にて。

2014/5/11 魔法を放つ相手を間違えていたので修正
2014/6/21 誤字修正
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